要点所得税法 165 条の 8 は、恒久的施設を有する非居住者が納付した外国所得税を、控除限度額を上限に日本の所得税額から控除できると定める。超過分は前三年以内に繰り越せる。
Q · 海外で払った税金、日本の所得税から全部引けるの?
控除限度額まで。超過分は三年繰越できます
所得税法 165 条の 8 により、恒久的施設を有する非居住者は、恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税を、控除限度額を上限に日本の所得税額から控除できます。控除限度額はその年の所得税額のうち国外所得金額に対応する部分です。超過額は前三年以内の繰越控除限度額で吸収でき(2 項)、逆に枠が余った年は過去三年の外国税を充てられます(3 項)。ただし繰越には各年の申告書への明細記載が要件です(7 項が準用する 95 条 10 項・11 項)。
外国に支店(恒久的施設)を置いて働く非居住者にとって、この条文は「二重課税で削られた分を取り返す唯一の入口」である。日本で課税される恒久的施設帰属所得のうち、その源泉が国外にある部分について外国の税務当局にも税を取られたとき、その外国所得税を日本の所得税額から差し引ける。ただし無制限ではない。控除できるのは「控除限度額」まで、つまり日本の税額のうち国外所得金額に対応する部分までだ。超えた分は捨てるのではなく、前三年以内の余った枠に繰り越して使える(2 項)。逆に枠が余った年は、過去三年に払いすぎた外国税を持ってきて充てられる(3 項)。さらに 6 項は、後から外国税が減額されたときの巻き戻しを七年間追いかける。つまりこの条文は、単年度の申告書ではなく「三年前から七年後まで」を一枚の帳簿として見ている。今年の申告だけを見て「控除しきれなかったから諦める」と判断した瞬間、あなたは戻ってきたはずの税金を自分で放棄している。
所得税法 165 条の 8 は、恒久的施設を有する非居住者の外国税額控除を定める規定である。恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税を、控除限度額を上限として日本の所得税額から控除することを認め、超過額および控除余裕額をいずれも前三年以内で繰り越すことで、国際的二重課税を単年度でなく複数年度で調整する仕組みを規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同じ所得に外国と日本の双方が課税する国際的二重課税を排除するため、外国で納付した税を日本の所得税額から差し引く制度です。非居住者については所得税法 165 条の 8 が定めます。
その年の所得税額に、国外所得金額を所得総額で割った割合を掛けて算出します。政令の定めに従い計算し、この金額を超える外国税は当年では控除できません。
控除限度額の余りも、控除しきれなかった外国税も、いずれも前三年以内の各年に繰り越せます(2 項・3 項)。四年以上前の枠は使えません。
非居住者や外国法人が事業を行う支店・事務所・工場などの一定の場所を指します。恒久的施設に帰属する所得が日本で課税され、外国税額控除の基礎になります。
恒久的施設を有する非居住者であれば使えます。恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税が対象で、非居住者の全世界所得が対象ではありません。
控除限度額に余裕があれば税額から直接引ける外国税額控除が有利な場合が多いですが、限度額が小さく将来三年も所得が見込めないなら損金算入が有利なこともあり、一律ではありません。
控除を受けた年の翌年以後七年内に外国税が減額された場合、減額日の属する年で調整が必要です(6 項)。放置すると過大控除のままとなります。
国内法の国外源泉所得の定義(4 項)と条約の定義が異なる場合、5 項により条約が優先します。控除限度額の分子が変わるため、まず条約を確認する必要があります。
その年の所得税額のうち、国外所得金額に対応する部分として政令で計算した金額、これが控除限度額です(1 項)。外国税がこれを超えても超過分は即座に消えるわけではなく、2 項の繰越控除限度額で吸収する道が残ります。業界裏話ヒント:控除限度額は分子の国外所得金額の取り方で数字が動く。国外源泉所得の範囲は 4 項が列挙しているが、租税条約があれば 5 項で条約が上書きする。まず条約を読んでから分子を組む、この順番を逆にする実務家は多い
使えません。7 項が準用する 95 条 10 項・11 項により、繰越控除限度額を主張するには当該各年の申告書等にその年の控除限度額を記載し、明細書を添付していることが要件です。業界裏話ヒント:枠が余った年は税額に影響しないため、記載が省略されがちである。三年後にその一行がないと、調査官は繰越の存在自体を認めない。余った年の申告書こそ丁寧に作る、これを知っている税理士とそうでない税理士で、三年後の税額が変わる
いけません。6 項は、控除の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年に外国所得税の額が減額された場合、減額されることとなった日の属する年について政令の定めるところにより処理せよと定めています。業界裏話ヒント:現地の還付は数年遅れて届く。その頃には日本側の担当者も代わっている。海外還付が入金される口座と日本の申告担当を紐づけておくだけで、過大控除の放置という一番重い指摘を避けられる
恒久的施設を有する非居住者であれば正面から適用対象です。恒久的施設帰属所得に係る所得の金額を基礎に、165 条 1 項により居住者の規定に準じて計算した税額から控除します。業界裏話ヒント:法人には法人税法側に対応する外国税額控除の規定があり、個人と法人で計算構造も繰越の扱いも別物である。オーナー個人と法人の申告を同じ担当者が惰性で処理すると、どちらかの繰越枠が静かに死ぬ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 位置づけ | 165 条の 8:恒久的施設を有する非居住者の外国税額控除 | — |
| 控除対象の外国税 | 161 条 1 項 1 号の恒久的施設帰属所得に課された外国所得税に限定 | — |
| 繰越期間 | 控除限度額・外国税ともに前三年以内(2 項・3 項) | — |
| 明細記載要件 | 95 条 10 項・11 項を準用(7 項)、読替えあり | — |
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