災害対策基本法 第105条(災害緊急事態の布告)
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- 非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
- 2.前項の布告には、その区域、布告を必要とする事態の概要及び布告の効力を発する日時を明示しなければならない。
この条文の基本情報
災害緊急事態の布告とは何ですか?
定義災害緊急事態の布告とは、災害対策基本法第105条に定められた規定で、「非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第105条(災害緊急事態の布告)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第105条の条文原文は「非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経…」で始まります。
- 災害対策基本法第105条は第九章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年11月1日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第105条の前の条は災害対策基本法第104条です。
- 災害対策基本法第105条の次の条は災害対策基本法第106条です。
- 災害対策基本法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年11月1日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法105条は、異常かつ激甚な非常災害で特別の必要があるとき、内閣総理大臣が閣議にかけて関係地域に災害緊急事態の布告を発することができると定める。区域等の明示が必要。
Q · 災害緊急事態の布告が出たら、生活はすぐに変わるの?
布告だけでは変わらず、109条の政令が出て初めて強い措置が動く
災害対策基本法105条の布告は、異常かつ激甚な非常災害で特別の必要があるとき、内閣総理大臣が閣議にかけて発するものです。布告そのものに国民の権利を直接制限する効果はありません。生活必需物資の配給、価格の上限設定、金銭債務の支払延期といった強い措置は、国会が閉会中などで開く暇がない場合に限り、109条に基づく政令で行われます。また布告は20日以内に国会の承認を求める必要があります(106条)。
解説
1961年の制定から半世紀以上、阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも、この布告は一度も発せられていない(最新の発令状況はご確認ください)。それでも条文は、日本の災害法制で最も重い引き金として残っている。要件は三段ある。まず非常災害が実際に起きていること。次に、その災害が国の経済と公共の福祉に重大な影響を及ぼす「異常かつ激甚」なものであること。最後に、応急対策の推進や経済秩序の維持のために「特別の必要」があること。この三つがそろったとき、内閣総理大臣は閣議にかけたうえで(内閣全体の正式な会議で決定して)布告を発することができる。押さえておきたいのは、布告そのものはスイッチにすぎないという点だ。実際に物価の上限設定や金銭債務(借金など、お金を払う義務)の支払延期といった強い措置が使えるのは、国会が閉会中などで開く暇がないときに限られ、しかも政令(内閣が出す命令)によって行われる(同法109条)。テレビの「緊急事態」という言葉に振り回されないためには、この二段構造を知っているかどうかが分かれ目になる
法的な位置づけ
災害緊急事態の布告とは、災害対策基本法105条に基づき、国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼす異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に、特別の必要があると認めるとき、内閣総理大臣が閣議にかけて関係地域の全部又は一部について発する布告をいう。布告には区域、事態の概要及び効力発生日時を明示しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.布告の有無と対象区域を官報で確認 官報と内閣府(防災担当)の発表で、布告の区域・事態の概要・効力を発する日時(105条2項)を確認し、自宅や事業所が対象区域に入っているかを特定する
- 2.109条の緊急政令が出たかを別途確認 布告とは別に、109条に基づく政令が公布されたかを確認する。価格の上限や金銭債務の支払延期は政令がなければ発生しないため、布告と政令を混同しない
- 3.事業者は価格と原価の記録を保全 小売・卸売業者は布告の時点で仕入れ原価と販売価格の記録を保全し、政令が出た場合は対象物資・適用区域・施行日時を法務担当と即日で照合する
- 4.不明点は所管省庁に照会し書面で残す 政令の適用範囲が不明確な場合は所管省庁に照会し、回答を書面またはメールで保存する。住宅ローン等の返済は布告を待たず金融機関の災害相談窓口に連絡する
よくある質問 AI による整理
Q1災害緊急事態とは何ですか?
国の経済と公共の福祉に重大な影響を及ぼす異常かつ激甚な非常災害について、内閣総理大臣が災害対策基本法105条に基づき布告する事態です。
Q2災害緊急事態の布告は過去に出たことがある?
これまで発令例はないとされます。阪神・淡路大震災や東日本大震災でも布告は見送られました。最新の状況は内閣府の発表で確認してください。
Q3災害緊急事態の布告は誰が決める?
内閣総理大臣が閣議にかけて発します。総理大臣の単独判断ではなく、内閣全体の正式な会議である閣議を経ることが条文上の要件です。
Q4災害緊急事態の布告 国会の承認はいつまで?
布告を発した日から20日以内に国会に付議し、承認を求めなければなりません(106条)。国会閉会中などは、その後最初に召集される国会で速やかに求めます。
Q5災害緊急事態が出たら外出禁止になる?
布告そのものに外出を禁止する効果はありません。ただし避難指示(60条)や警戒区域(63条)は布告がなくても市町村長が出せるので、それには従う必要があります。
Q6災害緊急事態で価格統制はできる?
布告だけではできません。国会が閉会中などで開く暇がない場合に、内閣が109条に基づく政令で生活必需物資の最高価格を定めることができます。
Q7災害緊急事態の布告はどこで確認できる?
官報と内閣府(防災担当)の発表で確認できます。布告には区域、事態の概要、効力を発する日時が明示されるので、自分の住所が対象かを確かめましょう。
Q8災害緊急事態の布告に違反すると罰則はある?
布告そのものに罰則はありません。罰則が問題になるのは109条の緊急政令が出され、その政令が定める価格上限や制限に違反した場合です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1コロナのときの緊急事態宣言と、何がどう違うんですか?
根拠法が違います。コロナは新型インフルエンザ等対策特別措置法32条に基づく宣言で、外出自粛や施設使用制限の要請が中心でした。本条の布告は災害対策基本法105条に基づき、109条の緊急政令による物資配給や価格統制、支払延期にまでつながりうる、より強い装置です。実務のポイント:法律家の間では、109条の緊急政令は憲法41条(国会が唯一の立法機関)との関係で合憲性に議論があるとされます。発令例がないのは、その論点に誰も正面から触れたくないからだ、という見方もあります
Q2布告が出たら、住宅ローンの返済はストップするんですか?
自動的には止まりません。布告に続いて109条に基づく政令で金銭債務の支払延期が定められた場合に限り、延期されます。その政令も、国会が閉会中などで開く暇がないときにしか出せません。実務のポイント:実際の大規模災害では、法律上の猶予ではなく、金融機関の自主的な返済猶予や「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が現実の救済になってきました。布告を待たず、取引銀行の災害相談窓口に早めに連絡するほうが早い
間違えやすい点 AI による整理
- 新型コロナのときの「緊急事態宣言」と同じものだと思われがちだが、根拠法がまったく違う。コロナの宣言は新型インフルエンザ等対策特別措置法32条によるもので、本条の布告とは要件も効果も別物である。ニュースで「緊急事態」と聞いたら、まずどの法律に基づくものかを確認する。そこを取り違えると、自分に何が求められているのかを読み違える
- 布告が出れば外出禁止や私有財産の接収が始まる、という戒厳令のようなイメージは前提から外れている。布告そのものに国民の権利を直接制限する効果はなく、強い措置は109条の緊急政令に限られる。その政令も、国会が閉会中または衆議院が解散中で、臨時会の召集や参議院の緊急集会を求める暇がない場合にしか出せない。一方で、立入禁止区域の設定(63条の警戒区域)は布告がなくても市町村長が行える。危険なのは、布告がないから大丈夫だという油断のほうだ
- 政府が布告を出さないのは危機感が足りないからだ、という批判は、半分しか当たっていない。東日本大震災で布告されなかった背景には、国会が開会中で緊急政令を使う前提がなかったことなどがあったと指摘されている。発令するかどうかは、被害の大きさだけで決まるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が発動するか | 105条:内閣総理大臣が閣議にかけて布告 | 109条:内閣が政令を制定 63条:市町村長が警戒区域を設定 |
| 発動の要件 | 異常かつ激甚な非常災害+特別の必要 | 布告があり、国会閉会中・衆議院解散中で臨時会召集や緊急集会を求める暇がないこと 災害が発生し、又は発生しようとしている場合で、生命・身体への危険防止に特に必要なとき |
| 国民への直接効果 | 権利を直接制限する効果はない(スイッチの役割) | 物資の配給・譲渡制限、最高価格、金銭債務の支払延期等を定めうる 区域への立入制限・禁止、退去命令 |
| 国会の関与 | 20日以内に国会承認を求める(106条) | 事後に国会の承認を求め、得られなければ効力を失う 国会の承認は不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では大規模災害時に総統が行政院会議の議決を経て緊急命令を発し、10日以内に立法院の追認を要する。立法府の事後統制を組み込む点で日本の布告・緊急政令と構造が近い
韓国は憲法上に緊急財政経済命令を明文で置き、国会への遅滞なき報告と承認を要する。憲法に緊急事態条項がない日本とは根拠の階層が異なる
ドイツは基本法で災害時の州間・連邦の支援を定める。価格統制や債務猶予を政令に委ねる日本型の装置とは異なる
米国は州知事の要請を受けて大統領が重大災害を宣言し、連邦支援を発動する。財政支援が中心で、価格統制は主に州法が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 首都直下地震の三日後、スーパーの棚から水と米が消え、ネットでは「災害緊急事態が出れば配給制になる」という投稿が拡散されている。あなたが確認すべきは、布告が出たかどうかと、109条の政令まで出たかどうかの二点だ。前者だけなら、店の値付けも日常の売買も、すぐに変わるわけではない
- もし南海トラフ地震で布告が出て、その後109条の政令で生活必需品に最高価格が定められたら、仕入れ値が三倍に跳ね上がったあなたの店はどうなる? 定められた上限を超えて売れば、政令違反として処罰の対象になりうる。仕入れ伝票と価格表は、その日から証拠になる
- 布告は国会の承認が前提の制度だ。布告の日から20日以内に国会に付議しなければならない(106条)。あなたの会社の法務担当として、この20日の間に政令がどこまで及ぶかを読み切っておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 布告が出たら、官報と内閣府の発表で区域・事態の概要・効力の発生日時(本条2項)を確認し、自分の住所が対象区域に入っているかを特定する2. 109条の政令が出たかどうかを別に確認する。支払延期や価格の上限は政令がなければ発生しない3. 便乗値上げを見つけたら、日時・店名・価格を写真で記録し、消費生活センターや自治体へ通報する4. 布告の有無にかかわらず、避難指示や警戒区域(60条、63条)には従う。生命に関わる規制は市町村長の判断で先に動く
訴えられた側:1. 小売業・卸売業であれば、布告の時点で仕入れ原価と販売価格の記録を保全する。政令で最高価格が定められた場合、正当な価格だったと示す材料になる2. 政令の公布を受けたら、対象物資・適用区域・施行日時を法務担当と即日で照合する3. 金銭債務の支払延期が政令で定められた場合は、自社が債権者側か債務者側かでキャッシュフローへの影響を試算し、金融機関と早めに協議する4. 政令の範囲が不明確であれば、所管省庁へ照会し、回答を書面で残す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。手続面では、布告を発した日から20日以内に国会に付議して承認を求めなければならない(106条)。109条の緊急政令も、事後に国会の承認を求める仕組みになっており、承認が得られなければ効力を失う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
緊急政令の合憲性をめぐる議論:109条の緊急政令は、国会を唯一の立法機関とする憲法41条や、政令への罰則委任の限界との関係で合憲性に議論があるとされる。105条の布告はその前提となる発動装置として位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機に制定された災害対策基本法の第9章(災害緊急事態)の冒頭規定として新設
- 災害対策基本法 第106条布告の国会承認と布告の廃止
- 災害対策基本法 第107条布告時の緊急災害対策本部の設置(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第109条国会閉会中の緊急政令による緊急措置
- 災害対策基本法 第28条の2緊急災害対策本部の設置要件
- 災害対策基本法 第63条市町村長の警戒区域設定、布告不要の規制
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法 第32条感染症の緊急事態宣言、別系統の非常事態制度
- 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律 第2条特定非常災害の指定による権利保全
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