障害者の雇用の促進等に関する法律 第10条(求人の条件等)
クイックジャンプ
- 公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的又は精神的な条件その他の求人の条件について指導するものとする。
- 2.公共職業安定所は、障害者について職業紹介を行う場合において、求人者から求めがあるときは、その有する当該障害者の職業能力に関する資料を提供するものとする。
この条文の基本情報
求人の条件等とは何ですか?
定義求人の条件等とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第10条に定められた規定で、「公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的又は精神的な条件その他の求人の条件について指導するものとす…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条(求人の条件等)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条の条文原文は「公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的又は精神的な条件その他の求人の条件について指導するものとす…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条は第二節 職業紹介等に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第9条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第11条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法10条は、障害者に能力に適合する職業を紹介するため必要なとき、ハローワークが求人者に求人条件を指導し、求めに応じ職業能力資料を提供すると定める。
Q · ハローワークに障害者求人の条件を見直すよう指導されたら、企業は従う義務がある?
義務はないが、見直すと応募が広がることが多い
障害者雇用促進法10条1項に基づく求人条件の指導は行政指導であり、企業に従う法的義務はありません。行政手続法32条により、従わないことを理由に不利益な取扱いをすることも禁じられています。ただし業務に不要な条件を外せば応募の母集団が広がり、法定雇用率の達成にもつながります。採否に迷う場合は、同条2項によりハローワークに職業能力に関する資料を求めることもできます。
解説
求人票は企業が一方的に書くもの、という常識は半分しか正しくない。障害者に能力に合った仕事を紹介するために必要なとき、公共職業安定所(ハローワーク)は求人を出した企業に対し、身体的・精神的な条件を含む求人の条件について「指導」する。法律がそう定めている(1項)。「要普通免許」「電話応対必須」「体力に自信のある方」。そうした一行が本当に業務に必要かどうかを、窓口が企業に問い直せるということだ。さらに企業の側から求めがあれば、ハローワークは手元にある紹介予定の障害者の職業能力に関する資料を提供する(2項)。押さえるべき点は二つある。第一に、この指導は行政指導(役所からの強制力のない働きかけ)であり、企業に従う義務はない。第二に、それでも動く理由が企業にはある。法定雇用率は2026年7月から2.7%(最新の改正状況をご確認ください)で、未達の企業は人材を必要としている。求職者は「条件が合わないから諦める」前に、窓口に調整を頼める。企業は「この人で大丈夫か」と迷ったとき、能力の裏付けを求められる。窓口の一言は、求人票の固定された一行を動かせる
法的な位置づけ
障害者雇用促進法10条は、公共職業安定所が障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときに、求人者に対して身体的・精神的な条件その他の求人条件について指導し、求人者の求めに応じて当該障害者の職業能力に関する資料を提供する旨を定める規定である。強制力を伴わない行政指導と情報提供によって職業紹介の適合性を高める仕組みである。
手順
- 1.専門援助部門で求職登録し、できる業務を整理する ハローワークの専門援助部門で求職登録を行い、障害者手帳や主治医の意見をもとに、できる業務・難しい業務・必要な配慮を担当者と整理する
- 2.希望条件を一枚にまとめて担当者に渡す 週の勤務時間、通院日、避けたい業務、通勤可能範囲などを一枚のメモにまとめ、担当者と求人を探す際の共通の判断基準にする
- 3.合わない求人条件の調整を窓口に依頼する 気になる求人の条件が合わない場合、紹介状を出してもらう前に、担当者から企業へ条件の見直しを相談してもらう(10条1項)。企業の判断が固まる前に頼むことが重要
- 4.企業に提供されうる能力資料の内容を確認する 企業から求めがあれば職業能力に関する資料が提供される(10条2項)。紹介前に、どの情報がどのような形で企業に届くかを担当者とすり合わせる。必要に応じて地域障害者職業センターで職業評価を受ける
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法10条とは?
ハローワークが障害者に合った仕事を紹介するため、企業の求人条件を指導し、企業の求めに応じて障害者の職業能力に関する資料を提供すると定めた規定です。
Q2ハローワークの専門援助部門とは?
障害のある求職者を専門に担当するハローワークの窓口です。求職登録、職業相談、求人企業との条件調整、紹介までを一体的に行います。
Q3障害者求人の条件は交渉できる?
求職者が企業と直接交渉する前に、ハローワークの担当者を通じて勤務時間や業務内容の調整を企業に相談してもらうことができます。紹介状を出す前に頼むのが効果的です。
Q4職業能力に関する資料とは何が含まれる?
ハローワークが持っている、その障害者の職業能力に関する情報です。地域障害者職業センターの職業評価などがあれば、客観的な裏付けとして活用されることがあります。
Q5法定雇用率2026年はいくつ?
民間企業の法定雇用率は2026年7月から2.7% です。常用労働者37.5人以上の企業に障害者を1人以上雇う義務があります(最新の改正状況をご確認ください)。
Q6障害者雇用納付金はいくら?
常用労働者100人超の企業が法定雇用率を下回った場合、不足1人あたり月額5万円の納付金がかかります(最新の改正状況をご確認ください)。
Q7求人票の「普通免許必須」は障害者差別になる?
業務上必要な条件であれば直ちに違法ではありません。ただし業務に不要な条件で障害者を排除する場合は、募集採用時の差別禁止(34条)との関係が問題になり得ます。
Q8障害者求人と一般求人の違いは?
障害者求人は障害のある人を対象に、配慮を前提として出される求人です。障害を開示して応募し、ハローワークの専門窓口による条件調整や支援を受けやすい点が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ハローワークに言われたら、求人の条件って変えなきゃダメなんですか?
義務はありません。10条1項の指導は行政指導で、行政手続法32条により、従わなかったことを理由に不利益な扱いをしてはならないとされています。実務のポイント:同じ窓口は、雇用率未達の企業に雇入れ計画の作成命令(46条)を出す流れの入口でもあります。指導を受けて条件を見直した記録は、その後の窓口とのやり取りで「採用努力をしている会社」と見てもらう材料になります
Q2ハローワークは私の障害のことを会社にどこまで話すんですか?
10条2項で提供されるのは、企業から求めがあったときに、ハローワークが持っているあなたの「職業能力に関する資料」です。実務のポイント:紹介を受ける前に、何を企業に伝えるかを担当者とすり合わせることができます。地域障害者職業センターの職業評価を受けておくと、客観的な能力資料が揃い、面接で口頭説明するより企業が安心しやすくなります
Q3短時間しか働けないと、障害者雇用でも会社に断られますよね?
一概には言えません。2024年4月から、週10時間以上20時間未満で働く精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者も雇用率上0.5人と数えられるようになりました(43条関係)。実務のポイント:精神障害者が週20時間以上30時間未満で働く場合を1人と数える特例もあります(最新の改正状況をご確認ください)。企業がこの数え方を知らないことは多く、窓口から伝えてもらうだけで話が進むことがあります
間違えやすい点 AI による整理
- ハローワークは求人を受け付けて掲示するだけの場所だと思われがちだが、障害者の職業紹介では違う。能力に合った紹介のために必要なら、窓口は企業の求人条件そのものに踏み込んで指導する役割を法律上負っている(10条1項)。窓口は掲示板ではなく、条件の調整役でもある
- 「障害のことを企業にどこまで知られるのか」と悩む人は多いが、問いの立て方が少しずれている。障害者求人や専門援助部門を通じた紹介は、そもそも障害を前提にした枠組みだ。考えるべきは「知られるかどうか」ではなく、「どの能力情報が、どんな形で企業に届くか」。2項の資料提供は企業から求めがあったときに行われるものなので、紹介を受ける前に担当者と内容をすり合わせておく方が実際的である
- 企業から見れば、ハローワークの指導は「余計な口出し」に映るかもしれない。法律から見ると、雇用率を達成していない企業に紹介できる人材を届けるための調整である。指導を断っても罰則はない。だが常用労働者100人超の企業で雇用率未達が続けば、不足1人あたり月額5万円の障害者雇用納付金がかかり、雇入れ計画の作成命令(46条)や企業名の公表(47条)へ進む道もある(最新の改正状況をご確認ください)。「口出しを断った」ことが、後で高くつく可能性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 10条:紹介段階での求人条件の指導と職業能力資料の提供 | 9条:障害者向け求人の開拓 36条の2:募集・採用時の合理的配慮 |
| 義務の主体 | 公共職業安定所(ハローワーク) | 公共職業安定所(ハローワーク) 事業主 |
| 事業主への効果 | 行政指導・情報提供のみで強制力なし | 求人開拓の働きかけで強制力なし 事業主の法的義務(過重な負担となる場合を除く) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公立就業服務機構による職業重建・就業媒合を制度化し、定額進用制度(雇用率)と組み合わせている点で日本と構造が近い
韓国も雇用率制度と公的機関による職業指導・紹介を一体で運用しており、日本の制度設計と類似する
ドイツでは連邦雇用庁が重度障害者の職業紹介や事業主への助言を担い、雇用義務と調整賦課金(Ausgleichsabgabe)を組み合わせる
米国は雇用率制度を持たず、差別禁止と合理的配慮義務を中心とする。公的機関による求人条件の指導という発想は日本ほど前面に出ない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- うつ病で通院しながら再就職を目指す32歳。障害者求人に絞って検索しても「フルタイム・残業月20時間程度」ばかりが並ぶ。ハローワークの専門援助部門(障害者専門の窓口)で、週20時間台から始められないか企業に相談してもらう道がある。2024年4月からは週10時間以上20時間未満で働く精神障害者も雇用率上0.5人と数えられるため、企業側が短時間勤務を検討する理由も増えた
- あなたは従業員80人の物流会社の人事担当。ハローワークから「この求人の『フォークリフト免許必須』は、障害者向けの求人として全員に必要な条件ですか」と聞かれた。行政指導なので拒否しても罰則はない。だが倉庫内には免許の要らない検品・ピッキング業務もあるはずで、条件を分けた途端に応募が届き始めることは珍しくない
- 面接後、企業が「この人に本当にこの作業ができるのか」と迷ったら、どうなる? 企業はハローワークに職業能力に関する資料を求めることができる(2項)。あなたの能力を裏付ける材料が、あなたの見えないところで企業の机に届く
- 常用労働者40人の会社。法定雇用率が2.7% に上がり、37.5人以上の企業は障害者を1人以上雇う義務を負うことになった(最新の改正状況をご確認ください)。毎年6月1日時点の雇用状況を報告する基準日まで残り8か月。今の求人条件のまま待つか、窓口で条件の見直しを相談して母集団を広げるか。求人票が公開された後に直すと、その分だけ時間を失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. ハローワークの専門援助部門(障害者の窓口)で求職登録し、障害者手帳や主治医の意見をもとに、できる業務・難しい業務を整理する2. 希望条件(週の勤務時間、通院日、避けたい業務)をメモ一枚にまとめて担当者に渡す3. 気になる求人の条件が合わないときは、企業への条件調整を担当者に依頼する(10条1項) 4. 企業に提供されうる職業能力の資料の内容を事前に確認する5. 採用後に必要な配慮は、合理的配慮(36条の3)として事業主に申し出る
訴えられた側:1. ハローワークの指導は行政指導で、従う法的義務はない。ただし突っぱねる前に、各条件が業務に本当に必要かを棚卸しする2. 不要な条件を外す、短時間勤務や業務の切り出しを検討する3. 採用を迷う候補者については、2項に基づいて職業能力に関する資料を求める4. 雇用率未達の場合、納付金・雇入れ計画作成命令・企業名公表のリスクと、トライアル雇用などの助成制度を併せて試算する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):特定の時効はない(行政指導と資料提供の規定であり、請求権を生む条文ではない)。実務上の期限として、事業主は毎年6月1日時点の障害者雇用状況を7月15日までにハローワークへ報告する(43条7項)。法定雇用率は2026年7月から2.7%(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法通説(行政指導の任意性):行政指導は相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであり、従わないことを理由とする不利益取扱いは許されない。本条の求人条件指導もこの枠内で運用され、採用の自由を直接制限するものではないと解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として制定。公共職業安定所による障害者の職業紹介体制の基盤が整えられた
- 2.昭和62年(1987年) 改正:法律名を「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改め、対象を身体障害者以外にも広げる方向へ転換
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第9条障害者向け求人の開拓、本条の前段階
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第11条障害者への職業指導、紹介と一体の支援
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の2募集採用時の合理的配慮義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第34条募集採用における障害者差別の禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第43条法定雇用率と事業主の雇用義務
- 職業安定法 第22条障害者等への職業指導の一般規定
- 行政手続法 第32条行政指導の任意性と不利益取扱い禁止
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める