災害対策基本法 第108条(対処基本方針)
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- 政府は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、災害緊急事態への対処に関する基本的な方針(以下この条において「対処基本方針」という。)を定めるものとする。
- 2.対処基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
- 一災害緊急事態への対処に関する全般的な方針
- 二災害応急対策に関する重要事項
- 三国の経済の秩序の維持に関する重要事項
- 四前二号に掲げる事項のほか、当該災害に係る重要な課題への対応に関する重要事項
- 五前三号に掲げる事項に係る事務を的確に遂行するための政府の体制に関する重要事項
- 3.内閣総理大臣は、対処基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
- 4.内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があつたときは、直ちに、対処基本方針を告示しなければならない。
- 5.内閣総理大臣は、災害緊急事態への対処に当たり、対処基本方針に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
- 6.第三項及び第四項の規定は、対処基本方針の変更について準用する。
- 7.対処基本方針は、第百六条第二項の規定により災害緊急事態の布告が廃止された時に、その効力を失う。
- 8.内閣総理大臣は、前項の規定により対処基本方針がその効力を失つたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
この条文の基本情報
対処基本方針とは何ですか?
定義対処基本方針とは、災害対策基本法第108条に定められた規定で、「政府は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、災害緊急事態への対処に関する基本的な方針(以下この条において「対処基本方針」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第108条(対処基本方針)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第108条の条文原文は「政府は、第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、災害緊急事態への対処に関する基本的な方針(以下この条において「対処基本方針」という。」で始まります。
- 災害対策基本法第108条は第九章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第108条の前の条は災害対策基本法第107条です。
- 災害対策基本法第108条の次の条は災害対策基本法第108条の2です。
- 災害対策基本法第108条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第108条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第108条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/108
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法108条は、災害緊急事態の布告時に政府が対処基本方針を定め、閣議決定後に直ちに告示すると規定する。方針は布告の廃止により失効する。
Q · 災害緊急事態が布告されたら、政府はまず何を決めるの?
閣議決定して告示する「対処基本方針」を最初に定める
災害対策基本法108条により、105条の災害緊急事態の布告があると、政府は対処基本方針を定めます。内閣総理大臣が案を作って閣議決定を求め、決定後は直ちに告示します。方針には全般的な方針、災害応急対策、国の経済の秩序の維持、その他の重要課題、政府の体制の5項目を定めます。総理大臣はこの方針に基づいて行政各部を指揮監督し、布告が廃止されると方針も失効します。
解説
1961年の制定から今日まで、政府は「災害緊急事態」を一度も布告していない。阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも出なかった。だから108条は、条文として存在しながら一度も動いたことのない装置である。それでも構造は知っておく価値がある。布告が出ると、内閣総理大臣は対処基本方針(政府全体の行動計画)の案を作り、閣議決定を経て直ちに告示する。この方針に書かれる五項目のうち、あなたの生活に最も効くのは第3号の「国の経済の秩序の維持」である。これは109条の緊急政令(生活必需物資の配給、価格の上限設定、借金の支払期限の延期など)とつながっていて、その方向性を予告する役割を持つ。つまり告示の文面を読めば、次に何が統制されるかを先に読み取れる。ニュースが「政府が方針を決定」と流すとき、官報の告示原文を見に行く人と見に行かない人とでは、翌週の動き方が変わる
法的な位置づけ
対処基本方針とは、災害対策基本法第105条に基づく災害緊急事態の布告があった場合に政府が定める、災害緊急事態への対処に関する基本的な方針をいう。全般的方針、災害応急対策、国の経済の秩序の維持、その他の重要課題、政府の体制に関する重要事項を内容とし、閣議決定と告示を経て、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督する際の基準となる。
よくある質問 AI による整理
Q1対処基本方針とは何ですか?
災害緊急事態の布告時に政府が定める、対処全体の基本的な方針です。災害対策基本法108条が根拠で、閣議決定のうえ告示されます。
Q2災害緊急事態の布告とは?
異常かつ激甚な非常災害が国の経済や公共の福祉に重大な影響を及ぼす場合に、内閣総理大臣が閣議にかけて行う布告です(災害対策基本法105条)。
Q3災害緊急事態は過去に布告されたことがある?
1961年の制定以来、一度も布告されていません。阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも布告は行われませんでした。
Q4対処基本方針はどこで確認できる?
閣議決定後、内閣総理大臣が直ちに告示するため、官報で原文を確認できます(災害対策基本法108条4項)。
Q5対処基本方針は誰が決める?
内閣総理大臣が案を作成し、閣議の決定を求めます(108条3項)。総理大臣一人で決めるのではなく、内閣全体の決定です。
Q6対処基本方針はいつまで有効?
災害緊急事態の布告が106条2項により廃止された時に効力を失います。失効したときも、総理大臣が直ちにその旨を告示します。
Q7対処基本方針は途中で変更できる?
変更できます。変更の場合も、閣議決定と告示の手続(108条3項・4項)が準用されるため、変更内容も官報で公開されます。
Q8災害緊急事態で物の値段は統制される?
対処基本方針自体は価格を統制しません。物資の配給や価格の上限設定は、要件を満たした場合の109条の緊急政令で定められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害緊急事態って、コロナのときの緊急事態宣言と同じものですか?
違う。コロナの宣言は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、同法18条の基本的対処方針が使われた。本条の対処基本方針は災害対策基本法105条の布告を前提とし、109条の経済統制の政令につながる点で効力の重さが異なる。実務のポイント:災害緊急事態は国会承認(106条)まで絡むため、政府は政治的なコストを嫌って布告を避けてきたとも言われる。使われないことにも理由がある
Q2方針が出ても、自分たちに直接の義務がかかるんですか?
対処基本方針そのものは政府内部の指揮の基準で、国民に直接の罰則付き義務を課すものではない。義務や制限が生じるのは、109条の緊急政令など別の根拠規定が発動したときである。実務のポイント:方針の告示から政令の公布までには時間差が出やすい。企業法務はこの空白期間に、取引先との契約にある不可抗力条項の適用範囲を詰めておくのが定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害が起きれば自動的に国家緊急事態になる」と思われがちだが、前提となる問いが違う。災害緊急事態は105条の布告という政治判断を経てはじめて発動し、東日本大震災でさえ布告はされなかった。被害の大きさと法的な緊急事態は別物であり、その間には内閣の判断という関門がある
- 対処基本方針は総理大臣の独断で決まると考える人が多いが、本条3項は閣議決定を、4項は告示を義務付けている。内閣全体の連帯責任のもとで公示される文書なので、方針の中身は国会での追及や報道検証の対象になる。密室の命令ではなく、誰でも官報で読める公開文書である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 108条:対処基本方針の策定・告示・指揮監督の基準 | 105条:災害緊急事態の布告(発動の入口) 109条:経済秩序維持のための緊急政令 |
| 決定主体・手続 | 内閣総理大臣が案を作成 → 閣議決定 → 直ちに告示 | 内閣総理大臣が閣議にかけて布告 内閣が政令として制定(国会閉会中等で措置を待つ暇がない場合) |
| 国民への直接効力 | 政府内部の指揮基準。罰則付きの直接義務はない | 布告それ自体は統制措置を課さない 物資の配給・価格の上限・支払猶予など、直接の制限を課しうる |
| 終了 | 布告の廃止で自動失効し、その旨を告示 | 国会の不承認議決などにより廃止(106条) 国会の承認を得られなければ効力を失う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は災害防救法で中央災害応変センターによる指揮体制を定め、より強い措置は総統の緊急命令(立法院の追認が必要)による。日本の布告→方針→緊急政令の三段階と構造が類似する
韓国は災難事態の宣布と中央災難安全対策本部による統括を定める。司令塔の一本化という発想は日本の108条5項と共通する
ドイツの災害対応は州が主体で、連邦は災害が複数州に及ぶ場合に関与する。首相への権限集中型の日本とは設計が異なる
米国は大統領の重大災害宣言によって連邦支援が発動し、FEMA が調整を担う。宣言は頻繁に出される点で、一度も布告のない日本とは対照的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 首都直下地震で都心の物流が止まり、政府が災害緊急事態を布告した。翌日、官報に対処基本方針が告示される。「経済の秩序の維持」の欄に物資の配給や価格抑制の方針があれば、109条の緊急政令が続いて出る可能性が高い。小売店を経営するあなたにとっては、値付けを見直す猶予が数日しかないという合図になる
- もし南海トラフ巨大地震で布告が出たら、あなたの会社のローン返済はどうなるのか? 対処基本方針自体は返済期限を動かさない。期限を延ばせるのは109条に基づく政令で、その布石を打つのが本条の第3号である。方針の段階で金融機関と話し始めた企業が先に交渉の席に着ける
- 災害対策基本法 第105条災害緊急事態の布告、方針策定の前提
- 災害対策基本法 第106条布告の国会承認と廃止、方針失効の起点
- 災害対策基本法 第109条経済秩序維持のための緊急政令
- 災害対策基本法 第28条の2緊急災害対策本部の設置
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法 第18条感染症事態での基本的対処方針の類似制度
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