老人福祉法 第20条(措置の受託義務)
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- 老人居宅生活支援事業を行う者並びに老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設の設置者は、第十条の四第一項の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
- 2.養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設置者は、第十一条の規定による入所の委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
この条文の基本情報
措置の受託義務とは何ですか?
定義措置の受託義務とは、老人福祉法第20条に定められた規定で、「老人居宅生活支援事業を行う者並びに老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設の設置者は、第十条の四第一項の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第20条(措置の受託義務)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第20条の条文原文は「老人居宅生活支援事業を行う者並びに老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設の設置者は、第十条の四第一項の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、…」で始まります。
- 老人福祉法第20条は第三章 事業及び施設に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第20条の前の条は老人福祉法第19条です。
- 老人福祉法第20条の次の条は老人福祉法第20条の2です。
- 老人福祉法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法20条は、在宅福祉事業者や養護・特別養護老人ホームの設置者が、市町村から措置の委託を受けた場合、正当な理由がない限り拒めないと定める。
Q · 市役所から措置で高齢者の受入れを頼まれたら、特養は断れないの?
原則断れない。正当な理由があれば拒否できる
老人福祉法20条2項により、特別養護老人ホームや養護老人ホームの設置者は、市町村から11条の入所措置の委託を受けたとき、正当な理由がない限り拒めません。在宅サービス事業者も1項で同様です。入院治療が必要な状態や安全確保が困難な場合などは正当な理由になりえますが、「対応が大変」といった抽象的な理由だけでは通りにくいとされます。
解説
介護保険制度が始まった2000年以降、高齢者介護は「本人と事業者の契約」で動くのが原則になった。だがこの仕組みには穴がある。認知症が進んで契約を結べない。家族から虐待を受けていて、その家族が手続きを妨げる。お金がなくて利用料を払えない。こうした人は契約の世界からこぼれ落ちる。その穴を埋めるのが市町村の「措置」(役所が本人に代わり、自らの判断でサービス利用や施設入所を決める仕組み)であり、本条はサービスを提供する側に「断るな」と命じている。ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイの事業者、養護老人ホーム、特別養護老人ホームは、市町村から措置の委託を受けたら、正当な理由がない限り拒めない。親が虐待されている、身寄りのない近所の高齢者が放置されている、そんな場面で動かすべき相手は、施設の窓口ではなく市町村の高齢福祉担当であることが多い。施設の側から見ても、「困難ケースだから」というだけでは、通常は断る理由にならない。
法的な位置づけ
措置の受託義務とは、老人福祉法20条に基づき、老人居宅生活支援事業者、老人デイサービスセンター・老人短期入所施設の設置者、養護老人ホーム・特別養護老人ホームの設置者が、市町村による措置(同法10条の4第1項・11条)の委託を受けた際、正当な理由がない限りこれを拒むことができない法的義務をいう。契約による利用が困難な高齢者の受け皿を確保する機能を持つ。
手順
- 1.打診内容を即答せず確認する 市町村から措置委託の打診を受けたら、即答で断らず、本人の心身の状況、医療的ニーズ、虐待の有無、希望される受入れ時期を聞き取り、記録に残す
- 2.受入れ条件を市町村と協議する 医療連携、職員の加配、受入れ開始日の調整など、受け入れるための条件を市町村と協議する。受入れか拒否かの二択にしないことが行政との信頼関係維持につながる
- 3.拒む場合は具体的理由を文書化する 受入れが困難な場合は、入院治療が必要、安全確保が困難など具体的な理由を文書にして市町村に伝え、近隣施設の空き状況などの代替案を添える
- 4.受入れ後の支援体制を継続協議する 受け入れた後も、ケース会議などで市町村や地域包括支援センターと支援方針を継続的に協議する場を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1措置入所とは何ですか?
市町村が本人との契約によらず、自らの判断で高齢者を養護老人ホームや特別養護老人ホームに入所させる仕組みです。老人福祉法11条が根拠です。
Q2老人福祉法20条の「正当な理由」とは?
入院治療が必要な状態、受け入れると他の入所者の安全を確保できない場合など、具体的な事情を指します。「手間がかかる」だけでは通りにくいとされます。
Q3措置入所の費用は誰が払うの?
措置に要する費用は市町村が支弁し(老人福祉法21条)、本人や扶養義務者からは負担能力に応じて費用が徴収されます(同法28条)。
Q4措置の受託を拒否したら罰則はある?
20条違反に直接の刑事罰の規定はありませんが、改善命令や事業の制限・停止などの行政処分(同法18条の2、19条)につながりうるとされます。
Q5高齢者虐待で施設に緊急入所できる?
できる場合があります。高齢者虐待防止法9条2項に基づき、市町村は老人福祉法の措置で施設への入所を委託でき、委託先は原則拒めません。
Q6養護老人ホームの入所条件は?
65歳以上で、環境上の理由と経済的理由により自宅で養護を受けることが困難な人が対象です(老人福祉法11条1項1号)。入所は市町村の措置で決まります。
Q7措置入所はいつまで続く?
法律上の固定期間はなく、措置の必要がある間続きます。成年後見人の選任などで契約が可能になれば、契約による利用へ切り替わることがあります。
Q8ショートステイも措置で利用できる?
できます。老人福祉法10条の4第1項の措置で短期入所を委託でき、老人短期入所施設の設置者は20条1項により正当な理由がない限り拒めません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が認知症で契約できないんですけど、施設に入れる方法ってあるんですか?
家族や成年後見人が代わりに契約するのが原則だが、それが期待できない場合は、市町村が老人福祉法11条の措置で入所を決める道がある。措置の委託を受けた施設は、本条2項により正当な理由がなければ拒めない。実務のポイント:措置入所を一時的な受け皿として使いながら、並行して市町村長が成年後見の申立て(老人福祉法32条)を進めることがある。後見人がつけば契約による入所に切り替わる、という流れを知っておくと先が読める
Q2施設側なんですが、措置の依頼って本当に断れないんですか?
絶対に断れないわけではなく、断るには正当な理由が必要ということだ(本条)。入院治療が必要な状態である、受け入れると他の入所者の安全を確保できないといった具体的な事情は、正当な理由になりうる。一方、「困難ケースだから」という抽象的な理由だけでは通りにくい。実務のポイント:措置先を探す市町村にとって、受入れ実績のある施設は頼れる存在になる。断る場合でも、近隣施設の空き状況や受入れ可能な時期といった代替案を添えると、行政との信頼関係が崩れにくい
Q3介護保険があるのに、措置なんてまだ残ってるんですか?
残っている。介護保険法の施行後も、老人福祉法10条の4と11条は「やむを得ない事由」がある場合の措置として機能している。高齢者虐待防止法9条2項も、虐待を受けた高齢者を保護する手段として措置を明記している。実務のポイント:措置で入所した後も介護保険の給付が優先して使われ、自己負担分などを措置費で補う形で運用されるのが一般的である(最新の運用は所管の市町村でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「入れてくれる施設」を探して、頭を下げて回るのが正攻法だと思われがちだが、問いの立て方がそもそも違う。虐待や判断能力の喪失で契約ルートが閉ざされている場合、交渉すべき相手は施設ではなく市町村である。措置を決める権限は市町村にあり、施設にはそれを受託する義務がかかっている
- 受託義務があることは知っている事業者でも、「正当な理由」として通る範囲を広く見積もりすぎていることが多い。入院治療が必要な状態や、受け入れると安全を確保できないといった具体的な事情なら、正当な理由になりうる。一方で「対応が大変そう」「措置費の水準が低い」といった理由は通りにくい。満床が常に正当な理由になるかどうかも個別の事情によって変わり、実務上、解釈が分かれる部分がある
- 「措置制度は介護保険の導入で廃止された」と思っている人は多いが、実際には残っている。老人福祉法10条の4と11条の措置は、「やむを得ない事由」がある場合の制度として、虐待対応などで今も現に使われている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 老人福祉法20条:委託を受けた事業者・施設の受託義務 | 老人福祉法10条の4:市町村による居宅サービス等の措置 老人福祉法11条:市町村による老人ホームへの入所措置 |
| 義務・権限の名宛人 | 事業者・施設の設置者 | 市町村 市町村 |
| 対象サービス | 1項:居宅事業・デイサービス・短期入所、2項:養護・特養 | ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ等 養護老人ホーム・特別養護老人ホームへの入所等 |
| 発動の前提 | 市町村からの措置委託を受けたこと | やむを得ない事由により介護保険の利用が著しく困難 環境上・経済的理由、またはやむを得ない事由 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では、虐待等で生命・身体に危難がある高齢者について、直轄市・県(市)主管機関が短期保護・安置を行える。行政主導の保護という点で日本の措置と同種の機能を持つ
ドイツでは介護保険と供給契約を結んだ介護施設に、被保険者への介護提供義務が課される。行政措置ではなく保険契約を通じた供給義務という点で構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同居の長男に殴られている母を施設に避難させたいのに、長男が特養の申込みを妨害していたら、どうなる? 市町村は高齢者虐待防止法9条2項に基づき、老人福祉法11条の措置で特養への入所を委託できる。委託を受けた施設は、本条2項により正当な理由がなければ拒めない。入所の決定に長男の同意は要らない
- あなたは特養の施設長。金曜の夕方、市役所から「虐待事案なので、今夜中に一人受け入れてほしい」と電話が入った。満床で、夜勤は最少人数。「対応困難です」とだけ答えて電話を切れば、後で拒否の理由を問われたとき説明に詰まる。断るなら、その理由を具体的な言葉にして記録に残しておかなければならない
- ケアマネのあなたが担当する、一人暮らしで認知症のある利用者が、詐欺で預金をほとんど失った。利用料が払えなくなってサービスが止まる前に、地域包括支援センターへ措置の検討を持ちかける価値がある。
- ショートステイ事業者に、市町村から打診があった。3日後に退院する高齢者を家族が引き取らないため、緊急で短期入所させたいという。残り3日で、受入れ体制を検討することと、拒むならその正当な理由を整理することの両方を済ませなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 虐待や放置が疑われるときは、市町村の高齢福祉担当か地域包括支援センターに通報・相談する(高齢者虐待防止法7条、9条) 2. あざの写真、日時、本人の発言をメモに残す3. 「やむを得ない事由による措置」を検討するよう、明確に依頼する4. 措置先の施設が受入れを渋っていると聞いたら、本条の受託義務を踏まえて調整するよう市町村に求める
訴えられた側:1. 委託の打診を受けても即答で断らず、心身の状況、医療的なニーズ、必要な体制を確認する2. 拒む場合は、入院治療が必要、安全を確保できないなど具体的な理由を文書にして市町村に伝える3. 違反が問題になると、改善命令や事業の制限・停止といった行政処分(役所が事業者に直接下す具体的な決定)につながりうる(老人福祉法18条の2、19条、最新の改正状況をご確認ください) 4. 受け入れた後の支援体制について、市町村と継続して協議する場を確保する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限はない。措置費などの金銭債権については、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や、地方自治法236条の時効(5年)が問題になりうる。実務上の時間的なプレッシャーは虐待対応にあり、通報を受けた市町村は速やかに高齢者の安全を確認する(高齢者虐待防止法9条1項)
- 老人福祉法 第10条の4居宅サービス措置、本条1項の委託元
- 老人福祉法 第11条老人ホーム入所措置、本条2項の委託元
- 老人福祉法 第21条措置費用の市町村による支弁
- 老人福祉法 第19条老人ホーム設置者への改善命令等(現行効力を要確認)
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第9条虐待時の措置活用を市町村に求める規定(通称 高齢者虐待防止法)
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