老人福祉法 第10条の4(居宅における介護等)
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- 市町村は、必要に応じて、次の措置を採ることができる。
- 一六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(厚生労働省令で定める部分に限る。第二十条の八第四項において同じ。)若しくは夜間対応型訪問介護又は第一号訪問事業を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、その者の居宅において第五条の二第二項の厚生労働省令で定める便宜を供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜を供与することを委託すること。
- 二六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護若しくは介護予防認知症対応型通所介護又は第一号通所事業を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者(養護者を含む。)を、政令で定める基準に従い、当該市町村の設置する老人デイサービスセンター若しくは第五条の二第三項の厚生労働省令で定める施設(以下「老人デイサービスセンター等」という。)に通わせ、同項の厚生労働省令で定める便宜を供与し、又は当該市町村以外の者の設置する老人デイサービスセンター等に通わせ、当該便宜を供与することを委託すること。
- 三六十五歳以上の者であつて、養護者の疾病その他の理由により、居宅において介護を受けることが一時的に困難となつたものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する短期入所生活介護又は介護予防短期入所生活介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者を、政令で定める基準に従い、当該市町村の設置する老人短期入所施設若しくは第五条の二第四項の厚生労働省令で定める施設(以下「老人短期入所施設等」という。)に短期間入所させ、養護を行い、又は当該市町村以外の者の設置する老人短期入所施設等に短期間入所させ、養護することを委託すること。
- 四六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する小規模多機能型居宅介護又は介護予防小規模多機能型居宅介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、その者の居宅において、又は第五条の二第五項の厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、同項の厚生労働省令で定める便宜及び機能訓練を供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜及び機能訓練を供与することを委託すること。
- 五六十五歳以上の者であつて、認知症(介護保険法第五条の二第一項に規定する認知症をいう。以下同じ。)であるために日常生活を営むのに支障があるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)が、やむを得ない事由により同法に規定する認知症対応型共同生活介護又は介護予防認知症対応型共同生活介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、第五条の二第六項に規定する住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行い、又は当該市町村以外の者に当該住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行うことを委託すること。
- 六六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する複合型サービス(訪問介護等(定期巡回・随時対応型訪問介護看護にあつては、厚生労働省令で定める部分に限る。)に係る部分に限る。第二十条の八第四項において同じ。)を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、第五条の二第七項の厚生労働省令で定めるサービスを供与し、又は当該市町村以外の者に当該サービスを供与することを委託すること。
- 2.市町村は、六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものにつき、前項各号の措置を採るほか、その福祉を図るため、必要に応じて、日常生活上の便宜を図るための用具であつて厚生労働大臣が定めるものを給付し、若しくは貸与し、又は当該市町村以外の者にこれを給付し、若しくは貸与することを委託する措置を採ることができる。
この条文の基本情報
居宅における介護等とは何ですか?
定義居宅における介護等とは、老人福祉法第10条の4に定められた規定で、「市町村は、必要に応じて、次の措置を採ることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第10条の4(居宅における介護等)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第10条の4の条文原文は「市町村は、必要に応じて、次の措置を採ることができる。」で始まります。
- 老人福祉法第10条の4は第二章 福祉の措置に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第10条の4の前の条は老人福祉法第10条の3です。
- 老人福祉法第10条の4の次の条は老人福祉法第11条です。
- 老人福祉法第10条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第10条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第10条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/10_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法10条の4は、やむを得ない事由で介護保険サービスを契約利用できない65歳以上の者に、市町村が職権で訪問介護や短期入所等を提供できると定める。
Q · 認知症で契約できない親に、役所が代わりに介護サービスを手配してくれることはある?
ある。市町村が職権で介護サービスを提供できる
老人福祉法10条の4第1項により、65歳以上で日常生活に支障がある人が、虐待や判断能力の低下など「やむを得ない事由」で介護保険サービスを契約で利用することが著しく困難な場合、市町村は職権で訪問介護、デイサービス、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護、認知症グループホーム等を提供または委託できます。ただし「できる」規定であり、市町村がその事情を認めることが前提です。費用は本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収されることがあります(28条)。
解説
介護保険は「契約」で動く。本人がケアマネジャーを通じて事業者と契約を結んで、はじめてサービスが届く。2000年以降はこれが原則である。ところが、契約を結べない高齢者がいる。認知症で意思を示せず、代わりに動く家族もいない人。同居の息子に年金を握られ、デイサービスを勝手に解約された人。こうした人のために本条がある。市町村は「やむを得ない事由」があると認めれば、契約を飛ばして職権で(本人からの申込みがなくても、役所が自分の判断で)訪問介護、デイサービス、ショートステイ、小規模多機能、グループホームなどを提供できる。これを「措置」と呼ぶ。押さえておくべき点がある。この措置は、本人や家族が申込書を出せば自動的に始まるものではない。地域包括支援センターや市町村の高齢福祉担当に「契約による利用が著しく困難な事情」を具体的に伝え、市町村がそう認めて初めて動く。黙っていれば、制度がないのと同じである。
法的な位置づけ
老人福祉法10条の4は、介護保険制度における契約利用の例外として、市町村が職権により居宅介護等の措置を採ることができる旨を定める規定である。65歳以上で心身の障害等により日常生活に支障がある者が、やむを得ない事由により介護保険サービスの利用が著しく困難な場合に、訪問介護、通所、短期入所等の便宜の供与またはその委託を認める。
手順
- 1.本人の状況と経緯を記録する 食事・服薬・外傷などの本人の状態と、介護サービスが止まった経緯を日付つきでメモし、写真も残す。市町村が「やむを得ない事由」を認定する際の判断材料になる
- 2.地域包括支援センターに措置を名指しで相談 地域包括支援センターまたは市町村の高齢福祉担当に連絡し、「契約による利用が著しく困難」「老人福祉法10条の4によるやむを得ない事由による措置」と条文の言葉で検討を求める
- 3.虐待が疑われる場合は通報として受理を求める 介護放棄や身体的虐待が疑われる場合、高齢者虐待防止法の通報として受理するよう求め、高齢者虐待対応の担当につないでもらう
- 4.成年後見と要介護認定を並行して依頼 判断能力に不安があれば市町村長申立てによる成年後見(老人福祉法32条)を、要介護認定が未了なら認定申請を、措置と並行して進めるよう依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1やむを得ない事由による措置とは?
介護保険の契約によるサービス利用が著しく困難な高齢者に、市町村が職権で介護サービスを提供する仕組みです。老人福祉法10条の4と11条が根拠です。
Q2やむを得ない事由 具体例は?
家族による介護放棄や虐待でサービスから切り離されている場合、認知症で契約できず身寄りもない場合などが典型として扱われています。
Q3老人福祉法の措置 誰が決める?
市町村が決めます。本人や家族の申込みで自動的に始まるものではなく、市町村が「やむを得ない事由」を認めて職権で行います。
Q4措置によるショートステイ 期間はいつまで?
条文に上限日数は書かれていません。養護者の事情で在宅介護が一時的に困難な間の短期入所であり、具体的な期間は市町村の判断で決まります。
Q5措置で家族の同意なしに介護サービスは使える?
使えます。措置は市町村の職権によるもので、家族の同意は法律上の要件ではありません。虐待対応では家族の反対があっても実施されることがあります。
Q6老人福祉法の措置 費用は自己負担?
市町村がまず支弁し(21条)、介護保険給付が優先します(21条の2)。そのうえで本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収されることがあります(28条)。
Q7措置を断られたら違法?
本条は「できる」規定のため、断ったこと自体が直ちに違法とはいえません。ただし虐待通報を受けた場合は高齢者虐待防止法9条2項による対応が求められます。
Q8措置から介護保険へ切り替えできる?
できます。実務では措置と並行して要介護認定や成年後見の手続を進め、契約が可能になった段階で介護保険の通常利用へ移行するのが一般的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1要介護認定がまだ出てないと、措置って使えないんですか?
条文上の要件は、65歳以上で心身の障害により日常生活に支障があること、そしてやむを得ない事由で介護保険サービスの利用が著しく困難なことである。要介護認定の完了は要件として書かれていない(10条の4第1項)。実務のポイント:実務では、措置と並行して市町村が認定申請の手続も進め、認定が出たら保険給付へ切り替えるのが通常の流れである。「認定待ち」を理由に断られたら、条文の要件を示して再検討を求める価値がある
Q2措置で使ったサービス代、結局誰が払うんですか?
まず市町村が支払い(21条)、介護保険の給付を受けられる部分は保険が優先する(21条の2)。そのうえで、本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収されうる(28条)。実務のポイント:徴収は「できる」規定であり、虐待をした扶養義務者からどこまで取るかは市町村の判断に委ねられている。家計の実態を示す資料を早めに出すと、徴収額の算定に反映されやすい(最新の運用は各市町村にご確認ください)
Q3市役所に相談したら「契約でお願いします」って言われました。もう無理ですか?
諦めるのは早い。高齢者虐待防止法9条2項は、通報を受けた市町村が生命や身体の危険から高齢者を保護するため、本条1項や11条1項の措置を適切に講じると定めている。実務のポイント:同じ市役所でも、介護保険の窓口と高齢者虐待対応の担当では扱いがまるで違う。「虐待の通報です」と言って担当を切り替えると、記録と対応の義務が生じ、話の進み方が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「介護サービスを止めたのは家族の判断だから、他人は口を出せない」という考え方は、問いの立て方がそもそもずれている。サービスを利用する主体は親本人であり、家族の同意は法的な必要条件ではない。本人がサービスを使えない状態に置かれていること自体が、本条の「やむを得ない事由」の典型として扱われている
- 措置という仕組みは知っていても、それが「できる」規定であることの重さを知る人は少ない。条文は市町村に措置を義務づけていない。担当者が「契約でお願いします」と言えば、扉は閉じたままになる。だからこそ、虐待の具体的事実や本人の判断能力の低下を記録で示し、市町村が動かざるをえない状況をつくることが勝負になる
- 「措置なら無料」と思われがちだが、そうではない。費用はまず市町村が支払うが(21条)、本人と扶養義務者から負担能力に応じて徴収されうる(28条)。介護保険の給付を受けられる部分は保険が優先され、市町村はその限度で費用を負担しない(21条の2)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の内容 | 老人福祉法10条の4:在宅のまま訪問介護・通所・短期入所・小規模多機能・グループホーム等を提供 | 老人福祉法11条:養護老人ホーム・特別養護老人ホーム等への入所措置 高齢者虐待防止法9条:通報受理後の事実確認と本条・11条の措置の発動 |
| 主な対象 | 65歳以上で日常生活に支障があり、やむを得ない事由で介護保険サービスの契約利用が著しく困難な者 | 居宅での生活や養護が困難で施設入所が必要な65歳以上の者 養護者による虐待を受けたと思われる高齢者 |
| 在宅か施設か | 在宅生活の継続が前提(短期入所は一時的) | 施設への継続的な入所 状況に応じて在宅措置・入所措置を選択 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では虐待や遺棄で生命・身体に危難がある高齢者について、直轄市・県(市)の主管機関が申請または職権で短期保護・安置を行える。家族の意思によらず行政が介入する点で本条と同趣旨
韓国も老人長期療養保険と並行して、老人福祉法に基づく行政の保護措置を置く
ドイツは介護保険(SGB XI)で賄えない介護を社会扶助としての介護扶助で補う構造
米国は連邦法による高齢者支援サービスと、州ごとの Adult Protective Services による虐待対応の二層構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 母の通帳を管理している兄が「金がもったいない」と言って、デイサービスを全部解約した。母は日中ひとりきりで、まともに食事もとれていない。これは高齢者虐待防止法でいう介護放棄(ネグレクト)に当たりうる。市町村に通報すれば、同法9条から本条の措置へつながり、兄の同意がなくてもデイサービスを再開させる道が開ける
- 父の介護を担っているのはあなたで、繁忙期に三日間家を空けた。近所の人が通報し、市の職員が来て、父はショートステイに措置入所となった。「勝手に連れていかれた」と感じるだろう。だが、養護者の事情で在宅介護が一時的に難しくなったときの短期入所は、本条1項3号のど真ん中の使い方である。費用は、あなたを含む扶養義務者の負担能力に応じて徴収されることもある(28条)
- 一人暮らしで認知症の叔母がケアマネとの契約書にサインできず、身寄りは遠方に住む甥のあなただけだったら、どうなる? 成年後見の申立てから後見人が決まるまでは数か月かかる。その空白を埋めるのが本条1項の措置であり、後見人がつくまでの橋渡しとして実務で使われている
- 父を殴った兄が、週末にまた帰ってくる。残りは二日。地域包括支援センターに電話して措置によるショートステイを求めるなら、金曜の日中がタイムリミットである
- あなたは小規模多機能型居宅介護の事業所を経営しており、市から「措置委託」の打診が来た。この場合の契約相手は利用者本人ではなく市町村で、費用も保険請求とは別ルートの措置費になる。請求先や記録の様式を介護保険と同じ感覚で処理すると、後で精算が合わなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 本人の状態(食事、服薬、外傷)と、サービスが止まった経緯を日付つきでメモし、写真も残す2. 地域包括支援センターまたは市町村の高齢福祉担当に、本条による措置を名指しで求める3. 虐待が疑われる場合は、高齢者虐待防止法の通報として受理するよう求める4. 判断能力に不安があれば、市町村長申立てによる成年後見(32条)の検討も同時に依頼する
訴えられた側:措置決定は行政処分(役所が個人に対して直接下す具体的な決定)として扱われるのが一般的である。1. 決定通知書の教示欄(不服申立ての方法が書かれた欄)で、期限と窓口を確認する2. 自分が介護を担えていることを示す具体的な資料(介護記録、通院記録)を整理する3. 費用の徴収額に納得できなければ、負担能力を示す資料を出す4. 虐待を疑われている場合、職員を感情的に拒むと分離が長引く。弁護士を通じて、面会や今後のケアについての協議を求める
時効(請求できる期限):本条そのものに時効や申請期限はない。措置決定や費用徴収決定に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)。ただし措置は市町村の職権で行うものなので、「措置をしないこと」を争えるかどうかは実務上、解釈が分かれている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 改正:介護保険法の施行に伴い、居宅介護サービスの提供は契約による利用が原則となり、本条の措置はやむを得ない事由がある場合の例外として位置づけられた
- 老人福祉法 第5条の2措置で提供する居宅支援事業の定義
- 老人福祉法 第11条養護老人ホーム等への入所措置
- 老人福祉法 第21条措置費用の市町村による支弁
- 老人福祉法 第28条本人・扶養義務者からの費用徴収
- 老人福祉法 第32条市町村長による後見開始審判の請求
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第9条虐待通報後に本条の措置を講ずる根拠(通称 高齢者虐待防止法)
- 介護保険法 第8条措置の前提となる介護サービス類型の定義
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