災害対策基本法 第23条の3(特定災害対策本部の設置)
クイックジャンプ
- 災害(その規模が非常災害に該当するに至らないと認められるものに限る。以下この項において同じ。)が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該災害が、人の生命又は身体に急迫した危険を生じさせ、かつ、当該災害に係る地域の状況その他の事情を勘案して当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるもの(以下「特定災害」という。)であるときは、内閣総理大臣は、内閣府設置法第四十条第二項の規定にかかわらず、臨時に内閣府に特定災害対策本部を設置することができる。
- 2.内閣総理大臣は、特定災害対策本部を置いたときは当該本部の名称、所管区域並びに設置の場所及び期間を、当該本部を廃止したときはその旨を、直ちに、告示しなければならない。
この条文の基本情報
特定災害対策本部の設置とは何ですか?
定義特定災害対策本部の設置とは、災害対策基本法第23条の3に定められた規定で、「災害(その規模が非常災害に該当するに至らないと認められるものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第23条の3(特定災害対策本部の設置)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第23条の3の条文原文は「災害(その規模が非常災害に該当するに至らないと認められるものに限る。」で始まります。
- 災害対策基本法第23条の3は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第23条の3の前の条は災害対策基本法第23条の2です。
- 災害対策基本法第23条の3の次の条は災害対策基本法第23条の4です。
- 災害対策基本法第23条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第23条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第23条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/23_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法23条の3は、非常災害に至らない特定災害が発生し又は発生するおそれがある場合、内閣総理大臣が内閣府に特定災害対策本部を設置でき、名称・所管区域等を告示すると定める。
Q · 台風が来る前に「特定災害対策本部を設置」と発表されたら、何が変わるの?
被害前でも国が臨時本部を置け、告示が避難所開設に影響する
災害対策基本法23条の3により、内閣総理大臣は、非常災害に至らない規模でも生命・身体に急迫した危険がある特定災害について、発生のおそれの段階から内閣府に特定災害対策本部を臨時に設置できます。設置時は名称・所管区域・場所・期間が直ちに告示されます(同条2項)。この所管区域の告示は、災害救助法2条2項により都道府県が被害前に避難所の提供などの救助を行う条件の一つとなるため、自分の地域が所管区域に含まれるかの確認が実務上重要です。
解説
ニュースで「政府は特定災害対策本部を設置した」と流れても、多くの人はそのまま聞き流す。だが本当に意味があるのは、その後に官報に載る告示である。災害対策基本法23条の3は、非常災害ほど大規模ではない災害でも、人の生命・身体に急迫した危険があり、特別な必要があると判断されれば、内閣総理大臣が内閣府に臨時の本部を置けると定める。しかも、災害が「発生するおそれ」の段階で置ける。2項により、本部の名称・所管区域(本部が担当する地域)・設置場所・期間は直ちに告示される。この所管区域の告示は、災害救助法が被害の前に救助を始める条件の一つになっている。つまり、本部の設置は政府内部の組織作りにとどまらない。あなたの住む町が、被害が出る前から公費で避難所を開ける地域に入ったかどうかを示す合図でもある。読まずに済ませれば、ただの見出しで終わる。
法的な位置づけ
災害対策基本法23条の3は、特定災害対策本部の設置を定める規定である。特定災害とは、非常災害に該当するに至らない規模の災害のうち、人の生命又は身体に急迫した危険を生じさせ、かつ災害応急対策を推進するため特別の必要があると認められるものをいう。内閣総理大臣は内閣府設置法40条2項の例外として臨時に本部を置き、名称・所管区域・場所・期間を告示する。
よくある質問 AI による整理
Q1特定災害対策本部とは何ですか?
非常災害に至らない規模でも、生命・身体に急迫した危険がある災害に対応するため、内閣総理大臣が内閣府に臨時に置く国の災害対策本部です(災害対策基本法23条の3)。
Q2特定災害対策本部は誰が設置する?
内閣総理大臣が内閣府に臨時に設置します。本部長には防災担当大臣その他の国務大臣が充てられます(同法23条の4)。
Q3特定災害対策本部はいつ設置できる?
災害が発生した後だけでなく、発生するおそれがある段階でも設置できます。台風の上陸前など、被害が出る前の設置が想定されています。
Q4特定災害対策本部の所管区域とは?
本部が災害応急対策を担当する地域のことです。設置時に告示され、災害救助法による被害前の救助を行える地域の範囲にも関わります。
Q5特定災害対策本部の告示はどこで確認できる?
内閣総理大臣の告示として官報に掲載されます。内閣府防災の公表資料や報道発表でも確認できることが多いため、両方を確認すると確実です。
Q6特定災害対策本部はいつ廃止される?
告示された設置期間の満了または内閣総理大臣の判断で廃止され、廃止したときもその旨が直ちに告示されます(同条2項)。
Q7被害前に開いた避難所の費用は誰が負担する?
所管区域内で災害救助法の救助として行われれば、救助の費用は都道府県が支弁し、一定の場合に国庫負担の仕組みがあります。詳細は最新の運用を確認してください。
Q8特定災害対策本部が設置されたら住民に義務はある?
本部の設置自体は住民に直接の義務を課しません。避難の判断は、市町村長が出す避難指示などの情報と合わせて行う必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特定災害対策本部と非常災害対策本部って、何が違うんですか?
規模の違いである。特定災害対策本部(本条)は、非常災害に該当するまでには至らないものの、生命・身体に急迫した危険がある災害を対象にする。非常災害対策本部(同法24条)はより大規模な災害、緊急災害対策本部(同法28条の2)は著しく異常かつ激甚な災害を対象とする。実務のポイント:三つの本部のどれが置かれても、所管区域の告示は災害救助法の被害前救助の条件になる。住民にとっては本部の格よりも、告示の地図に自分の町が入っているかの方が重要である
Q2本部ができたら、住んでいる私たちに何か変わることはありますか?
直接の義務は生じない。ただし2項に基づいて所管区域が告示されると、災害救助法2条2項により、都道府県は被害が出る前から避難所の提供などの救助を行えるようになる。実務のポイント:自治体の担当者は、被害前の避難所開設を費用面から迷うことが多い。告示を根拠に県と協議しているかを議員や自治会経由で確認するだけで、開設の判断が早まることがある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「特定災害に指定されたなら、激甚災害の補助かさ上げや、特定非常災害の期限延長も自動的に付くはずだ」という考えは、問いの前提から誤っている。特定災害(本条)、特定非常災害(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律)、激甚災害(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律)は、根拠法も要件も効果もまったく別の制度である。名前が似ているだけで連動はしない
- 国の災害対策本部は被害が確定してから立ち上がるもの、と思われがちだ。実際には、本条は「発生するおそれがある場合」にも設置を認めている。初動の重心を、被害が出た後の対応から被害前の先回りへ移す仕組みであり、その意味を知らない住民や事業者は、避難の判断を一段階遅らせてしまう
- 住民から見れば、本部の設置は霞が関の体制強化というニュースにすぎない。法律から見れば、2項の告示に書かれる所管区域が、災害救助法による被害前の救助の地理的な境界線になる。同じ県内でも、告示の線の内側か外側かで行政の動ける速度が違う。この落差に気付かないと、隣の町では開いた避難所が自分の町では開かない理由を説明できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる災害の規模 | 23条の3:非常災害に至らない規模で、生命・身体に急迫した危険がある特定災害 | 24条:非常災害 28条の2:著しく異常かつ激甚な非常災害 |
| 本部長 | 防災担当大臣その他の国務大臣(23条の4) | 内閣総理大臣(令和3年改正で格上げ) 内閣総理大臣 |
| 設置の手続 | 内閣総理大臣が臨時に内閣府に設置し、名称・所管区域等を告示 | 内閣総理大臣が臨時に内閣府に設置し、所管区域等を告示 内閣総理大臣が閣議にかけて臨時に内閣府に設置 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は中央災害防救業務主管機関の首長が、災害の規模等に応じて中央災害應變中心の開設と分級を決める。発生のおそれの段階から開設できる点は日本と近い
韓国は大規模災害の対応のため行政安全部に中央災害安全対策本部を置く。日本のような規模別の三段階の本部とは構造が異なる
米国は大統領の緊急事態宣言により連邦支援が始まる。ハリケーン上陸前に宣言される例があり、被害前の先回りという発想は本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大型台風が上陸する36時間前、首相官邸が特定災害対策本部の設置を発表した。役場の防災担当であるあなたは、その日の夜までに告示の所管区域に自分の町が入っているかを確認し、県と避難所の開設費用の扱いを詰めることになる。確認が遅れるほど、開設の判断が後手に回る
- 高齢の母が一人で住む川沿いの町に記録的な大雨の予報が出た。もし所管区域の告示にその町が入っていたら、何が変わる? 被害が出る前の段階でも、都道府県が災害救助法に基づく避難所の提供に動ける根拠がそろう。「まだ何も起きていないから避難所は開かない」という説明は、そのまま受け入れなくてよい
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正 災害対策基本法等の一部を改正する法律により新設された。非常災害に至らない規模の災害についても、発生のおそれの段階から国が臨時の本部を置けるようにした。同改正では避難勧告の廃止と避難指示への一本化なども行われた
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:災害対策基本法等の一部を改正する法律により新設。非常災害に至らない規模の災害についても、発生のおそれの段階から国が臨時の本部を置ける仕組みを設け、あわせて災害救助法に被害前救助の規定が整備された
- 災害対策基本法 第2条「災害」の定義、本部設置の前提概念
- 災害対策基本法 第23条の4特定災害対策本部の組織(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第24条上位段階の非常災害対策本部の設置
- 災害対策基本法 第28条の2最上位段階の緊急災害対策本部の設置
- 災害救助法 第2条所管区域の告示を被害前救助の要件とする
- 内閣府設置法 第40条特別の機関の法定原則の例外
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める