災害対策基本法 第3条(国の責務)
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- 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのつとり、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することに鑑み、組織及び機能の全てを挙げて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。
- 2.国は、前項の責務を遂行するため、災害予防、災害応急対策及び災害復旧の基本となるべき計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、地方公共団体、指定公共機関、指定地方公共機関等が処理する防災に関する事務又は業務の実施の推進とその総合調整を行ない、及び災害に係る経費負担の適正化を図らなければならない。
- 3.指定行政機関及び指定地方行政機関は、その所掌事務を遂行するにあたつては、第一項に規定する国の責務が十分に果たされることとなるように、相互に協力しなければならない。
- 4.指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、この法律の規定による都道府県及び市町村の地域防災計画の作成及び実施が円滑に行なわれるように、その所掌事務について、当該都道府県又は市町村に対し、勧告し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。
この条文の基本情報
国の責務とは何ですか?
定義国の責務とは、災害対策基本法第3条に定められた規定で、「国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第3条(国の責務)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第3条の条文原文は「国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。」で始まります。
- 災害対策基本法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第3条の前の条は災害対策基本法第2条の2です。
- 災害対策基本法第3条の次の条は災害対策基本法第4条です。
- 災害対策基本法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法第3条は、国が組織と機能の全てを挙げて防災に万全の措置を講ずる責務を定める。ただし個人が国に賠償を求める直接の根拠にはならない。
Q · 災害対策基本法3条の「国の責務」で、被災者は国に補償を求められるの?
本条だけでは求められない。責務規定だから
災害対策基本法3条は、国が防災に万全の措置を講ずる責務、防災計画の作成、自治体や指定公共機関の総合調整、経費負担の適正化を定める責務規定です。個人に具体的な請求権を与えるものではないため、本条だけを根拠に国へ賠償を求めることは原則できません。国の責任を問うには国家賠償法1条・2条の要件を別途満たす必要があり、生活再建の支援は罹災証明書(同法90条の2)と被災者生活再建支援法が実際の窓口になります。
解説
「国は防災に万全の措置を講ずる責務を有する」。力強い一文だが、被災者が「国が守ってくれなかった」と訴えても、この条文だけを根拠に賠償を勝ち取ることは原則できない。本条は、国民一人ひとりに請求権を与える条文ではないからだ。定めているのは国の内部の役割分担である。国は防災基本計画(第34条)という全体の設計図を作り、自治体や指定公共機関(電力会社、通信会社、大手コンビニなど、国から防災の役目を割り当てられた民間企業)の動きをまとめて調整し、災害にかかる費用を誰が負担するかを整える。第4項では、各省庁が自治体の地域防災計画に勧告や指導をする義務まで課している。あなたの町の避難所や復旧工事の進み方は、この上から下へ流れる調整のどこかで決まる。だから、文句を言う相手と頼る相手を見誤らないことが大事だ。窓口は国ではなく、まず市町村である。
法的な位置づけ
災害対策基本法第3条は国の防災責務を定める規定であり、国が基本理念にのっとり組織及び機能の全てを挙げて防災に万全の措置を講ずること、防災の基本計画を作成・実施すること、地方公共団体・指定公共機関等の防災業務を推進・総合調整すること、災害経費負担の適正化を図ることを義務付ける。あわせて指定行政機関の相互協力と、地域防災計画への勧告・指導・助言の義務を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法3条とは?
国が防災に万全の措置を講ずる責務を定めた条文です。防災計画の作成、自治体や指定公共機関の総合調整、災害経費負担の適正化が国の役割とされています。
Q2災害対策基本法 国の責務 内容は?
①防災に万全の措置を講ずる責務、②防災計画の作成・実施、③自治体等の防災業務の総合調整、④経費負担の適正化、⑤各省庁の相互協力と自治体への勧告・助言です。
Q3災害対策基本法 国と市町村の役割の違いは?
国は計画・調整・費用負担を担い(3条)、市町村は住民に最も身近な第一次的な防災責任を負います(5条)。避難指示や罹災証明書の交付は市町村長の権限です。
Q4防災基本計画は誰が作る?
中央防災会議が作成します(災害対策基本法34条)。3条2項の「基本となるべき計画」を具体化したもので、各省庁や自治体の防災計画の土台になります。
Q5指定公共機関とは?
電気・ガス・通信・輸送などの公益的事業を営む法人のうち、内閣総理大臣が指定した機関です。国の総合調整のもとで防災業務を担う責務を負います(6条)。
Q6災害 国の責任 訴えることはできる?
災害対策基本法3条だけでは困難です。公務員の違法行為なら国家賠償法1条、河川や道路の管理欠陥なら同法2条の要件を主張・立証する必要があります。
Q7国が自治体の地域防災計画に口出しできる?
できます。3条4項により、指定行政機関の長等は地域防災計画の作成・実施が円滑に進むよう勧告・指導・助言を行う義務があります。ただし命令ではありません。
Q8災害の費用は国と自治体どちらが負担する?
原則は実施責任者の負担ですが、国は3条2項で経費負担の適正化を図る義務を負います。激甚災害に指定されると国庫補助率が引き上げられ自治体の負担が軽くなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1川が氾濫して家が流されたんですが、国の責任で訴えられますか?
本条だけを根拠に訴えるのは難しい。現実的な道は国家賠償法2条の河川管理の瑕疵(管理に欠陥があったこと)だが、最高裁の大東水害判決(最判昭和59.1.26)は、改修が終わっていない河川について管理責任を厳しく限定した。実務のポイント:勝負の分かれ目は、河川がすでに改修済みだったかどうかである。改修済みの区間なら、計画どおりの安全性が保たれていたかという点で争える余地が広がる
Q2家が全壊したら、国からいくらもらえるんですか?
本条は個人への給付を約束していない。お金の根拠は被災者生活再建支援法で、全壊の場合は基礎支援金と加算支援金をあわせて最大300万円が目安である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:支援金の前提は市町村が出す罹災証明書(第90条の2)の被害区分だ。判定に納得できなければ再調査を申し出られる。区分が一段階違うだけで受け取れる額が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「国に防災の責務がある以上、災害で被害を受ければ国が補償してくれる」と思われがちだが、本条は国の行動方針を定めた責務規定であり、個人が直接お金を請求できる根拠にはならない。国の責任を問うには、国家賠償法1条(公務員の違法行為)か2条(道路や河川など公の施設の管理の欠陥)の要件を別途満たす必要がある
- 「災害が起きたら国が主導して動く」という発想そのものがずれている。災害対策基本法の基本は市町村が最初に対応する仕組みで(第5条)、避難指示を出すのも罹災証明書を出すのも市町村長である。国の役割は後方からの設計と調整と費用負担であり、被災者が最初に向かうべき場所は霞が関ではなく地元の役所だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 責務の主体 | 災害対策基本法3条:国 | 同法4条:都道府県 同法5条:市町村 |
| 中心となる役割 | 防災計画の作成・実施、総合調整、経費負担の適正化 | 地域防災計画の作成・実施、市町村等の業務の総合調整 住民に最も身近な第一次的な防災対応 |
| 住民との距離 | 後方からの設計と調整(直接の窓口ではない) | 広域的な支援と市町村の補完 避難指示・罹災証明書など住民対応の最前線 |
| 下位機関への関与 | 指定行政機関の長等が自治体へ勧告・指導・助言(4項) | 市町村に対する助言・総合調整 区域内の公共的団体・住民の協力確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も中央政府に災害防救会報を置き、基本計画の策定と総合調整を中央が担う構造で、日本の災害対策基本法と近い。
韓国は国家と地方自治体の責務を同条で定め、日本の3条〜5条をまとめた構造に近い。
ドイツは連邦制のため平時の災害対策は州の権限で、連邦は民間防衛と州への支援が中心。国主導の総合調整は日本より弱い。
米国は州の要請に基づく大統領の災害宣言で連邦支援が発動する仕組みで、FEMA が調整を担う。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で自宅が床上浸水した。「国の責務と書いてあるのだから、国に家を直してもらえるのでは?」と考えたとき、どうなる? 本条は国全体の責務を定めた条文で、個人の住宅を直す義務までは含まない。実際に使える道は、市町村が出す罹災証明書(第90条の2)と、被災者生活再建支援法に基づく支援金の申請である。申請には期限があるので、片付けより先に被害の写真を撮っておく
- あなたは市役所の防災担当者だ。県と国の出先機関から、地域防災計画の見直しについて勧告と助言が同時に届いた。第4項の勧告や指導は命令ではないが、従わなかった理由を説明できなければ、次の災害が起きたあと議会で追及される
学説
通説:本条は国の防災に関する責務を宣言的に定める責務規定であり、個々の国民に具体的な請求権を付与するものではない。国の法的責任は国家賠償法等の個別規定により判断される。
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正(要確認) 東日本大震災を受けた改正で基本理念(第2条の2)が新設され、本条第1項に「基本理念にのつとり」の文言が加えられたとみられる。改正の回数と細かな文言の変遷は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風(1959年)の甚大な被害を契機に災害対策基本法が制定され、国の防災責務を定める本条が置かれた。
- 2.平成25年(2013年) 改正:東日本大震災を受けた改正で基本理念(第2条の2)が新設され、本条第1項に基本理念にのっとる旨が加えられたとみられる(文言の詳細は要確認)。
- 災害対策基本法 第2条の2本条が従う基本理念の定め
- 災害対策基本法 第4条都道府県の防災責務
- 災害対策基本法 第5条市町村の第一次的な防災責務
- 災害対策基本法 第6条指定公共機関等の責務
- 災害対策基本法 第34条防災基本計画の作成、第2項の具体化
- 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第2条激甚災害指定と国の財政援助の特則
- 国家賠償法 第2条公の営造物の管理瑕疵による国の賠償責任
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