災害対策基本法 第31条(職員の派遣義務)
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指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等並びに指定公共機関及び特定地方公共機関は、前二条の規定による要請又はあつせんがあつたときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。
この条文の基本情報
職員の派遣義務とは何ですか?
定義職員の派遣義務とは、災害対策基本法第31条に定められた規定で、「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等並びに指定公共機関及び特定地方公共機関は、前二条の規定による要請又はあつせんがあつたときは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第31条(職員の派遣義務)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第31条の条文原文は「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等並びに指定公共機関及び特定地方公共機関は、前二条の規定による要請又はあつせんがあつたときは…」で始まります。
- 災害対策基本法第31条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第31条の前の条は災害対策基本法第30条です。
- 災害対策基本法第31条の次の条は災害対策基本法第32条です。
- 災害対策基本法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法31条は、29条の要請または30条のあっせんを受けた行政機関や指定公共機関に対し、所掌事務に著しい支障がない限り適任の職員を派遣する義務を課す規定である。
Q · 災害時に職員の派遣を要請されたら、断ることはできるの?
原則断れない。著しい支障がある場合だけ拒否できる
災害対策基本法31条により、29条の派遣要請または30条のあっせんを受けた国の機関、都道府県、市町村、指定公共機関は、所掌事務や業務の遂行に「著しい支障」がない限り、適任の職員を派遣しなければなりません。単なる繁忙は拒否理由として足りません。ただし罰則はなく、実効性は記録と説明責任によって担保されます。
解説
大災害の翌朝、被災した町役場で最初に足りなくなるのは水でも毛布でもなく、それを配る段取りができる職員である。災害対策基本法31条は、その不足を埋める仕組みの「断りにくさ」を決めている。29条の派遣要請、または30条のあっせん(国や県が間に入り、職員を出す機関を探して取り次ぐこと)が届くと、国の出先機関、県、市町村、指定公共機関は、本来の仕事に「著しい支障」がない限り、適任の職員を出さなければならない。ポイントは、断る理由が「忙しい」程度では足りず、「著しい」支障まで求められる点である。被災自治体の側は、遠慮してお願いする立場ではない。法律上の義務を発動させる側である。逆に派遣を求められた側の職員なら、ある日突然、自分が被災地に送られる根拠がこの一文になる。
法的な位置づけ
災害対策基本法31条は、災害時の職員派遣義務を定める規定であり、同法29条の派遣要請または30条の派遣あっせんを受けた指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、都道府県知事等、市町村長等、指定公共機関および特定地方公共機関に対し、所掌事務または業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員の派遣を義務付けるものである。
手順
- 1.不足人員を業務別・職種別に数値化する 罹災証明の家屋調査、避難所運営、保健活動、土木復旧など業務ごとに、不足人数と必要な職種・期間を数値で整理する。要請の根拠と規模を明確にするための前提作業となる
- 2.29条に基づき書面で派遣要請を出す 電話での打診と並行して、施行令が定める事項(派遣を要請する理由、職種別人員数、派遣期間、勤務条件など)を記載した書面で派遣要請を行う。書面化により要請の記録が残り、拒否する側に説明責任が生じる
- 3.渋られたら30条のあっせんを求める 直接の要請で派遣が得られない場合、都道府県知事または内閣総理大臣に職員派遣のあっせんを求める。あっせんを経由した場合も、受けた機関には31条の派遣義務が及ぶ
- 4.他の派遣回路も並行して動かす 総務省の応急対策職員派遣制度、災対法67条の応援要求、地方自治法252条の17の派遣などを同時に活用し、一本の回路に依存しない受援体制を組む
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法31条とは?
29条の派遣要請や30条のあっせんを受けた機関に、著しい支障がない限り職員の派遣を義務付ける規定です。災害時の行政間の人員融通を支えます。
Q2災害時の職員派遣要請は誰が出せる?
29条に基づき、都道府県知事や市町村長などが指定行政機関の長や指定地方行政機関の長などに対して派遣を要請できます。
Q3職員派遣を拒否できる「著しい支障」とは?
派遣すると派遣元の所掌事務や業務の遂行が重大に損なわれる場合を指します。年度末の繁忙や予算編成中といった事情だけでは足りないと解されます。
Q4指定公共機関も職員を派遣する義務がある?
あります。31条の名宛人には指定公共機関も含まれており、要請やあっせんがあれば著しい支障のない限り職員を派遣する義務を負います。
Q5職員派遣を断ったら罰則はある?
31条に罰則規定はありません。ただし拒否理由は後の検証や議会質問で説明を求められるため、記録を残しておくことが実務上重要です。
Q6災害派遣された職員の身分はどうなる?
派遣職員の身分の取扱いや災害派遣手当は同法32条などで定められています。勤務条件や期間は要請時に明確にしておくのが実務の基本です。
Q7派遣要請を断られたらどうすればいい?
30条に基づき、都道府県知事や内閣総理大臣に職員派遣のあっせんを求めることができます。あっせん経由でも31条の派遣義務は同様に及びます。
Q8災害応援職員はどこから来る?
災対法31条の派遣のほか、67条の応援、地方自治法252条の17の派遣、総務省の応急対策職員派遣制度など複数の経路があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県に職員を出してって頼んだのに断られたら、何か言い返せるんですか?
31条により、要請を受けた機関は所掌事務の遂行に著しい支障がない限り派遣義務を負います。罰則はありませんが、30条のあっせんを県知事や内閣総理大臣に求めることで、調整の場に引き上げられます。実務のポイント:電話の打診だけでは「要請」の記録が残らない。書面で出しておくと、断った側が後の検証や議会質問で理由を説明せざるを得なくなる
Q2派遣された職員の給料や交通費って、誰が払うんですか?
派遣職員の身分の取扱いは32条が定め、災害派遣手当の支給なども規定されています。費用負担の細目は施行令や受入側との取決めで整理されます。実務のポイント:費用の話を後回しにして派遣を受けると、復旧が一段落した頃に精算で揉める。要請書の段階で期間と勤務条件を明記しておくのが、受入側が自分を守る一番安い方法である
Q3ニュースで見る『〇〇市から応援職員』って、全部この条文の話ですか?
全部ではありません。災害対策基本法31条の派遣のほか、67条の応援、地方自治法252条の17の派遣、総務省の応急対策職員派遣制度など複数の回路があります。実務のポイント:近年の大規模災害では、対口支援と呼ばれる総務省の制度が主力になっている。31条は、その制度で埋まらない専門職を確保するための補助線として効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「職員派遣は相手の好意で、断られたら仕方ない」と考えるのは誤りである。31条は要請やあっせんを受けた機関に派遣を義務付け、断れるのは所掌事務の遂行に「著しい支障」がある場合に限られる。ただし罰則はなく、義務違反を裁判で争う仕組みも想定されていない。実効性は、記録と政治的な説明責任によって担保される
- 被災地支援のニュースで見る職員派遣は、すべてこの条文によるものだと思われがちだが、出発点の問い自体がずれている。実務では総務省の応急対策職員派遣制度(いわゆる対口支援)や、地方自治法252条の17による派遣、67条の応援要求など、複数の回路が並行して動いている。どの回路で来た職員かによって、指揮命令や費用負担の整理が変わる
- 被災住民から見れば「役所の人手が足りない」は役所の内部事情にすぎない。しかし法律から見れば、人手不足を埋める手続を踏んだかどうかは、自治体の災害対応の質そのものである。要請を出さなかった自治体は、救えたはずの手続遅延の責任を後で問われる立場に立つ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 災対法31条:要請・あっせんを受けた側の派遣義務 | 災対法29条:職員派遣を要請する権限 災対法67条:市町村長間の応援要求 |
| 主体 | 要請・あっせんを受けた国の機関、都道府県、市町村、指定公共機関等 | 都道府県知事等・市町村長等(要請する側) 被災市町村長(求める側)と他の市町村長(応じる側) |
| 拒否できる基準 | 所掌事務・業務の遂行に「著しい支障」がある場合のみ | 要請権限の規定であり拒否基準は定めない 「正当な理由」がない限り応援を拒めない |
| 派遣職員の扱い | 身分取扱い・手当は32条等で整理 | 施行令で要請の記載事項を規定 応援従事者は応援を求めた市町村長の指揮下で応急措置に従事 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では上級政府や周辺自治体が受災自治体の請求に応じて人員を派遣し支援協助する仕組みがあり、国軍の支援も同法で規定される
ドイツは基本法上の職務共助(Amtshilfe)とカタストロフィ援助として、連邦・州間の人員・機材支援を憲法レベルで規定する
米国は連邦の災害援助法と州間相互援助協定(EMAC)の二本立てで、州間の人員融通は協定ベースで運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で庁舎が浸水した町の防災担当であるあなた。罹災証明の申請が一日数百件届くのに、家屋被害の認定ができる職員は二人しかいない。県を通じた派遣要請(29条)を出せば、受けた機関は「著しい支障」を示せない限り職員を出す義務を負う。電話での「お願い」で終わらせず、書面で要請することが分かれ目になる
- 県庁の課長として派遣要請を受け取った。年度末の予算編成の最中で、正直一人も出したくない。だが「繁忙」は「著しい支障」とは別物である。断るなら、その理由を後で説明できる形で残しておく必要がある
- もし国の出先機関が「人がいない」と派遣を渋ったら、被災した市はもう打つ手がないのか? 30条のあっせんを県知事や内閣総理大臣に求めれば、国や県が調整に入り、別の派遣元を探してもらえる。31条の義務は、あっせんを経由した場合にも同じように及ぶ
- 発災から72時間。避難所は40か所、職員は30人。今日中に派遣要請を出さなければ、来週のローテーションが組めない
取るべき行動
被害を受けた側:被災自治体の担当者として人員が足りない場合:1. 業務ごとに不足人数と必要な職種(家屋調査、保健師、土木技術者など)を数値で出す2. 29条に基づき、施行令の様式に沿った書面で派遣要請を出す3. 渋られたら30条のあっせんを県知事または内閣総理大臣に求める4. 総務省の応急対策職員派遣制度など他の回路も同時に動かし、一本の回路に依存しない
訴えられた側:派遣要請を受けた機関の担当者の場合:1. 自組織の業務が「著しい支障」に当たるか具体的に検討する。繁忙や予算時期だけでは足りない2. 全面拒否より、人数・期間・職種を調整した部分派遣を提案する3. 応じられない場合は、支障の内容を記録に残し、要請元とあっせん機関に説明する4. 派遣する職員の身分の取扱いや手当(32条)を事前に確認し、本人に伝える
時効(請求できる期限):特定の時効はない。権利行使型の請求権ではないため、一般消滅時効(民法166条)の問題も実質的に生じない。実務上の時間軸は災害応急対策の段階で、発災後数日以内の要請が派遣の実効性を左右する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定に伴い、職員の派遣に関する一連の規定(29条から33条)の一部として設けられた。その後の改正で名宛人の範囲等が整理されている(改正経過は e-Gov で要確認)
- 災害対策基本法 第29条職員派遣の要請、本条義務の発動要件
- 災害対策基本法 第30条職員派遣のあっせん、本条義務の発動要件
- 災害対策基本法 第32条派遣職員の身分取扱い・災害派遣手当
- 災害対策基本法 第67条市町村長間の応援要求、別系統の人員融通
- 地方自治法 第252条の17自治体間の職員派遣の一般規定
- 自衛隊法 第83条災害派遣、自衛隊による人員支援の別系統
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