災害対策基本法 第28条の2(緊急災害対策本部の設置)
クイックジャンプ
- 著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、内閣府設置法第四十条第二項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣府に緊急災害対策本部を設置することができる。
- 2.第二十三条の三第二項の規定は、緊急災害対策本部について準用する。
- 3.第一項の規定により緊急災害対策本部が設置された場合において、当該災害に係る特定災害対策本部又は非常災害対策本部が既に設置されているときは、当該特定災害対策本部又は非常災害対策本部は廃止されるものとし、緊急災害対策本部が当該特定災害対策本部又は非常災害対策本部の所掌事務を承継するものとする。
この条文の基本情報
緊急災害対策本部の設置とは何ですか?
定義緊急災害対策本部の設置とは、災害対策基本法第28条の2に定められた規定で、「著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第28条の2(緊急災害対策本部の設置)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第28条の2の条文原文は「著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣…」で始まります。
- 災害対策基本法第28条の2は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第28条の2の前の条は災害対策基本法第28条です。
- 災害対策基本法第28条の2の次の条は災害対策基本法第28条の3です。
- 災害対策基本法第28条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第28条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第28条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/28_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法28条の2は、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し又はそのおそれがある場合、内閣総理大臣が閣議にかけて臨時に内閣府に緊急災害対策本部を設置できると定める。
Q · 緊急災害対策本部って、誰がどんなときに作るの?
激甚な災害のとき、総理が閣議を経て内閣府に置く
災害対策基本法28条の2により、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合、またはそのおそれがある場合に、内閣総理大臣が「特別の必要」を認め、閣議にかけて臨時に内閣府に設置します。名称や所管区域などは告示されます(23条の3第2項を準用)。同じ災害について特定災害対策本部や非常災害対策本部がすでにあれば、それらは廃止され、仕事は緊急本部に引き継がれます。
解説
国の災害対応には三段階のギアがある。下から特定災害対策本部、非常災害対策本部、そして最上段が本条の緊急災害対策本部だ。最上段に入れるのは「著しく異常かつ激甚な非常災害」が起きた場合、または起きるおそれがある場合に限られる。設置には閣議を経る必要があり、本部長には内閣総理大臣が就く(28条の3)。設置された実例は、2011年の東日本大震災しかないとされている(最新の設置実績は公表情報をご確認ください)。緊急本部が置かれると、同じ災害についてすでにある下位の本部は自動的に廃止され、その仕事はすべて緊急本部に引き継がれる。指揮系統が一本にまとまるということだ。さらに2021年改正後は、国の本部が設置され所管区域が告示されると、被害が出る前の段階から災害救助法を適用できるようになった(同法2条2項)。ニュースで「緊急災害対策本部設置」と流れたら、国が全省庁を一つの号令で動かす態勢に入ったと読んでよい。
法的な位置づけ
緊急災害対策本部とは、災害対策基本法28条の2に基づき、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、内閣総理大臣が閣議にかけて臨時に内閣府に設置する国の災害対策本部である。特定災害対策本部及び非常災害対策本部の上位に位置し、設置時にはこれらを廃止して所掌事務を承継する。
よくある質問 AI による整理
Q1緊急災害対策本部とは何ですか?
国の災害対策本部のうち最上位のものです。著しく異常かつ激甚な非常災害のとき、内閣総理大臣が閣議を経て臨時に内閣府に設置します(災害対策基本法28条の2)。
Q2緊急災害対策本部が設置されたのはいつですか?
設置例として知られているのは、2011年3月の東日本大震災です。それ以外に設置された例は確認されていないとされますが、最新の状況は内閣府防災の公表情報で確認してください。
Q3緊急災害対策本部の本部長は誰ですか?
内閣総理大臣です(災害対策基本法28条の3)。設置を決めるのも本部長を務めるのも総理大臣なので、総理大臣が直接指揮をとる体制になります。
Q4能登半島地震で緊急災害対策本部は設置された?
設置されていません。2024年の能登半島地震で国が置いたのは非常災害対策本部まででした。緊急本部を置くには、さらに重い要件と閣議を経る必要があります。
Q5緊急災害対策本部の設置要件は?
①著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した、またはそのおそれがあること、②災害応急対策を進めるため特別の必要があること、③閣議にかけること、の三つです。
Q6緊急災害対策本部はどこに置かれる?
内閣府に臨時に置かれます。内閣府設置法40条2項の規定にかかわらず、閣議を経て設置できる特例です。設置の場所は告示で示されます。
Q7緊急災害対策本部ができたら既存の本部はどうなる?
同じ災害についてすでに置かれていた特定災害対策本部や非常災害対策本部は廃止されます。その仕事はすべて緊急本部が引き継ぎます(28条の2第3項)。
Q8緊急災害対策本部の設置は誰が告示する?
23条の3第2項の準用により、内閣総理大臣が本部の名称、所管区域、設置の場所と期間を直ちに告示します。所管区域は災害救助法の早期適用にもかかわります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1非常災害対策本部と緊急災害対策本部って、結局なにが違うんですか?
2021年の改正後は、どちらも本部長は内閣総理大臣だ(24条以下、28条の3)。違いは設置要件の重さと体制にある。緊急本部は「著しく異常かつ激甚な」災害が対象で、閣議を経て置かれ、原則として全閣僚が加わる。実務のポイント:自治体の防災担当者は、どの本部が立ったかを見て国の応援規模を見積もる。所管区域の告示に自分の市町村が入っているかどうかが、災害救助法を早めに適用できるかの分かれ目になる。
Q2緊急災害対策本部ができたら、外出禁止とか物資の買い占め禁止みたいなことになるの?
本部ができただけではそうならない。国民の権利を直接制限する措置は、別に「災害緊急事態の布告」(105条)を経て、緊急政令(109条)で定める必要がある。実務のポイント:東日本大震災では緊急本部が置かれたが、災害緊急事態の布告は出されなかった。本部の設置と権利の制限は別のスイッチであり、ニュースではこの二つがよく混同されている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「大きな地震が起きれば緊急災害対策本部は自動的にできる」と思われがちだが、実際にはできない。総理大臣が「特別の必要」を認め、閣議にかけて初めて設置される。熊本地震(2016年)や能登半島地震(2024年)のような大災害でも、置かれたのは非常災害対策本部までだった
- 緊急本部ができると戒厳令のように私たちの権利が制限される、と身構える人がいる。だがその心配は前提から外れている。本部の設置は国の組織をどう組むかの話にすぎない。物価統制や支払猶予のように国民の権利へ直接踏み込む措置には、別に「災害緊急事態の布告」(105条)と緊急政令(109条)という二つの関門を通る必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 28条の2:緊急災害対策本部(最上段) | 24条:非常災害対策本部(中段) 23条の3:特定災害対策本部(下段、2021年新設) |
| 対象となる災害 | 著しく異常かつ激甚な非常災害(発生のおそれを含む) | 非常災害(発生のおそれを含む) 非常災害に至らないが、生命・身体に急迫した危険のある災害 |
| 設置手続 | 内閣総理大臣が「特別の必要」を認め、閣議にかけて設置 | 内閣総理大臣が設置(条文上、閣議は要件とされていない) 内閣総理大臣が設置し、名称・所管区域等を告示 |
| 下位本部との関係 | 同じ災害の特定本部・非常本部を廃止し、所掌事務を承継 | 緊急本部が設置されると廃止される側 上位の本部が設置されると廃止される側 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では重大災害の発生時またはそのおそれがあるときに、中央災害防救業務主管機関の首長が中央災害應變中心を成立させる。日本のような三段階の本部構成ではなく、規模に応じて開設レベルを調整する運用が中心
韓国では中央災難安全対策本部を行政安全部に置く。特に大規模な災害では国務総理が本部長を務める場合があり、首相級トップに格上げする点は日本の緊急本部と発想が似ている
米国では州知事の要請を受けて大統領が「大規模災害宣言」を出し、FEMA が連邦支援を調整する。本部を新しく設置するのではなく、宣言によって財政支援を発動する仕組み
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 巨大台風の上陸まで残り48時間。あなたの住む町が告示された所管区域に入っていれば、被害がまだ出ていなくても、県は災害救助法に基づいて避難所の開設や避難の輸送を始められる。告示の地名欄を見るかどうかで、家族を早めに避難させる判断が変わる
- もしあなたが市役所の防災担当で、深夜に「緊急災害対策本部設置」の速報を見たらどうする? 非常災害対策本部にこれまで出してきた報告ルートは、その瞬間に消える。上げる先が緊急本部に一本化されるため、まず連絡系統の切替えを確認することになる
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)改正 阪神・淡路大震災を受けて改正された。災害緊急事態の布告がなくても緊急災害対策本部を設置できるよう、設置要件が緩和されたとされる(要人的検証)
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関連改正 内閣府の発足に伴い、本部の置き場所が内閣府に整理され、内閣府設置法を参照する形になったとされる(要人的検証)
- 令和3年(2021年)改正 特定災害対策本部が新しく設けられた。第3項で、廃止され承継される本部に特定災害対策本部が加えられたとされる(要人的検証)
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:阪神・淡路大震災を受けた改正。災害緊急事態の布告がなくても緊急災害対策本部を設置できるようにし、設置要件を「著しく異常かつ激甚な非常災害」に改めたとされる(要確認)
- 2.令和3年(2021年) 改正:特定災害対策本部が新設され、第3項で廃止・承継の対象に特定災害対策本部が加わった。あわせて、災害が発生するおそれの段階でも国の本部を設置できる仕組みが整えられたとされる(要確認)
- 災害対策基本法 第23条の3特定災害対策本部の設置、準用元の公示規定
- 災害対策基本法 第24条非常災害対策本部の設置、一段下の本部
- 災害対策基本法 第28条の3緊急本部の組織、本部長は総理大臣
- 災害対策基本法 第105条災害緊急事態の布告、権利制限は別関門
- 災害救助法 第2条国の本部設置でおそれ段階の救助が可能
- 内閣府設置法 第40条特別の機関の設置原則、本条が例外を定める
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める