障害者の雇用の促進等に関する法律 第38条(雇用に関する国及び地方公共団体の義務)
クイックジャンプ
- 国及び地方公共団体の任命権者は、職員(当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。以下同じ。)に常時勤務する職員であつて、警察官、自衛官その他の政令で定める職員以外のものに限る。第七十九条第一項及び第八十一条第二項を除き、以下同じ。)の採用について、当該機関に勤務する対象障害者である職員の数が、当該機関の職員の総数に、第四十三条第二項に規定する障害者雇用率を下回らない率であつて政令で定めるものを乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)未満である場合には、対象障害者である職員の数がその率を乗じて得た数以上となるようにするため、政令で定めるところにより、対象障害者の採用に関する計画を作成しなければならない。
- 2.前項の職員の総数の算定に当たつては、短時間勤務職員(一週間の勤務時間が、当該機関に勤務する通常の職員の一週間の勤務時間に比し短く、かつ、第四十三条第三項の厚生労働大臣の定める時間数未満である常時勤務する職員をいう。以下同じ。)は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の職員に相当するものとみなす。
- 3.第一項の対象障害者である職員の数の算定に当たつては、対象障害者である短時間勤務職員は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の対象障害者である職員に相当するものとみなす。
- 4.第一項の対象障害者である職員の数の算定に当たつては、重度身体障害者又は重度知的障害者である職員(短時間勤務職員を除く。)は、その一人をもつて、政令で定める数の対象障害者である職員に相当するものとみなす。
- 5.第一項の対象障害者である職員の数の算定に当たつては、第三項の規定にかかわらず、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間勤務職員は、その一人をもつて、前項の政令で定める数に満たない範囲内において厚生労働省令で定める数の対象障害者である職員に相当するものとみなす。
- 6.当該機関に勤務する職員が対象障害者であるかどうかの確認は、厚生労働省令で定める書類により行うものとする。
- 7.厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、国及び地方公共団体の任命権者に対して、前項の規定による確認の適正な実施に関し、勧告をすることができる。
この条文の基本情報
雇用に関する国及び地方公共団体の義務とは何ですか?
定義雇用に関する国及び地方公共団体の義務とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第38条に定められた規定で、「国及び地方公共団体の任命権者は、職員(当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条(雇用に関する国及び地方公共団体の義務)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条の条文原文は「国及び地方公共団体の任命権者は、職員(当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条は第一節 対象障害者の雇用義務等に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第37条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第39条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法38条は、国・地方公共団体の任命権者に、障害のある職員数が法定雇用率に届かない場合の採用計画作成を義務づける。未達成自体への罰則はない。
Q · 役所が障害者の法定雇用率を達成できないと、どうなるの?
採用計画の作成義務が生じ、納付金は課されない
障害者の雇用の促進等に関する法律第38条により、国・地方公共団体の任命権者は、障害のある職員の数が法定雇用率(2026年7月以降は原則3.0%)で算定した数に届かない場合、対象障害者の採用計画を作成しなければなりません。民間企業のような納付金はなく、計画の作成・実施状況の公表と、厚生労働大臣の勧告によって実効性が担保されます。障害者であるかどうかの確認は、省令所定の書類で行う必要があります。
解説
役所は民間企業より高い障害者雇用率を自らに課している。2026年7月から国と地方公共団体の法定雇用率は3.0%で、民間の2.7%より0.3ポイント高い(最新の改正状況をご確認ください)。本条は、役所の任命権者(職員を採用する権限を持つ長、例:大臣、知事、教育長)に対し、障害のある職員の数がこの率に届かなければ「採用計画」の作成を義務づけている。数え方には細かい決まりがある。重度の障害がある常勤職員は1人で2人分、短時間勤務職員は0.5人分として数える。さらに2018年、中央省庁が障害者手帳を持たない職員まで数に入れていた水増しが発覚した。これを受けて、障害者かどうかは厚生労働省令が定める書類で確認するよう改められた。民間企業は雇用率に届かなければ納付金(未達成1人あたり月5万円)を払う。役所にはこの金銭負担がない。代わりに歯止めとなるのが、本条の計画義務と公表、そして市民の監視である。障害のある人が公務員試験を考えるとき、自治体の雇用率と採用計画は、その役所が本気かどうかを示す公開情報になる。
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第38条は、国及び地方公共団体の任命権者に対し、公務部門の障害者雇用率の達成に向けた対象障害者の採用計画の作成を義務づける規定である。算定上、短時間勤務職員や重度障害者である職員は政令・省令所定の数の職員とみなされ、対象障害者の確認は所定書類により行われる。
よくある質問 AI による整理
Q1公務部門の障害者雇用率とは?
国・地方公共団体に適用される法定雇用率で、2026年7月以降は原則3.0%、都道府県等の教育委員会は2.9%です。民間(2.7%)より高く設定されています。
Q2障害者採用計画とは何ですか?
障害のある職員数が法定雇用率に届かない機関の任命権者が、達成に向けて作成する計画です。障害者雇用促進法38条1項が根拠で、様式等は政令で定められます。
Q3障害者雇用率の計算方法は?
職員総数に法定雇用率を掛けて必要数を出し、1人未満の端数は切り捨てます。重度障害者の常勤職員は2人、短時間勤務職員は原則0.5人として数えます。
Q4役所の障害者雇用 水増しとは?
2018年、中央省庁で障害者手帳等の確認をしないまま職員を障害者として計上していた問題です。これを受けて、書類による確認と大臣の勧告が法律に明記されました。
Q5警察官や自衛官は雇用率の計算に入る?
入りません。障害者雇用促進法38条1項は、警察官、自衛官その他政令で定める職員を算定の対象となる職員から除いています。
Q6障害者雇用状況の公表はいつ?
毎年6月1日現在の状況が任命権者から通報され、厚生労働省が例年年末ごろに機関別の集計結果を公表します。公表時期は年によって前後することがあります。
Q7障害者雇用率 未達成 自治体 調べ方は?
厚生労働省が公表する障害者雇用状況の集計結果で、機関ごとの実雇用率と達成・未達成を確認できます。詳しい計画内容は情報公開請求で確認できる場合があります。
Q8障害者手帳がなくても雇用率にカウントされる?
原則として、厚生労働省令で定める書類による確認が必要です(38条6項)。手帳のほか、精神障害者保健福祉手帳や医師の判定書など省令所定の書類が対象となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所が障害者雇用率を守れなかったら、民間みたいにお金を払うんですか?
払わない。障害者雇用納付金の対象は民間の事業主に限られる。役所に課されるのは、本条に基づく採用計画の作成と、厚生労働大臣による勧告(本条7項、同法39条)である。実務のポイント:お金で縛られない分、効き目があるのは議会と報道である。公表された未達成機関の一覧が出た直後の議会質問は、人事当局が最も嫌うタイミングだ
Q2障害者手帳を職場に出したくないんですが、勝手に数に入れられることはありますか?
本人に確認せず、書類もないまま計上することは許されない。本条6項は、障害者かどうかの確認を厚生労働省令で定める書類で行うと定めている。実務のポイント:厚生労働省のプライバシー配慮ガイドラインは、利用目的を明示して本人の同意を得ることを求めている。手帳の提出を断っても、それを理由に不利益に扱うことは許されない
Q3週20時間ちょっとのパートでも、役所の雇用率にカウントされますか?
週20時間以上30時間未満の短時間勤務職員は、原則として0.5人分で数えられる(本条2項・3項、施行規則)。重度身体障害者や重度知的障害者の短時間勤務職員は1人分になる(本条5項)。実務のポイント:近年の改正で、週10時間以上20時間未満の重度障害者や精神障害者も一定の範囲で数えられるようになった。働き方の選択肢は広がっている(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 役所の障害者雇用は民間より基準が緩いと思われがちだが、実際は逆である。法定雇用率は民間より高く設定され、2026年7月以降は国・地方公共団体が3.0%、都道府県等の教育委員会が2.9%となっている(最新の改正状況をご確認ください)
- 雇用率に届いていない役所は違法だから罰せられる、という問いの立て方自体がずれている。本条の義務は「達成すること」ではなく、未達成のときに「採用計画を作ること」である。未達成そのものに罰則はない。だからこそ計画の中身と進み具合を外から確かめなければ、義務は形だけになる
- 人事担当者からすれば、障害のある職員を何人と数えるかは事務的な人数集計にすぎない。しかし法律の目から見れば、手帳などの書類による確認を経ない計上は、2018年に国の行政機関で約3,700人規模の不適切計上が問題となったのと同じ構造の違反になる。手間を省くための推計は通用しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 38条:国・地方公共団体の任命権者(公務部門) | 43条:民間事業主 40条:任命権者(通報義務) |
| 法定雇用率(2026年7月以降) | 国・地方公共団体3.0%、都道府県等の教育委員会2.9% | 民間企業2.7% 率の定めはなく、毎年6月1日現在の状況を通報 |
| 未達成時の効果 | 採用計画の作成義務。納付金なし | 納付金の徴収、雇入れ計画の作成命令・公表の対象 通報内容が厚生労働省による公表の基礎となる |
| 統制手段 | 書類による確認(6項)、厚生労働大臣の勧告(7項)、公表 | 金銭負担と行政指導 毎年の報告による透明化 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務機関に職員34人以上で3%以上の進用を義務づける。未達の場合は公務機関も差額補助費を納付する仕組みで、金銭負担がない日本の公務部門とは対照的である
韓国も国・地方自治体に民間より高い義務雇用率を課している。公務部門への負担金の扱いは改正が続いており、最新状況の確認が必要である
ドイツは公的使用者も民間と同じく5%の雇用義務を負い、未達の場合は調整負担金(Ausgleichsabgabe)の対象となる
米国は割当雇用制度をとらず、連邦機関にアファーマティブ・アクション計画の策定を義務づける。計画で統制する点は日本の公務部門と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 精神障害者保健福祉手帳を持つあなたは、県庁の障害者選考試験を受けるか迷っている。その県が法定雇用率を満たしているかは厚生労働省の公表資料で確認できる。未達成なら、採用計画上も採用を急ぐ立場にある。受験先選びの判断材料が一つ増える
- 市役所の人事課に異動したあなたが、6月1日現在の障害者雇用状況報告を任されたとする。前任者のファイルを見ると、手帳のコピーがない職員が数名「障害者」として計上されている。そのまま出せば、2018年の水増し問題と同じことをすることになる
- 役所が雇用率を達成できないと、何か罰はあるのか? 民間なら納付金だが、役所に金銭のペナルティはない。その代わり、採用計画の作成と、厚生労働大臣による勧告の対象になる
- 教育委員会の担当者に、来年度の雇用率改善計画を3週間で出すよう指示が来た。教員は職員数が多いため1%の差でも数十人分の不足になり、特別支援学校以外の配置先から検討しなければならない
- 週25時間勤務の会計年度任用職員として働く友人が「自分は雇用率に数えられているのか」と気にしている。短時間勤務職員は原則0.5人分として数えられる。本人の手帳情報をどう扱うかについて、役所はプライバシーに配慮する義務を負う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 障害のある求職者や職員の立場なら、厚生労働省が毎年公表する機関別の障害者雇用状況で、志望先や勤務先の雇用率を確認する2. 未達成の機関には採用計画の作成義務があるため、情報公開請求で計画の内容と進み具合を確認できる3. 本人の同意なく障害者として計上されている疑いがあれば、人事当局に確認を求める。解決しなければ労働局に相談する4. 採用後の合理的配慮については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づき申し出る
訴えられた側:1. 任命権者や人事担当の立場なら、計上している障害者職員それぞれについて、手帳などの省令所定の書類で確認できているかを点検する2. 重度障害者は2人分、短時間勤務は0.5人分といったカウント区分を、施行令と施行規則に照らして再計算する3. 未達成なら、政令が定める様式で実現可能な採用計画を作り、職場定着の支援体制も組み込む4. 厚生労働大臣から勧告を受けた場合は、速やかに是正計画を示す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。実務上の期限は、毎年6月1日現在の雇用状況の通報(同法40条)と、採用計画に定めた計画期間の終期である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成30年(2018年)施行 精神障害者(手帳所持者)を雇用義務の算定基礎に加えた。対象障害者の概念の拡大に伴い本条の文言も改正(人的検証要)
- 令和元年(2019年)改正 中央省庁の水増し問題を受け、障害者であることの確認を書類で行う旨(6項)と、厚生労働大臣の勧告権(7項)を追加(人的検証要)
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として制定。国・地方公共団体における身体障害者の採用に関する計画の制度が設けられた(条番号の変遷は人的検証要)
- 2.昭和62年(1987年) 改正:法律名が「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改められ、対象が身体障害者以外にも広がる方向へ転換した
- 3.平成25年(2013年) 改正:精神障害者を雇用義務の算定基礎に加える改正(2018年施行)。本条の対象障害者の範囲もこれに連動した(人的検証要)
- 4.令和元年(2019年) 改正:中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、障害者であることの書類による確認(6項)と厚生労働大臣の勧告(7項)を規定(人的検証要)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。