老人福祉法 第27条(遺留金品の処分)
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- 市町村は、第十一条第二項の規定により葬祭の措置を採る場合においては、その死者の遺留の金銭及び有価証券を当該措置に要する費用に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却してその代金をこれに充てることができる。
- 2.市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。
この条文の基本情報
遺留金品の処分とは何ですか?
定義遺留金品の処分とは、老人福祉法第27条に定められた規定で、「市町村は、第十一条第二項の規定により葬祭の措置を採る場合においては、その死者の遺留の金銭及び有価証券を当該措置に要する費用に充て、なお足りないときは、遺留の物品…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第27条(遺留金品の処分)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第27条の条文原文は「市町村は、第十一条第二項の規定により葬祭の措置を採る場合においては、その死者の遺留の金銭及び有価証券を当該措置に要する費用に充て、なお足りないときは、遺留の物品…」で始まります。
- 老人福祉法第27条は第四章 費用に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第27条の前の条は老人福祉法第26条です。
- 老人福祉法第27条の次の条は老人福祉法第28条です。
- 老人福祉法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法27条は、市町村が葬祭の措置を採った場合、死者の遺留金銭・有価証券を費用に充て、不足時は遺品を売却できると定める。遺品上の回収は先取特権に優先する。
Q · 身寄りのない親が施設で亡くなって市町村が葬儀をしたら、その費用は誰が払うの?
まず故人の現金・有価証券、足りなければ遺品の売却代金から
老人福祉法27条により、市町村が同法11条2項の葬祭の措置を採った場合、費用はまず故人が遺した現金と有価証券から充てられます。それでも足りないときに限り、遺品を売却してその代金を充てることができます。遺品については、市町村は他の債権者の先取特権よりも優先して回収できます。費用を差し引いた残りは相続財産として残り、市町村のものにはなりません。
解説
身寄りのない高齢者が特別養護老人ホームで亡くなり、葬儀を出す人が誰もいない。そのとき市町村は、老人福祉法11条2項に基づいて自ら葬祭を行うか、施設に委託することができる。本条が定めるのは、その費用を誰の財布から出すかである。まず故人が遺した現金と有価証券を充てる。足りなければ遺品を売り、その代金を充ててよい。さらに遺品については、他の債権者が持つ先取特権(法律が特定の債権に与える優先回収権。例:葬式費用、日用品の代金)よりも、市町村が先に回収できる。つまり遺品は、相続人や債権者の手に渡る前に、まず葬祭費用の回収に回される。疎遠だった親族として役所から連絡を受けた場合に押さえておくべき点がある。葬儀を断っても故人の財産が消えるわけではなく、費用を差し引いた残りは相続財産として残る。反対に、未払い金を抱えた施設の側にいるなら、遺品から先に回収するのは自分ではなく市町村だと分かっておく必要がある。
法的な位置づけ
老人福祉法27条は、市町村が同法11条2項に基づき葬祭の措置を採った場合の費用回収を定める規定である。第1項は死者の遺留の金銭及び有価証券を費用に充当し、不足するときに限り遺留物品を売却してその代金を充てることを認め、第2項は遺留物品について市町村に他の債権者の先取特権に優先する権利を付与する。
手順
- 1.役所の電話で担当課と窓口を確認 市町村から葬儀の意向確認の連絡が来たら、引き受けるかどうかを答える前に、担当課名・担当者名と、遺品や残ったお金の扱いについての連絡窓口を確認してメモしておく
- 2.充当額と売却目録を書面で求める 葬祭費用の総額、充当した現金・有価証券の額、売却した遺品の目録と売却額を、書面で出してもらうよう担当課に依頼する
- 3.財産調査をして放棄か承認かを決める 遺品には手を付けずに、信用情報機関への照会などで借金の有無を調べる。相続の開始を知った時から3か月以内に、相続放棄・限定承認・単純承認のいずれにするかを決める
- 4.残額の引渡しを受けるか放棄を申述 承認する場合は、費用を差し引いた残額の引渡し手続を担当課と進める。放棄する場合は、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1遺留金品とは何ですか?
亡くなった人が遺した現金・有価証券・物品のことです。老人福祉法27条では、市町村が葬祭費用に充てる対象として位置づけられています。
Q2老人福祉法の葬祭の措置とは?
葬祭を行う者がいない高齢者が亡くなったとき、市町村が自ら葬祭を行うか、施設に委託する措置です。根拠は老人福祉法11条2項です。
Q3相続放棄するなら遺品に触ってはいけない?
遺品を売ったり持ち帰ったりすると単純承認(民法921条)とみなされるおそれがあります。放棄を考えているなら、手を付けずに専門家に相談するのが安全です。
Q4施設が亡くなった入居者の遺品を処分するのは違法?
遺品は故人の相続財産です。施設が独断で売却・廃棄・未払い金との相殺をすると、相続人から損害賠償を求められるおそれがあります。
Q5市町村が売却した遺品の明細は見られる?
相続人は、充当した金額や売却した物品と代金の内訳について、市町村の担当課に説明や書面での開示を求めることができます。まず担当課に問い合わせます。
Q6葬祭費用の先取特権とは?
民法309条により、葬式費用の債権者が債務者の総財産から優先して回収できる権利です。ただし遺品については、本条2項で市町村の回収が先になります。
Q7遺留金が残ったら国のものになる?
すぐに国のものにはなりません。まず相続人に引き渡されます。相続人がいない場合は、相続財産清算人の手続を経て最終的に国庫に帰属します(民法959条)。
Q8特養で亡くなった身寄りのない人の葬儀は誰がする?
葬祭を行う者がいない場合、市町村が老人福祉法11条2項に基づき葬祭を行うか、特別養護老人ホームなどに委託します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親とは絶縁状態です。役所からの葬儀の連絡を断ったら、あとで葬式代を請求されますか?
本条により、市町村はまず故人の現金と有価証券、次に遺品の売却代金で葬祭費用をまかなう。それでも足りない場合について、老人福祉法28条は、措置にかかった費用を本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収できると定めている。条文上、請求される可能性はゼロではない。実務のポイント:実際に徴収するかは自治体の運用しだいである。断る前に「足りなかった場合はどうなるか」を電話口で聞いておく人はほとんどいない
Q2施設に預けていた母の預金通帳、市町村が勝手にお金を下ろせるんですか?
本条が費用に充てる対象として定めるのは「遺留の金銭及び有価証券」である。預金は銀行に対する払戻しの請求権で、現金そのものではない。市町村が預金を引き出して充てられるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:充てられずに残った預金は、最終的に相続人へ渡る。相続人がいなければ、相続財産清算人の手続を経て国庫に入る(民法959条)。相続人が動かないかぎり、口座は長いあいだ凍結されたままになりやすい
Q3遺品を売ったお金が葬式代より多かったら、余りはどうなるんですか?
本条が認めているのは費用に「充てる」ことだけで、余ったお金を市町村が自分のものにする根拠にはならない。残額は故人の相続財産として相続人に引き渡されるのが筋である。相続人が分からない、またはいない場合は、相続財産清算人の選任(民法952条)を経て処理される。実務のポイント:清算人の選任には予納金が必要になる。遺留金が少額だと申立ての費用のほうが高くつくため、自治体の手元に保管されたまま残るケースが問題視されてきた
間違えやすい点 AI による整理
- 「葬儀を断れば、故人の財産とも縁が切れる」と思われがちだが、そうはならない。葬祭費用を差し引いた残りは相続財産として残り、相続人であれば受け継ぐ立場にある。借金も含めて縁を切りたいなら、必要なのは葬儀の拒否ではなく、家庭裁判所での相続放棄の申述である
- 施設の側から見れば、未払いの利用料は「目の前の遺品で回収して当然の債権」である。しかし法律上、遺品は故人の相続財産であり、本条2項によって葬祭費用の回収が先取特権よりも優先する。この見え方のずれに気づかず自分で遺品を処分すると、回収どころか相続人から損害賠償を求められる火種になる
- 「身寄りがなければ市町村が葬式を出してくれる」ことは知られていても、その費用が故人の財産から回収されることまで知る人は少ない。加えて老人福祉法28条は、措置にかかった費用を本人や扶養義務者から負担能力に応じて徴収できると定めている。親族に負担が及ぶ可能性は、条文上ゼロではない(徴収するかどうかの運用は自治体ごとに異なる)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 老人福祉法27条:葬祭費用を故人の遺留金品から回収 | 老人福祉法28条:措置費用を本人・扶養義務者から徴収 老人福祉法11条:葬祭の措置そのものの根拠 |
| 費用の出どころ | 故人の現金・有価証券、不足時は遺品の売却代金 | 本人または扶養義務者の負担能力に応じた徴収 費用負担は定めない(措置の実施を規定) |
| 親族への影響 | 親族の財布ではなく故人の財産から充当 | 扶養義務者に負担が及ぶ可能性あり(運用は自治体次第) 葬祭を行う者がいない場合に市町村が動く |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では遺産管理等の費用を遺産から支出する一般規定があり、葬儀費用もこれに含まれると解されている。日本のように福祉法上で市町村に優先回収権を与える個別規定ではない
韓国では引取人のない遺体を市長等が処理する枠組みがある。遺留金品からの費用回収の詳細は日本と構造が異なる可能性がある
ドイツでは葬儀費用は原則として相続人が負担し、負担できない場合は社会扶助から支給される。費用負担を相続人側に置く設計である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 何十年も会っていない父が特養で亡くなったと、役所から電話が来た。葬儀は引き受けられないと答えたら、父の現金や遺品はどうなるのか? 市町村が葬祭を行い、残された現金と有価証券をまず費用に充てる。残りは相続財産として残る。葬儀を断っても、相続人としての立場まで消えるわけではない
- あなたは施設の事務長で、亡くなった入居者には40万円の利用料の未払いがある。職員が気を利かせて、遺品の家電や着物をリサイクル業者に売り、その代金を未払い分に回そうとしている。だが遺品は故人の相続財産であり、本条2項により葬祭費用の回収が先に立つ。善意の遺品整理が、他人の財産の無断処分になりかねない
- 故人の部屋に現金30万円があり、葬祭費用は20万円だった。残る10万円は市町村のものではなく、相続財産として残る
- 借金があったかもしれない母の訃報を受けてから、もう2か月半が過ぎた。相続放棄の熟慮期間は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月(民法915条)。形見分けのつもりで遺品を持ち帰ると、単純承認(民法921条)とみなされるおそれがある。残された時間はあと2週間ほどしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の担当課に、葬祭費用の総額、充当した現金・有価証券の額、売却した遺品の目録と売却額を書面で出すよう求める2. 残ったお金の有無と、その保管先を確認する3. 故人に借金があるか分からなければ遺品に手を付けず、信用情報機関への照会などで財産を調べ、3か月以内に相続放棄か承認かを決める4. 売却額が不当に安いと考えるなら、根拠を示して市町村に説明を求める
訴えられた側:施設や債権者の立場で疑いを向けられた場合の手順。1. 遺品を自分の判断で廃棄・売却・相殺しない。まず市町村に葬祭の措置がとられたかを確認する2. 預り金と遺品の目録を作り、引き渡した記録を残す3. 未払い金は相続人に請求する。相続人がいなければ、家庭裁判所への相続財産清算人の選任申立て(民法952条)を検討する4. 先取特権のある債権でも、遺品については葬祭費用の回収が優先することを前提に、回収見込みを試算する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。相続人の側は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、相続放棄か限定承認をするかを判断する必要がある(民法915条)
- 老人福祉法 第11条葬祭の措置の根拠、本条の発動前提
- 老人福祉法 第21条措置費用の市町村による支弁
- 老人福祉法 第28条措置費用の本人・扶養義務者からの徴収
- 生活保護法 第76条被保護者死亡時の遺留金品処分の同型規定
- 墓地、埋葬等に関する法律 第9条埋葬者不在時の市町村長による埋葬・火葬
- 民法 第309条葬式費用の先取特権、本条2項で劣後
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