障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の7(調停の委任)
クイックジャンプ
- 都道府県労働局長は、第七十四条の五に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を除く。)について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があつた場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。
- 2.前条第二項の規定は、障害者である労働者が前項の申請をした場合について準用する。
この条文の基本情報
調停の委任とは何ですか?
定義調停の委任とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7に定められた規定で、「都道府県労働局長は、第七十四条の五に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7(調停の委任)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7の条文原文は「都道府県労働局長は、第七十四条の五に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を除く。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7は第二節 調停に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の6です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の8です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/74_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法74条の7は、障害者差別や合理的配慮をめぐる職場紛争で当事者の一方から申請があれば、労働局長が紛争調整委員会に調停を行わせると定める。募集・採用の紛争は対象外。
Q · 障害を理由に配慮を断られたら、会社の同意なしで労働局の調停を使えるの?
一人で申請でき、無料・非公開。ただし採用の紛争は対象外
障害者雇用促進法74条の7により、賃金等の差別や合理的配慮をめぐる職場紛争は、当事者の一方からの申請でも、都道府県労働局長が紛争調整委員会に調停を行わせます。手数料は不要で手続は非公開です。同条2項により、申請を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されます。ただし募集・採用をめぐる紛争は調停の対象外で、74条の6の助言・指導・勧告にとどまります。
解説
障害を理由とする賃金差別や、合理的配慮(障害に応じて職場が講じるべき調整、例:通院のための勤務時間の変更、業務指示の文書化)を会社に断られたとき、選べる道は「我慢する」か「裁判する」かの二つだけではない。都道府県労働局に調停を申請すれば、労働局長が個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく紛争調整委員会に調停を任せる。費用は無料で、手続は非公開。申請は会社の同意がなくても、あなた一人で出せる。さらに第2項によって、申請したことを理由に会社が解雇や降格などの不利益な扱いをすることは禁じられている。ただし対象外の領域がある。募集と採用をめぐる紛争は、この調停では扱わない。面接で落とされた件は労働局長の助言・指導・勧告(74条の6)までにとどまる。自分の紛争がこの線のどちら側にあるかを知っているかどうかで、最初に開けるドアが変わる
法的な位置づけ
障害者雇用促進法74条の7は調停の委任を定める規定であり、同法74条の5に規定する障害者差別禁止・合理的配慮に関する紛争のうち募集及び採用に関するものを除いた紛争について、当事者の双方又は一方から申請があり必要と認めるとき、都道府県労働局長が個別労働関係紛争解決促進法6条1項の紛争調整委員会に調停を行わせる旨を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.紛争の内容と時系列を記録する 断られた配慮の内容、差別と感じた待遇、会社の回答とその日付を、メール・書面・自分宛てメモで時系列に整理する。募集・採用段階の紛争か、雇入れ後の紛争かをここで切り分ける
- 2.社内での自主的解決を試みる 社内の相談窓口や苦情処理機関に申し出て、自主的解決(74条の4)を試みた記録を残す。申し出日と回答内容は必ず書面化する
- 3.都道府県労働局に調停を申請する 勤務先を管轄する労働局の雇用環境・均等部(室)に調停申請書を提出する。求める解決内容は「週一回の在宅勤務」のように具体的に書く。手数料は不要
- 4.調停期日に出席し調停案を検討する 紛争調整委員会の期日で個別に事情を説明し、示された調停案を受諾するか判断する。受諾すれば合意内容を書面で確認する
- 5.打ち切り時は30日以内に次の手段へ 調停が打ち切られたら通知日を確認し、30日以内に訴えを提起すれば調停申請時に提起したものとみなされる(74条の8による準用)。時効の迫った賃金差額請求は特に期限を管理する
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用の調停とは何ですか?
障害者差別や合理的配慮をめぐる職場紛争を、都道府県労働局の紛争調整委員会が当事者の間に入って解決を図る手続です。障害者雇用促進法74条の7が根拠です。
Q2障害者雇用の調停はどこに申請しますか?
勤務先の事業所を管轄する都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に申請書を提出します。窓口で申請書の書き方の相談もできます。
Q3労働局の調停で会社が出てこなかったらどうなる?
相手方の出席は強制されないため、歩み寄りの見込みがなければ調停は打ち切られます。その後は訴訟や労働審判など別の手段を検討することになります。
Q4合理的配慮の拒否は調停の対象になりますか?
なります。雇入れ後の合理的配慮の提供(36条の3)をめぐる紛争は74条の5の紛争に含まれ、74条の7の調停の対象です。
Q5障害者雇用の調停にかかる期間はどれくらい?
法定の期間はありません。通常は申請から1〜2か月程度で期日が開かれ、多くは1回から数回の期日で成立か打ち切りに至るとされます。
Q6調停を申請したことは会社に知られますか?
知られます。調停は相手方である会社に通知して期日へ呼び出す手続です。ただし申請を理由とする不利益取扱いは同条2項で禁止されています。
Q7派遣社員でも障害者雇用の調停は使えますか?
使えます。紛争の相手方となる事業主との間で差別禁止や合理的配慮をめぐる紛争があれば対象です。派遣元・派遣先のどちらの措置が問題かを整理して申請します。
Q8調停で決まった内容を会社が守らないときは?
成立した調停は民法上の和解契約にあたり、強制執行はできません。不履行があれば合意内容を証拠として訴訟で履行や損害賠償を求めることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調停って弁護士つけないとダメなんですか?お金かかります?
弁護士なしで申請でき、手数料もかかりません(本条1項、労働局の紛争解決援助)。期日では調停委員が双方から個別に事情を聞くことが多く、法廷のような対決形式ではありません。実務のポイント:申請書に「何をしてほしいか」を具体的に書くかどうかで結果が変わる。「差別をやめてほしい」より「週一回の在宅勤務」「月二回の通院時差出勤」のように書く方が、調停案に反映されやすい
Q2面接で障害のことを話したら落とされました。これも調停できますか?
できません。本条1項は募集・採用の紛争を調停の対象から明確に除いています。ただし74条の6に基づき、労働局長に助言・指導・勧告を求めることはできます。実務のポイント:採用段階の合理的配慮(36条の2、例:面接時の筆談対応)を拒否された場合も同じ扱いになる。調停がないぶん、拒否されたやりとりを応募時点で記録しておくことが、後の指導の実効性を左右する
間違えやすい点 AI による整理
- 調停は会社と労働者の双方が合意しないと始まらないと思われがちだが、条文は「双方又は一方から」の申請を認めている。開始のスイッチは労働者一人で押せる。ただし、相手が期日に出てこなかったり歩み寄りの余地がなかったりすれば、調停は打ち切られる。始めるのは一人でできても、成立させるには相手の受諾が必要という二段構造である
- 「障害者手帳がないから自分は対象外だ」と思い込み、申請をあきらめる人は多い。しかし本法の差別禁止と合理的配慮の規定が対象とする障害者は、2条で長期にわたり職業生活に相当の制限を受ける者と定義されており、手帳の有無に限定されていない。発達障害や精神障害で手帳を取っていない労働者も、要件を満たせば当事者になりうる
- 労働者から見れば、調停は「会社に負けを認めさせる場」に見える。だが制度上は、調停委員が調停案を示し受諾を勧告するところまでで、強制力はない。成立した合意は民法上の和解契約にあたり、判決のような執行力は持たない。勝ち負けではなく、実行可能な配慮の内容を書面に落とすための場だと位置付けた方が、得られる成果は大きい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 74条の7:紛争調整委員会による調停(調停案の受諾勧告) | 74条の6:労働局長による助言・指導・勧告 74条の4:事業主による苦情の自主的解決 |
| 募集・採用の紛争 | 対象外 | 対象になる 雇入れ後の苦情が中心 |
| 申請・申出をする人 | 当事者の双方又は一方 | 当事者の双方又は一方 障害者である労働者 |
| 申請を理由とする不利益取扱い | 禁止(2項で74条の6第2項を準用) | 禁止(74条の6第2項) 規定なし(努力義務の枠組み) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では障害を理由とする就業差別は就業服務法で禁止され、紛争は直轄市・県市の主管機関による勞資爭議調解で扱われる。日本のような障害者差別専用の調停委任規定ではなく、労働紛争一般の調解に乗る構造
韓国は国家人権委員会への陳情と法務部の是正命令という行政的救済を持ち、日本の調停より強制力のある手段が用意されている
ドイツは AGG により障害を含む差別を禁止し、連邦差別禁止機関が相談と友好的解決を支援する。重度障害者には SGB IX による別途の保護がある
米国では EEOC への申立てが提訴の前提となり、EEOC は無料の任意調停プログラムを提供する。調停不成立後は調査・訴訟に進む
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- うつ病の治療で通院が必要だと伝え、月二回の時差出勤を頼んだ。上司は「特別扱いはできない」の一言で終わらせた。人事に相談しても動かない。社内の窓口が閉じたとき、労働局への調停申請という外部の席が空いている
- 調停を申し立てたら会社に居づらくなって、結局クビになるんじゃないか? 第2項は、申請を理由とする解雇その他の不利益取扱いを禁じている。申請日と、その後の配置転換や評価の変化を時系列でメモしておけば、それ自体が証拠になる
- 人事担当のあなたの元に、労働局から調停開始の通知が届いた。障害のある社員が、同じ等級の同僚より基本給が低いと訴えている。第1回期日まで約一か月。賃金規程の運用記録と、合理的配慮の検討経過を示す資料を今週中に揃えないと、調停委員の前で説明がつかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 断られた配慮の内容、会社の回答、日付をメールや書面で残す。口頭なら当日中に自分宛てメールで記録する2. 社内の相談窓口(36条の4)にまず申し出て、自主的解決を試みた痕跡を作る(74条の4) 3. 解決しなければ都道府県労働局に調停を申請する。募集・採用の紛争なら調停ではなく助言・指導・勧告の申出を選ぶ4. 申請後の配置や評価の変化を時系列で記録し、不利益取扱いの証拠にする
訴えられた側:1. 調停への出席は義務ではないが、欠席すれば打ち切られて訴訟に移る可能性が高まる。出席して事情を説明する方が通常は合理的2. 配慮を断った理由が過重な負担(36条の3ただし書)にあたるなら、費用・企業規模・代替案の検討記録を示す3. 申請者への配置転換や評価変更は、申請と無関係である根拠を必ず残す。第2項違反と見られる外形を作らない
時効(請求できる期限):調停の申請そのものに法定の期限はない。ただし賃金差額などの請求権は時効にかかる(賃金請求権は労働基準法115条・143条により当分の間3年、最新の改正状況をご確認ください)。調停打ち切りの通知を受けた日から30日以内に訴えを提起すれば、調停申請時に訴えを提起したものとみなされる(74条の8で準用する男女雇用機会均等法の規定)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正(平成28年(2016年)4月1日施行) 障害者権利条約の批准に向けた改正で、差別禁止・合理的配慮義務とともに第3章の2「紛争の解決」が新設され、紛争調整委員会による調停の委任規定が設けられた
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:障害者権利条約の批准に向けた改正(平成25年法律第46号)により第3章の2「紛争の解決」が新設され、紛争調整委員会への調停の委任規定が設けられた。平成28年(2016年)4月1日施行
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の5調停対象紛争の範囲と一般法の適用除外
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の6労働局長の助言指導勧告と不利益取扱い禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の8調停手続について均等法規定を準用
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第35条賃金等の待遇における差別の禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の3雇入れ後の合理的配慮提供義務
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第6条調停を行う紛争調整委員会の設置根拠
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第18条同構造の調停委任規定(通称 男女雇用機会均等法)
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第13条雇用分野の差別解消は本法に委ねる旨
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める