老人福祉法 第11条(老人ホームへの入所等)
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- 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
- 一六十五歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
- 二六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。
- 三六十五歳以上の者であつて、養護者がないか、又は養護者があつてもこれに養護させることが不適当であると認められるものの養護を養護受託者(老人を自己の下に預つて養護することを希望する者であつて、市町村長が適当と認めるものをいう。以下同じ。)のうち政令で定めるものに委託すること。
- 2.市町村は、前項の規定により養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームに入所させ、若しくは入所を委託し、又はその養護を養護受託者に委託した者が死亡した場合において、その葬祭(葬祭のために必要な処理を含む。以下同じ。)を行う者がないときは、その葬祭を行い、又はその者を入所させ、若しくは養護していた養護老人ホーム、特別養護老人ホーム若しくは養護受託者にその葬祭を行うことを委託する措置を採ることができる。
この条文の基本情報
老人ホームへの入所等とは何ですか?
定義老人ホームへの入所等とは、老人福祉法第11条に定められた規定で、「市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第11条(老人ホームへの入所等)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第11条の条文原文は「市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。」で始まります。
- 老人福祉法第11条は第二章 福祉の措置に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第11条の前の条は老人福祉法第10条の4です。
- 老人福祉法第11条の次の条は老人福祉法第12条です。
- 老人福祉法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法11条は、自宅で養護を受けられない65歳以上の者を、市町村が職権で養護老人ホームや特別養護老人ホームへ入所させる措置を義務付ける。特養は契約入所が著しく困難な場合に限る。
Q · 特養の待機が長いとき、市役所の「措置」で先に入所できますか?
待機の長さだけでは不可。虐待や契約不能などの事情が必要
老人福祉法11条1項2号の措置による特別養護老人ホーム入所は、常時介護が必要で居宅介護が困難な65歳以上の者が、やむを得ない事由で介護保険の契約入所が著しく困難な場合に限られます。典型例は、虐待を受けている場合や、認知症で契約できず代理人もいない場合です。待機者が多いことだけでは原則として該当しません。相談先は施設ではなく、市町村の高齢福祉担当課や地域包括支援センターです。
解説
2000年に介護保険が始まってから、老人ホームは「自分で探して契約する」場所になった。では、契約できない人はどうなるのか。家族から殴られている、認知症で契約書の意味が分からない、代わりに署名してくれる人もいない。そういう人を引き受けるのが本条である。市町村は必要に応じて、職権で施設に入所させる「措置」(役所が本人のために一方的に決めて実行する保護)を採らなければならない。具体的には三つの手段がある。経済的・環境的に自宅で暮らせない人を養護老人ホームへ入れる。常に介護が必要なのに、やむを得ない事由で契約入所ができない人を特別養護老人ホームへ入れる。養護者に預ける。注意したいのは、委託を受けた施設は正当な理由がない限り断れない(同法20条)という点である。一方、費用は無料ではない。本人と扶養義務者から、負担能力に応じて徴収される(同法28条)。措置中に亡くなり、葬儀をする人がいなければ、市町村が葬祭まで引き受けられる(第2項)。待機名簿の列とは別に、役所が開ける扉がある。それを知っているかどうかで、救出までの日数が変わる。
法的な位置づけ
老人福祉法11条は、65歳以上の者について市町村が職権で採るべき措置を定める規定である。措置は、養護老人ホームへの入所、特別養護老人ホームへの入所、養護受託者への養護委託の三つである。特別養護老人ホームへの措置は、やむを得ない事由により介護保険法上の契約入所が著しく困難な場合に限られる。第2項は、措置対象者が死亡したときの葬祭措置を定める。
手順
- 1.虐待や生活困窮の証拠を残す あざの写真、通帳の出金記録、ケアマネジャーの支援記録など、自宅での養護が困難であることを客観的に示す資料を集める
- 2.地域包括支援センターまたは市町村に相談する 市町村の高齢福祉担当課か地域包括支援センターに相談し、老人福祉法11条による措置の検討を求める。口頭だけで済ませず、要点を書いたメモを渡す
- 3.虐待の場合は通報として扱ってもらう 緊急性が高い場合は、高齢者虐待防止法に基づく通報として受理してもらい、事実確認と措置の判断へつなげる
- 4.成年後見の市町村長申立てを併せて検討してもらう 本人に判断能力がなく申立てをする親族もいない場合は、老人福祉法32条による市町村長申立てを措置と並行して検討してもらう
- 5.費用徴収の通知を確認する 措置費の徴収通知が届いたら、本人と扶養義務者の収入資料を提出し、負担額が負担能力に応じた適正な額か確認する
よくある質問 AI による整理
Q1措置入所とは何ですか?
市町村が老人福祉法11条に基づき、本人との契約によらず職権で高齢者を養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる仕組みです。
Q2養護老人ホームの入所条件は?
65歳以上で、環境上の理由と政令で定める経済的理由により、自宅で養護を受けることが困難な人が対象です。入所は市町村の措置によります。
Q3「やむを得ない事由」とは具体的に何ですか?
虐待を受けている場合や、認知症などで契約を結べず代わりの人もいない場合など、介護保険の契約入所が著しく困難な事情を指します。
Q4措置入所に家族の同意は必要?
措置は市町村の職権による保護です。虐待のケースでは、養護者である家族の同意は措置の要件になりません。
Q5措置入所の相談先はどこ?
市町村の高齢福祉担当課か地域包括支援センターです。施設に直接申し込んでも、措置による入所にはなりません。
Q6措置入所はいつまで続く?
措置の必要がなくなるまで続きます。市町村は解除の前に、理由を説明し本人の意見を聴かなければなりません(同法12条の2)。
Q7施設は措置入所の委託を断れる?
正当な理由がない限り断れません(老人福祉法20条)。「職員が不安がっている」だけでは正当な理由にならないとされます。
Q8養護受託者とは何ですか?
高齢者を自分のもとに預かって養護することを希望し、市町村長が適当と認めた者のうち、政令で定める者をいいます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特養の待機がすごく長いんだけど、市役所に頼めば措置で先に入れてもらえるの?
待機が長いだけでは、原則として措置にはならない。老人福祉法11条1項2号の措置は、虐待を受けている、認知症で契約できず代わりの人もいないなど、「やむを得ない事由」で契約入所が著しく困難な場合に限られる。実務のポイント:措置するかどうかは、ケアマネや地域包括支援センターの記録でほぼ決まる。家族が口頭で訴えるより、専門職の記録に虐待や生活破綻の事実を残してもらうほうがずっと効く
Q2措置入所の費用って、離れて住んでる自分にも請求が来るの?
来る可能性がある。老人福祉法28条により、市町村は措置費を本人と扶養義務者から負担能力に応じて徴収できる。具体的な金額は市町村の徴収基準による(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:扶養義務者への徴収は所得などで判定される。通知が来ても、収入資料を出せば負担が軽くなることがある。黙って払う前に、算定根拠を確認するとよい
Q3身寄りのない伯父が老人ホームで亡くなった。葬式って誰がやるの?
市町村の措置で入所していたなら、葬祭を行う人がいない場合、市町村が老人福祉法11条2項に基づいて葬祭を行うか、施設に委託できる。契約入所だった場合は、墓地、埋葬等に関する法律や生活保護の葬祭扶助など、別のルートになる。実務のポイント:遠い親族が先に葬儀を出してしまうと、後から公費での精算を求めるのは難しい。動く前に市町村へ確認するとよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「養護老人ホーム」と「特別養護老人ホーム」は名前が似ているので、介護度で分かれているだけだと思われがちである。実際は根拠がまったく違う。養護老人ホームは介護ではなく、経済的・環境的な理由で住む場所に困る人のための施設で、入る方法は市町村の措置だけである。施設に直接申し込んでも入所できない
- 措置で入所したら費用は役所持ちだと思っている人は多い。だが措置費は老人福祉法28条により、本人と扶養義務者から負担能力に応じて徴収される。離れて暮らす子どもにも通知が届くことがある。「役所が入れてくれたから、自分は関係ない」とはならない
- 「どの特養なら早く空くか」と施設に電話をかけ回る家族は多いが、そもそも問いが間違っている場合がある。虐待を受けている、または契約できる人がいないなら、問うべきは「市町村は措置を検討したか」である。窓口は施設ではなく、市町村と地域包括支援センターである
- 家族から見れば「役所に親を連れ去られた」と感じられる。だが法律から見れば、職権による保護である。虐待の場面では、養護者(世話をしている家族)の同意は措置の要件ではない。さらに高齢者虐待防止法13条で面会を制限されることもある。この見え方の落差に気付かず、施設に押しかけて騒ぐと、家族の立場はさらに悪くなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 老人福祉法11条:養護老人ホーム・特養への入所、または養護受託者への委託 | 老人福祉法10条の4:自宅で受ける居宅介護サービスの措置 介護保険法:利用者本人と施設の契約による入所 |
| 開始のしかた | 市町村の職権による措置 | 市町村の職権による措置 本人(または代理人)による申込みと契約 |
| 適用場面 | 居宅養護が困難で、特養はやむを得ない事由により契約入所が著しく困難な場合 | やむを得ない事由により介護保険の居宅サービスを契約で利用することが著しく困難な場合 原則的なルート(要介護認定と契約が前提) |
| 費用 | 本人と扶養義務者から負担能力に応じて徴収(同法28条) | 本人と扶養義務者から負担能力に応じて徴収(同法28条) 介護保険の自己負担と居住費・食費 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、虐待や遺棄で危難がある高齢者、扶養義務者がいない高齢者について、直轄市・県(市)の主管機関が申請または職権で保護・安置できる。職権介入を認める点で日本の措置と共通する
韓国でも地方自治体の長が、必要に応じて高齢者を老人福祉施設に入所させる措置を採ることができる
フランスでは、自宅で支援を受けられない高齢者が、原則として本人の同意を前提に、個人宅や施設へ受け入れられる仕組みが社会扶助として定められている
米国では、高齢者虐待への職権介入は主に州の成人保護サービス(APS)が担い、施設入所の扱いは州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認知症の母と同居する兄が、母の年金を使い込み、食事も満足に与えていない。地域包括支援センターに通報したら、数日後に母は市外の特養へ移っていた。兄の同意は取られていない。高齢者虐待防止法9条2項から本条の措置へつながる典型的なルートである
- 特養の待機者が300人と言われ、ケアマネに「措置で何とかならないか」と聞いた。返ってきた答えは「待機が長いだけでは、やむを得ない事由に当たらない」。措置は順番を飛ばす裏技ではない。契約入所が成り立たない事情があって、はじめて開く扉である
- もし、ひとり暮らしの叔父が年金月6万円で、借家の取り壊しを理由に退去を迫られたら、どこに住めるのか? 介護はまだ要らないので特養は対象外。こういう環境上・経済的な理由で困っている人のための施設が養護老人ホームであり、入る方法は市町村の措置しかない
- 施設長であるあなたのもとに、市町村から措置入所の委託が届いた。対象者は暴力歴がある男性で、職員は不安がっている。それでも、正当な理由がなければ断れない(同法20条)。「職員が嫌がっている」だけでは正当な理由にならない
- 措置で養護老人ホームに入っていた身寄りのない入所者が亡くなった。遺体の引き取り手はいない。市町村は本条2項に基づいて、自ら葬祭を行うか、施設に葬祭を委託できる
- 退去期限まであと一週間。父は要介護4で、契約を代わりにする家族は海外にいて動けない。今日中に市町村の高齢福祉課へ電話し、措置を検討してほしいと伝えなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 虐待や生活困窮の証拠を残す。あざの写真、通帳の出金記録、ケアマネの記録などである2. 地域包括支援センターまたは市町村の高齢福祉課に相談する。「やむを得ない事由による措置(老人福祉法11条)」の検討を書面で求める3. 緊急性が高ければ、高齢者虐待防止法による通報として扱ってもらう4. 措置と並行して、成年後見の市町村長申立て(同法32条)も検討してもらう5. 費用徴収の通知が届いたら、収入資料を出して負担額が適正か確認する
訴えられた側:1. 虐待を疑われて措置が決まった場合、感情的に施設へ押しかけない。面会制限を受けると関係修復が遅れる2. 市町村に事実関係の説明を求め、自分の言い分を書面で残す3. 措置決定に不服があれば、行政書士や弁護士に相談して審査請求を検討する4. 扶養義務者として費用徴収の通知を受けたら、負担能力の資料を出して減額を求める5. 介護負担が限界だったのなら、養護者支援(高齢者虐待防止法14条)の利用を申し出る
時効(請求できる期限):措置の決定や解除が行政処分に当たる場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)である。取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)である。なお、措置は職権で行われるため、本人に申請権があるか、つまり措置を「しないこと」を争えるかについては、実務上解釈が分かれている
学説
措置の申請権をめぐる議論:本条の措置は職権で行われるため、本人に措置を求める申請権があるか、つまり措置を「しないこと」を行政争訟で争えるかについては、実務上も解釈が分かれている
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)介護保険法施行に伴う改正 特別養護老人ホームへの入所は介護保険の契約が原則となり、本条の措置は「やむを得ない事由」で契約入所が著しく困難な場合に限定された。正確な改正回数と各回の文言変更は、人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:老人福祉法の制定により、市町村による老人ホームへの入所措置の制度が設けられた
- 2.平成12年(2000年) 改正:介護保険法の施行に伴い、特別養護老人ホームへの入所は契約が原則となった。本条の措置は、やむを得ない事由で契約入所が著しく困難な場合に限定された
- 老人福祉法 第10条の4居宅介護サービスの措置、在宅版の対
- 老人福祉法 第12条の2措置解除前の理由説明と意見聴取
- 老人福祉法 第20条施設の措置委託受託義務
- 老人福祉法 第28条本人と扶養義務者からの費用徴収
- 老人福祉法 第32条市町村長による後見開始審判請求
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第9条虐待通報後に本条の措置を講じる根拠(通称 高齢者虐待防止法)
- 介護保険法 第8条介護老人福祉施設等の定義、契約入所の原則
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