建物の区分所有等に関する法律 第64条(建替えに関する合意)
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建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなす。
この条文の基本情報
建替えに関する合意とは何ですか?
定義建替えに関する合意とは、建物の区分所有等に関する法律第64条に定められた規定で、「建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第64条(建替えに関する合意)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第64条の条文原文は「建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者…」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第64条は第一章 建物の区分所有に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第64条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第63条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第64条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第64条の2です。
- 建物の区分所有等に関する法律第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法64条は、建替え決議の賛成者、参加回答者、買受指定者を、承継人も含めて建替えを行う旨の合意をしたものとみなすと定める規定です。
Q · 建替え決議に賛成したら、その後どういう法的立場になるの?
建替えを行う旨の合意をした当事者とみなされます
区分所有法64条により、建替え決議に賛成した区分所有者、催告に対して参加する旨を回答した区分所有者、区分所有権又は敷地利用権を買い受けた買受指定者は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなされます。括弧書きで承継人も含まれるため、決議後に相続や売買で取得した人も自動的に合意者となります。この合意は私法上の法律関係であり、その後の建替え組合設立(マンション建替円滑化法9条)と権利変換手続の前提になります。
解説
建替え決議が可決された翌日から、マンションの中には見えない線が引かれる。線の内側にいるのは、決議に賛成した人、決議後の催告に「参加する」と回答した人、そして反対者から専有部分を買い取った買受指定者。この三者は、区分所有法64条によって「建替えを行う旨の合意をした」とみなされる。みなす、という言葉が重い。あなたが賛成に手を挙げたとき、頭の中では『管理組合の方針に賛成した』程度の意識だったかもしれない。だが法律はそれを、数億円規模の建替え事業を共同で遂行する私法上の合意として扱う。さらに括弧書きの「承継人を含む」が効く。あなたが建替え決議の後にその部屋を相続した子も、事情を知らずに買った第三者も、自動的に合意者側へ組み込まれる。抜けたければ売却するしかないが、買った相手もまた合意者になるだけだ。この一条が、建替え組合設立と権利変換(マンション建替円滑化法)へ進む列車の切符であり、同時に降車ボタンの撤去でもある。
法的な位置づけ
区分所有法64条は建替え合意の擬制を定める規定であり、建替え決議に賛成した区分所有者、参加する旨を回答した区分所有者、及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた買受指定者について、その承継人を含め、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなす旨を規定する。決議という団体的手続の結果を、私法上の合意関係へ転換する接続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が64条の三類型に当たるか確認する 議決権行使書、催告への回答書、売買契約書・登記の日付を並べ、賛成者・参加回答者・買受指定者・承継人のどれに当たるかを特定する
- 2.催告への回答期限を管理する 催告を受けた日から2か月以内に参加・不参加を回答する。無回答は不参加とみなされ、売渡請求の対象となる(63条)
- 3.承継で合意者になった場合の説明義務違反を検討する 決議後に購入した場合、建替え決議の存在が重要事項説明(宅建業法35条)で告知されていたかを確認し、契約不適合責任の主張余地を精査する
- 4.権利変換計画の縦覧期間に意見を出す 建替え組合設立認可後、負担金の算定根拠となる権利変換計画の縦覧期間に意見書を提出する。評価額と負担金が主要な争点になる
- 5.資金計画が立たない場合の出口を協議する 参加を維持しつつ取得床を減らす、持分を譲渡する等の選択肢を組合と協議する。決議直後ほど条件交渉の余地が大きい
よくある質問 AI による整理
Q1区分所有法64条とは何ですか?
建替え決議の賛成者、参加回答者、買受指定者を、承継人も含めて建替えを行う旨の合意をしたものとみなす規定です。決議を私法上の合意へ転換します。
Q2建替え合意者になるのは誰ですか?
決議に賛成した区分所有者、催告に参加すると回答した区分所有者、区分所有権又は敷地利用権を買い受けた買受指定者、そしてこれらの承継人です。
Q3建替え決議の賛成は撤回できますか?
64条は賛成者を合意者とみなすため、一方的撤回の規定はありません。実務では持分譲渡や組合との協議で対応します。
Q4建替え決議済みのマンションを相続したらどうなる?
64条の括弧書きにより承継人として合意者になります。決議に出席していなくても地位を引き継ぎ、建替え事業の当事者になります。
Q5買受指定者とは誰のことですか?
63条により指定され、反対区分所有者の区分所有権又は敷地利用権を買い受ける者です。買い受けた時点で64条の合意者になります。
Q6建替えに参加しない回答はいつまでにする?
催告を受けた日から2か月以内です(63条2項)。無回答は参加しない旨の回答とみなされ、売渡請求の対象になります。
Q7建替え合意者になると何をしなければならない?
決議内容に沿って建替えを行う私法上の立場に立ちます。実務では建替え組合の設立、権利変換、資金負担の手続へ進みます。
Q8区分所有法64条と63条の関係は?
63条が催告・回答・売渡請求・買受指定者の指定を定め、64条はその結果として誰が合意者になるかを確定させます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1決議のとき賛成したけど、あとで気が変わりました。撤回できますか?
原則としてできない。64条は賛成者を合意当事者とみなしており、いったん成立した合意を一方的に撤回する規定は用意されていない。実務上は建替え組合や他の合意者との協議で持分を譲渡する形が取られる。実務のポイント:賛成した後に資金繰りが立たなくなる人は珍しくなく、デベロッパー側は買受予定枠を確保していることが多い。早い段階で相談した人ほど有利な条件で抜けている
Q2相続した部屋が建替え決議済みでした。相続放棄しか手はないですか?
放棄以外にも道はある。承継人として64条の合意者になるが、権利変換で取得する床を売却したり、組合との協議で金銭に換える選択肢がある(マンション建替円滑化法の権利変換手続)。実務のポイント:相続放棄は他のプラス財産も全部手放すことになる。建替え負担金だけを見て放棄を選ぶ人がいるが、権利変換後の新築区分所有権の評価額を先に試算すると判断が逆転することがある
Q3買受指定者って結局デベロッパーのことですよね。個人でもなれますか?
なれる。買受指定者は建替え決議で指定される者であり、法人に限定されていない。ただし買い受けた瞬間に64条の合意者となり、建替え事業の資金負担を負う立場に立つ(区分所有法63条4項、64条)。実務のポイント:反対者の部屋を安く買えると考えて手を挙げる個人がいるが、売渡請求の価格は時価であり、割安になる保証はない。買った後の負担金まで含めて計算しないと、資金ショートで組合と揉める
間違えやすい点 AI による整理
- 多くの人が「合意したとみなす」を、単に建替えに賛成の意思を確認するだけの確認規定だと受け取っている。実際にはこれは私法上の債権債務関係を創設する規定であり、合意者同士は互いに建替え事業の遂行を求め合える立場に立つ。決議の議事録が、そのまま契約書として機能し始める
- 「建替えが嫌なら売って出ればいい」と考える人は、問いの立て方を間違えている。売却しても合意の効力は承継人に移るだけで、消えない。本当に検討すべきは、決議前の段階で反対の意思表示を残し、63条の催告に対して不参加と回答して売渡請求を受ける道を選ぶかどうかである。決議後に考え始めた時点で、選択肢は大きく減っている
- 賛成者と買受指定者は立場が違うと思われがちだが、64条は両者を同じ合意者として並べている。あなたが区分所有者として賛成した場合も、デベロッパーが投資判断として買い受けた場合も、法的地位は同列。個人の住民が、事業者と同じ土俵で共同事業者になっているという構図を、多くの区分所有者は認識していない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 64条:合意者の範囲を確定し、決議を私法上の合意へ転換 | 62条:建替え決議の成立要件と決議事項 63条:催告・回答・売渡請求・買受指定者の指定 |
| 時間軸 | 決議可決後、参加回答・買受の時点で効果が生じる | 決議の集会当日まで 決議後の催告2か月と売渡請求2か月 |
| 対象者 | 賛成者・参加回答者・買受指定者と、その承継人 | 集会に参加する全区分所有者 決議に賛成しなかった区分所有者と買受指定者 |
| 離脱の可否 | 合意者となった後の一方的離脱の規定はない | 決議前は反対の意思表示が可能 不参加回答により売渡請求で時価買取りの道がある |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は重建決議と都市更新の権利変換を別法で構成する。不同意者の処理は買取請求ではなく、都市更新条例上の権利変換または現金補償で行われる点が日本と異なる
韓国は再建築組合の조합원(組合員)資格が承継されるとともに、参加しない者に対しては現金清算の手続を用意する。日本の売渡請求に対応する機能を持つ
中国は建築物の重建を業主共同決定事項とし、面積・人数の双方の多数決要件を課す。日本のような合意擬制条項は置かれていない
ドイツは全部滅失後の再建築を中心に規律し、決議や規約の効力が Sondernachfolger(特定承継人)に及ぶ構造は日本の承継人規定と共通する
フランスは区分所有建物の取壊し・再建築を総会決議事項とし、反対者の保護は分割請求や補償で処理する。合意擬制という技術は用いない
米国は建替えではなく共同所有関係の終了(termination)と資産売却として構成する州が多く、80% 等の高い賛成要件と反対者への公正価値補償で調整する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が住んでいた築50年のマンションを相続したら、半年前に建替え決議が可決されていた。あなたは決議に一度も出席していない。それでも64条の「承継人」としてあなたは合意者になる。相続放棄以外に、その合意から抜ける道はない
- 総会で建替えに反対したが、5分の4の多数で可決。その後、催告書が届いて2か月以内の回答を求められた。悩んだ末に「参加する」と回答した瞬間、あなたは64条の合意当事者になる。参加を選んだ以上、後から「やはり売渡請求してほしい」とは言えない
- 投資目的で中古マンションを買った。重要事項説明で建替え決議の存在を聞き流していた。引渡し後、建替え組合から数千万円の追加負担金の案内が届く。買主であるあなたは前所有者の合意を承継している
- 反対区分所有者から売渡請求で部屋を取得した買受指定者、つまりデベロッパーの立場だとしたら? 買い受けた瞬間、単なる所有者ではなく合意当事者として建替え遂行義務を負う。買って転売して逃げる、という出口は法律上は塞がれている
- 催告書の到達から2か月。この期間内に回答しないと、参加しない旨を回答したものとみなされる(63条4項)。回答しないという消極的な選択が、売渡請求を受ける立場を確定させる。カレンダーに印を付けるべき日はこの2か月の満了日だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分がいつ合意者になったかを特定する。賛成の議決権行使書、催告への回答書、売買契約書と決議日の前後関係を並べる2. 承継で合意者になった場合、売主や仲介業者の重要事項説明義務違反(宅地建物取引業法35条)を検討し、契約不適合責任の主張余地を確認する3. 建替え組合の設立認可後は、負担金の算定根拠となる権利変換計画の縦覧期間に意見書を提出する4. 負担金が過大と考えるなら、審査請求や訴訟に進む前に、専門家に権利変換計画の妥当性を精査させる
訴えられた側:1. 建替え事業の遂行を求められている側なら、まず自分が64条の合意者に該当するかを条文の三類型に照らして確認する2. 該当する場合、合意そのものを争うより、権利変換における評価額や負担金の算定を争点にする方が現実的である3. 決議自体に手続的瑕疵、たとえば説明会の未開催や必要事項の記載漏れがあれば、決議無効を争う余地が残る4. 資金調達が困難なら、参加を維持したまま権利変換で取得する床を減らす選択肢を組合と協議する
時効(請求できる期限):催告への回答は催告を受けた日から2か月以内(区分所有法63条2項、4項)。この期間経過で不参加とみなされる。売渡請求は上記期間満了の日から2か月以内(同条5項)。64条の合意自体に特定の時効はないが、合意に基づく債権は一般消滅時効(民法166条、5年または10年)に服する
学説
通説:64条は建替え決議という団体法的な意思決定を、私法上の合意関係へ接続する規定であり、合意者相互に建替え事業遂行に向けた法律関係を生じさせると理解されている。承継人を含める趣旨は、事業の基盤である合意者集団の安定確保にある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律を制定。ただし建替え制度そのものは当初法には置かれていない
- 2.昭和58年(1983年) 改正:建替え決議制度を新設し、決議賛成者等を建替え合意者とみなす規定を導入
- 3.平成14年(2002年) 改正:建替え決議要件の見直しに伴い、催告・参加回答・買受指定者の制度を整備し、64条を現行の三類型構成に改める
- 建物の区分所有等に関する法律 第62条建替え決議の要件と決議事項の定め
- 建物の区分所有等に関する法律 第63条催告、参加回答、売渡請求、買受指定者の指定
- 建物の区分所有等に関する法律 第65条建替え後の団地内建物と敷地の権利関係
- 建物の区分所有等に関する法律 第70条団地内建物の一括建替え決議への準用
- マンションの建替え等の円滑化に関する法律 第9条合意者による建替え組合設立認可の申請
- マンションの建替え等の円滑化に関する法律 第57条権利変換計画による従前資産の変換手続
- 宅地建物取引業法 第35条建替え決議の存在に関する重要事項説明義務
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