要点所得税法 95 条の 2 は、出国税を課された者が納税猶予中に海外で有価証券等を売却し外国税を払った場合、その外国税を外国税額控除で日本の出国税から差し引ける特例を定める。
Q · 海外移住のとき払った出国税、現地でも同じ株に課税されたら二重課税になるの?取り戻せる?
外国税額控除で取り戻せるが、更正の請求が必要
所得税法 95 条の 2 により、出国税を課され納税猶予を受けた人が、満了基準日までに移住先で有価証券等を売却して外国所得税を払った場合、その外国税を「出国の年に払ったもの」とみなして外国税額控除(同法 95 条)で日本の出国税から差し引けます。ただし対象は、移住先の税法が日本の出国税調整を考慮していない場合に限られ、還付は自動ではなく、期限内の更正の請求という手続を自ら起こす必要があります。
日本に住む富裕層が、有価証券などの含み益 1 億円以上を抱えたまま海外へ移住すると、まだ一円も売っていないのに「売ったものとみなして」所得税がかかる。これが国外転出時課税、通称「出国税」(所得税法 60 条の 2)だ。ここで多くの人が見落とす罠がある。出国税を払った、あるいは納税猶予を受けたあと、移住先で実際にその株を売れば、今度は現地の国が同じ含み益に課税する。同じ利益に日本と外国が二度課税する、まさに二重課税だ。95 条の 2 は、この二度目に払った外国の税金を「日本を出た年に払ったもの」とみなし、外国税額控除(95 条)で日本の出国税から差し引けるようにする、二重課税を消す弁である。ただし条件がある。移住先の税法が日本の出国税調整を考慮しない場合に限られ、納税猶予の満了基準日までに売却・決済することが必要だ。この一手を知らずに放置すると、税金を丸ごと二回払う。
所得税法 95 条の 2 は、国外転出時課税の適用を受けた個人が納税猶予期間中に有価証券等を譲渡等し外国所得税を課された場合に、その外国税額を出国の年に納付したものとみなして外国税額控除を適用する特例規定である。外国税法が出国時の課税調整を考慮しない場合に限り、日本と外国による同一利益への二重課税を排除する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
1 億円以上の有価証券等を持つ人が海外移住する際、まだ売っていない含み益を「売ったものとみなして」所得税を課す制度です。所得税法 60 条の 2 が根拠で、通称「出国税」と呼ばれます。
有価証券等・未決済信用取引等・未決済デリバティブ取引に係る契約が対象です。暗号資産(仮想通貨)は現行制度の対象外とされています(最新の改正状況をご確認ください)。
原則として国外転出の日から 5 年、継続適用届出書の提出により最長 10 年まで延長できます。この満了基準日が 95 条の 2 の適用にも影響します。
外国所得税を納付することとなった等の事由が生じた日を起算点として行います。原則 4 か月以内とされますが、正確な起算点・期間は最新の条文で確認が必要です。
現行の国外転出時課税の対象は有価証券等・未決済信用取引等・未決済デリバティブ取引に限られ、暗号資産は対象外です。ただし今後の改正で変わる可能性があります。
外国で課された所得税を、日本の所得税から一定の限度額まで差し引く制度です。所得税法 95 条が本則で、95 条の 2 はこれを出国税の局面に応用した特例です。
関係します。納税猶予中に本人が亡くなった場合、相続人が引き継ぎ、限定相続等による海外への移転にも本条の射程が及びます。相続人が期限内に動けば二重課税を避けられます。
移住先がどこでも、1 億円以上の有価証券等を持ち出国前 10 年内に 5 年超日本に住んでいれば出国税がかかります。無税国への移住でも含み益は出国の瞬間に課税されます。
かかりません。国外転出時課税(所得税法 60 条の 2)は、有価証券等の価額が 1 億円以上、かつ出国前 10 年内に 5 年超日本に住所等を有していた人が対象です。この二つの門をくぐらない限り、出国税もこの 95 条の 2 も無縁です。業界裏話ヒント:1 億円判定は「含み益」ではなく「有価証券等の価額(時価総額)」で見ます。含み損の銘柄も合算されるため、思ったより早く 1 億円に届く。移住を考え始めた時点の保有時価を一度棚卸しすべきです
自動では戻りません。95 条の 2 が外国税を「出国の年に払ったもの」とみなす効果は、あなたが更正の請求という手続を自分で起こして初めて実現します。税務署が親切に還付してくれる制度ではありません。業界裏話ヒント:カギは現地の納税証明書と、外国の税法が日本の出国税調整を「考慮していない」ことの立証。相手国が取得原価から丸ごと課税していれば対象ですが、出国時時価を取得価額とみなすステップアップ課税の国だと二重課税自体が生じず、この特例は使えません。移住先の課税方式を先に確認するのが実務の勘所です
第 1 項は納税猶予(所得税法 137 条の 2)を受けている人が対象なので、猶予を受けずに納付済みだと第 1 項は使えません。ただし第 2 項は、出国までに納税管理人の届出(国税通則法 117 条)をし、確定申告期限までに売却・決済した人を救済します。業界裏話ヒント:納税猶予を受けるか否かは出国時の一回きりの選択で、後から変えにくい。担保の提供や継続適用届出の手間を嫌って猶予を受けないと、海外売却時の二重課税救済ルートが細くなる。出国前の設計がすべてを決めます
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 95 条の 2:出国税局面の外国税額控除の特例(二重課税排除) | — |
| 適用の前提 | 納税猶予中に満了基準日までに海外譲渡・決済し外国税を納付、かつ外国税法が出国税調整を考慮しないこと | — |
| 納税猶予との関係 | 第 1 項は納税猶予(137 条の 2)を受けている者が対象。第 2 項は納税管理人届出者を救済 | — |
| 納税者にとっての効果 | 外国で払った税を出国年分から控除し払い過ぎを取り戻す | — |
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