老人福祉法 第36条(調査の嘱託及び報告の請求)
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市町村は、福祉の措置に関し必要があると認めるときは、当該措置を受け、若しくは受けようとする老人又はその扶養義務者の資産又は収入の状況につき、官公署に調査を嘱託し、又は銀行、信託会社、当該老人若しくはその扶養義務者、その雇主その他の関係人に報告を求めることができる。
この条文の基本情報
調査の嘱託及び報告の請求とは何ですか?
定義調査の嘱託及び報告の請求とは、老人福祉法第36条に定められた規定で、「市町村は、福祉の措置に関し必要があると認めるときは、当該措置を受け、若しくは受けようとする老人又はその扶養義務者の資産又は収入の状況につき、官公署に調査を嘱託し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 老人福祉法第36条(調査の嘱託及び報告の請求)は、日本の老人福祉法に含まれる条文です。
- 老人福祉法第36条の条文原文は「市町村は、福祉の措置に関し必要があると認めるときは、当該措置を受け、若しくは受けようとする老人又はその扶養義務者の資産又は収入の状況につき、官公署に調査を嘱託し…」で始まります。
- 老人福祉法第36条は第五章に置かれています。
- 老人福祉法の公布日は昭和38年7月11日です。
- 老人福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 老人福祉法第36条の前の条は老人福祉法第35条です。
- 老人福祉法第36条の次の条は老人福祉法第37条です。
- 老人福祉法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133 - 本サイト収録
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000133/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点老人福祉法36条は、市町村が福祉の措置に必要なとき、老人と扶養義務者の資産・収入を官公署に調査嘱託し、銀行や雇主等に報告を求められると定める。
Q · 親が施設に入ると、市役所は子どもの給料や預金まで調べられるの?
調べられる。条文が扶養義務者と雇主を明記している
老人福祉法36条により、市町村は福祉の措置に関し必要があると認めるとき、老人本人だけでなく扶養義務者の資産・収入の状況も調査できます。方法は官公署への調査嘱託と、銀行・信託会社・本人・家族・雇主等への報告の求めの二つです。本条は調査権限を定める規定で、実際の負担額は28条に基づく費用徴収で決まります。報告に応じないこと自体への罰則規定は本条にありません。
解説
親の暮らしを役所に相談した家族が、数週間後に気付くことがある。市町村は措置(役所が職権で決める福祉サービスの提供や施設への入所)が必要かどうか、費用をいくら負担してもらうかを判断するために、本人の資産と収入を調べられる。扶養義務者(民法上、親を扶養する立場にある子や配偶者など)の資産と収入も調査の対象になる。方法は二つある。税務署や年金事務所などの官公署に調査を頼むことと、銀行、信託会社、本人、家族、その勤務先に報告を求めることだ。ここで押さえておきたいのは、本条が定めているのは「調べる権限」であり、お金を払えと命じる規定ではないという点である。実際の費用徴収は28条に基づき、負担能力に応じて決まる。つまり、集まった資料がそのまま負担額の根拠になる。正確な資料を自分から整えて出す家族と、役所からの照会を黙って待つ家族とでは、事情を説明できる機会も、負担額について話し合える余地も変わってくる。
法的な位置づけ
老人福祉法36条は、市町村の資産収入調査権限を定める規定である。福祉の措置に関し必要があると認めるとき、措置を受け又は受けようとする老人及びその扶養義務者の資産・収入の状況について、官公署への調査嘱託と、銀行、信託会社、本人、扶養義務者、雇主その他の関係人への報告の求めを認める。報告拒否に対する罰則は同条に置かれていない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.照会文書の根拠と範囲を確認する 市町村から届いた書面で、根拠条文(老人福祉法36条)、照会の目的、求められている資料の範囲、提出期限を確認する。不明点は担当課に電話で確認し、担当者名と日時を記録しておく
- 2.求められた収入・資産資料をそろえる 課税証明書や源泉徴収票など、照会文書が求める範囲の資料を自分で取得する。求められていない資料まで出す必要はない
- 3.扶養が難しい事情を書面にまとめる 住宅ローン、子の学費、自分自身の介護負担や医療費など、家計の事情を書面にまとめ、裏付け資料を添えて提出する。負担能力の判断に事情を反映させるための記録になる
- 4.期限内に提出し、控えを保管する 提出期限までに資料と説明書を提出し、提出した書類の写しと提出日を保管する。期限に遅れると、市町村が官公署や勤務先への照会に進む可能性がある
- 5.費用徴収の通知を確認し、必要なら不服申立てを検討する 28条に基づく費用徴収の通知が届いたら、算定の根拠と区分を確認する。誤りがあれば窓口で説明を求め、処分に当たる場合は知った日の翌日から3か月以内の審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1老人福祉法36条とは何ですか?
市町村が福祉の措置や費用負担を判断するため、老人本人と扶養義務者の資産・収入を、官公署や銀行・雇主などに照会できると定めた調査権限の規定です。
Q2扶養義務者とは誰のことですか?
民法877条により、直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養義務を負います。親の措置では、子が典型的な扶養義務者として調査対象になりえます。
Q3養護老人ホームの費用負担はどう決まる?
老人福祉法28条に基づき、本人や扶養義務者の負担能力に応じて市町村が徴収額を決めます。具体的な基準は市町村ごとの規則で定められています。
Q4老人福祉法の「措置」とは何ですか?
契約ではなく、市町村が職権で福祉サービスの提供や施設入所を決める仕組みです。老人福祉法10条の4や11条に基づき、虐待などで契約が難しい場面で使われます。
Q5課税証明書はどこで取れますか?
住所地の市区町村の窓口で取得できます。マイナンバーカードによるコンビニ交付に対応する自治体もあります。照会に備えて先に用意すると手続きが早く進みます。
Q6親の施設費は兄弟で分担できる?
兄弟間の分担は当事者の協議が基本で、まとまらなければ家庭裁判所の扶養に関する調停・審判を利用できます(民法878条・879条)。市町村の費用徴収とは別の話です。
Q7費用徴収の決定に不服がある場合は?
処分に当たる決定であれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求できます(行政不服審査法18条)。算定の基礎資料の誤りを具体的に指摘するのが有効です。
Q8親と別居していても収入を調査される?
本条は同居か別居かで区別していません。扶養義務者であれば別居の子も資産・収入の調査対象になりえます。ただし必要性の判断は市町村に委ねられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親の施設代のことで、市役所が私の会社に給料を問い合わせるって本当ですか?
条文上は可能である。老人福祉法36条は、報告を求める相手として扶養義務者の「雇主」をはっきり挙げている。ただし「必要があると認めるとき」に限られ、まず本人や家族に資料を出すよう求めるのが一般的である。実務のポイント:課税証明書などを自分から先に出せば、勤務先に照会する必要は薄くなる。黙っていることが、かえって職場に知られやすい道になりうる
Q2銀行に照会されたら断れないんですか?拒否したら罰金とかあります?
本条の報告の求めには、応じなかった場合の罰則規定はない。ただし銀行の回答は個人情報の保護に関する法律27条1項1号の「法令に基づく場合」に当たりうるので、本人の同意がなくても回答されることがある。実務のポイント:資料を出さなければ、市町村は把握できた情報だけで負担能力を判断するしかなく、家族の事情は反映されない。拒むより説明した方が得になる場面が多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「子どもに親の施設費を払う義務はあるのか」と聞く人は多いが、本条が問題になる場面では問いの立て方がずれている。本条は支払いを命じる規定ではなく、負担能力を測るための調査権限である。負担額は28条と費用徴収の基準で決まり、その算定に使うデータを集めるのが本条だ。争うべきなのは義務があるかないかより、算定の基礎になった資料が正しいかどうかである
- 家族から見れば、親の通帳は家の中のプライバシーである。しかし法律から見れば、措置を決めるための判断材料だ。個人情報の保護に関する法律27条1項1号は、「法令に基づく場合」を本人の同意なしに第三者へ提供できる例外としている。銀行が市町村の照会に応じても、それだけで違法とはいえない。家族の感覚と制度の論理のこのずれを知らないと、隠したつもりの資産がそのまま算定に使われる
- 役所が調べるのは本人だけだと考えがちだが、条文は扶養義務者の「雇主」まではっきり書いている。深刻なのは、勤務先に照会が届くと、親の介護事情が職場に伝わりうることだ。資料を自分から先に出しておくことが、職場への照会を避けるいちばん現実的な方法になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 老人福祉法36条:資産・収入の調査権限 | 老人福祉法28条:負担能力に応じた費用徴収 老人福祉法11条:老人ホームへの入所等の措置 |
| 家族への影響 | 扶養義務者の資産・収入が銀行や雇主に照会されうる | 扶養義務者が負担能力に応じて費用を徴収されうる 親の入所が決まり、調査と費用徴収の起点になる |
| 家族が争える点 | 照会の必要性と範囲(「必要があると認めるとき」) | 算定の基礎資料と負担額の当否(審査請求等) 措置の要否そのもの |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも老人の保護安置費用を扶養義務者に負担させる仕組みがあり、社会救助の分野では所得・財産の調査が行われる。条文単位の対応関係は個別確認が必要
韓国の基礎生活保障制度では、受給者と扶養義務者の所得・財産が調査対象になる。扶養義務者基準は段階的に緩和されてきた
ドイツの社会扶助法は、扶養義務者や雇用主に情報提供義務を課す。義務として構成されている点で、罰則のない日本の報告の求めより強い
米国の Medicaid では金融機関を通じた資産確認プログラムが州に義務付けられている。ただし成人した子の扶養責任を前提とする仕組みではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務先の総務から「市役所からあなたの収入について問い合わせが来ている」と言われた。理由は、遠方で暮らす母が養護老人ホームに入所したことだった。あなたは扶養義務者として調べられる側にいる
- 本人が通帳は見せたくないと言い張ったら、どうなる? 本条の報告の求めには、応じなかったこと自体への罰則規定はない。ただし市町村は銀行へ照会するという別の手段を持っている。断っても資産状況が把握される可能性は残る
- 父への虐待が疑われ、市町村がやむを得ない事由による措置(老人福祉法11条)で父を施設に保護した。届いた書面には、扶養義務者の収入申告書の提出期限が書いてあり、残りは数日しかない。期限を過ぎると、市町村は官公署への調査嘱託で課税情報を直接取りに来るかもしれない
- あなたが市の高齢福祉課の担当者で、入所措置を検討している高齢者の長男が収入資料をまったく出してこない。勤務先に照会すべきか迷っている。条文は雇主への報告の求めを認めているが、要件は「必要があると認めるとき」であり、どこまで踏み込むかの判断があなたに委ねられている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 照会の書面が届いたら、根拠条文(老人福祉法36条)、目的、提出期限を確認する2. 課税証明書など求められた範囲の資料を自分で整えて出し、扶養が難しい事情(自分の家計、介護や育児の負担)を書面で添える3. 費用徴収(28条)の通知が届いたら算定の根拠を確認し、誤りがあれば審査請求を検討する4. 求められていない資料まで出す必要はない
訴えられた側:市町村の担当者として調べる側に立つ場合:1. 照会は「措置に関し必要があると認めるとき」に限られるので、目的と範囲を照会文書に明記し、必要以上の項目は求めない2. 勤務先への照会は、本人や家族からの資料で足りないときに限るなど、段階を踏む3. 取得した情報は措置と費用徴収の目的にだけ使い、個人情報保護法令に沿って管理する
時効(請求できる期限):本条そのものに時効や期間の定めはない。報告の提出期限は、照会文書ごとに市町村が示す。費用徴収の決定など行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)に当たるものに不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。個々の決定が処分に当たるかどうかは個別に確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)
- 老人福祉法 第10条の4居宅介護等の措置、調査の前提となる措置
- 老人福祉法 第11条老人ホームへの入所等の措置
- 老人福祉法 第28条負担能力に応じた費用徴収、調査結果の使い道
- 民法 第877条扶養義務者の範囲を定める基礎規定
- 個人情報の保護に関する法律 第27条法令に基づく第三者提供の同意例外
- 生活保護法 第29条同じ構造の資産・収入調査規定
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