要点所得税法 164 条は、非居住者の所得税を恒久的施設の有無で振り分ける。PE があれば帰属所得を総合課税、なければ限定的な国内源泉所得のみが課税対象となる。
Q · 海外に移住したら、日本の不動産収入や配当の税金はどうなるの?
非居住者でも国内源泉所得には日本の所得税がかかる
所得税法 164 条により、非居住者への課税は恒久的施設(PE)の有無で振り分けられます。PE を有する非居住者は、そこに帰属する事業所得等を含む国内源泉所得が総合課税(累進税率)となります。PE を有しない非居住者は、不動産所得や人的役務対価など限定された国内源泉所得のみが課税対象で、配当・利子・使用料などは多くが源泉徴収の分離課税で完結します。国籍ではなく居住区分と所得の源泉で線引きされる点が要注意です。
海外に移住した日本人が東京のマンションを貸して家賃を得ている、外国のフリーランスが日本企業からリモートで報酬を受け取る、来日した海外アーティストが公演料を得る。国籍ではなく「住んでいる場所」で線引きされ、これら全部が164条の射程に入る。この条文は、日本に住んでいない人(非居住者)の所得税の計算を、二つの問いで振り分ける。第一に「日本国内に恒久的施設(PE、支店・事務所・工事現場・代理人など事業の拠点)を持っているか」、第二に「その所得がどの種類の国内源泉所得か」。PEを持てば、そこに帰属する事業所得は日本人と同じ総合課税(累進税率で合算)になる。PEがなければ、配当・利子・使用料など特定の所得だけが、多くは源泉徴収の分離課税で完結する。あなたが海外に出るとき、あるいは日本にPEを作るとき、この振り分けが手取りを大きく変える。
所得税法 164 条は、非居住者に対する所得税額の計算方法を定める規定である。非居住者を恒久的施設の有無で区分し、恒久的施設を有する者にはその帰属所得を含む国内源泉所得を総合課税で、有しない者には限定された国内源泉所得のみを課税対象とし、配当・利子等は分離課税で計算する枠組みを規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国内に住所がなく、かつ現在まで引き続き 1 年以上居所がない個人を指します。国籍ではなく生活の本拠で判定され、日本人でも海外へ本拠を移せば非居住者になります(所得税法 2 条)。
支店・事務所・工場・一定期間を超える建設工事現場・契約締結権を持つ代理人など、事業を行う一定の拠点を指します。PE があると帰属する事業所得が日本で総合課税されます。
事業所得・不動産所得・人的役務対価・配当・利子・使用料・不動産譲渡益などが所得税法 161 条に列挙されています。号ごとに課税方法が異なり、164 条がその適用区分を定めます。
PE に帰属する所得や不動産所得・不動産譲渡益などがある場合は申告が必要です。配当・利子など源泉徴収で完結する所得だけなら申告不要のこともあります。
出国する非居住者に代わって申告・納税を行う者です。国内に納税管理人を定め税務署へ届け出れば、出国後も日本の申告手続を代理してもらえます。
非居住者へ国内不動産の賃料を支払う借主には、原則として源泉徴収義務が生じます(所得税法 212 条)。個人が自宅用に借りる一定の場合は除かれます。
日本に住んでいない人の所得税を「PE があるか」「どの国内源泉所得か」の 2 軸で振り分ける分電盤のような規定です。PE の有無で総合課税か分離課税かが決まります。
総合課税は各種所得を合算し累進税率で課税、分離課税は他の所得と切り離し定率で課税します。164 条は PE 帰属所得を総合、配当・利子等を分離と振り分けます。
かかります。配当・利子は164条2項が分離課税とする国内源泉所得(161条1項8号から16号)に含まれ、非居住者でもPEの有無に関係なく源泉徴収されます(税率は所得の種類で異なる、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:租税条約で税率が軽減・免除される国が多いが、「租税条約に関する届出書」を支払者経由で税務署へ出さないと軽減は自動適用されず、国内法の高い税率で引かれたまま。届出一枚の有無が手取りを変える
出国で非居住者になっても、日本国内源泉所得があれば申告や源泉徴収は続きます(164条)。特に日本の不動産を貸す・売る場合は要注意。出国前に納税管理人を選任して税務署へ届け出れば、あなたの代わりに申告・納税を担ってくれます。業界裏話ヒント:出国する年の分は、出国の時までに準確定申告が必要になる場合がある。ギリギリで出国すると期限に間に合わず加算税リスクが出るので、辞令が出た時点で税理士に相談するのが安全
単なる商品保管や情報収集だけの補助的・準備的な場所は原則PEから除かれますが、そこで契約締結や中核的な事業活動を行うとPEと認定されえます(PEの範囲は所得税法2条・施行令で規定)。認定されれば帰属する事業所得が日本で総合課税になります。業界裏話ヒント:近年は倉庫・サーバー型の拠点や、独立でない代理人の「契約締結代理」までPE論点になっている。本社が「日本は営業所ではない」と主張しても実態で判定され、契約書の署名権限を誰が持つかが分かれ目になることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 164 条:非居住者の税額計算(区分適用)の司令塔 | — |
| 決める内容 | PE の有無で総合課税か分離課税かを振り分け | — |
| 課税範囲の限定 | PE なしなら課税所得を大幅に限定 | — |
| 徴収の担い手 | 総合課税は申告、分離課税は源泉徴収で完結 | — |
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