障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の6(紛争の解決の援助)
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- 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
- 2.事業主は、障害者である労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
この条文の基本情報
紛争の解決の援助とは何ですか?
定義紛争の解決の援助とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6に定められた規定で、「都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6(紛争の解決の援助)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6の条文原文は「都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6は第一節 紛争の解決の援助に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の5です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/74_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法74条の6は、障害者差別や合理的配慮をめぐる紛争で、都道府県労働局長が助言・指導・勧告をできると定め、援助の申出を理由とする解雇等の不利益取扱いを禁止する。
Q · 障害を理由に差別されたり配慮を断られたりしたら、労働局に助けを求められる?
求められる。無料・非公開で、相談を理由にした解雇も禁止
障害者雇用促進法74条の6により、障害を理由とする差別や合理的配慮の不提供をめぐる紛争について、労働者または事業主が都道府県労働局長に援助を求めると、労働局長は当事者に助言・指導・勧告をすることができます。行政指導なので強制力はありませんが、無料かつ非公開で利用できます。また同条2項により、事業主は援助を求めたことを理由として、その労働者を解雇したり不利益に取り扱ったりしてはなりません。
解説
会社と揉めたら、弁護士に頼むか泣き寝入りするか。障害のある労働者の多くは、この二つしかないと思っている。実はその間に、費用ゼロで非公開の「第三の道」がある。障害を理由に賃金や配置で差別された、頼んだ合理的配慮(障害に合わせた職場の調整、例:勤務時間の変更、作業手順の見直し)を断られた。こうした紛争について、あなたが都道府県労働局長に援助を求めると、労働局長は会社に助言・指導・勧告をすることができる。対象は採用段階の差別や配慮の拒否にも及ぶ。会社側から申し出ることもできる。法的な強制力はない。それでも、役所から名指しで是正を求められて平然としていられる会社は多くない。さらに2項は、援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁止している。「労働局に相談したらクビになるのでは」という恐れを、あらかじめ封じた条文である。
法的な位置づけ
障害者雇用促進法74条の6は、同法74条の5が定める障害者差別禁止・合理的配慮に関する紛争について、都道府県労働局長が当事者の求めに応じて助言・指導・勧告を行う紛争解決援助制度を定める規定である。あわせて同条2項は、障害者である労働者が援助を求めたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いを事業主に禁止している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差別・配慮拒否の事実を記録する 障害を理由とする扱いの差や、合理的配慮を断られた経緯について、日時・相手・発言内容・メールやチャットの記録を時系列で整理する。
- 2.社内の苦情処理窓口に申し出る 74条の4に基づく社内の苦情処理機関や相談窓口に申し出て、自主的な解決を試みる。申出の日付と会社の回答は記録に残す。
- 3.都道府県労働局に援助を申し出る 社内で解決しなければ、都道府県労働局(またはハローワークの相談窓口)に紛争解決援助を申し出る。会社への連絡時期は相談員と事前に調整できる。
- 4.申出後の処遇の変化を監視する 申出後の異動・評価・契約更新・業務内容の変化を記録する。不利益な変化があれば、74条の6第2項違反の疑いとして労働局に追加で伝える。
- 5.決着しなければ調停・訴訟へ進む 会社が助言・勧告に応じない場合は、紛争調整委員会による調停(74条の7)を申請するか、弁護士に相談して訴訟を検討する。援助の経過記録はそのまま活用できる。
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法の紛争解決援助とは?
障害者差別や合理的配慮をめぐる労使紛争について、都道府県労働局長が当事者に助言・指導・勧告を行う無料の行政サービスです。根拠は同法74条の6です。
Q2合理的配慮を拒否されたら どこに相談する?
まず社内の苦情処理窓口(74条の4)に申し出て、解決しなければ都道府県労働局に紛争解決援助を申し出ることができます。労働基準監督署ではありません。
Q3労働局の紛争解決援助は 費用がかかる?
費用はかかりません。行政による援助なので、申出料や手数料は不要です。弁護士に依頼する場合と異なり、経済的負担なしで利用できます。
Q4障害者手帳がなくても 援助を申し出られる?
申し出られる可能性があります。同法の「障害者」は手帳の有無ではなく、心身の機能の障害により職業生活に相当の制限を受けるかどうかで判断されます。
Q5会社側から労働局に援助を求めることはできる?
できます。条文は「当事者の双方又は一方」からの求めとしているため、事業主が労働者との紛争の解決について援助を申し出ることも可能です。
Q6労働局に相談したら 解雇された 違法?
援助を求めたことを理由とする解雇は74条の6第2項で禁止されています。申出と解雇の時期が近い場合、理由の関連性を争う重要な材料になります。
Q7採用面接での障害者差別も 援助の対象になる?
なります。募集・採用における差別(34条)や採用時の合理的配慮(36条の2)をめぐる紛争も援助の対象です。ただし調停(74条の7)の対象からは外れます。
Q8労働局の援助に 期限はある?
援助の申出自体に期限の定めはありません。ただし賃金請求や損害賠償には消滅時効があるため、証拠が残っているうちに早めに申し出るのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働局に相談したことって、会社にバレますか?
援助の手続では、労働局が会社に事情を聴いて助言などを行うので、申し出た事実は会社に伝わる。ただし手続は非公開で、外部に公表されるものではない。そのうえで、申出を理由とする解雇や不利益な取扱いは74条の6第2項で禁止されている。実務のポイント:援助を申し出る前に「相談だけ」の段階で窓口を利用することもできる。会社への連絡が入るかどうか、タイミングを相談員と事前に詰めておくと動きやすい
Q2労働局の勧告を会社が無視したら、もう打つ手はないんですか?
勧告は行政指導で強制力がないため、無視されること自体はありうる。その場合は、紛争調整委員会による調停(74条の7)に進める。採用段階の紛争は調停の対象外なので注意が必要である。実務のポイント:会社が勧告を無視した事実は、後の訴訟で「是正の機会があったのに放置した」という事情として、こちらに有利に働きうる。援助の経過は書面でもらっておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「労働局が助けてくれるなら、会社に是正を命じてくれるはずだ」と期待されがちだが、助言・指導・勧告はすべて行政指導であり、強制力はない。会社が応じなければ、調停(74条の7)や訴訟へ進むことになる。援助は決着の場ではなく、交渉の地ならしと位置付けるのが正しい
- そもそも「労働局は労働基準法違反を取り締まる場所で、差別や配慮の問題は管轄外」と思って相談先から外している人が多い。問いの立て方がずれている。残業代未払いは労働基準監督署、障害を理由とする差別や配慮の拒否は本条の援助、という別のルートがあらかじめ用意されている
- 会社から見ると、援助の申出は「内輪の問題を外に漏らす行為」に映る。だが法律から見れば、申出は法が保障した正当な手続であり、それを理由に冷遇すれば会社のほうが違法になる。この認識の落差が、相談した社員を報復した会社を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 74条の6:都道府県労働局長 | 74条の4:事業主(社内の苦情処理機関) 74条の7:紛争調整委員会 |
| 手段 | 助言・指導・勧告(行政指導) | 社内での自主的解決 調停案の作成・受諾勧告 |
| 採用段階の紛争 | 対象になる | 主に雇用後の苦情が対象 募集・採用の紛争は対象外 |
| 強制力 | なし(応じなければ次の手続へ) | なし(事業主の努力義務) なし(受諾しなければ打ち切り) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では障害を含む就業差別について、地方主管機関の就業差別評議会が認定し、違反には過料を科す。日本の援助制度より行政処分色が強い
韓国は国家人権委員会への陳情を軸とし、陳情を理由とする不利益措置も明文で禁止する。是正命令制度がある点で日本より強制的
ドイツは社内の苦情申立権と、権利行使を理由とする不利益扱いの禁止(Maßregelungsverbot)をセットで規定する
米国は EEOC への申立てを経て訴訟に進む構造で、申立てを理由とする報復(retaliation)は独立の違法類型として扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 精神障害を開示して入社したところ、通院のための時差出勤を「前例がない」と上司に一蹴された。人事も動かない。弁護士に頼む余裕はない。こういうとき、労働局に援助を申し出れば、会社は「合理的配慮の提供義務(36条の3)を検討したか」を行政から問われることになる
- 労働局に援助を求めた翌月、担当業務を取り上げられ、窓際の席に移された。これはどうなる? 援助申出を理由とする不利益取扱いとして2項違反になりうる。異動の時期と理由の説明を記録しておくことが、後の反撃材料になる
- あなたは中小企業の人事担当者である。障害のある社員が労働局に援助を申し出たと連絡が入った。「勝手に外に話を持ち出した」と腹を立てて配置換えを命じた瞬間、会社は元の紛争に加えて、2項違反という二つ目の火種を抱えることになる
- 契約更新の面談まであと2週間。更新を前に、配慮の申出を取り下げるよう遠回しに言われた。今のうちに労働局へ相談した記録を残しておけば、不更新の理由がどこにあるのかを後から争う足場になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差別や配慮拒否の具体的な事実(日時、発言、メール)を記録する2. まず社内の相談窓口や苦情処理機関(74条の4)に申し出て、その経過を残す3. 解決しなければ、都道府県労働局またはハローワークの相談窓口で援助を申し出る4. 申出後の異動・評価・更新の変化を時系列で記録し、不利益があれば2項違反として労働局に追加で伝える5. 援助で決着しなければ、調停(74条の7)や訴訟を検討する
訴えられた側:1. 労働局から連絡が来たら、感情的にならずに事実関係と、配慮を検討した経緯を書面で整理する2. 申出をした社員の配置・評価・契約更新をその時点で凍結し、変更が必要なら業務上の理由を文書化する3. 合理的配慮が「過重な負担」に当たるなら、その根拠(費用、事業規模など)を具体的に示す4. 助言・指導に誠実に応じた記録は、後に調停や訴訟になった場合の評価にも影響する
時効(請求できる期限):援助の申出自体に期限の定めはない。ただし解雇・雇止め後の賃金請求は、賃金支払日から3年(労働基準法115条・附則143条の経過措置、最新の改正状況をご確認ください)、不法行為による損害賠償は損害と加害者を知った時から3年(民法724条)。証拠が散逸しないうちに早めに動くこと
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成28年(2016年)4月1日施行 障害者差別禁止と合理的配慮提供義務の導入にあわせて、第3章の2「紛争の解決」が設けられ、都道府県労働局長による援助と、援助申出を理由とする不利益取扱いの禁止を定める本条が新設された
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:障害者差別禁止と合理的配慮提供義務の導入にあわせ、第3章の2「紛争の解決」の一部として新設。平成28年(2016年)4月1日施行
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の5援助対象となる紛争の範囲を画定
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の7援助で解決しない場合の調停委任
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の4社内の苦情処理による自主的解決
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第35条待遇における差別的取扱いの禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の3雇用後の合理的配慮の提供義務
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第4条一般の労働局長助言指導、本件では適用除外
- 労働契約法 第16条不利益取扱いとしての解雇の効力判断
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