災害対策基本法 第107条(災害緊急事態における緊急災害対策本部の設置)
クイックジャンプ
内閣総理大臣は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、当該災害に係る緊急災害対策本部が既に設置されている場合を除き、第二十八条の二の規定により、緊急災害対策本部を設置するものとする。
この条文の基本情報
災害緊急事態における緊急災害対策本部の設置とは何ですか?
定義災害緊急事態における緊急災害対策本部の設置とは、災害対策基本法第107条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、当該災害に係る緊急災害対策本部が既に設置されている場合を除き、第二十八条の二の規定により、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第107条(災害緊急事態における緊急災害対策本部の設置)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第107条の条文原文は「内閣総理大臣は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、当該災害に係る緊急災害対策本部が既に設置されている場合を除き、第二十八条の二の規定により、…」で始まります。
- 災害対策基本法第107条は第九章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第107条の前の条は災害対策基本法第106条です。
- 災害対策基本法第107条の次の条は災害対策基本法第108条です。
- 災害対策基本法第107条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第107条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第107条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/107
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法107条は、105条の災害緊急事態の布告があったとき、内閣総理大臣が緊急災害対策本部を設置すると定める。既に本部がある場合は新設しない。
Q · 災害緊急事態の布告が出たら、緊急災害対策本部は必ず作られるの?
原則必ず設置。ただし既にあれば新設しない
災害対策基本法107条により、105条の災害緊急事態の布告があったときは、内閣総理大臣が28条の2に基づいて緊急災害対策本部を設置するものとされています。ただし、同じ災害について本部が既に設置されている場合は新たに作りません。本部は布告がなくても28条の2で設置できるため、実際には本部が先に動き、布告が後から出る順序が想定されます。
解説
災害対策基本法の中で最も重い宣言が「災害緊急事態の布告」(105条)である。内閣総理大臣が閣議にかけて出すもので、東日本大震災のときでさえ出されなかった。本条は、この布告が出たら司令塔として緊急災害対策本部を必ず置く、と定めている。条文の言い回しは「設置するものとする」で、原則として設置が義務づけられている。ただし、同じ災害についてすでに本部があれば、二つ目は作らない。ここに実務上の要点がある。緊急災害対策本部は28条の2により布告がなくても設置できるため、現実には本部が先にでき、布告は後から出るか、出ないまま終わる。本部長は内閣総理大臣自身である。つまり本条は、布告が出た段階で、首相が指揮する本部がすでに動いている状態を必ず確保するための条文である。ニュースで「緊急災害対策本部」と「災害緊急事態の布告」の二つの言葉を聞き分けられれば、政府がいまどの段階のカードを切ったのかを自分で判断できる
法的な位置づけ
災害対策基本法107条は、災害緊急事態の布告(105条)と緊急災害対策本部(28条の2)を連動させる規定である。布告があった場合、内閣総理大臣は当該災害に係る緊急災害対策本部を設置するものとされ、既に設置済みの場合に限り新設を要しない。設置権限そのものではなく、布告時の司令塔の存在を制度的に確保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1災害緊急事態の布告とは何ですか?
災害対策基本法105条に基づき、内閣総理大臣が閣議にかけて出す、国の経済秩序などに重大な影響が及ぶ災害についての最上位の宣言です。
Q2緊急災害対策本部の本部長は誰ですか?
内閣総理大臣です。非常災害対策本部の本部長が防災担当大臣などであるのに対し、緊急災害対策本部は首相自らが指揮を執ります。
Q3災害緊急事態の布告は過去に出たことがありますか?
これまで発出された例はありません。東日本大震災でも緊急災害対策本部は設置されましたが、布告は出されませんでした。
Q4布告が出ると緊急災害対策本部が二つできますか?
できません。107条ただし書により、同じ災害について本部が既に設置されていれば、新たな本部は作らず既存の本部が司令塔を担います。
Q5災害の緊急事態宣言とコロナの緊急事態宣言は同じ?
別物です。災害は災害対策基本法105条の布告、新型コロナは新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく宣言で、根拠法も効果も異なります。
Q6布告が出たら物の値段は統制されますか?
布告だけでは統制されません。価格統制や配給は109条の緊急政令が出た場合に限られ、国会閉会中などの要件も必要です。
Q7布告はいつまで続きますか?
布告は20日以内に国会に付議して承認を求める必要があります(106条)。不承認の議決があれば速やかに廃止しなければなりません。
Q8緊急災害対策本部はどんなときに設置されますか?
著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に、28条の2により閣議にかけて設置されます。布告がなくても設置可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1緊急災害対策本部と災害緊急事態の布告って、結局どっちが重いんですか?
重いのは布告である。緊急災害対策本部は著しく異常かつ激甚な災害で設置される組織であり(28条の2)、布告は国の経済秩序や公共の福祉に重大な影響が及ぶ場合の宣言である(105条)。本条により、布告が出れば本部は必ずある状態になる。実務のポイント:自治体の防災担当者は、布告が出た瞬間に108条の対処基本方針の閣議決定と109条の緊急政令の有無を追い始める。生活に直接影響が出るのはそこからである
Q2布告が出たら、国会を通さずに何でもできるようになるんですか?
そうはならない。布告は20日以内に国会に付議して承認を求めなければならず(106条)、緊急政令で定められる事項も109条が列挙する生活必需物資の配給、価格の統制、金銭債務の支払猶予などに限られている。実務のポイント:109条の緊急政令は、国会が閉会中などで臨時会の召集を待てない場合にしか出せない。国会が開会中なら法律で対応するのが原則で、「布告すれば白紙委任」という理解は誤りである
間違えやすい点 AI による整理
- 「緊急災害対策本部ができた=災害緊急事態が宣言された」と受け取る人が多いが、二つは別物である。本部は布告がなくても28条の2で設置でき、東日本大震災では本部が設置されたが布告は出されなかった。ニュースの見出しで両者を混同すると、物価統制や支払猶予が始まると勘違いすることになる
- 本条を「首相に本部を作る権限を与える規定」と読むのは視点がずれている。設置の権限そのものは28条の2にある。本条の役割は、布告があったときに設置を事実上義務づけ、布告と司令塔を必ずセットにすることである。権限ではなく、連動の仕組みとして読むと条文の位置づけが見えてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 107条:布告があれば本部を設置する連動規定 | 28条の2:緊急災害対策本部の設置権限 105条:災害緊急事態の布告そのもの |
| 発動のきっかけ | 105条の布告があったこと | 著しく異常かつ激甚な非常災害の発生 国の経済秩序・公共の福祉に重大な影響が及ぶ災害 |
| 布告との関係 | 布告と本部を必ずセットにする | 布告なしでも単独で設置できる 106条の国会承認、108・109条の措置へ続く起点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央災害応変センターを災害規模に応じて開設し、非常時の立法的措置は総統の緊急命令(憲法増修条文第2条第3項)が担う。宣言と組織が別系統である点は日本と似ている
韓国は行政安全部長官を本部長とする中央災害安全対策本部を置き、大規模災害では国務総理が本部長を務めることもできる
ドイツでは災害対応は州の所管で、連邦は州からの要請や広域災害の場合に支援する分権型。首相直轄の全国本部という発想はない
米国は州知事の要請を受けて大統領が大規模災害を宣言し、FEMA が連邦支援を調整する。宣言と調整機関があらかじめ連動している点は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 首都直下地震の翌朝、テレビのテロップに「政府、災害緊急事態を布告」と流れた。あなたが最初に確かめるべきなのは本部の名前ではなく、布告に続いて生活必需物資の配給や価格、支払猶予に関する緊急政令(109条)が出るかどうかである。店頭の値札と銀行の返済日が変わる可能性があるのは、その政令が出た場合に限られる
- もし自治体の防災担当として、すでに国の緊急災害対策本部が立ち上がっている最中に布告が出たら、新しい本部ができて指示系統が二重になるのか? 本条ただし書によりならない。既存の本部がそのまま司令塔になるので、報告先を変える必要はない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機に災害対策基本法が制定され、災害緊急事態の章とともに布告と緊急災害対策本部を結びつける規定が置かれた
- 2.平成7年(1995年) 改正:阪神・淡路大震災を受け、緊急災害対策本部を布告なしでも設置できるよう改められ、本条も既設本部を前提とする構造となった
- 災害対策基本法 第105条災害緊急事態の布告、本条の発動条件
- 災害対策基本法 第106条布告の国会承認手続
- 災害対策基本法 第28条の2緊急災害対策本部の設置根拠
- 災害対策基本法 第108条布告後の対処基本方針の策定
- 災害対策基本法 第109条物資配給・価格統制等の緊急政令
- 大規模地震対策特別措置法 第9条警戒宣言、地震予知型の特別な宣言制度
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める