(非居住者に対する課税の方法)
非居住者に対して課する所得税の額は、次の各号に掲げる非居住者の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得について、次節第一款(非居住者に対する所得税の総合課税)の規定を適用して計算したところによる。
1 恒久的施設を有する非居住者次に掲げる国内源泉所得
2 恒久的施設を有しない非居住者第百六十一条第一項第二号、第三号、第五号から第七号まで及び第十七号に掲げる国内源泉所得
次の各号に掲げる非居住者が当該各号に定める国内源泉所得を有する場合には、当該非居住者に対して課する所得税の額は、前項の規定によるもののほか、当該各号に定める国内源泉所得について第三節(非居住者に対する所得税の分離課税)の規定を適用して計算したところによる。
1 恒久的施設を有する非居住者第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得(同項第一号に掲げる国内源泉所得に該当するものを除く。)
2 恒久的施設を有しない非居住者第百六十一条第一項第八号から第十六号までに掲げる国内源泉所得
(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)
前条第一項各号に掲げる非居住者の当該各号に定める国内源泉所得について課する所得税(以下この節において「総合課税に係る所得税」という。)の課税標準及び所得税の額は、当該各号に定める国内源泉所得について、別段の定めがあるものを除き、前編第一章から第四章まで(居住者に係る所得税の課税標準、税額等の計算)(第四十四条の三(減額された外国所得税額の総収入金額不算入等)、第四十六条(所得税額から控除する外国税額の必要経費不算入)、第六十条の四(外国転出時課税の規定の適用を受けた場合の譲渡所得等の特例)、第七十三条から第七十七条まで(医療費控除等)、第七十九条から第八十五条まで(障害者控除等)、第九十三条(分配時調整外国税相当額控除)、第九十五条(外国税額控除)及び第九十五条の二(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例に係る外国税額控除の特例)を除く。)の規定に準じて計算した金額とする。
前条第一項第一号に掲げる非居住者の同号イに掲げる国内源泉所得(以下この款において「恒久的施設帰属所得」という。)に係る各種所得の金額につき前項の規定により前編第二章第二節第一款及び第二款(各種所得の金額の計算)の規定に準じて計算する場合には、次に定めるところによる。
1 第三十七条第一項(必要経費)に規定する販売費、一般管理費その他同項に規定する所得を生ずべき業務について生じた費用(次号において「販売費等」という。)及び同条第二項に規定する山林の植林費、取得に要した費用、管理費、伐採費その他その山林の育成又は譲渡に要した費用(同号において「育成費等」という。)のうち、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に係るものについては、債務の確定しないものを含むものとする。
2 販売費等及び育成費等並びに支出した金額(第三十四条第二項(一時所得)に規定する支出した金額をいう。以下この号において同じ。)には、非居住者の恒久的施設を通じて行う事業及びそれ以外の事業に共通する販売費等及び育成費等並びに支出した金額のうち、当該恒久的施設を通じて行う事業に係るものとして政令で定めるところにより配分した金額を含むものとする。
前項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(減額された外国所得税額の総収入金額不算入等)
非居住者が第百六十五条の六第一項から第三項まで(非居住者に係る外国税額の控除)の規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年においてこれらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた同条第一項に規定する外国所得税の額が減額された場合には、その減額された金額のうちその減額されることとなつた日の属する年分における同項から同条第三項までの規定による控除の適用に係る部分に相当する金額として政令で定める金額は、その者の当該年分の恒久的施設帰属所得につき前条第一項の規定により準じて計算する不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、一時所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。この場合において、その減額された金額から当該政令で定める金額を控除した金額は、その者の当該年分の同項の規定により準じて計算する雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
(恒久的施設に帰せられるべき純資産に対応する負債の利子の必要経費不算入)
非居住者の各年の恒久的施設に係る純資産の額として政令で定めるところにより計算した金額が、当該非居住者の純資産の額に相当する額のうち当該恒久的施設に帰せられるべき金額として政令で定めるところにより計算した金額に満たない場合には、当該非居住者のその年の恒久的施設を通じて行う事業に係る負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)の額として政令で定める金額のうち、その満たない金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、当該非居住者のその年分の恒久的施設帰属所得につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により準じて計算する不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額若しくは雑所得の金額又は一時所得の金額の計算上、必要経費又は支出した金額に算入しない。
前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(所得税額から控除する外国税額の必要経費不算入)
非居住者が第百六十五条の六第一項(非居住者に係る外国税額の控除)に規定する控除対象外国所得税の額につき同条又は第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、当該控除対象外国所得税の額は、その者の恒久的施設帰属所得につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により準じて計算する不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額若しくは雑所得の金額又は一時所得の金額の計算上、必要経費又は支出した金額に算入しない。
(配賦経費に関する書類の保存がない場合における配賦経費の必要経費不算入)
非居住者が第百六十五条第二項第二号(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定の適用を受ける場合において、同号に規定する政令で定めるところにより配分した金額(以下この条において「配賦経費」という。)につき、その配分に関する計算の基礎となる書類その他の財務省令で定める書類の保存がないときは、その書類の保存がなかつた配賦経費については、その非居住者の各年分の恒久的施設帰属所得につき第百六十五条第一項の規定により準じて計算する不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額若しくは雑所得の金額又は一時所得の金額の計算上、必要経費又は支出した金額に算入しない。
税務署長は、配賦経費の全部又は一部につき前項の書類の保存がない場合においても、その保存がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該書類の提出があつた場合に限り、その書類の保存がなかつた配賦経費につき同項の規定を適用しないことができる。
(特定の内部取引に係る恒久的施設帰属所得に係る所得の金額の計算)
非居住者の恒久的施設と第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する事業場等との間で同項第三号、第五号又は第七号に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)を生ずべき資産の当該恒久的施設による取得又は譲渡に相当する内部取引(同項第一号に規定する内部取引をいう。以下この項において同じ。)があつた場合には、当該内部取引は当該資産の当該内部取引の直前の価額として政令で定める金額により行われたものとして、当該非居住者の各年分の恒久的施設帰属所得につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により前編第一章及び第二章(居住者に係る所得税の課税標準の計算等)の規定に準じて不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。
前項の規定の適用がある場合の非居住者の恒久的施設における資産の取得価額その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非居住者に係る分配時調整外国税相当額の控除)
恒久的施設を有する非居住者が各年において第百七十六条第三項(信託財産に係る利子等の課税の特例)に規定する集団投資信託の収益の分配の支払を受ける場合(恒久的施設帰属所得に該当するものの支払を受ける場合に限る。)には、当該収益の分配に係る分配時調整外国税(同項に規定する外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるものをいう。)の額で同項又は第百八十条の二第三項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定により当該収益の分配に係る所得税の額から控除された金額のうち当該非居住者が支払を受ける収益の分配に対応する部分の金額として政令で定める金額に相当する金額(次項において「分配時調整外国税相当額」という。)は、控除限度額(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により第八十九条から第九十二条まで(税率及び配当控除)の規定に準じて計算したその年分の所得税の額に相当する金額として政令で定める金額をいう。)を限度として、その年分の所得税の額から控除する。
第九十三条第二項(分配時調整外国税相当額控除)の規定は、分配時調整外国税相当額につき前項の規定による控除をする場合について準用する。
第一項の規定により控除する金額は、第百六十五条第一項の規定により準じて計算する課税総所得金額に係る所得税の額、課税山林所得金額に係る所得税の額又は課税退職所得金額に係る所得税の額から順次控除する。この場合において、当該控除する金額がその年分の所得税の額を超えるときは、当該控除する金額は、当該所得税の額に相当する金額とする。
前二項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非居住者に係る外国税額の控除)
恒久的施設を有する非居住者が各年において外国所得税(第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する外国所得税をいう。以下この項及び第六項において同じ。)を納付することとなる場合には、恒久的施設帰属所得に係る所得の金額につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により準じて計算する第八十九条から第九十二条まで(税率及び配当控除)の規定及び前条の規定により計算したその年分の所得税の額のうち、その年において生じた国外所得金額(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額のうち国外源泉所得に係るものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国所得税の額(第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得につき課される外国所得税の額に限るものとし、非居住者の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国所得税の額その他政令で定める外国所得税の額を除く。以下この条において「控除対象外国所得税の額」という。)をその年分の所得税の額から控除する。
恒久的施設を有する非居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、その年の前年以前三年内の各年(次項において「前三年以内の各年」という。)の控除限度額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税の額から控除する。
恒久的施設を有する非居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額に満たない場合において、その前三年以内の各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除対象外国所得税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額からその年において納付することとなる控除対象外国所得税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国所得税額をその年分の所得税の額から控除する。
第一項に規定する国外源泉所得とは、第百六十一条第一項第一号に掲げる所得のうち次のいずれかに該当するものをいう。
1 国外にある資産の運用又は保有により生ずる所得
2 国外にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
3 国外において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う者が受ける当該人的役務の提供に係る対価
4 国外にある不動産、国外にある不動産の上に存する権利若しくは国外における採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、国外における租鉱権の設定又は非居住者若しくは外国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
5 第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
6 第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
7 国外において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(債券の買戻又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)
8 国外において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
9 国外において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
10 国外にある営業所又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結した保険業法第二条第六項(定義)に規定する外国保険業者の締結する保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
11 次に掲げる給付補塡金、利息、利益又は差益
12 国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
13 前各号に掲げるもののほかその源泉が国外にある所得として政令で定めるもの
租税条約(第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約をいう。以下この項において同じ。)において国外源泉所得(第一項に規定する国外源泉所得をいう。以下この項において同じ。)につき前項の規定と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける非居住者については、同項の規定にかかわらず、国外源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その租税条約に定めるところによる。
非居住者が納付することとなつた外国所得税の額につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年において当該外国所得税の額が減額された場合におけるその減額されることとなつた日の属する年のこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。
第九十五条第十項及び第十一項の規定は、非居住者が納付することとなる控除対象外国所得税の額につき、第一項から第三項までの規定による控除をする場合について準用する。この場合において、同条第十項中「第一項の規定は」とあるのは「第百六十五条の六第一項(非居住者に係る外国税額の控除)の規定は」と、「に第一項」とあるのは「に同条第一項」と、「、控除対象外国所得税の額」とあるのは「、同項に規定する控除対象外国所得税の額(以下この項及び次項において「控除対象外国所得税の額」という。)」と、「、第一項」とあるのは「、同条第一項」と、同条第十一項中「第二項及び第三項」とあるのは「第百六十五条の六第二項及び第三項」と、「、繰越控除限度額又は繰越控除対象外国所得税額」とあるのは「、同条第二項に規定する繰越控除限度額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)又は同条第三項に規定する繰越控除対象外国所得税額(以下この項において「繰越控除対象外国所得税額」という。)」と、「申告書等に当該各年の控除限度額」とあるのは「申告書等に当該各年の控除限度額(同条第一項に規定する控除限度額をいう。以下この項において同じ。)」と読み替えるものとする。
第一項から第三項までの規定による控除をすべき金額は、第百六十五条第一項の規定により準じて計算する課税総所得金額に係る所得税の額、課税山林所得金額に係る所得税の額又は課税退職所得金額に係る所得税の額から順次控除する。
前三項に定めるもののほか、第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(申告、納付及び還付)
前編第五章及び第六章(居住者に係る申告、納付及び還付)の規定は、非居住者の総合課税に係る所得税についての申告、納付及び還付について準用する。この場合において、第百十二条第二項(予定納税額の減額の承認の申請手続)中「取引」とあるのは「取引(恒久的施設を有する非居住者にあつては、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に該当するものを含む。)」と、「同項」とあるのは「前項」と、第百二十条第一項(確定所得申告)中「外国税額控除」とあるのは「第百六十五条の六第一項から第三項まで(非居住者に係る外国税額の控除)の規定による控除」と、同項第三号中「第三章(税額の計算)」とあるのは「第三章(第九十三条(分配時調整外国税相当額控除)及び第九十五条(外国税額控除)を除く。)(税額の計算)並びに第百六十五条の五の三(非居住者に係る分配時調整外国税相当額の控除)及び第百六十五条の六」と、同条第六項中「山林所得を生ずべき業務」とあるのは「山林所得を生ずべき業務(第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に定める国内源泉所得に係るものに限る。以下この項において「特定業務」という。)」と、「雑所得を生ずべき業務」とあるのは「雑所得を生ずべき特定業務」と、「業務に」とあるのは「特定業務に」と、「ならない」とあるのは「ならないものとし、国内及び国外の双方にわたつて業務を行う非居住者が同項の規定による申告書を提出する場合には、収入及び支出に関する明細書で財務省令で定めるものを当該申告書に添付しなければならないものとする」と、第百二十二条第一項第一号(還付等を受けるための申告)中「外国税額控除」とあるのは「第百六十五条の六第一項から第三項まで(非居住者に係る外国税額の控除)の規定による控除」と、同条第二項中「第九十五条第二項又は第三項(外国税額控除)」とあるのは「第百六十五条の六第二項又は第三項」と、第百二十三条第二項第六号(確定損失申告)中「第九十五条(外国税額控除)」とあるのは「第百六十五条の六(非居住者に係る外国税額の控除)」と、第百四十三条(青色申告)中「業務」とあるのは「業務(第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に定める国内源泉所得に係るものに限る。)」と、第百四十四条(青色申告の承認の申請)中「業務を開始した場合」とあるのは「業務(第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に定める国内源泉所得に係るものに限る。)を開始した場合」と、第百四十五条第二号(青色申告の承認申請の却下)中「取引」とあるのは「取引(恒久的施設を有する非居住者にあつては、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に該当するものを含む。第百四十八条第一項及び第百五十条第一項第三号(青色申告の承認の取消し)において同じ。)」と、第百四十七条(青色申告の承認があつたものとみなす場合)中「業務」とあるのは「業務(第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に定める国内源泉所得に係るものに限る。)」と読み替えるものとする。
(恒久的施設に係る取引に係る文書化)
恒久的施設を有する非居住者は、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(以下この条において「恒久的施設帰属所得」という。)を有する場合において、当該非居住者が他の者との間で行つた取引のうち、当該非居住者のその年の恒久的施設帰属所得につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により準じて計算する各種所得の金額の計算上、当該取引から生ずる所得が当該非居住者の恒久的施設に帰せられるものについては、財務省令で定めるところにより、当該恒久的施設に帰せられる取引に係る明細を記載した書類その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
恒久的施設を有する非居住者は、恒久的施設帰属所得を有する場合において、当該非居住者の第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等と恒久的施設との間の資産の移転、役務の提供その他の事実が同号に規定する内部取引に該当するときは、財務省令で定めるところにより、当該事実に係る明細を記載した書類その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
(更正の請求の特例)
前編第七章(居住者に係る更正の請求の特例)の規定は、非居住者の総合課税に係る所得税についての国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求について準用する。
(更正及び決定)
前編第八章(居住者に係る更正及び決定)の規定は、非居住者の総合課税に係る所得税についての更正又は決定について準用する。
(非居住者の恒久的施設帰属所得に係る行為又は計算の否認)
税務署長は、第百六十四条第一項第一号イ(非居住者に対する課税の方法)に掲げる国内源泉所得を有する非居住者の行為又は計算で、これを容認した場合には、当該国内源泉所得に係る各種所得の金額の計算上控除する金額の増加、当該国内源泉所得に係る所得に対する所得税の額から控除する金額の増加、第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に規定する内部取引に係る利益の額の減少又は損失の額の増加その他の事由によりその非居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その非居住者の所得税に関する更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その非居住者の各年分の第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する第百二十条第一項第一号若しくは第三号から第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。
(分離課税に係る所得税の課税標準)
第百六十四条第二項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の当該各号に定める国内源泉所得については、他の所得と区分して所得税を課するものとし、その所得税の課税標準は、その支払を受けるべき当該国内源泉所得の金額(次の各号に掲げる国内源泉所得については、当該各号に定める金額)とする。
1 第百六十一条第一項第八号(国内源泉所得)に掲げる利子等のうち無記名の公社債の利子又は無記名の貸付信託、公社債投資信託若しくは公募公社債等運用投資信託の受益証券に係る収益の分配その支払を受けた金額
2 第百六十一条第一項第九号に掲げる配当等のうち無記名株式等の剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。)又は無記名の投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配その支払を受けた金額
3 第百六十一条第一項第十二号ロに掲げる年金その支払を受けるべき年金の額から五万円にその支払を受けるべき年金の額に係る月数を乗じて計算した金額を控除した金額
4 第百六十一条第一項第十三号に掲げる賞金その支払を受けるべき金額から五十万円を控除した金額
5 第百六十一条第一項第十四号に掲げる年金同号に規定する契約に基づいて支払を受けるべき金額から当該契約に基づいて払い込まれた保険料又は掛金の額のうちその支払を受けるべき金額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額
(分離課税に係る所得税の税率)
前条に規定する所得税の額は、同条に規定する国内源泉所得の金額に百分の二十(当該国内源泉所得の金額のうち第百六十一条第一項第八号及び第十五号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得に係るものについては、百分の十五)の税率を乗じて計算した金額とする。
(退職所得についての選択課税)
第百六十九条(課税標準)に規定する非居住者が第百六十一条第一項第十二号ハ(国内源泉所得)の規定に該当する退職手当等(第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等をいう。以下この節において同じ。)の支払を受ける場合には、その者は、前条の規定にかかわらず、当該退職手当等について、その支払の基因となつた退職(その年中に支払を受ける当該退職手当等が二以上ある場合には、それぞれの退職手当等の支払の基因となつた退職)を事由としてその年中に支払を受ける退職手当等の総額を居住者として受けたものとみなして、これに第三十条及び第八十九条(税率)の規定を適用するものとした場合の税額に相当する金額により所得税を課されることを選択することができる。
(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告納税等)
第百六十九条(課税標準)に規定する非居住者が第百六十一条第一項第十二号イ又はハ(国内源泉所得)に掲げる給与又は報酬の支払を受ける場合において、当該給与又は報酬について次編第五章(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収)の規定の適用を受けないときは、その者は、次条の規定による申告書を提出することができる場合を除き、その年の翌年三月十五日(同日前に国内に居所を有しないこととなる場合には、その有しないこととなる日)までに、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
1 その年中に支払を受ける第百六十一条第一項第十二号イ又はハに掲げる給与又は報酬の額のうち次編第五章の規定の適用を受けない部分の金額(当該適用を受けない部分の金額のうちに前条に規定する退職手当等の額があり、かつ、当該退職手当等につき同条の選択をする場合には、当該退職手当等の額を除く。)及び当該金額につき第百七十条(税率)の規定を適用して計算した所得税の額
2 前号に規定する給与又は報酬の額のうちに、その年の中途において国内に居所を有しないこととなつたことにより提出するこの項の規定による申告書に記載すべき部分の金額がある場合には、当該金額及び当該金額につき第百七十条の規定を適用して計算した所得税の額
3 第一号に掲げる所得税の額から前号に掲げる所得税の額を控除した金額
4 第一号に掲げる金額の計算の基礎、その者の国内における勤務の種類その他財務省令で定める事項
前条に規定する退職手当等につき前項の規定による申告書を提出すべき者が、当該退職手当等について同条の選択をする場合には、その申告書に、同項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1 その年中に支払を受ける退職手当等の総額(前条の規定の適用がある部分の金額に限る。)及び当該総額につき同条の規定を適用して計算した所得税の額
2 その年中に支払を受ける退職手当等につき次編第五章の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額がある場合には、その所得税の額(当該退職手当等の額のうちに、その年の中途において国内に居所を有しないこととなつたことにより提出する前項の規定による申告書に記載すべき部分の金額がある場合には、当該金額につき第百七十条の規定を適用して計算した所得税の額を含む。)
3 第一号に掲げる所得税の額から前号に掲げる所得税の額を控除した金額
4 第一号に掲げる退職手当等の総額の支払者別の内訳及びその支払者の氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地
5 第一号に掲げる所得税の額の計算の基礎
第一項の規定による申告書を提出した非居住者は、当該申告書の提出期限までに、同項第三号に掲げる金額(前項の規定の適用を受ける者については、当該金額と同項第三号に掲げる金額との合計額)に相当する所得税を国に納付しなければならない。
(退職所得の選択課税による還付)
第百六十九条(課税標準)に規定する非居住者がその支払を受ける第百七十一条(退職所得についての選択課税)に規定する退職手当等につき次編第五章(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収)の規定の適用を受ける場合において、当該退職手当等につき同条の選択をするときは、その者は、当該退職手当等に係る所得税の還付を受けるため、その年の翌年一月一日(同日前に同条に規定する退職手当等の総額が確定した場合には、その確定した日)以後に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
1 前条第二項第一号に掲げる退職手当等の総額及び所得税の額
2 前条第二項第二号に掲げる所得税の額
3 前号に掲げる所得税の額から第一号に掲げる所得税の額を控除した金額
4 前条第二項第四号及び第五号に掲げる事項その他財務省令で定める事項
前項の規定による申告書の提出があつた場合には、税務署長は、同項第三号に掲げる金額に相当する所得税を還付する。
前項の場合において、同項の申告書に記載された第一項第二号に掲げる所得税の額(次編第五章の規定により徴収されるべきものに限る。)のうちにまだ納付されていないものがあるときは、前項の規定による還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については、その納付があるまでは、還付しない。
第二項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の規定による申告書の提出があつた日(同日後に納付された前項に規定する所得税の額に係る還付金については、その納付の日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
前二項に定めるもののほか、第二項の還付の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。