要点区分所有法 63 条は、建替え決議に賛成しなかった区分所有者への催告と二か月の回答期間を定める。無回答は不参加とみなされ、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求される。
Q · マンションの建替えに反対したら、部屋を売り渡さないといけないんですか?
反対票だけでは義務は生じず、回答次第で決まります
区分所有法 63 条では、建替え決議に賛成しなかった区分所有者に対し、招集者が参加の可否を書面で催告します(1 項)。催告を受けた日から二か月以内に「参加する」と回答すれば区分所有者として残れますが、参加しないと回答するか無回答の場合は不参加とみなされ(4 項)、賛成者や買受指定者から回答期間の満了日から二か月以内に、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう請求されます(5 項)。決議の反対票と催告への回答は別の意思表示です。
郵便受けに管理組合から届いた封筒に、「建替えに参加するか否かを回答すべき」と書かれている。これが区分所有法 63 条 1 項の催告だ。ここから先は、あなたが何もしなくても時計だけが進む。回答期限は催告を受けた日から二か月(3 項)。黙っていれば「参加しない」と回答したものとみなされる(4 項)。そして期間満了から二か月以内に、賛成した区分所有者や買受指定者は、あなたの区分所有権と敷地利用権を時価で売り渡せと請求できる(5 項)。この請求は相手の一方的な意思表示だけで売買が成立する形成権で、あなたの承諾はいらない。裁判所に頼めるのは、生活上著しい困難が認められた場合の最長一年の明渡し猶予だけ(6 項)。逆に決議から二年以内に取壊し工事が始まらなければ、売った側から買戻しを請求できる(7 項)。この二か月という数字を握っているかどうかが、住み続ける交渉力そのものになる。
区分所有法 63 条は、建替え決議の成立後に反対者の権利関係を整理する手続を定める規定である。招集者による参加の可否の催告、二か月の回答期間、無回答を不参加とみなす擬制、賛成者及び買受指定者による時価での売渡し請求、明渡しの期限許与、二年以内に取壊し工事に着手しない場合の買戻し請求を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
建替えに参加しない区分所有者に対し、賛成者や買受指定者が区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう求める請求です(63 条 5 項)。相手の承諾なしに売買が成立します。
催告を受けた日から二か月以内に回答しないと、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされます(4 項)。沈黙が不参加の意思表示として扱われる点が最大の落とし穴です。
回答期間(二か月)の満了の日から二か月以内です(5 項)。この行使期間を過ぎると請求できなくなるため、推進側は工程表での期限管理が不可欠です。
売渡し請求時点の区分所有権及び敷地利用権の客観的価値です。建替えによる開発利益の織り込み方は実務上争いがあり、不動産鑑定で対抗資料を用意するのが実務的です。
生活上著しい困難が生じるおそれがあり、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさない顕著な事由があれば、裁判所が代金の支払または提供の日から一年を超えない範囲で期限を許与できます(6 項)。
決議の日から二年以内に取壊し工事に着手しない場合、売り渡した者はその二年の満了日から六か月以内に、買主が支払った代金相当額を提供して権利の売渡しを請求できます(7 項)。
法務省令で定めるところにより相手方の承諾を得れば、電磁的方法による催告が可能で、書面による催告をしたものとみなされます(2 項)。事前承諾がなければ書面が必要です。
及びます。1 項は「その承継人を含む」と定め、決議当時の所有者から相続した者も催告の相手方となります。決議後に敷地利用権のみを取得した第三者も対象です(5 項後段)。
反対票それ自体では退去義務は生じない。効くのは催告への回答である。二か月以内に参加すると回答すれば建替え後も区分所有者として残れる(3 項)。参加しないと回答するか無回答なら、賛成者や買受指定者から時価での売渡し請求を受ける(5 項)。業界裏話ヒント:決議で反対した人でも回答段階で参加に転じられる。反対イコール退去と思い込んで回答書を出さない人が実在する。その思い込みが、選べたはずの選択肢を消している
売渡し請求時点の区分所有権と敷地利用権の客観的価値だが、建替えによる開発利益をどこまで織り込むかは実務上、解釈が分かれている。老朽建物の現況のみで算定されると近隣相場より大きく下回りうる。業界裏話ヒント:請求は意思表示だけで売買を成立させるため、価格に不服でも売買自体は覆せず、争えるのは代金額だけになる。鑑定を先に持っている側が協議の起点を決める
4 項で参加しない旨を回答したものとみなされるが、その瞬間に所有権が移るわけではない。賛成者側が期間満了日から二か月以内に売渡し請求をして初めて権利が動く(5 項)。この二か月は交渉の余地が残る。業界裏話ヒント:この行使期間を過ぎると請求権は失われる。反対者が多く事務処理が滞る現場では徒過が現実に起こる。期限管理は推進側だけの仕事ではない
決議の日から二年以内に取壊し工事に着手しない場合、売り渡した者は二年の満了日から六か月以内に、買主が支払った代金相当額を提供して権利の買戻しを請求できる(7 項)。正当な理由がある場合も、その理由が消えれば 8 項で同様の請求権が働く。業界裏話ヒント:買戻しには代金相当額の現金を実際に提供する必要がある。代金を住み替え先の購入に使い切っていると、権利はあっても行使できない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動の前提 | 63 条:建替え決議の成立後、催告と回答期間の経過 | — |
| 権利が動く仕組み | 賛成者・買受指定者の一方的な意思表示で時価売買が成立(形成権) | — |
| 対象となる権利 | 区分所有権及び敷地利用権(決議後に敷地利用権のみ取得した者も含む) | — |
| 時間の制約 | 回答二か月、請求二か月、明渡し猶予最長一年、着工二年・買戻し六か月 | — |
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