老人福祉法 第21条の2(介護保険法による給付等との調整)
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第十条の四第一項各号又は第十一条第一項第二号の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービスに係る保険給付を受け、又は第一号訪問事業若しくは第一号通所事業を利用することができる者であるときは、市町村は、その限度において、前条第一号、第一号の二又は第三号の規定による費用の支弁をすることを要しない。
この条文の基本情報
介護保険法による給付等との調整とは何ですか?
定義介護保険法による給付等との調整とは、老人福祉法第21条の2に定められた規定で、「第十条の四第一項各号又は第十一条第一項第二号の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第21条の2(介護保険法による給付等との調整)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第21条の2の条文原文は「第十条の四第一項各号又は第十一条第一項第二号の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サ…」で始まります。
- 老人福祉法第21条の2は第四章 費用に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第21条の2の前の条は老人福祉法第21条です。
- 老人福祉法第21条の2の次の条は老人福祉法第22〜23条です。
- 老人福祉法第21条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第21条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第21条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/21_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法21条の2は、措置を受ける高齢者が介護保険の給付や総合事業を利用できるとき、その限度で市町村は措置費を支弁しなくてよいと定める。
Q · 役所の措置で親が施設に入ったら、介護費は全部役所が払ってくれるの?
いいえ。介護保険分が先に使われ、残りが措置費です
老人福祉法21条の2により、措置を受ける人が介護保険の給付や総合事業を利用できる場合、その限度で市町村は措置費を支弁しません。費用はまず介護保険から出て、保険で賄えない部分が措置費の対象になります。さらに措置費についても、市町村は本人や扶養義務者から負担能力に応じて費用を徴収できます(同法28条)。措置開始と並行して要介護認定を申請することが、費用計算の前提になります。
解説
同じ介護に、財布が二つある。一つは老人福祉法の「措置」。虐待を受けている、認知症で契約ができないなど、本人の申込みを待てない事情があるときに、市町村が職権で(役所が自分の判断で)サービスや施設入所を手配する仕組みだ。もう一つは介護保険で、本人が事業者と契約して使う。本条は、措置を受ける人が介護保険の給付や総合事業(市町村が行う要支援者向けの訪問・通所サービス)を使える状態にあるなら、その範囲について市町村は措置費を払わなくてよいと定める。順番は保険が先で、措置はその後ろにつく。ここを知らないと、二つの誤解に足をすくわれる。一つは「措置になれば全部役所持ち」という誤解だ。保険で賄える分は保険から出て、残りが措置費になる。その措置費も、本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収されうる(同法28条)。もう一つは「措置なら要介護認定はいらない」という誤解だ。保険が優先されるからこそ、措置と並行して認定申請を進めないと、費用の計算そのものが宙に浮く。
法的な位置づけ
老人福祉法第21条の2は、市町村による居宅介護等の措置および特別養護老人ホームへの入所措置と、介護保険法上の保険給付・第一号事業との費用調整を定める規定である。措置対象者が相当する保険給付等を受けられる場合、その限度で市町村の措置費用支弁義務を免除し、保険優先・措置補完の関係を確立する。
よくある質問 AI による整理
Q1やむを得ない事由による措置とは?
虐待や認知症などで本人が介護サービスの契約を結べないとき、市町村が職権でサービス提供や特養入所を決める仕組みです(老人福祉法10条の4・11条)。
Q2措置入所の自己負担はいくら?
一律の金額はありません。市町村が本人と扶養義務者の負担能力に応じて徴収額を決めます(老人福祉法28条)。所得区分ごとの基準表が根拠になります。
Q3措置中の介護保険の1割負担は誰が払う?
保険給付で賄われない利用者負担分は措置費の対象となり、いったん市町村が支弁します。そのうえで負担能力に応じ、本人や扶養義務者から徴収されえます。
Q4措置はいつまで続く?
法律上の期限はなく、措置の理由となった「やむを得ない事由」が解消するまでです。後見人が選任され契約できるようになれば、通常の契約利用へ移行するのが原則です。
Q5措置費の内訳は開示請求できる?
市町村に対し、保険給付分と措置費分の内訳や徴収基準の説明を求められます。応じない場合は個人情報保護法に基づく保有個人情報の開示請求も選択肢です。
Q6高齢者虐待で施設に保護されたら家族は面会できる?
特養への入所措置が取られた場合、市町村や施設長は虐待防止のため、虐待をした養護者の面会を制限できます(高齢者虐待防止法13条)。他の家族は通常面会可能です。
Q7認知症の親が契約できないときの成年後見と措置の関係は?
措置は契約できない間のつなぎです。市町村長は後見開始の審判を請求でき(老人福祉法32条)、後見人が選任されれば契約による介護保険利用へ移行できます。
Q8総合事業を利用できる人とは?
要支援1・2の認定を受けた人や、基本チェックリストで事業対象者と判定された人です。訪問型・通所型サービスを使えれば、その分は措置費の支弁対象外になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1措置で施設に入ったら、お金は全部市役所が出してくれるんですよね?
そうではない。本条により、介護保険で賄える範囲は保険から出て、措置費はその残りを支える。さらに措置費についても、市町村は本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収できる(老人福祉法28条)。実務のポイント:徴収額は所得区分ごとの市町村の基準表で決まる。課税証明などの提出が漏れると高い区分に入れられることがあるため、まず基準表と自分の区分の根拠を窓口で確認するとよい
Q2虐待されていた親を役所が保護したんですが、要介護認定はまだです。保険はどうなりますか?
措置は認定がなくても始められる。保険を使える状態になるまでは本条の調整が働かず、費用は措置費で賄われる。認定が出れば申請日に遡って保険が優先される(介護保険法27条8項)。実務のポイント:本人が申請できない場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者が代行申請できる(同条1項)。家族が遠方にいても、電話一本で申請日を確保できる
Q3養護老人ホームへの措置も、同じように介護保険が優先されるんですか?
本条が対象とするのは10条の4の居宅措置と11条1項2号の特養入所措置であり、1号の養護老人ホームは含まれない。養護老人ホームは介護保険施設ではないため、施設費用そのものに保険優先の前提がない。実務のポイント:入所者が要介護になれば、介護保険の居宅サービスを別に利用する道がある。費用の財布は施設費と介護費で別になるので、運用は施設と市町村に確認するとよい(実務運用は要確認)
間違えやすい点 AI による整理
- 「措置になったら費用は全部市町村が持つ」と思われがちだが、実際は逆に近い。介護保険で賄える範囲は保険から出て、市町村の措置費はその外側だけを支える。しかも措置費についても、市町村は本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収できる(老人福祉法28条)
- 「措置と介護保険、どちらを選べばいいのか」という問いは、立て方そのものが間違っている。両者は二者択一ではなく重なって適用され、保険が下の層、措置が上の層を受け持つ。選ぶものではなく、両方を同時に動かすものだ
- 家族の側から見れば、措置は「役所が親を引き受けてくれた」という安心である。法律の側から見れば、措置は保険との二重払いを防ぎながら費用を割り振る財政調整でもある。この落差に気づかないまま、扶養義務者として徴収の通知を受け取る家族は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 老人福祉法21条の2:介護保険で賄える範囲は措置費を支弁しない(調整) | 老人福祉法21条:措置に要する費用を市町村が支弁する(原則) 老人福祉法28条:支弁した費用を本人・扶養義務者から徴収する(回収) |
| 費用の流れにおける位置 | 保険と措置費の境界線を引く | 市町村の支払義務の発生 市町村から本人・家族への請求 |
| 家族が確認すべき点 | 要介護認定・総合事業の利用可否、保険給付分の内訳 | 措置決定の根拠条文と措置内容 徴収基準表と所得区分の認定根拠 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾にも虐待等の場合に主管機関が職権で保護・安置する制度があるが、公的介護保険は未導入で、長期照顧は税財源で運用される。保険と措置の調整という構造自体は存在しない
韓国は2008年に老人長期療養保険を導入し、日本と同様に社会保険と福祉措置が併存する構造をとる
介護保険(Pflegeversicherung)の給付が社会扶助上の介護扶助(Hilfe zur Pflege)に優先する旨を明文化しており、本条と同じ保険優先・扶助補完の構造である
Medicaid は他の支払者(Medicare や民間保険)の後に支払う payer of last resort とされ、公的扶助の補完性という点で本条と発想が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 母が兄から経済的虐待を受け、地域包括支援センターの判断で特別養護老人ホームへの措置入所が決まった。数か月後、市役所から費用徴収の通知が届いたら、どうなる? 介護保険で賄える部分は保険から出て、残りが措置費になり、その徴収額は本人と扶養義務者の負担能力で決まる。扶養義務者として兄が徴収対象に入るかどうかは、市町村の判断と運用によって差が出る
- 市町村の高齢福祉課で働くあなたは、措置で訪問介護を入れたものの、本人の要介護認定申請を出し忘れていた。保険で賄えたはずの部分まで措置費で払い続けていれば、監査で支出の根拠を問われるのはあなたの起案書だ
- 要支援の一人暮らしの男性がいる。総合事業の訪問型サービスを使えるなら、措置による訪問介護費はその分支払われない。
- 認知症の父が救急搬送され、退院まで残り5日。遠方に住む家族は契約手続に間に合わず、措置による短期入所が決まった。要介護認定の効力は申請日から生じる(介護保険法27条8項)。今日申請すれば今日から保険の土台ができ、退院後に回せば、その間の費用はすべて措置費と徴収の計算に乗る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 措置決定通知で、どの条文に基づく措置か(居宅サービスか特養入所か)を確認する2. 要介護認定や総合事業の利用状況を確認し、未申請なら地域包括支援センターに代行申請を頼む3. 費用徴収の通知が来たら、保険給付分と措置費分の内訳、および28条の徴収基準表の開示を求める4. 計算に疑問が残れば、行政不服審査法に基づく審査請求を検討する
訴えられた側:1. 市町村担当者は、措置開始時に被保険者資格と認定状況を必ず確認する2. 保険給付で賄える範囲を措置費から除き、支出の根拠を記録に残す3. 事業者は保険請求と措置費請求の区分を誤らないこと。二重請求は返還の対象になる4. 本人が契約できる状態に戻れば、契約による保険利用への移行を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。要介護認定は申請日から効力を生じる(介護保険法27条8項)。認定結果や保険給付に関する処分への不服は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に介護保険審査会へ審査請求する(介護保険法183条、行政不服審査法18条)。措置費の徴収処分への不服も原則3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は介護保険制度の導入に伴い、措置と保険給付の二重支給を防ぐために置かれた調整規定であり、費用面では介護保険が優先し、措置費は保険で賄えない部分を補完するものと理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)介護保険法施行法(2000年施行) 介護保険の創設に伴い、措置と保険給付の調整規定として設けられたとみられる(要確認)
- 平成17年(2005年)介護保険法等改正 地域密着型サービス・介護予防サービスの創設に伴い、調整対象の給付が拡大されたとみられる(要確認)
- 平成26年(2014年)医療介護総合確保推進法 総合事業の創設に伴い、第一号訪問事業・第一号通所事業が調整対象に加えられたとみられる(要確認)
- 老人福祉法 第10条の4居宅における介護等の措置の根拠
- 老人福祉法 第11条特別養護老人ホーム等への入所措置
- 老人福祉法 第21条措置費用の市町村支弁、本条の調整対象
- 老人福祉法 第28条本人・扶養義務者からの費用徴収
- 介護保険法 第115条の45第一号訪問事業・通所事業の根拠
- 介護保険法 第27条要介護認定と申請日からの効力
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第9条虐待時に老人福祉法の措置を講ずる根拠(通称 高齢者虐待防止法)
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