災害対策基本法 第83条(立入りの要件)
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- 第七十一条の規定により都道府県若しくは市町村の職員が立ち入る場合又は第七十八条第二項若しくは第三項の規定により指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入る場合においては、当該職員は、あらかじめ、その旨をその場所の管理者に通知しなければならない。
- 2.前項の場合においては、その職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
この条文の基本情報
立入りの要件とは何ですか?
定義立入りの要件とは、災害対策基本法第83条に定められた規定で、「第七十一条の規定により都道府県若しくは市町村の職員が立ち入る場合又は第七十八条第二項若しくは第三項の規定により指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第83条(立入りの要件)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第83条の条文原文は「第七十一条の規定により都道府県若しくは市町村の職員が立ち入る場合又は第七十八条第二項若しくは第三項の規定により指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入…」で始まります。
- 災害対策基本法第83条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第83条の前の条は災害対策基本法第82条です。
- 災害対策基本法第83条の次の条は災害対策基本法第84条です。
- 災害対策基本法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法83条は、71条・78条に基づき職員が施設へ立ち入る際、事前に管理者へ通知し、身分を示す証票を携帯して関係人の請求があれば提示する義務を定める。
Q · 災害のとき倉庫に来た役所の人に、身分証を見せてと言っていいの?
言ってよい。職員には証票の携帯・提示義務がある
災害対策基本法83条2項により、71条または78条2項・3項に基づいて立ち入る職員は、身分を示す証票を携帯し、関係人から請求があれば提示しなければなりません。提示を求めることは検査の妨害ではなく、法律が予定した確認手順です。また同条1項により、職員は立入り前にその場所の管理者へ通知する義務も負います。確認が済んだら、正当な立入検査には協力するのが基本です。
解説
大規模災害の直後、県の職員が倉庫に来て「物資の保管命令に基づき立ち入る」と言う。災害対策基本法は、都道府県・市町村(71条)や国の機関(78条2項・3項)に、倉庫や店舗へ立ち入る強い権限を与えている。その一方で、本条は職員に二つの義務を課す。一つ目は、立ち入る前にその場所の管理者へ通知すること。二つ目は、身分を示す証票(職員であることを証明する公式の身分証)を携帯し、求められたら見せることだ。ここで知っておくべきなのは、立入りを受けるあなたにも「証票を見せてください」と求める権利があるという点である。災害時は、行政を装った詐欺や物資の持ち去りが増える。正規の職員なら、証票の提示を拒む理由はない。冷静に提示を求めることは、立入りを妨げる行為ではなく、法律が想定している正当な確認手順である。確認が済んだら協力する。この順番を知っていれば、偽物から財産を守ることも、本物の職員による正当な検査を拒んで不利益を受けることも避けられる。
法的な位置づけ
災害対策基本法83条は、同法71条に基づく都道府県・市町村の職員、または78条2項・3項に基づく指定行政機関・指定地方行政機関の職員が施設等に立ち入る場合の手続要件を定める規定である。職員は事前に当該場所の管理者へ通知し、身分を示す証票を携帯して、関係人の請求があればこれを提示しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.立入りを求められたら証票の提示を求める 職員が施設に入る前に、身分を示す証票の提示を求める。所属・氏名・根拠条文(71条か78条か)を口頭で確認する
- 2.事前通知の有無と日時を記録する 事前に通知があったか、あった場合は誰からいつどの方法で受けたかを記録する。通知がなかった場合もその場で拒まず、事実を書き留めたうえで立ち会う
- 3.立入検査に立ち会い、範囲と物資を記録する 検査の範囲、確認・搬出された物資の品目と数量を写真と書面で残す。可能であれば職員側の検査記録の写しも求める
- 4.処分があれば補償請求・不服申立てを検討する 保管命令や収用を受けた場合は82条の損失補償を自治体または国に請求する。処分自体に不服があれば審査請求(3か月以内)や取消訴訟(6か月以内)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法の立入検査とは?
災害時、都道府県・市町村(71条)や国の機関(78条)の職員が、物資の保管場所などに立ち入って状況を確認する権限です。83条がその手続を定めています。
Q2立入検査の証票とは何ですか?
職員が正規の権限を持つことを示す公式の身分証明です。83条2項により携帯が義務付けられ、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q3立入りの事前通知は誰に届きますか?
83条1項は「その場所の管理者」への通知を求めています。店舗なら店長、倉庫なら倉庫管理責任者など、現場を管理する人が通知の相手方です。
Q4事前通知は書面でないとダメ?
条文は通知の方式を指定していません。緊急時は電話や口頭でも足りるとする考え方が有力ですが、職員側は時刻と相手を記録しておくのが安全です。
Q5災害時の立入検査を拒否したらどうなる?
正当な理由なく立入検査を拒んだり妨げたりすると、災害対策基本法の罰則(第10章)の対象になりえます。最新の改正状況を確認のうえ、まず証票確認を優先してください。
Q6役所を名乗る人が偽物か見分ける方法は?
証票の提示を求め、所属・氏名・根拠条文を確認します。不審なら名乗った自治体の代表番号へ自分で電話して照会すると確実です。
Q7立入りで物資を持って行かれたら補償はある?
保管命令や収用など処分によって損失が生じた場合、災害対策基本法82条により損失補償を請求できる余地があります。立入り当日の記録が重要な証拠になります。
Q8自宅にも災害時に役所が立ち入れる?
83条の対象は71条・78条に基づく立入りで、主に物資の保管場所や施設が想定されます。住居への立入りは憲法35条の趣旨からも慎重な運用が求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の人に身分証を見せてって言ったら、怒られたり罰せられたりしませんか?
罰せられることはない。災害対策基本法83条2項は、関係人から請求があれば職員は証票を提示しなければならないと定めている。提示を求めるのは法律が予定した手順であり、検査の妨害にはあたらない。実務のポイント:証票を提示されたら、所属と氏名をその場でメモする。後で損失補償や苦情の窓口に連絡するとき、職員名が分かっているだけで話が早く進む
Q2事前に連絡がなかった立入り、違法だから断ってもいいんですか?
83条1項は事前の通知を義務付けているが、通知を欠いたことで立入り全体が違法になるのか、どこまで拒めるのかは実務上、解釈が分かれている。正当な理由のない拒否は罰則の対象になりうるので(最新の改正状況をご確認ください)、その場で拒むのは危うい。実務のポイント:その場では立ち会いながら「通知がなかった」ことを記録しておくほうが、後の補償協議や不服申立てで交渉材料として効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害時なんだから役所の人は何をしても許される」と思われがちだが、立入りの権限は71条・78条の目的(応急措置や物資の保管・収用)に必要な範囲に限られる。本条の通知義務と証票の携帯義務は、緊急時でも外されていない
- ここで問うべきなのは「立入りを拒めるか」ではない。災害対策基本法の立入検査を正当な理由なく拒めば、罰則の対象になりうる(第10章罰則、最新の改正状況をご確認ください)。問うべきなのは「相手が本当に権限を持つ職員か」であり、その確認の方法が証票の提示請求である
- 通知の方法について、条文は書面か口頭かを指定していない。緊急時は電話や口頭でも足りるとする考え方が有力だが、通知を欠いた立入りがどこまで違法になるかは実務上、解釈が分かれている。通知がなかったことを理由に、その場で検査を全部拒むのは危うい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 83条:立入りの手続要件(事前通知・証票の携帯と提示) | 71条:都道府県・市町村による従事命令・保管命令等の権限根拠 78条:指定行政機関等による保管・収用・立入りの権限根拠 |
| 立入りの主体 | 71条・78条で立ち入る職員すべて | 都道府県・市町村の職員 指定行政機関・指定地方行政機関の職員 |
| 関係者側の手段 | 証票の提示請求、通知の有無の記録 | 処分への審査請求・取消訴訟 処分への審査請求・取消訴訟、82条の損失補償 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では災害応変時の徴用・措置を災害防救法が定め、調査の一般手続は行政程序法が補う。日本のような立入り専用の通知・証票規定は条文構造が異なる
韓国も災害時の応急措置・物資動員を基本法で規律する。具体的な立入手続の比較は現行条文の確認を要する
ドイツでは災害防護は州の権限であり、立入・徴用の要件は州法ごとに異なる
米国の災害対応は連邦の支援枠組みが中心で、立入りや財産利用は州法・地方規則に委ねられる部分が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の翌朝、あなたが店長を務めるホームセンターに「市の職員」を名乗る二人組が来て、ブルーシートと発電機を倉庫ごと確認させろと言う。名札はあるが証票は見せない。あなたは証票の提示を求めてよい。正規の職員なら持っているはずだ
- 被災地で物流倉庫を管理しているあなたに、事前の連絡もなく国の出先機関の職員が来た。どうする? 通知が抜けていても、その場で追い返すのが正解とは限らない。証票を確認したうえで、通知がなかった事実と日時を記録しておくことが後で効いてくる
- あなたは市役所の防災担当で、地震発生から6時間が経った。避難所へ回す食料の在庫を確かめるため、スーパーの倉庫に入る必要がある。まず管理者へ電話を一本入れ、証票を首から下げてから向かう。この二つの手順を省くと、正当な立入りでも後で手続違反として争われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 立入りを求められたら、まず証票の提示を求め、所属・氏名・根拠条文(71条か78条か)を確認する2. 事前の通知がなかった場合も、その場で拒むより、日時と状況を記録したうえで立ち会う3. 検査の範囲や持ち出された物資を写真と書面で残す4. 物資の保管・収用を受けたら、82条による損失補償を自治体または国へ請求する。処分そのものに不服があれば、審査請求や取消訴訟を検討する
訴えられた側:1. 立入りの前に管理者へ通知する。電話でもよいが、時刻と相手を必ず記録する2. 証票を携帯し、求められたらすぐ見せる3. 立入りの根拠と範囲を口頭で説明し、検査記録を作る4. 管理者から手続違反を主張されたら、通知の記録と証票の提示記録で反論する。この二つが欠けていると、国家賠償請求(国家賠償法1条)で不利になりうる
時効(請求できる期限):本条に特定の期限はない。立入りに伴う処分(保管命令・収用など)に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。違法な立入りによる国家賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(国家賠償法4条、民法724条)
学説
手続要件説(有力説):83条の事前通知と証票提示は、令状なしの立入権限に対する最小限の手続的統制であり、立入りの正当性を事後に検証可能にするための要件と位置付けられる。
違反効果をめぐる議論:事前通知を欠いた立入りが直ちに違法となるか、どの範囲で拒否が正当化されるかについては解釈が分かれる。緊急性の程度や通知の方法との関係で個別に判断されるとする見方が多い。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定(昭和36年法律第223号)。伊勢湾台風を契機に防災体制を体系化した法律として成立した。
- 災害対策基本法 第71条都道府県等による従事命令・立入検査の根拠
- 災害対策基本法 第78条指定行政機関等による保管・収用・立入検査の根拠
- 災害対策基本法 第81条公用令書の交付(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第82条処分により生じた損失の補償
- 国家賠償法 第1条違法な立入りに対する国家賠償責任
- 災害救助法 第7条71条が準用する従事命令の例(現行効力を要確認)
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