要点所得税法 161 条は、非居住者・外国法人に課税できる国内源泉所得を 17 号に限定列挙する規定。該当する支払には支払者に原則 20.42% の源泉徴収義務が生じる。
Q · 海外に住む人や海外の会社に払うお金、日本の税金ってどこまでかかるの?
161 条の 17 号に当たる所得だけ課税される
所得税法 161 条は、非居住者・外国法人に日本が課税できる「国内源泉所得」を 17 個の号に限定列挙します。恒久的施設帰属所得、国内不動産の賃貸料(7 号)、人的役務提供事業の対価(6 号)、使用料(11 号)などが典型例です。いずれかの号に該当する支払には、支払者に 20.42% の源泉徴収義務が生じ、翌月 10 日までに納付する必要があります(212 条・213 条)。該当しなければ日本は課税できません。租税条約があれば届出書の提出で税率が軽減・免除されます。
海外に住んだまま日本のマンションを貸している人、台湾からリモートで日本企業のシステムを開発する人、日本企業から広告料を受け取る海外在住のクリエイター。この三人のうち誰が日本に税金を納めるのか、その線を引いているのが所得税法 161 条である。ここに並ぶ 17 個の号のいずれかに当たれば「国内源泉所得」、当たらなければ日本は一円も課税できない。そして本当に恐ろしいのは、この条文があなたを納税者ではなく「徴収係」に変えることだ。あなたが海外の外注先に報酬を振り込むとき、それが 6 号(人的役務の提供を主たる内容とする事業の対価)や 11 号(使用料)に当たるなら、あなたには 20.42 パーセントを天引きし、翌月 10 日までに国に納める義務が生じる(212 条、213 条)。天引きを忘れたら、追徴されるのは海外の相手ではない。すでに全額を受け取って国外にいる相手に代わって、あなたが不納付加算税と延滞税ごと支払う。161 条を読まなかった発注者が、他人の税金を自分の財布から払う構造が、ここに埋め込まれている。
所得税法 161 条は「国内源泉所得」の範囲を定める規定であり、非居住者および外国法人が日本で課税される所得を、恒久的施設帰属所得・国内資産の運用譲渡・人的役務提供事業の対価・不動産の賃貸料・利子・配当・使用料など 17 の号に限定列挙する。各号への該当性が、非居住者への課税権および支払者の源泉徴収義務の有無を画する基準となる。
日本国内に源泉がある所得として所得税法 161 条が 17 種類に限定列挙した所得です。非居住者・外国法人はこの範囲でのみ日本に課税されます。
支払が 161 条各号(使用料・人的役務対価・不動産賃料・利子・配当など)に該当する場合です。支払者が原則 20.42% を天引きして納付します。
恒久的施設帰属所得、国内資産の運用・譲渡、不動産賃貸料、人的役務提供事業の対価、利子、配当、貸付金利子、使用料、給与・報酬、匿名組合分配などです。
国内業務に係る使用料は 161 条 11 号の国内源泉所得に当たり、原則源泉徴収が必要です。租税条約の届出書を出せば税率が軽減される場合があります。
多くの号で原則 20.42%(所得税 20%+復興特別所得税 0.42%)です。所得の種類や租税条約により税率が変わる場合があります。
軽減・免除を受けるには、原則として最初の支払日の前日までに支払者を経由して税務署へ提出する必要があります(最新の改正状況をご確認ください)。
161 条 16 号により国内源泉所得とされ、非居住者の出資者への分配には運営事業者に源泉徴収義務が生じます。
国内不動産の賃貸料は 161 条 7 号の国内源泉所得です。借主が法人の場合は源泉徴収義務が生じますが、個人が自己居住用に借りる場合は不要という例外があります。
作業が全て国外で行われ、単なる役務提供の対価なら国内源泉所得に当たらず、源泉徴収は不要な場合が多い。ただし成果物の著作権を譲渡せず使用許諾にすると 161 条 1 項 11 号の使用料となり、課税対象へ反転する。業界裏話ヒント:税務調査官はまず契約書の権利帰属条項を見る。譲渡と明記されていれば争いは起きにくいが、曖昧なままだと使用料扱いで追徴される。契約書の一語で結論が変わる
法律上は求償可能である。源泉徴収税額は本来受領者が負担する税だからだ。しかし実際には相手はすでに全額を受け取り、国外にいる。回収は極めて困難である。業界裏話ヒント:実務では、海外との契約書に「源泉税は受領者負担とし、支払者が納付した場合は返還する」旨の条項を必ず入れる。逆に相手側が「グロスアップ条項(税引後手取り保証)」を入れてくることがあり、これを見落とすと源泉税分がまるごと支払者の追加コストになる
そうとは限らない。所得税法 2 条の定義により、支店や事務所だけでなく、契約締結の代理権を常習的に行使する者や、一定期間を超える建設工事現場も恒久的施設に当たりうる。認定されれば 161 条 1 項 1 号で帰属所得全体が課税対象になる。業界裏話ヒント:2014 年(平成 26 年)改正で日本は総合主義から帰属主義(AOA)へ移行し、恒久的施設を独立企業とみなして内部取引まで認識する建付けになった。古い解説書で「PE がなければ安心」と学んだ知識は、すでに射程がずれている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 161 条:国内源泉所得の範囲を 17 号に限定列挙し定義する | — |
| 判断内容 | どの所得が日本の課税対象になるかを画定 | — |
| 支払者・納税者への影響 | 該当号があれば源泉徴収義務(212 条)の起点 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。