災害対策基本法 第85条(被災者の公的徴収金の減免等)
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- 国は、別に法律で定めるところにより、被災者の国税その他国の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。
- 2.地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、又は当該地方公共団体の条例で定めるところにより、被災者の地方税その他地方公共団体の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。
この条文の基本情報
被災者の公的徴収金の減免等とは何ですか?
定義被災者の公的徴収金の減免等とは、災害対策基本法第85条に定められた規定で、「国は、別に法律で定めるところにより、被災者の国税その他国の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第85条(被災者の公的徴収金の減免等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第85条の条文原文は「国は、別に法律で定めるところにより、被災者の国税その他国の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。」で始まります。
- 災害対策基本法第85条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第85条の前の条は災害対策基本法第84条です。
- 災害対策基本法第85条の次の条は災害対策基本法第86条です。
- 災害対策基本法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法85条は、国と地方公共団体が被災者の税金などを軽減・免除・徴収猶予できると定める。具体的な要件は災害減免法や各自治体の条例に委ねられ、多くは申請が必要。
Q · 家が被災したら、税金は自動的に免除されるの?
自動では減らない。別の法律や条例に基づく申請が必要
災害対策基本法85条は、国や地方公共団体が被災者の税金を軽減・免除・徴収猶予「できる」と定めるにとどまり、自動的に減免する規定ではありません。所得税は災害減免法または所得税法72条の雑損控除、納付が難しい場合は国税通則法46条の納税の猶予、固定資産税や住民税は地方税法と各市町村の条例が根拠になります。多くは申請が前提で、期限もあるため、罹災証明書を取得したら早めに各窓口へ相談することが重要です。
解説
家が半壊しても、税務署からの請求は止まらない。国が自動的に止めてくれるわけではないからだ。災害対策基本法85条には「軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる」と書かれているが、要は「できる」である。国にも自治体にも、そうしなければならない義務はない。実際に効力を持つのは条文が指し示す「別に法律で定めるところ」と「条例」のほうだ。国税については災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(通称 災害減免法)と国税通則法が受け皿になる。住民税・固定資産税・国民健康保険料については、あなたの住む市町村の条例が受け皿になる。だから同じ被害を受けても、隣町と自分の町とで減免の幅が違うことが起こりうる。そして減免の多くは申請しなければ始まらない。被災直後に罹災証明書(災害対策基本法90条の2に基づき市町村が交付する、被害の程度を証明する書類)を取り、その写しを税務署・市役所・勤務先の経理に出す。この順番を知っているかどうかで、年間の手取りが数十万円単位で変わることがある。
法的な位置づけ
災害対策基本法85条は、被災者に対する租税等の減免措置の根拠規定である。国は国税その他国の徴収金について、地方公共団体は地方税その他の徴収金について、別に法律または条例で定めるところにより、軽減、免除、徴収猶予その他必要な措置をとることができると定める。具体的な要件と手続は個別の法律および条例に委ねられている。
手順
- 1.被害を記録し罹災証明書を申請する 片付けの前に被害箇所を写真で記録し、市町村に罹災証明書を申請する。交付されたら写しを複数部用意し、税務署・市の税務課・保険年金課・勤務先に提出できるようにする
- 2.国税の期限延長と納税の猶予を確認する 国税庁サイトで地域指定による期限延長の有無を確認する。指定がなければ税務署に個別の期限延長を申請し、納付が困難なら災害がやんだ日から2か月以内に納税の猶予を申請する
- 3.地方税と保険料の減免を申請する 市町村の税務課で固定資産税・住民税の減免条例を、保険年金課で国民健康保険料の減免を確認し、それぞれ申請する。納期限前の申請を求める自治体が多いため、通知書が届いたらすぐに動く
- 4.会社員は勤務先に源泉所得税の徴収猶予を申し出る 給与所得者は災害減免法に基づく源泉所得税の徴収猶予・還付の申請書を勤務先に提出する。年末調整では雑損控除を扱えないため、被災した年は確定申告が必要になることも伝えておく
- 5.確定申告で災害減免法と雑損控除を比較する 翌年の確定申告で、災害減免法による所得税の軽減免除と所得税法72条の雑損控除の両方を試算し、有利な方を選ぶ。申告後に気づいた場合は法定申告期限から5年以内に更正の請求ができる
よくある質問 AI による整理
Q1災害減免法とは何ですか?
正式名称は「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」です。住宅や家財に大きな損害を受けた人の所得税の軽減・免除や、源泉所得税の徴収猶予などを定めています。
Q2被災したら住民税は減免できる?
市町村の条例に減免規定があれば減免を受けられる可能性があります。根拠は地方税法323条と各市町村の条例で、減免の幅は自治体ごとに異なります。申請が前提です。
Q3罹災証明書は税金の手続でどこに出す?
主に税務署、市町村の税務課、国民健康保険の担当課、勤務先の経理などに提出を求められます。窓口ごとに写しが必要になることが多いため、複数部用意しておくと便利です。
Q4災害による納税の猶予はいつまでに申請する?
国税の場合、災害がやんだ日から2か月以内に申請する必要があります(国税通則法46条1項)。期限を過ぎるとこの猶予は使えないため早めの申請が重要です。
Q5国税の申告期限延長の「地域指定」とは?
大規模災害時に国税庁長官が対象地域と期日を告示し、その地域の納税者の申告・納付期限を一律に延長する措置です。延長であって税額が減るわけではありません。
Q6被災すると国民健康保険料は減免できる?
国民健康保険法77条などに基づき、市町村の条例で減免が定められていれば対象になり得ます。担当は保険年金課などで、税の窓口とは別に申請が必要です。
Q7被災した会社員の源泉所得税は戻ってくる?
災害減免法3条により、一定の要件を満たせば勤務先を通じて源泉所得税の徴収猶予や還付を受けられます。申請書を給与の支払者に提出する手続が必要です。
Q8減免申請が却下されたら不服申立てできる?
できます。国税は再調査の請求または国税不服審判所への審査請求、地方税は首長への審査請求が可能です。処分通知書の教示欄で期限と提出先を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罹災証明書がまだ出てないんですけど、税金の手続は待っていいんですか?
待たないほうがよい。国税の納税の猶予は災害がやんだ日から2か月以内に申請しなければならない(国税通則法46条1項)。地方税の減免にも、納期限前の申請を求める条例が多い。罹災証明書は後から提出できる扱いになることも多いので、まず窓口で「証明書の申請中です」と伝えて申請だけしておく。実務のポイント:窓口の担当者に申請の受付日を記録してもらうことが、後で期限を争うときの命綱になる
Q2災害減免法と雑損控除、結局どっちが得なんですか?
所得や損害額によって変わる。災害減免法(同法2条)は所得金額1,000万円以下で、住宅や家財の損害が時価の2分の1以上の場合に使える。所得に応じて所得税が全額、半額、4分の1免除される。雑損控除(所得税法72条)は損失額を所得から差し引く制度で、控除しきれない分は翌年以降に繰り越せる。実務のポイント:損害が所得に比べて大きい場合は、繰越しのできる雑損控除のほうが総額で有利になりやすい。両方で試算せずに減免法を選び、繰越しの機会を捨ててしまう例が多い(最新の改正状況をご確認ください)
Q3固定資産税の減免、隣の市の友達は全額免除だったのに、うちは半分でした。おかしくないですか?
違法とは限らない。85条2項と地方税法367条は、固定資産税の減免の中身を各市町村の条例に任せている。そのため被害区分ごとの減免率は自治体によって違う。実務のポイント:減免率の基準は条例だけでなく、要綱や規則に細かく書かれていることが多い。被害の区分(半壊なのか大規模半壊なのか)が一段違うだけで減免率が大きく変わるため、まず罹災証明書の区分が正しいかどうかを疑ってみる価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害なら国が税金を免除してくれる」と考えがちだが、85条は「できる」と定めているだけで、具体的な減免の権利を与えてはいない。減免を実際に受ける根拠は災害減免法、国税通則法、地方税法、各自治体の条例にある。条文を読んだだけでは、一円も安くならない
- 国税庁が被災地を指定して申告・納付期限を延長してくれることは知っていても、それが「延長」にすぎないことは見落とされやすい。税額自体は一円も減らない。期限が延びて安心しているうちに減免の申請時期を逃すと、延長された期限に満額を払うことになる
- 「いくら減免されるか」を考える前に「どの制度で、誰に申請するか」を考えなければならない。所得税は税務署、源泉所得税は勤務先経由、住民税と固定資産税は市町村の税務課、国民健康保険料は保険年金課と、窓口が四つに分かれている。窓口を一つ回っただけで手続が全部終わったと思い込むのが、いちばん損をするパターンである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 災対法85条:国・地方公共団体が被災者の税等を減免・猶予できる根拠 | 災対法90条の2:市町村長による罹災証明書の交付 災対法90条の3:被災者台帳の作成 |
| 被災者にとっての役割 | 減免の方向性を示す。具体的な権利は別の法律・条例から生じる | 減免判定の基礎資料となる被害程度の証明書を得られる 支援情報を一元管理し、支援の漏れを防ぐ |
| 被災者の手続 | 各制度ごとに税務署・市町村等へ個別に申請 | 市町村に罹災証明書を申請 原則として市町村が作成(本人の申請は不要とされる場合が多い) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は天災等による納付期限の延長や延納・分納を税捐稽徵法で、災害損失の控除を所得稅法で定める。日本と同様、減免は個別の税法に分散している
韓国も天災地変などによる申告・納付期限の延長を国税基本法で定め、地方税は地方税関連法で別に扱う
ドイツは租税通則法の猶予(Stundung)・免除(Erlass)の一般規定を、大規模災害時に行政通達で運用する方式をとる
米国は連邦災害宣言地域の期限延長と、災害損失の控除を内国歳入法で定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で床上浸水し、家財の半分以上がだめになった。年収は600万円。所得税は自動では減らない。確定申告で災害減免法による半額免除を選ぶか、所得税法72条の雑損控除を選ぶか、計算してから決めることになる
- 地震の三週間後、固定資産税の納付書が届いた。片付けに追われていたら、納期限まであと5日しかない。市の条例では納期限前の減免申請が求められていることが多い。罹災証明書の写しを付けて、今週中に資産税課の窓口へ行く必要がある
- 被災した会社員の給与からも、毎月の源泉所得税は今までどおり引かれ続けるのか? 災害減免法の規定により、給与の支払者(会社)を通じて徴収猶予や還付を申請する道がある。ところが、それを従業員に教える経理担当者は少ない
- あなたは小さな工務店を経営している。豪雨で事務所と帳簿が流され、決算期限に間に合わない。国税庁が地域指定で期限延長をかけていなければ、自分で個別に延長を申請しなければ無申告扱いになりかねない
- 被災した両親の国民健康保険料の通知を見て、子どものあなたが気づく。保険料は市町村の条例で減免されることがある。高齢の親は「払うもの」と思い込んでいるので、子どもが申請書を取りに行くしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村に罹災証明書を申請する。写真で被害を記録してから片付ける2. 国税庁のサイトで地域指定による期限延長が出ているか確認する。出ていなければ税務署に個別の期限延長や納税の猶予(国税通則法46条)を申請する3. 市の税務課と保険年金課で、固定資産税・住民税・国民健康保険料の減免条例について確認する4. 会社員は勤務先に源泉所得税の徴収猶予を申し出る5. 翌年の確定申告で、災害減免法と雑損控除のどちらが有利か比較する
訴えられた側:減免の申請を却下されたり、減額幅が小さかったりした場合の対応である。1. 処分通知書に書かれた不服申立ての教示を確認する。国税は税務署長への再調査の請求か国税不服審判所への審査請求、地方税は首長への審査請求ができる2. 罹災証明書の判定(半壊や一部損壊など)に不満がある場合は、まず市町村に再調査を依頼する。税の減免の判定がこの区分に連動していることが多い3. 税理士に、損失額の算定が時価で正しく計算されているかを確認してもらう
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。ただし関連制度には期限がある。災害による納税の猶予の申請は、災害がやんだ日から2か月以内である(国税通則法46条1項)。個別の期限延長は、災害がやんだ後の相当の期間内に申請する(国税通則法施行令3条、実務上は2か月以内が目安)。申告後に災害減免法や雑損控除を適用するには、法定申告期限から5年以内に更正の請求をする(国税通則法23条)。地方税の減免は、納期限前の申請を条例で求める自治体が多い(最新の改正状況と各自治体の条例をご確認ください)
学説
一般的な理解:本条は国・地方公共団体に減免の権限があることを確認し、その方向性を示す根拠規定であり、被災者に具体的な減免請求権を直接与えるものではない。租税法律主義(憲法84条)のもと、具体的な要件は個別の法律・条例による
- 災害対策基本法 第90条の2罹災証明書の交付、減免判定の基礎資料
- 災害対策基本法 第90条の3被災者台帳、支援情報の一元管理
- 災害対策基本法 第97条激甚災害に対する国の財政援助(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第2条「災害」の定義、本条の適用範囲
- 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律 第2条所得税の軽減免除の具体要件(通称 災害減免法)
- 国税通則法 第46条災害による納税の猶予
- 地方税法 第367条固定資産税の条例による減免
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