詐欺の行為により商標登録、防護標章登録、商標権若しくは防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録、登録異議の申立てについての決定又は審決を受けた者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
要点商標法 79 条は、詐欺の行為により商標登録や存続期間の更新登録、登録異議の決定・審決を受けた者を、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する罰条である。
Q · 偽の使用証拠で商標を取ったり守ったりすると、どうなるの?
権利を失うだけでなく前科が付く可能性があります
商標法 79 条により、詐欺の行為で商標登録・更新登録・登録異議の決定や審決を受けた者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処されます。無効審判や取消審判で権利が消えるのは民事の帰結であり、それとは別に刑事責任が独立して残ります。捏造した使用証拠を特許庁に提出して有利な審決を得る行為が典型です。法人の業務として行えば両罰規定(82 条)で法人にも罰金が科されうるため、権利を諦めれば刑事も消える、という関係ではありません。
あなたが何年もかけて育てたブランドが、誰かに先に商標登録され、しかもその相手は「実際に使っている証拠」として偽造した広告チラシやでっち上げの納品書を特許庁に提出していた。あるいは逆に、自分が登録を守ろうとして、不使用取消審判の場で実際には売っていない商品の使用証拠を作文してしまった。商標法 79 条が照準を合わせるのは、まさにこの「特許庁を騙して登録という権利を手に入れる行為」だ。一般の詐欺罪(刑法 246 条)は人を騙して財産を奪う罪だが、特許庁は財産を取られるわけではない。だからこの隙間を埋めるために、登録・更新・登録異議の決定や審決を詐欺の手段で受けた者を、三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金で処す独自の罰条が置かれている。知っておくべきは、ここで失うのは商標権だけではない、ということだ。無効審判で権利が消えるのは民事の話、79 条はその先に前科という刑事の世界が待っていることを意味する。
商標法 79 条は、詐欺の行為により商標登録、防護標章登録、商標権若しくは防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録、又は登録異議の申立てについての決定若しくは審決を受けた者を処罰する罰条である。財産の移転を要件とする刑法上の詐欺罪とは異なり、特許庁の登録手続を欺いて権利を取得する行為そのものを独立に処罰の対象とする。
詐欺の行為で商標登録・更新登録・登録異議の決定や審決を受けた者を、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する罰条です。登録制度の真実性を守る刑事規定です。
刑法 246 条の詐欺罪は財産の移転を要件としますが、特許庁は財産を交付しません。そのため一般詐欺罪は成立しにくく、商標法 79 条が独自の罰条を用意しています。
実際に使っていない商品の使用証拠を作出して有利な審決を受ければ、商標法 79 条の詐欺の行為に該当し、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金の対象になります。
詐欺の行為で登録や審決を受けた疑いがあれば、無効審判とは別に 79 条の刑事告発を検討できます。代表者個人に前科が付く可能性があるため交渉上の圧力にもなります。
長期 3 年の拘禁刑にあたる罪のため、公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は詐欺の手段で登録・更新・決定・審決を受けた時点です。
「詐欺の行為により登録を受けた者」には出願人本人が含まれ得ます。捏造を知りながら提出させた、または容易に気付けたのに放置した場合は本人も処罰対象になりえます。
両罰規定(商標法 82 条)により、法人の業務として 79 条違反が行われた場合、行為者個人だけでなく法人にも罰金が科されえます。
先取り登録自体は直ちに犯罪ではありませんが、登録維持のために使用実績を偽装すると 79 条の詐欺の行為に該当し、民事の争いから刑事事件へ性質が変わります。
実際に使っていない商品の使用証拠を作出して有利な審決を受ければ、商標法 79 条の詐欺の行為に該当し、三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金の対象になります。商標が取り消されるだけでは終わりません。業界裏話ヒント:実務では、捏造の故意があったか、それとも使用範囲の解釈の誤りだったかの線引きが極めて重要です。「使っているつもりだった」レベルの主観なら詐欺の故意は立ちにくい。だからこそ提出前に証拠の客観性を弁理士と詰めておくかどうかが、後の刑事リスクを左右します
無効審判で権利を消すのは民事的な解決ですが、それとは別に 79 条の刑事責任を問える可能性があります。権利が消えても刑事は独立して残るため、相手にとっては前科リスクという別の圧力になります。業界裏話ヒント:弁護士・弁理士は、刑事告発を「本気で起訴まで持っていく」よりも「交渉カードとして示す」目的で使う場面が多い。代表者個人に前科が付く可能性を相手が現実に意識した瞬間、強硬だった姿勢が和解に振れることが少なくありません
「詐欺の行為により登録を受けた者」には出願人本人が含まれ得ます。捏造を知りながら提出させた、または容易に気付けたのに放置した場合、依頼した側も処罰対象になりえます。逆に、本当に知らず故意がなければ詐欺の罪は成立しにくい。業界裏話ヒント:争点は常に「故意の有無」です。代理人とのやり取りの記録、誰がどの証拠を用意したかの経緯が決定的な証拠になる。丸投げの口頭指示だけで進めると、後で「知らなかった」を立証できず不利になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護法益 | 79 条:登録制度・特許庁の手続の真実性 | — |
| 処罰される行為 | 詐欺の行為で登録・更新・決定・審決を受ける | — |
| 法定刑 | 三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金 | — |
| 両罰規定(82 条) | 適用あり(法人にも罰金) | — |
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