老人福祉法 第12条(措置の解除に係る説明等)
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市町村長は、第十条の四又は前条第一項の措置を解除しようとするときは、あらかじめ、当該措置に係る者に対し、当該措置の解除の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該措置に係る者から当該措置の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。
この条文の基本情報
措置の解除に係る説明等とは何ですか?
定義措置の解除に係る説明等とは、老人福祉法第12条に定められた規定で、「市町村長は、第十条の四又は前条第一項の措置を解除しようとするときは、あらかじめ、当該措置に係る者に対し、当該措置の解除の理由について説明するとともに、その意見を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第12条(措置の解除に係る説明等)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第12条の条文原文は「市町村長は、第十条の四又は前条第一項の措置を解除しようとするときは、あらかじめ、当該措置に係る者に対し、当該措置の解除の理由について説明するとともに、その意見を…」で始まります。
- 老人福祉法第12条は第二章 福祉の措置に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第12条の前の条は老人福祉法第11条です。
- 老人福祉法第12条の次の条は老人福祉法第12条の2です。
- 老人福祉法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法12条は、市町村長が老人ホーム入所等の措置を解除する前に、本人へ解除の理由を説明し意見を聴くよう義務づける。本人からの申出がある場合などは例外となる。
Q · 役所は老人ホームの措置入所を一方的に打ち切れるの?
できない。事前に理由を説明し、本人の意見を聴く必要がある
老人福祉法12条により、市町村長は養護老人ホーム・特別養護老人ホームへの入所措置や居宅介護の措置を解除する前に、措置を受けている本人に解除の理由を説明し、意見を聴かなければなりません。行政手続法の聴聞・弁明の機会は同法12条の2で適用除外とされているため、この説明と意見聴取が解除前に本人側の言い分を記録に残せる実質的に唯一の手続です。本人から解除の申出がある場合などは例外です。
解説
「来月から施設を出ていただきます」。老人福祉法のもとでは、役所がこう一方的に告げて終わりにすることはできない。本条は、市町村長が措置(役所の判断と費用で、自宅への介護サービスや、養護老人ホーム・特別養護老人ホームへの入所を決める仕組み)を打ち切る前に、本人に解除の理由を説明し、意見を聴くよう義務づけている。介護保険の「契約」とは違い、措置は虐待や困窮のために契約すら結べない高齢者を役所の職権で守る、最後の安全網である。その網を外す直前に、本人の声を一度は通す関所が置かれている。見落とされがちな点がある。次条(12条の2)により、行政手続法の聴聞・弁明の機会の規定はこの場面には適用されず、事前の手続は本条の説明と意見聴取に置き換わっている。ここで黙っていれば、正式に反論できる次の場は解除後の審査請求までない。説明の場は形式的な挨拶ではなく、家族の居場所を守る最初で最大の局面である。
法的な位置づけ
老人福祉法第12条は、市町村長が同法10条の4または11条1項に基づく福祉の措置を解除する際の事前手続を定める規定である。解除に先立ち、措置に係る者に対して解除の理由を説明し、その意見を聴取することを義務づける。措置に係る者から解除の申出があった場合その他厚生労働省令で定める場合は、この手続を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.見直しの打診を受けたら解除理由を書面で求める 市町村から電話や口頭で措置の見直しを告げられたら、その場で同意せず、解除を検討している理由と根拠条文を書面で示すよう求める。意見聴取の日時と場所、同席できる人も確認する
- 2.措置を続けるべき事情を資料にまとめる 本人の心身状態、住まいや身寄りの有無、虐待の再発リスク、経済状況など、措置要件がなお満たされていることを示す事情を整理する。主治医やケアマネジャー、施設の相談員から状況を聴き取り、裏付け資料を集める
- 3.本人の判断能力が不十分なら後見人選任を先に動かす 本人が認知症などで意見を述べることが難しい場合、成年後見の申立てを進める。身寄りがない、家族が協力しない場合は、市町村長申立て(老人福祉法32条)を市町村に求める
- 4.意見聴取の場で書面とともに意見を述べる 面談では口頭で述べるだけでなく、意見書と資料を提出し、受領されたことを確認する。市町村の説明内容と自分たちの発言をメモし、面談記録の写しを求める
- 5.解除通知が届いたら不服申立ての期限を確認する 解除通知の教示欄で審査請求先と期限を確認する。退所を止める必要がある場合は、弁護士と相談のうえ取消訴訟と執行停止の申立てを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1老人福祉法の措置とは何ですか?
虐待や困窮などで介護保険の契約を結べない高齢者について、市町村長が職権と公費で居宅介護や老人ホーム入所を決める仕組みです(老人福祉法10条の4・11条)。
Q2措置入所はいつまで続けられますか?
法律上の期限はなく、措置の要件を満たす限り継続します。要件を満たさなくなったと市町村が判断すると、12条の説明・意見聴取を経て解除が検討されます。
Q3措置解除の意見聴取に家族は同席できますか?
法律上の相手方は措置に係る本人ですが、本人の意思表示を支える立場で家族や後見人が同席・書面提出することは実務上よく行われます。事前に市町村へ確認しましょう。
Q4措置解除に行政手続法の聴聞は適用されますか?
適用されません。老人福祉法12条の2が行政手続法第3章の多くを適用除外としており、その代わりに12条の説明と意見聴取が事前手続となります。
Q5措置解除の理由は書面でもらえますか?
12条自体は書面を明記していませんが、解除処分の通知には理由の提示が求められます。面談前に理由を書面で求めておくと、反論準備と後の審査請求で役立ちます。
Q6措置解除されたら特養を出なければいけませんか?
措置としての入所は終わりますが、要介護認定を受けていれば介護保険の契約入所に切り替えて住み続けられる場合があります。費用負担の仕組みが変わる点に注意が必要です。
Q7措置解除は違法になることがありますか?
説明・意見聴取を欠いた解除や、例外に当たらないのに家族の申出だけで行った解除は手続上の瑕疵があり、審査請求や取消訴訟で争う材料になります。
Q8措置解除に不服があるときの期限は?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は知った日から6か月以内です。いずれも処分の日から1年を過ぎると原則として申し立てられません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1母は認知症で自分の意見を言えません。説明は誰が受けるんですか?
本条が説明の相手としているのは「当該措置に係る者」で、成年後見人がいれば後見人が意見を述べる立場になる。後見人がいないまま形だけ説明して済ませると、手続の適否が争点になりうる。実務のポイント:身寄りがない場合や家族が協力しない場合は、老人福祉法32条にもとづいて市町村長自身が後見開始の審判を申し立てられる。家族からこれを役所に求めると、手続をやり直させるきっかけになる
Q2何の説明もなく解除通知だけが届きました。取り消してもらえますか?
本条の説明・意見聴取を欠いた解除は手続上の瑕疵(欠陥)があり、審査請求や取消訴訟で主張できる。ただし、手続違反があれば直ちに処分が取り消されるのかについては、実務上解釈が分かれている。実務のポイント:争っているあいだに退所させられてしまえば、意味がなくなる。取消訴訟を起こすなら、同時に執行停止(行政事件訴訟法25条)を申し立て、施設に居続けられる状態を先に確保するのが定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 説明を受けられること自体は知っていても、その重さを知らない人が多い。行政手続法の聴聞・弁明の機会は老人福祉法12条の2で適用除外されているため、本条の意見聴取が、解除前に本人側の言い分を記録に残せる実質唯一の手続である。「とりあえず話を聞くだけ」の場ではない
- 「家族が同意したのだから、役所はすぐに解除できる」という前提そのものが誤っている。ただし書で説明・意見聴取が不要になるのは、措置を受けている本人からの申出などの場合である。家族の同意は本人の意見に代わらない。虐待事案では、むしろ家族の意向と本人の利益が対立していることが多い
- 家族の目には「施設に預けている」と映るが、法律上は市町村長が職権で行った行政処分(役所が個人に直接下す具体的な決定)である。そのため、解除をめぐって交渉すべき相手は施設長ではなく市町村だ。施設に掛け合っているうちに審査請求の期限が過ぎてしまう、という落とし穴がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 老人福祉法12条:措置解除前の理由説明と意見聴取を義務づける | 老人福祉法12条の2:措置解除処分への行政手続法第3章の適用を除外する 行政手続法13条:不利益処分一般の聴聞・弁明の機会の付与 |
| 手続の重さ | 説明と意見聴取という簡易な手続 | 重い聴聞手続を外し、解除の機動性を確保する 聴聞(主宰者・文書閲覧等)または弁明書提出という正式手続 |
| 例外 | 本人からの解除申出、その他厚生労働省令で定める場合 | 適用除外の対象外として残る行政手続法の規定がある 緊急時など行政手続法13条2項所定の場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では虐待等による老人の保護・安置を老人福利法が定め、不利益処分前の陳述意見の機会は行政程序法の一般規定に委ねられる。日本のように個別法で一般手続を外し簡易な意見聴取に置き換える構造とは異なる
韓国では不利益処分前の意見聴取が行政手続法の一般規定として定められており、福祉関連処分にも原則として及ぶ
ドイツでは社会給付に関する負担的行政行為の前に、関係者に意見陳述の機会を与える聴聞(Anhörung)が社会法典第10編で一般的に義務づけられている
米国連邦最高裁は、福祉給付の打切り前に事前の告知と聴聞の機会を与えることがデュー・プロセス上必要であるとした
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 虐待を理由に特別養護老人ホームへ措置入所した母。半年後、虐待していた兄が役所に「反省した、家に連れて帰る」と申し入れた。ただし書でいう「当該措置に係る者」は原則として措置を受けている本人であり、兄の申出によって説明と意見聴取を省くことはできない。本人や他の家族が意見聴取の場で虐待の継続リスクを訴えられるかどうかで、結論が変わりうる
- 父の遺族年金が増えたことで、役所から「養護老人ホームの措置要件を見直したい」と連絡が来たら、どうなる? 面談まであと2週間。解除理由を書面でもらい、収入以外の環境上の理由(身寄りがない、住まいがない)を資料にまとめて持参するかどうかで、退所か継続かが分かれる
- あなたは市の高齢福祉課の職員である。本人は重度の認知症で話ができないと判断し、説明を省いて解除した。後日、家族から手続違法を理由に審査請求が届いた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 打診を受けたら、まず解除理由を書面で求める。2. 意見聴取の日程を確認し、本人の心身状態、住まいや身寄りの状況、虐待リスクなど、措置を続けるべき事情を資料にまとめて書面で提出する。3. 本人の判断能力が不十分なら、後見人の選任や市町村長申立て(老人福祉法32条)を役所に求める。4. 解除通知を受け取ったら、教示欄で審査請求先と期限を確かめる。退所を止める必要があれば、取消訴訟とあわせて執行停止の申立ても検討する。
訴えられた側:1. 解除の理由を具体的な事実と根拠条文に結びつけ、書面で説明する。2. 本人の意見は面談記録として残す。意思表示が難しい場合は、後見人や代理人に説明したうえで記録する。3. ただし書を使う場合は、申出が本人の真意か、厚生労働省令の定める場合に本当に当たるかを記録で裏付ける。家族の申出だけでは足りない。4. 虐待事案では、解除する前に高齢者虐待防止法上のリスク評価を必ずやり直す。
時効(請求できる期限):本条そのものに期限の定めはない。解除処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。どちらも処分の日から1年を過ぎると、原則として申し立てられない
学説
行政法学説(手続的瑕疵論):法定の事前手続を欠いた処分について、手続違反のみで取消事由となるとする見解と、手続を尽くしても結論が変わらない場合は取り消されないとする見解が対立しており、措置解除をめぐる争いでも結論が分かれうる。
- 老人福祉法 第10条の4居宅における介護等の措置、解除対象
- 老人福祉法 第11条老人ホームへの入所等の措置、解除対象
- 老人福祉法 第12条の2解除処分への行政手続法第3章の適用除外
- 老人福祉法 第32条市町村長による後見開始審判の請求
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第9条虐待時の老人福祉法上の措置の発動
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第13条措置中の養護者との面会制限
- 行政手続法 第13条不利益処分の意見陳述手続の一般則
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