障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の4(苦情の自主的解決)
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事業主は、第三十五条及び第三十六条の三に定める事項に関し、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理を委ねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。
この条文の基本情報
苦情の自主的解決とは何ですか?
定義苦情の自主的解決とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4に定められた規定で、「事業主は、第三十五条及び第三十六条の三に定める事項に関し、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4(苦情の自主的解決)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4の条文原文は「事業主は、第三十五条及び第三十六条の三に定める事項に関し、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4は第一節 紛争の解決の援助に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の3です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の5です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第74条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/74_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法第74条の4は、差別禁止(第35条)と合理的配慮(第36条の3)に関する障害者の苦情について、事業主に苦情処理機関への委任等による自主的解決を努力義務として課す。
Q · 障害を理由に給料や配慮で不利な扱いを受けたら、会社はどう対応しないといけないの?
会社は社内で自主的に解決するよう努める義務を負います
障害者雇用促進法第74条の4により、事業主は、待遇の差別(第35条)や合理的配慮の不足(第36条の3)について障害者である労働者から苦情を受けたとき、労使代表で構成する苦情処理機関に委ねる等して自主的な解決を図るよう努めなければなりません。努力義務で罰則はありませんが、社内で解決しない場合は労働局長の助言・指導・勧告(第74条の6)や調停(第74条の7)を無料で利用できます。
解説
条文には「努めなければならない」とある。つまり努力義務で、罰則も過料もない。そう聞くと飾りの条文に見えるが、使い方を知っている障害者の労働者にとっては価値がある。対象は二つに限られる。第35条が禁じる、賃金・教育訓練・福利厚生などの待遇での差別と、第36条の3が求める、採用後の合理的配慮(障害のある人が働けるよう職場側が行う調整、例:通院に合わせた勤務時間の変更、業務指示を口頭ではなく文書で出すこと)の不足である。この二つについてあなたが苦情を申し出れば、事業主は労使の代表でつくる苦情処理機関に委ねるなどして、社内での解決に取り組まなければならない。ここで大事なのは、社内で解決できなかった場合の出口が法律で用意されていることだ。都道府県労働局長による助言・指導・勧告(第74条の6)と、紛争調整委員会による調停(第74条の7)であり、どちらも無料で使える。先に社内で申し出て記録を残しておくと、その記録が労働局での話の土台になる。黙って我慢することも、いきなり退職届を出すことも、選ばなくて済む。
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第74条の4は、障害者差別禁止(第35条)及び合理的配慮の提供(第36条の3)に関する障害者である労働者の苦情について、事業主に対し、労使代表で構成される苦情処理機関への委任等による自主的解決を努力義務として課す規定である。労働局の紛争解決援助(第74条の6)等に先行する社内段階を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.苦情の種類を整理する 不満が待遇の差別(第35条:賃金・教育訓練・福利厚生など)か、採用後の合理的配慮の不足(第36条の3)かを切り分ける。採用時の問題は本条の対象外なので、労働局の紛争解決援助(第74条の6)へ進む
- 2.時系列の証拠を集める 給与明細、評価シート、配慮を依頼したメール、上司とのやりとり、主治医の意見書などを日付順にまとめる
- 3.書面で苦情を申し出る 人事部門または苦情処理窓口に日付入りのメールか書面で申し出る。「第35条(または第36条の3)に関する苦情として、苦情処理機関での処理を求める」と明記し、回答期限を区切る
- 4.会社の回答を記録・評価する 会社から提示された配慮案や是正案、見送りの理由を文書で受け取り保存する。回答がない場合もその事実を記録する
- 5.解決しなければ労働局へ 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談し、労働局長による助言・指導・勧告(第74条の6)または紛争調整委員会の調停(第74条の7)を申し立てる。いずれも無料
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法の苦情処理機関とは?
事業主を代表する者と事業所の労働者を代表する者で構成し、労働者の苦情を処理する社内機関です。第74条の4がその定義を置いています。
Q2合理的配慮を拒否されたら違法?
過重な負担にあたらない限り、採用後の合理的配慮の提供は第36条の3の義務です。拒否が続く場合は第74条の4の苦情申出や労働局への相談が使えます。
Q3障害者雇用枠の給料が低いのは差別?
同じ仕事なのに障害者であることを理由に賃金に不当な差を設けることは第35条で禁止されています。職務内容や能力評価による差であれば直ちに違法とはなりません。
Q4苦情処理の申出に期限はある?
第74条の4自体に期限はありません。ただし賃金差額請求は3年、不法行為の損害賠償は損害等を知った時から3年など、請求権ごとの時効に注意が必要です。
Q5障害者雇用促進法74条の4に罰則はある?
ありません。「努めなければならない」と定める努力義務で、違反しても罰則や過料は科されません。ただし対応しなかった事実は後の手続で不利に働きえます。
Q6採用拒否も苦情処理の対象になる?
なりません。本条の対象は第35条と第36条の3に限られます。募集・採用時の差別(第34条)や配慮(第36条の2)は労働局の紛争解決援助を直接利用します。
Q7苦情を申し出たら解雇される?
労働局への援助の求めや調停申請を理由とする解雇その他の不利益な取扱いは法律で禁止されています。社内申出も書面で記録を残しておくことが重要です。
Q8派遣社員も障害者雇用促進法の苦情を出せる?
第35条・第36条の3は雇用する事業主の義務のため、まず雇用主である派遣元に申し出るのが基本です。派遣先での配慮不足も派遣元を通じて調整を求めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社に苦情処理機関なんて無いんですけど、どこに言えばいいんですか?
本条は「委ねる等」と定めているので、苦情処理機関の設置そのものは義務ではない。一方で、第36条の4第2項により、会社には障害者からの相談に応じる体制を整える義務がある。窓口がないなら人事部門に書面で申し出ればよい。実務のポイント:相談体制が整っていないこと自体が第36条の4違反の材料になる。労働局で「相談先がなかった」と伝えると、会社への指導の対象が広がることがある
Q2社内でうまくいかなかったら、もう裁判しかないですか?
その前に、都道府県労働局長による助言・指導・勧告(第74条の6)と、紛争調整委員会による調停(第74条の7)がある。どちらも無料で、非公開で進められる。実務のポイント:調停は弁護士をつけずに申し立てる人も多い。会社側は労働局から連絡が来た段階で態度を変えることが少なくない。裁判費用をかける前に、この段階で解決する例は多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「努力義務なのだから、会社が無視しても何も起きない」と考えるのは半分しか正しくない。本条の違反だけで罰則や過料が科されることはない。しかし、苦情を受けても何もしなかった事実は、労働局の助言・指導の場や、その後の損害賠償請求(民法709条や安全配慮義務の議論)で、会社の対応が不誠実だったことを示す材料として使われうる。軽い義務でも、守らなかった記録は重い意味を持つ
- どんな不満でも苦情処理機関に持ち込めると思われがちだが、本条の対象は第35条(待遇の差別)と第36条の3(採用後の合理的配慮)に限られる。採用面接で落とされた件(第34条、第36条の2)は対象外で、こちらは労働局による紛争解決の援助(第74条の6)を直接使う。窓口を間違えると時間を無駄にする
- 障害者の側からは「配慮を求めるのはわがままだ」と感じられても、法律上は会社の義務の範囲の問題である。第36条の3は、会社に過重な負担がない限り配慮を義務づけている。苦情を申し出ることは、この義務が果たされているかを確認する手続であり、対立をつくる行為ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 解決の場 | 第74条の4:社内(苦情処理機関等) | 第74条の6:都道府県労働局長 第74条の7:紛争調整委員会 |
| 手段 | 苦情処理機関への委任等による自主的解決 | 助言・指導・勧告 調停(調停案の受諾勧告) |
| 法的性質 | 事業主の努力義務、罰則なし | 行政による紛争解決の援助、無料 第三者による調停、無料・非公開 |
| 対象範囲 | 第35条・第36条の3(採用後)のみ | 第34条・第35条・第36条の2・第36条の3 第34条・第35条・第36条の2・第36条の3 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は障害を理由とする就業差別を禁止し、労働者は地方主管機関へ申訴する。社内の苦情自主解決を独立に規定する日本型の条文は一般的ではない
韓国は雇用差別を包括的に禁止し、国家人権委員会への陳情と是正勧告を中心とする外部救済型
ドイツは事業所内の担当部署への苦情申立権を労働者の権利として明文化しており、社内手続を前段に置く点で日本と近い
米国は合理的配慮の拒否を差別と位置づけ、EEOC への申立てを訴訟の前提とする外部行政機関型
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 精神障害を開示して入社した。主治医の意見書を添えて週一回の通院のための勤務調整を頼んだが、上司は「みんな忙しいから」と取り合わない。これは第36条の3の合理的配慮の問題であり、本条の苦情申出の対象になる。上司への口頭の相談で止めず、人事部門か苦情処理窓口に書面で申し出る
- 同期と同じ業務をしているのに、障害者雇用枠というだけで昇給テーブルが別になっていて、三年で月給の差が二万円に広がった。障害を理由にした賃金の不当な差別的取扱いは第35条で禁止されている。給与明細三年分が最初の証拠になる
- 人事担当として、聴覚障害のある社員から「会議の内容が分からない、議事録も共有されない」と申出を受けたら、まず何をすべきか? 放置して退職や労働局への申立てに発展させるより、苦情処理の手順に乗せて、文字起こしツールの導入などの配慮案を記録付きで提示する方が、会社のリスクはずっと小さい
- 評価面談まであと一週間。視覚障害のある社員が「画面読み上げソフトに対応していない社内システムのせいで、作業が遅いと評価されている」と訴えてきた。面談の前に配慮の不足を苦情として受け付けておかなければ、低い評価そのものが第35条違反の争点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不満が待遇の差別(第35条)か配慮の不足(第36条の3)かを整理する2. 給与明細、配慮を頼んだメール、主治医の意見書など、時系列の証拠を集める3. 人事部門または苦情処理窓口に書面で申し出て、回答期限を区切る4. 回答がない、または不十分なら、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談し、助言・指導(第74条の6)か調停(第74条の7)を申し立てる。申し立てたことを理由とする解雇などの不利益な取扱いは禁止されている
訴えられた側:1. 苦情を受けたら受付日と内容を記録し、苦情処理機関または担当部署に正式に回す2. 当事者と話し合い、過重な負担になるかどうかを含めて配慮案を検討する(合理的配慮指針を参照) 3. 採用する案も見送る案も理由を文書で伝える4. 申し出た社員の評価や配置を不利益に変えない。対応の記録が残っていれば、労働局の手続に進んでも会社の誠実さを示せる
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。ただし請求権には一般の消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。賃金差額の請求は労働基準法115条により当分の間3年、不法行為に基づく損害賠償は損害および加害者を知った時から3年(民法724条)である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は努力義務規定であり、違反自体から直接の罰則や私法上の効果は生じない。もっとも、苦情への対応状況は労働局の援助・調停の場や損害賠償請求において事業主の対応の誠実性を評価する事情となりうる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)公布、平成28年(2016年)4月1日施行 障害者権利条約の批准に向けた改正で、障害者差別の禁止、合理的配慮の提供義務、紛争解決の章(第3章の2)とともに新設された
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:障害者権利条約の批准に向けた改正で、障害者差別の禁止・合理的配慮の提供義務とともに紛争解決の章(第3章の2)の一部として新設。平成28年(2016年)4月1日施行
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第35条苦情対象となる待遇の差別禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の3苦情対象となる採用後の合理的配慮
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の4過重な負担の限界と相談体制整備義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の6労働局長の助言・指導・勧告
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の7紛争調整委員会による調停
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第2条労使紛争の自主的解決努力の一般規定
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第15条同構造の苦情自主解決規定(通称 男女雇用機会均等法)
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