障害者の雇用の促進等に関する法律 第86条の2
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- 事業主の団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人が次の各号のいずれかに該当するときは、三十万円以下の罰金に処する。
- 一第五十二条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 二第八十二条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2の条文原文は「事業主の団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人が次の各号のいずれかに該当するときは、三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2は第五章 罰則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第86条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の3です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第86条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第86条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/86_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法86条の2は、助成金関係の事業主団体等が報告拒否・虚偽報告・検査妨害をした場合、団体そのものを30万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 障害者雇用の助成金をもらった団体が、報告や検査を断ったらどうなるの?
団体そのものが30万円以下の罰金刑の対象になる
障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2により、事業主の団体や同法49条1項所定の法人が、52条2項・82条2項に基づく報告をしない、虚偽の報告をする、職員の質問に答えない・虚偽を述べる、検査を拒む・妨げる・忌避する場合、30万円以下の罰金に処されます。罰金は刑罰であり、過料と異なり法人に前科が残ります。不正受給を伴う場合は刑法246条の詐欺罪が別途問題になりえます。
解説
罰金三十万円。金額だけを見れば小さい。だがこの条文が狙うのは、障害者雇用のための助成金の「通り道」に立つ組織である。事業主の団体や、法49条1項に列挙された一定の法人は、障害者雇用納付金制度の資金で助成金を受け取る側になりうる。障害者雇用納付金制度とは、法定雇用率(従業員のうち障害者を雇うべき割合)を下回る企業から集めたお金を、雇用に取り組む側へ回す仕組みである。受け取る側に回った時点で、あなたの組織には報告の求めに応じ、職員の質問と検査を受け入れる義務が生じる。報告を出さない、数字を盛る、検査の日に担当者が「不在」を装う。どれも罰金の対象になる。しかもこれは過料(行政上のお金の制裁で、前科はつかない)ではなく刑罰であり、法人名で前科が残る。「助成金をもらった団体」は、同時に「帳簿を開いて見せる責任を負った団体」でもある。両方を一枚の契約として理解している組織だけが、検査の日も慌てずにいられる。
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第86条の2は、障害者雇用納付金制度に基づく助成金等に関わる事業主の団体および同法49条1項4号の2イ・7号ロからニまでに掲げる法人を名宛人とし、52条2項および82条2項に基づく報告義務・質問応答義務・検査受忍義務の違反を30万円以下の罰金で処罰する罰則規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法86条の2とは?
事業主の団体や49条1項所定の法人が、52条2項・82条2項の報告や検査に応じない、または虚偽で応じた場合に30万円以下の罰金を科す罰則規定です。
Q2障害者雇用の助成金 実績報告の期限を過ぎたらどうなる?
求めに応じた報告をしない状態が続くと「報告をせず」に該当しうる。まず確認できた範囲で提出し、補完予定を書面で伝えるのが現実的な対応です。
Q3障害者雇用促進法の罰金は前科になる?
なります。罰金は刑罰であり、行政上の制裁である過料とは異なります。本条では団体・法人そのものが処罰対象となり、法人として前科が残ります。
Q4助成金の虚偽報告は詐欺罪になる?
虚偽報告だけなら本条の罰金の問題です。ただし虚偽によって助成金を不正に受け取った場合、刑法246条の詐欺罪(10年以下の拘禁刑)が別途問題になりえます。
Q5障害者雇用促進法86条の2の時効は何年?
罰金のみが定められた罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算されます(同法253条1項)。
Q6障害者雇用促進法の罰則の対象となる団体は?
事業主の団体、49条1項4号の2イに規定する法人、同項7号ロからニまでに掲げる法人です。協同組合や訓練を担う法人などが該当しうるため、条文の確認が必要です。
Q7立入検査の日程を何度も延期すると違法?
正当な理由のない度重なる延期や書類の移動は、検査の「忌避」と評価されうる。延期が必要なら理由を書面で残し、代替日を自ら提示することが大切です。
Q8障害者雇用納付金制度とは?
法定雇用率を下回る事業主から納付金を徴収し、雇用率を上回る事業主への調整金や、雇用に取り組む事業主・団体への助成金の原資とする仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査って、断ったら職員が勝手に中に入ってくるんですか?
行政上の立入検査は、警察の捜索のように強制的に扉を開けるものではない。だが拒んだり妨げたりすれば、本条によって罰金の対象になる。物理的な強制ではなく、刑罰で協力を引き出す「間接強制」と呼ばれる仕組みである。実務のポイント:この型の検査は、犯罪捜査のための権限ではないと解釈されている(法82条の規定ぶりを確認のこと)。検査で答えた内容がそのまま刑事事件の供述調書になるわけではない。答えるべき範囲を事前に整理しておけば、萎縮せずに対応できる
Q2罰金を払うのは理事長ですか、それとも団体ですか?
本条の文言では、罰金の対象は事業主の団体や法49条1項に掲げる法人そのものである。実際に違反行為をした個人の責任は、法の両罰規定などの組み立てによって別途問題になりうる。実務のポイント:団体が罰金を払えば終わりと考える理事は多い。だが金銭の負担よりも、法人に罰金刑の前科がつくことのほうが、次年度の助成金審査や他の公的資金の申請で効いてくる
Q3数字をちょっと間違えて報告しただけでも犯罪になるんですか?
本条は故意犯を前提としているため、単純な計算ミスがただちに「虚偽の報告」になるわけではない。ただし誤りに気づいたあとに訂正しなければ、その時点から評価が変わりうる。実務のポイント:審査する側は、誤りそのものよりも「気づいてから何をしたか」を見ている。訂正報告の日付が指摘を受けた日より前にあるかどうかが、不正受給の疑いを晴らす決め手になることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金三十万円なら、払って済ませればいい」と考える組織がある。だが罰金は刑罰であり、法人として前科が残る。自治体の入札参加資格、他の補助金・助成金の審査、金融機関の与信で照会される場面を考えると、三十万円という数字は損失のごく一部でしかない
- 「助成金をもらう側は支援される立場で、取締りの対象は雇用率を守らない企業だ」という見方は、問いの立て方そのものを誤っている。本条は、まさに助成の受け手となる団体と法人に照準を合わせている。お金の出口に立つ者こそ、資金の使途を説明する責任の最前線にいる
- 担当者から見れば、報告の遅れは「事務の不手際」にすぎない。だが法律から見れば、「報告をせず」という構成要件を満たす行為になりうる。悪意がなかったことは情状として考慮される余地はあるが、提出期限を無視し続けた事実は消えない。社内の感覚と法の物差しのずれが、組織を追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 86条の2:報告・検査義務違反に対する罰則(30万円以下の罰金) | 52条:助成金関係の報告義務の根拠規定(2項) 82条:報告・質問・立入検査の根拠規定(2項) |
| 役割 | 義務違反に刑罰を結びつけ、協力を間接的に強制する | 団体・法人に報告を求める権限を定める 職員による質問・立入検査の権限を定める |
| 違反時の効果 | 団体・法人そのものに罰金刑(前科が残る) | それ自体に罰則はなく、86条の2第1号を通じて処罰 それ自体に罰則はなく、86条の2第2号を通じて処罰 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も定額進用(雇用率)義務と、未達時の差額補助費を財源とする支援の仕組みを持つ。主管機關の検査と罰則で実効性を確保する点が日本と共通する
韓国も雇用負担金(고용부담금)と雇用奨励金を組み合わせる日本と類似の制度を採用。報告義務違反は主に過料(과태료)で対応する傾向がある
ドイツは雇用義務未達の事業主にAusgleichsabgabeを課す割当雇用制度の典型。報告義務違反は刑罰ではなく秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料で扱う
フランスは従業員20人以上の企業に6%の雇用義務(OETH)を課し、未達分は拠出金として徴収する。制裁は主に拠出金の加重で対応する
米国は雇用率・納付金制度を持たず、差別禁止アプローチが中心。連邦契約事業者に限り雇用目標と報告義務が課される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地域の中小企業が集まる協同組合の事務局で、あなたは助成金の申請書類を担当している。機構から実績報告を求める通知が届いたが、理事長は「忙しいから後回しでいい」と言う。期限を無視し続けた場合、罰せられるのは理事長個人の怠慢ではなく、組合そのものである
- 障害者の職業訓練を担う法人で、訓練修了者数が助成の要件にわずかに届かなかった。上司から「二名くらい修了扱いにしておいて」と言われたら、どうなる? 虚偽報告として罰金の対象になる。そのうえ、不正に受け取った額によっては詐欺罪(刑法246条)の問題に格上げされる
- 検査は来週の火曜日。帳簿の一部が見当たらない。ここで日程を何度もずらし、書類を別の場所へ移せば、検査を「忌避」したと評価されうる。残り五日でやるべきことは、隠すことではなく、欠落の経緯を記録することである
- 立入検査に来た職員から、助成対象者の勤務実態について質問された。総務担当のあなたは答えに詰まり、つい「全員フルタイムです」と口にしてしまう。答弁をしないことも、虚偽の陳述をすることも、同じ条文で処罰の対象になる
- 友人が NPO の理事に就任した。「助成金をもらう側だから、監督されるのは企業のほうでしょ」と笑っている。それは逆である
取るべき行動
被害を受けた側:組織内で虚偽報告や検査妨害を指示された担当者の立場を想定する。1. 指示の日時、発言者、内容をメモかメールで残す2. 指示に従わず、事実どおりの数字で報告案を作る3. 社内のコンプライアンス窓口、または顧問の弁護士・社会保険労務士に相談する4. 組織ぐるみで是正されない場合、公益通報者保護法に基づく通報先を検討する。自分の名前で虚偽の書類を出さないことが、何よりの防御になる
訴えられた側:1. 報告の求めや検査の通知の日付と内容を整理し、未提出・誤りの範囲を特定する2. 誤りが見つかったら、指摘を受ける前に訂正報告を出す3. 検査では分からない事項を推測で答えず、「確認して後日回答する」と記録に残す4. 不正受給の疑いがある場合は、早い段階で弁護士に相談し、助成金の返還と刑事リスクを一体で検討する。隠蔽は罪を一つ増やすだけである
時効(請求できる期限):罰金のみが定められた罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算する(同法253条1項)。報告の期限は個別の求めごとに指定されるため、通知書の期日を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例・通説:刑罰によって協力を間接的に強制する行政調査は、刑事責任追及を目的とするものでない限り、令状主義や自己負罪拒否特権に直ちに反しないと解されている(川崎民商事件の枠組み)。
通説:本条の各罪は故意犯であり、単純な計算ミス等の過失による誤記は直ちに「虚偽の報告」に当たらない。ただし誤りを認識した後の放置は評価が変わりうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として制定(本条の新設時期は別途要確認)
- 2.昭和51年(1976年) 改正:雇用率の義務化とともに障害者雇用納付金制度を創設。助成金の原資となる仕組みが整う
- 3.昭和62年(1987年) 改正:法律名を「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改め、対象を障害者全般へ拡大
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第52条助成金関係の報告義務の根拠(第2項)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第82条報告・質問・立入検査の根拠(第2項)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第49条納付金関係業務と対象法人の範囲
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第86条事業主本人に対する同種の罰則(現行効力を要確認)
- 刑法 第246条不正受給が詐欺罪に及ぶ場合の重い処罰
- 刑事訴訟法 第250条罰金刑の罪の公訴時効3年
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