災害対策基本法 第104条(災害融資)
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政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、政令で定める災害が発生したときは、災害に関する特別な金融を行ない、償還期限又はすえ置き期間の延長、旧債の借換え、必要がある場合における利率の低減等実情に応じ適切な措置をとるように努めるものとする。
この条文の基本情報
災害融資とは何ですか?
定義災害融資とは、災害対策基本法第104条に定められた規定で、「政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、政令で定める災害が発生したときは、災害に関する特別な金融を行ない、償還期限又はすえ置き期間の延長、旧債…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第104条(災害融資)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第104条の条文原文は「政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、政令で定める災害が発生したときは、災害に関する特別な金融を行ない、償還期限又はすえ置き期間の延長、旧債…」で始まります。
- 災害対策基本法第104条は第八章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第104条の前の条は災害対策基本法第103条です。
- 災害対策基本法第104条の次の条は災害対策基本法第105条です。
- 災害対策基本法第104条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第104条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第104条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/104
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法104条は、政府系金融機関等に対し、災害時に償還期限の延長、旧債の借換え、利率の低減等の特別な金融措置をとるよう努めることを求める努力義務規定である。
Q · 災害で被災したら、政府系のローンの返済は待ってもらえるの?
自動では止まらず、政府系金融機関への申出が必要
災害対策基本法104条は、日本政策金融公庫や住宅金融支援機構などの政府関係金融機関に対し、災害時に償還期限や据置期間の延長、旧債の借換え、利率の低減などに努めるよう求めています。ただし努力義務であり、個々の返済が自動的に止まるわけではありません。罹災証明書を用意し、借入先の窓口で返済条件の変更や災害復旧貸付を具体的に申し出ることで、審査を経て措置が実現します。
解説
家が流され、店が浸水しても、住宅ローンや事業融資の返済日は待ってくれない。これが多くの被災者が最初にぶつかる現実である。災害対策基本法104条は、日本政策金融公庫、住宅金融支援機構、沖縄振興開発金融公庫といった政府系金融機関などに、災害時の特別な金融を求めている。具体的には、返済期限や据置期間(元本を返さず利息だけ払えばよい期間)の延長、旧債の借換え、利率の引下げである。ただし条文の語尾は「努めるものとする」となっている。法律上は努力義務(守るよう努める義務で、守らなくても直ちに違法とはならないもの)であり、あなたが裁判で「延長しろ」と請求できる権利ではない。だからこそ、黙って待っている人には何も起きない。窓口で「災害復旧貸付」「返済条件の変更」と具体的な言葉を使い、罹災証明書を添えて自分から申し出た人だけが、この条文の果実を受け取る。借入先が民間銀行の場合は、別の制度である被災ローン減免制度へ話をつなげることになる
法的な位置づけ
災害対策基本法104条は、政府関係金融機関等が政令で定める災害の発生時に行う特別な金融について定める規定である。措置の例として償還期限又は据置期間の延長、旧債の借換え、利率の低減を掲げ、実情に応じた適切な措置をとる努力義務を課す。個々の債務者に措置の請求権を付与するものではない。
手順
- 1.罹災証明書を申請する 被災後できるだけ早く、市区町村に罹災証明書を申請する。ほぼすべての災害特例で提出を求められる基礎書類であり、発行待ちの間も申請中である控えを残しておく
- 2.借入先を政府系と民間に仕分ける 住宅ローン・事業融資・設備資金などすべての借入れを一覧にし、日本政策金融公庫や住宅金融支援機構などの政府系か、民間銀行かを区別する。フラット35は窓口が民間銀行でも債権者は機構である点に注意する
- 3.政府系金融機関に具体的な名称で申し出る 政府系の借入先には「返済条件の変更」「災害復旧貸付」と制度名を使って相談を申し込む。証明書が未発行でも仮受付と相談記録を残してもらう
- 4.民間ローンは債務整理ガイドラインを検討する 民間銀行の借入れについては、災害救助法の適用があれば自然災害債務整理ガイドラインの利用を検討する。弁護士会などの登録支援専門家に相談する
- 5.既存債務の扱いを決めてから新規融資を契約する 既存債務の条件変更や減免の方向性が固まってから新たな融資を契約する。借入額は再建に必要な額ではなく、据置期間終了後に返済できる額から逆算する
よくある質問 AI による整理
Q1災害復旧貸付とは何ですか?
被災した事業者が設備の復旧や運転資金のために、日本政策金融公庫などの政府系金融機関から受けられる災害向けの融資です。条件は災害ごとに告知されます。
Q2罹災証明書がまだなくても融資の相談はできますか?
相談自体はできます。証明書を申請中であることを窓口に伝え、先に相談の記録を残しておくのが有効です。正式な申込みには証明書の提出を求められることが一般的です。
Q3据置期間とは何ですか?
元本の返済を始めずに、利息だけを支払えばよい期間です。災害時の特別な金融では、この期間の延長が措置の一つとして災害対策基本法104条に挙げられています。
Q4被災後の二重ローンを避ける方法は?
新規融資を契約する前に、既存ローンの返済条件変更や自然災害債務整理ガイドラインの利用を先に相談します。既存債務の扱いを決めてから新たに借りるのが基本です。
Q5自然災害債務整理ガイドラインとは?
災害救助法が適用された災害の被災者が、民間金融機関などのローンについて減免を求めるための準則です。破産と異なり、信用情報に事故情報が登録されない点が特徴です。
Q6フラット35は被災時に返済方法を変更できますか?
住宅金融支援機構は被災者向けに払込みの据置や金利引下げなどの返済方法変更の仕組みを設けています。窓口となった民間銀行経由で申し出ます。詳細は機構の告知をご確認ください。
Q7災害の特別融資はいつまで申し込めますか?
災害ごとに受付期限が設けられることが多く、一律ではありません。期限を過ぎると通常条件に戻るため、被災直後に各機関の告知を確認し早めに相談することが重要です。
Q8政府系金融機関の災害相談窓口はどこですか?
事業資金は日本政策金融公庫の支店(農林水産事業は別窓口)、住宅ローンは住宅金融支援機構または窓口銀行が中心です。沖縄県では沖縄振興開発金融公庫が担います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1被災したら、住宅ローンって法律で自動的に止まるんじゃないんですか?
止まりません。104条は政府系金融機関に返済期限の延長などを求めていますが、あくまで努力義務です。個々の返済を自動的に止める効力はありません。実務のポイント:同じ法律の109条には、災害緊急事態のときに政令で金銭債務の支払を延期する、いわゆるモラトリアムの規定もあります。ただし発動には極めて重い要件があり、阪神淡路大震災でも東日本大震災でも使われませんでした。待つのではなく、自分から申し出るのが現実的な選択です
Q2銀行ローンでも、この104条を根拠に返済猶予を求められますか?
民間銀行は104条の名宛人ではないため、この条文を直接の根拠にはできません。ただし大規模災害のたびに、金融庁は民間金融機関にも柔軟な対応を要請しています。実務のポイント:民間ローンでの本当の選択肢は、自然災害債務整理ガイドラインです。災害救助法が適用された災害であれば、信用情報に事故情報が載らない形で減免を求められます。銀行側から積極的に案内されることは少ないので、自分からガイドラインの名前を出して相談するのが近道です
Q3災害融資って金利ゼロなんですか? 借りたほうが得ですか?
災害の規模や借りる人の属性によって、利率の引下げや据置期間の設定がされますが、常にゼロ金利になるわけではありません(104条は利率の低減を例として挙げているだけです)。実務のポイント:金利よりも据置期間のほうが効いてきます。据置期間中に売上が戻らなければ、その後の返済が一気に重くなります。借りる額は、再建に必要な額ではなく、据置期間が終わった後に返せる額から逆算して決めるのが鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害に遭えば返済は自動的に止まる」と考えがちだが、104条は金融機関に努力を求めているだけで、返済を自動的に止める効力はない。条件変更は、あなたの申出と金融機関の審査を経て初めて実現する。何もしなければ、口座からは翌月も通常どおり引き落とされる
- 「政府系の災害融資があるなら安心」とは言い切れない。どれほど低金利でも、借金であることに変わりはない。既存ローンが残ったまま新しい融資を重ねると、二重ローンの総返済額は被災前を大きく上回ることがある。利率の低さよりも、据置期間の長さと既存債務の扱いを先に確認しないと、再建の数年後に資金繰りで行き詰まる
- 「どこから借りているか」は、あなたにとっては銀行名の違いにすぎない。しかし法律上は、適用される仕組みそのものが変わる。政府系金融機関であれば104条の直接の名宛人になる。民間銀行であれば、104条ではなく金融庁の要請や自然災害債務整理ガイドラインの領域に入る。借入先を確かめずに相談先を選ぶと、何週間も遠回りすることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 104条:政府関係金融機関その他政令で定める金融機関 | 109条:内閣(政令の制定) 102条:地方公共団体(起債の特例) |
| 法的性質 | 努力義務(「努めるものとする」) | 災害緊急事態における緊急政令の授権 地方債の発行を認める財政上の特例 |
| 発動要件 | 政令で定める災害の発生 | 災害緊急事態の布告に加え、国会閉会中等で国会の措置を待ついとまがない場合など極めて重い要件 政令で定める災害の発生と所定の財政需要 |
| 被災者への効果 | 申出と審査を経て、個別に返済条件の変更や特別融資が実現 | 発動されれば金銭債務の支払延期が一律に及ぶが、阪神淡路・東日本大震災でも不発動 直接の効果はなく、自治体の復旧財源を通じた間接的支援 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も災害後の金融支援を災害法制の中に置き、被災者向けの低利融資や既存貸付の展期を定める。日本の104条より具体的な措置を政府側に求める構造とされる
韓国は特別災害地域の宣布と結び付けて国の支援を定め、融資等の金融支援もその枠内で行われる
米国は中小企業庁(SBA)が事業者だけでなく住宅所有者・賃借人にも災害融資を直接行う。政府系金融機関への努力義務という日本型とは異なり、連邦機関が自ら貸し手となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で工場の一階が水没した町工場の二代目。設備の買い替えに2,000万円が必要なのに、既存の借入れの返済もまだ7年残っている。日本政策金融公庫の災害復旧貸付で新しい資金を借り、既存債務の条件変更も同時に相談すれば、二重ローンの圧力を一つの窓口でまとめて下げられる
- 地震で自宅が全壊したのに、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)のローンはまだ2,500万円残っている。もし再建資金まで新たに借りたら、毎月の返済はどうなる? 機構には災害復興住宅融資があり、既存ローンについても被災者向けの返済方法変更(払込みの据置や金利の引下げなど)の仕組みがある。申し出なければ、通常どおり引き落とされ続ける
- あなたは地方銀行の融資担当で、被災した取引先から返済猶予を求められた。銀行は104条の名宛人である「政府関係金融機関」ではない。それでも金融庁は大規模災害のたびに、民間金融機関にも柔軟な条件変更を要請してきた。「うちは対象外です」と即答すれば、後で取引先を失うだけでなく、監督当局の目も厳しくなる
- 被災から3か月、事業者向けの特別融資の受付期限が近づいている。罹災証明書の発行待ちで書類がそろわない。窓口には、証明書申請中であることを先に伝えておく。受付期限は災害ごとに異なり、期限を過ぎると通常融資の金利に戻る
- 漁船が津波で流された。農林水産事業を担当する日本政策金融公庫の窓口は、中小企業向けの窓口とは別にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 罹災証明書を市区町村に申請する。ほぼすべての特例で、これが最初の入場券になる2. 借入先を政府系(日本政策金融公庫、住宅金融支援機構など)と民間に分けて一覧にする3. 政府系の借入先には、災害復旧貸付や返済方法の変更を、その名称を使って申し出る4. 民間ローンについては、自然災害債務整理ガイドラインの利用を検討する。弁護士会などの登録支援専門家に無料で相談できる5. 新しい融資の契約は、既存債務の扱いが決まってから行う
訴えられた側:金融機関側の担当者が相談を受けた場合の対応である。1. 104条は努力義務だが、条件変更の申出を門前払いすると、監督当局や地域からの評判を損なう2. 罹災証明書の発行待ちを理由に相談の受付まで止めず、仮受付で記録を残す3. 既存債務の条件変更と新規融資を一体で検討し、二重ローンで返済が行き詰まるリスクを、融資の段階で織り込んでおく
時効(請求できる期限):104条そのものに時効はない。ただし特別融資や返済猶予の特例には、災害ごとに受付期限が設けられることが多い(各機関の告知をご確認ください)。借入金の返済債務自体には、一般消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 昭和36年(1961年)制定 伊勢湾台風を契機とする法制定時に置かれた条文。「行ない」「すえ置き」という旧表記が残っており、制定以来、実質的な改正はないとみられる
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機とする災害対策基本法の制定時に置かれた条文。「行ない」「すえ置き」の旧表記が残り、制定以来実質的な改正はないとみられる
- 災害対策基本法 第2条「災害」の定義、本条適用の前提
- 災害対策基本法 第97条激甚災害に対する財政援助の別法委任
- 災害対策基本法 第102条地方公共団体の起債の特例
- 災害対策基本法 第109条緊急措置としての金銭債務支払延期
- 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第12条中小企業向け信用保険の災害特例(現行効力を要確認)
- 株式会社日本政策金融公庫法 第11条公庫の業務範囲、災害復旧貸付の根拠
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