災害対策基本法 第86条(国有財産等の貸付け等の特例)
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- 国は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。
- 2.地方公共団体は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、その所有に属する財産又は物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。
この条文の基本情報
国有財産等の貸付け等の特例とは何ですか?
定義国有財産等の貸付け等の特例とは、災害対策基本法第86条に定められた規定で、「国は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めると…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第86条(国有財産等の貸付け等の特例)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第86条の条文原文は「国は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めると…」で始まります。
- 災害対策基本法第86条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第86条の前の条は災害対策基本法第85条です。
- 災害対策基本法第86条の次の条は災害対策基本法第86条の2です。
- 災害対策基本法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法86条は、国や自治体が応急措置のため必要と認めるとき、別に法律で定めるところにより、財産・物品の貸付料を無償または時価より低くできると定める。
Q · 災害のとき、市の土地やテントはタダで借りられるの?
「できる」規定なので、無償かどうかは自治体の判断と条例次第です
災害対策基本法86条2項は、地方公共団体が応急措置のため必要と認めるとき、財産や物品の貸付料を無償または時価より低くできると定めています。ただし「別に法律で定めるところにより」とあるため、実際の減免は地方自治法237条2項を受けた財産条例・使用料条例の規定に従います。また「できる」規定であるため、借りる側に無償を求める請求権はありません。申請時には条例の減免条項の条番号を示すと、手続が進みやすくなります。
解説
役所の土地や備品は、原則としてタダで貸してはいけない。国の財産は法律の根拠がなければ適正な対価なしに貸し付けられない(財政法9条)。自治体の財産も、条例か議会の議決がなければ同じく対価なしでは貸せない(地方自治法237条2項)。税金で買ったものを特定の誰かに無料で使わせることは、他の納税者への説明がつかないからだ。本条は、この固い原則に災害時だけの通路を開ける。応急措置(被害の拡大を食い止めるための、発災直後の緊急対応)に必要と認めれば、国も自治体も、財産や物品を無償、または時価より安く貸せる。ただし落とし穴が二つある。第一に、本条は「別に法律で定めるところにより」と書くだけで、本条だけでは一円も値引きされない。実際の根拠は国有財産法や、自治体の財産条例・使用料条例の側にある。第二に、本条は「できる」規定であり、あなたに「タダで貸せ」と求める権利はない。だから借りたい側では、どの法律・条例の何条で無償にできるかを先に示した者が早く動ける。
法的な位置づけ
災害対策基本法86条は、公有財産の対価原則に対する災害時の特例規定である。国または地方公共団体が災害時の応急措置を実施するため必要と認める場合に、その財産・物品の貸付けまたは使用の対価を無償とし、または時価より低く定めることを許容する。ただし具体的な減免の根拠と手続は別の法律および条例に委ねられている。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法86条とは何ですか?
災害時の応急措置のために、国や自治体が財産・物品を無償または時価より安く貸し付けられるとする特例規定です。具体的な根拠は別の法律や条例に委ねられています。
Q2公有財産の無償貸付は違法?
原則として法律や条例の根拠が必要です(財政法9条、地方自治法237条2項)。根拠に沿い、応急措置の必要性があれば適法になりえます。
Q3災害時 公有地 使用料 免除 できる?
自治体の財産条例・使用料条例に災害時の減免条項があれば免除できます。災害対策基本法86条はそれを後押しする規定で、単独では減免の根拠になりません。
Q4国有財産 無償貸付 要件
財政法9条により、法律の根拠がなければ国の財産を適正な対価なしに貸し付けられません。災害時の具体的な要件は国有財産法などの個別法で確認します。
Q5応急措置とはどこまでの期間?
法律上の日数の定めはなく、被害の拡大防止や避難・救助など発災直後の対応を指します。復旧・復興段階に入ると応急措置とは説明しにくくなります。
Q6災害時 自治体 備品 貸出 申請方法
所管課に対象財産と用途を確認し、応急措置の目的と条例の減免条項を明記した申請書を出します。期間と原状回復の範囲は書面で取り決めます。
Q7無償貸付 住民監査請求 いつまで
原則として当該行為のあった日または終わった日から1年以内です(地方自治法242条2項)。正当な理由があれば期間経過後も認められる場合があります。
Q8災害時に宗教法人へ公の財産を貸せる?
災害目的でも憲法89条の検討が自動的に免除されるわけではありません。目的や態様を踏まえた個別の判断が必要で、事前に法務担当と協議すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市の土地でボランティアの拠点を作りたいんですけど、災害なんだからタダですよね?
本条は「タダにできる」という規定で、「タダになる」とは書いていません(本条2項)。実際の減免は、地方自治法237条2項を受けた市の財産条例や使用料条例に従います。実務のポイント:多くの自治体の条例には「災害その他特別の理由」による減免条項がすでにあります。窓口でその条番号を一緒に確認すると、担当者は上司に説明しやすくなり、決裁が早まる
Q2市が特定の会社に倉庫をタダで貸してるらしい。それって違法じゃないの?
応急措置の必要があり、条例などの根拠に沿っていれば適法になりえます(本条2項)。問題になるのは、応急段階を過ぎても無償が続いている場合や、貸付先を選んだ理由を説明できない場合です。実務のポイント:住民監査請求(地方自治法242条)は住民一人でも出せますが、原則として行為から1年以内という期限があります。まず情報公開請求で決裁文書を取り寄せ、無償にした理由の欄を読むのが最短ルート
間違えやすい点 AI による整理
- 災害時は役所の物ならタダで使えると思われがちだが、本条は「できる」と書いているだけである。無償にするかどうかは国・自治体の裁量であり、被災者や団体に「無償で貸せ」と求める請求権は生まれない
- 「本条を根拠に無償で借りられるか」という問いの立て方がずれている。本条は「別に法律で定めるところにより」と書いており、無償化の具体的な根拠と手続は、財政法9条を受けた国有財産法や、地方自治法237条2項を受けた条例側にある。問うべきなのは「どの法律・条例の何条で無償にするのか」である
- 借りる側から見れば「被災地支援なのだから誰も文句は言わない」。だが法律から見れば、無償貸付は税金で買った財産の値引きである。応急措置の必要性という要件から外れた瞬間、住民監査請求(地方自治法242条)や住民訴訟の対象になりうる。善意で通した決裁が、数年後に担当者の責任問題に変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる財産 | 災対法86条:国・自治体自身が所有する財産・物品 | 災対法64条:区域内の他人の土地・建物・工作物など(私有財産) 災対法50条:応急対策の内容を列挙(財産の種類は規定しない) |
| 行政の権限の性質 | 対価を無償・低額にできる(裁量的な特例) | 一時使用・収用など強制的な応急公用負担 応急対策として実施すべき事項の範囲を画定 |
| 相手方への金銭 | 行政が受け取る貸付料を減免する | 行政が私人に損失補償をする側になる 直接の金銭規律なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも災害時の公有財産・物資の運用は災害防救法と国有財産関係法令の組み合わせで規律される。日本と同じく、対価減免には個別法上の根拠が必要とされる構造に近い
韓国も災害時の応急対応を基本法で定め、公有財産の使用料減免は個別の財産管理法令に委ねる構成をとる
ドイツ連邦予算法は連邦財産を原則として完全価値で処分・利用させることを求め、例外は予算上の根拠を要する。日本の財政法9条と同じ発想である
米国は連邦の災害支援を包括法で定め、連邦の資機材・物資の提供も大統領の災害宣言を前提とする支援の枠内で行われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 発災から48時間。炊き出しを始めたい NPO 代表のあなたは、市有の空き地と市の大型テントを今夜中に使いたい。市の担当者は「使用料の規定があるので」と渋っている。本条と市の財産条例の減免条項を並べて示せるかどうかで、明日の朝に湯気が立つかどうかが決まる
- あなたは市の管財課職員。被災した地元企業に、市有倉庫を半年間タダで貸した。一年後、住民から「特定企業への便宜供与だ」と住民監査請求が届く。半年間の貸付は応急措置だったのか、それとも復旧支援だったのか。決裁書に書いた一行の理由が、あなたを守るか、追い詰めるかを決める
- 避難所を引き受けた地元のお寺に、市が備品をタダで貸したら問題になるのか? 災害という目的があっても、憲法89条の検討が自動的に免除されるわけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 借りたい財産が国有か自治体有か、行政財産か普通財産かを所管課で確認する2. 用途が応急措置(避難、救助、炊き出し、応急仮設など発災直後の対応)であることを書面で明示する3. 自治体有なら財産条例・使用料条例の減免規定を、国有なら国有財産法22条などの根拠条文を添えて申請する4. 口約束のまま使い始めず、期間と原状回復の範囲を必ず書面にしておく
訴えられた側:1. 決裁文書に応急措置の必要性と、本条および根拠法令・条例の条番号を明記する2. 貸付期間を応急段階に限定し、延長するときは必要性を改めて検討して記録に残す3. 相手方が宗教法人など憲法89条の論点を含む場合は、事前に法務担当と協議する4. 住民監査請求が来たら、当時の被害状況と代替手段の有無を示す記録で反論する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし自治体の財産貸付をめぐる住民監査請求は、当該行為のあった日または終わった日から1年以内に行う必要がある(地方自治法242条2項、正当な理由がある場合を除く)。貸付期間は、応急措置の必要性が続く範囲で設定するのが本条の趣旨に沿う
学説
一般的理解:本条は公有財産の対価原則に対する災害時の例外を宣言する規定であり、それ自体は減免の直接の根拠とならない。実際の減免は財政法9条を受けた個別法や、地方自治法237条2項を受けた条例の定めによる
- 災害対策基本法 第50条災害応急対策の内容、応急措置の範囲
- 災害対策基本法 第62条市町村長の応急措置の実施義務
- 災害対策基本法 第64条応急公用負担、私有財産の一時使用
- 財政法 第9条国の財産の対価なき貸付の原則禁止
- 国有財産法 第22条普通財産の無償貸付の具体的要件(現行効力を要確認)
- 地方自治法 第237条自治体財産の対価なき貸付の制限
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