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所得税法 第165条の6(非居住者に係る外国税額の控除)

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  1. 恒久的施設を有する非居住者が各年において外国所得税(第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する外国所得税をいう。以下この項及び第六項において同じ。)を納付することとなる場合には、恒久的施設帰属所得に係る所得の金額につき第百六十五条第一項(総合課税に係る所得税の課税標準、税額等の計算)の規定により準じて計算する第八十九条から第九十二条まで(税率及び配当控除)の規定及び前条の規定により計算したその年分の所得税の額のうち、その年において生じた国外所得金額(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額のうち国外源泉所得に係るものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国所得税の額(第百六十一条第一項第一号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得につき課される外国所得税の額に限るものとし、非居住者の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国所得税の額その他政令で定める外国所得税の額を除く。以下この条において「控除対象外国所得税の額」という。)をその年分の所得税の額から控除する。
  2. 2.恒久的施設を有する非居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、その年の前年以前三年内の各年(次項において「前三年以内の各年」という。)の控除限度額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税の額から控除する。
  3. 3.恒久的施設を有する非居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額に満たない場合において、その前三年以内の各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除対象外国所得税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額からその年において納付することとなる控除対象外国所得税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国所得税額をその年分の所得税の額から控除する。
  4. 4.第一項に規定する国外源泉所得とは、第百六十一条第一項第一号に掲げる所得のうち次のいずれかに該当するものをいう。
  5. 国外にある資産の運用又は保有により生ずる所得
  6. 国外にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
  7. 国外において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う者が受ける当該人的役務の提供に係る対価
  8. 国外にある不動産、国外にある不動産の上に存する権利若しくは国外における採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、国外における租鉱権の設定又は非居住者若しくは外国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
  9. 第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
  10. 第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
  11. 国外において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(債券の買戻又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)
  12. 国外において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
  13. 国外において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
  14. 国外にある営業所又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結した保険業法第二条第六項(定義)に規定する外国保険業者の締結する保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
  15. 十一次に掲げる給付補塡金、利息、利益又は差益
  16. 十二国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
  17. 十三前各号に掲げるもののほかその源泉が国外にある所得として政令で定めるもの
  18. 5.租税条約(第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約をいう。以下この項において同じ。)において国外源泉所得(第一項に規定する国外源泉所得をいう。以下この項において同じ。)につき前項の規定と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける非居住者については、同項の規定にかかわらず、国外源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その租税条約に定めるところによる。
  19. 6.非居住者が納付することとなつた外国所得税の額につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年において当該外国所得税の額が減額された場合におけるその減額されることとなつた日の属する年のこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。
  20. 7.第九十五条第十項及び第十一項の規定は、非居住者が納付することとなる控除対象外国所得税の額につき、第一項から第三項までの規定による控除をする場合について準用する。この場合において、同条第十項中「第一項の規定は」とあるのは「第百六十五条の六第一項(非居住者に係る外国税額の控除)の規定は」と、「に第一項」とあるのは「に同条第一項」と、「、控除対象外国所得税の額」とあるのは「、同項に規定する控除対象外国所得税の額(以下この項及び次項において「控除対象外国所得税の額」という。)」と、「、第一項」とあるのは「、同条第一項」と、同条第十一項中「第二項及び第三項」とあるのは「第百六十五条の六第二項及び第三項」と、「、繰越控除限度額又は繰越控除対象外国所得税額」とあるのは「、同条第二項に規定する繰越控除限度額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)又は同条第三項に規定する繰越控除対象外国所得税額(以下この項において「繰越控除対象外国所得税額」という。)」と、「申告書等に当該各年の控除限度額」とあるのは「申告書等に当該各年の控除限度額(同条第一項に規定する控除限度額をいう。以下この項において同じ。)」と読み替えるものとする。
  21. 8.第一項から第三項までの規定による控除をすべき金額は、第百六十五条第一項の規定により準じて計算する課税総所得金額に係る所得税の額、課税山林所得金額に係る所得税の額又は課税退職所得金額に係る所得税の額から順次控除する。
  22. 9.前三項に定めるもののほか、第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点所得税法 165 条の 8 は、恒久的施設を有する非居住者が納付した外国所得税を、控除限度額を上限に日本の所得税額から控除できると定める。超過分は前三年以内に繰り越せる。

Q · 海外で払った税金、日本の所得税から全部引けるの?

控除限度額まで。超過分は三年繰越できます

所得税法 165 条の 8 により、恒久的施設を有する非居住者は、恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税を、控除限度額を上限に日本の所得税額から控除できます。控除限度額はその年の所得税額のうち国外所得金額に対応する部分です。超過額は前三年以内の繰越控除限度額で吸収でき(2 項)、逆に枠が余った年は過去三年の外国税を充てられます(3 項)。ただし繰越には各年の申告書への明細記載が要件です(7 項が準用する 95 条 10 項・11 項)。

解説

外国に支店(恒久的施設)を置いて働く非居住者にとって、この条文は「二重課税で削られた分を取り返す唯一の入口」である。日本で課税される恒久的施設帰属所得のうち、その源泉が国外にある部分について外国の税務当局にも税を取られたとき、その外国所得税を日本の所得税額から差し引ける。ただし無制限ではない。控除できるのは「控除限度額」まで、つまり日本の税額のうち国外所得金額に対応する部分までだ。超えた分は捨てるのではなく、前三年以内の余った枠に繰り越して使える(2 項)。逆に枠が余った年は、過去三年に払いすぎた外国税を持ってきて充てられる(3 項)。さらに 6 項は、後から外国税が減額されたときの巻き戻しを七年間追いかける。つまりこの条文は、単年度の申告書ではなく「三年前から七年後まで」を一枚の帳簿として見ている。今年の申告だけを見て「控除しきれなかったから諦める」と判断した瞬間、あなたは戻ってきたはずの税金を自分で放棄している。

法的な位置づけ

所得税法 165 条の 8 は、恒久的施設を有する非居住者の外国税額控除を定める規定である。恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税を、控除限度額を上限として日本の所得税額から控除することを認め、超過額および控除余裕額をいずれも前三年以内で繰り越すことで、国際的二重課税を単年度でなく複数年度で調整する仕組みを規律する。

試算與流程

AI 輔助整理,以條文原文為準

よくある質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1外国税額控除とは何ですか?

同じ所得に外国と日本の双方が課税する国際的二重課税を排除するため、外国で納付した税を日本の所得税額から差し引く制度です。非居住者については所得税法 165 条の 8 が定めます。

Q2外国税額控除の控除限度額の計算方法は?

その年の所得税額に、国外所得金額を所得総額で割った割合を掛けて算出します。政令の定めに従い計算し、この金額を超える外国税は当年では控除できません。

Q3外国税額控除の繰越は何年ですか?

控除限度額の余りも、控除しきれなかった外国税も、いずれも前三年以内の各年に繰り越せます(2 項・3 項)。四年以上前の枠は使えません。

Q4恒久的施設とは何ですか?

非居住者や外国法人が事業を行う支店・事務所・工場などの一定の場所を指します。恒久的施設に帰属する所得が日本で課税され、外国税額控除の基礎になります。

Q5非居住者でも外国税額控除は使えますか?

恒久的施設を有する非居住者であれば使えます。恒久的施設帰属所得のうち国内源泉所得に課された外国所得税が対象で、非居住者の全世界所得が対象ではありません。

Q6外国税額控除と損金算入はどちらが有利ですか?

控除限度額に余裕があれば税額から直接引ける外国税額控除が有利な場合が多いですが、限度額が小さく将来三年も所得が見込めないなら損金算入が有利なこともあり、一律ではありません。

Q7外国で税額が後から減額されたら日本ではどうしますか?

控除を受けた年の翌年以後七年内に外国税が減額された場合、減額日の属する年で調整が必要です(6 項)。放置すると過大控除のままとなります。

Q8租税条約があると外国税額控除はどう変わりますか?

国内法の国外源泉所得の定義(4 項)と条約の定義が異なる場合、5 項により条約が優先します。控除限度額の分子が変わるため、まず条約を確認する必要があります。

この条文についての質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1外国で払った税金って、結局いくらまで日本で引けるんですか?

その年の所得税額のうち、国外所得金額に対応する部分として政令で計算した金額、これが控除限度額です(1 項)。外国税がこれを超えても超過分は即座に消えるわけではなく、2 項の繰越控除限度額で吸収する道が残ります。業界裏話ヒント:控除限度額は分子の国外所得金額の取り方で数字が動く。国外源泉所得の範囲は 4 項が列挙しているが、租税条約があれば 5 項で条約が上書きする。まず条約を読んでから分子を組む、この順番を逆にする実務家は多い

Q2去年は控除枠が余りました。何も申告書に書かなくても、来年使えますよね?

使えません。7 項が準用する 95 条 10 項・11 項により、繰越控除限度額を主張するには当該各年の申告書等にその年の控除限度額を記載し、明細書を添付していることが要件です。業界裏話ヒント:枠が余った年は税額に影響しないため、記載が省略されがちである。三年後にその一行がないと、調査官は繰越の存在自体を認めない。余った年の申告書こそ丁寧に作る、これを知っている税理士とそうでない税理士で、三年後の税額が変わる

Q3現地の税務署が後から税額を減らしてくれました。日本側は放っておいていいですか?

いけません。6 項は、控除の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年に外国所得税の額が減額された場合、減額されることとなった日の属する年について政令の定めるところにより処理せよと定めています。業界裏話ヒント:現地の還付は数年遅れて届く。その頃には日本側の担当者も代わっている。海外還付が入金される口座と日本の申告担当を紐づけておくだけで、過大控除の放置という一番重い指摘を避けられる

Q4うちは日本に支店があるだけの外国企業のオーナー個人です。この条文、関係ありますか?

恒久的施設を有する非居住者であれば正面から適用対象です。恒久的施設帰属所得に係る所得の金額を基礎に、165 条 1 項により居住者の規定に準じて計算した税額から控除します。業界裏話ヒント:法人には法人税法側に対応する外国税額控除の規定があり、個人と法人で計算構造も繰越の扱いも別物である。オーナー個人と法人の申告を同じ担当者が惰性で処理すると、どちらかの繰越枠が静かに死ぬ

間違えやすい点 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

  • 「外国で税金を払ったのだから、その全額を日本の税額から引ける」と考える人が圧倒的に多い。しかし控除できるのは控除限度額まで、しかも 1 項の対象は 161 条 1 項 1 号に掲げる恒久的施設帰属所得に課された外国所得税に限られる。非居住者の全世界所得ではない
  • 繰越制度の存在は知っていても、その深刻度が理解されていない。繰越控除限度額も繰越控除対象外国所得税額も、7 項が準用する 95 条 10 項・11 項により、当該各年の申告書等への記載と明細書の添付が要件である。つまり「使う年」ではなく「余った年」に手続を踏んでいなければ、三年後に枠は存在しないものとして扱われる。手続の失念は減税機会の喪失ではなく、権利の消滅である
  • 「控除しきれなかった外国税は経費に落とせばいい」という発想は、問いの立て方そのものが歪んでいる。控除と損金算入の選択は制度設計上の分岐であり、どちらが有利かは控除限度額の余裕と将来三年の所得見通しで反転する。今年の節税額だけを比べて選ぶ限り、答えは構造的に間違う
  • あなたから見れば「日本の支店の利益に、なぜ国外源泉所得が混ざるのか」と映る。だが法律から見れば、恒久的施設は本店から分離した独立企業として擬制され、その帰属所得の中に国外源泉所得が含まれることは当然の帰結である。この認識の落差が、控除枠をゼロと誤認させる
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位置づけ165 条の 8:恒久的施設を有する非居住者の外国税額控除
控除対象の外国税161 条 1 項 1 号の恒久的施設帰属所得に課された外国所得税に限定
繰越期間控除限度額・外国税ともに前三年以内(2 項・3 項)
明細記載要件95 条 10 項・11 項を準用(7 項)、読替えあり

想定される場面と対応 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

こんなときに使う

  • シンガポール居住のまま東京に支店を構えてコンサルティング業を営んでいる。支店の売上の一部は第三国の顧客から生じ、その国で源泉税を引かれた。日本の確定申告で控除しなければ、同じ所得に二か国が課税したまま終わる
  • もし今年、外国所得税の額が控除限度額を大きく超えてしまったら? 捨てるしかないと思われがちだが、2 項の繰越控除限度額があれば前三年以内の余り枠で吸収できる。ただし枠の存在を証明する書類を、その各年の申告書に添付していなければ使えない(7 項が準用する 95 条 10 項・11 項)
  • 現地の税務当局から更正処分を受け、三年前に納めた外国所得税が減額された。日本では既に控除済み。放置すれば過大控除のまま。6 項は減額の日の属する年で調整せよと命じており、その射程は適用を受けた年の翌年以後七年内に及ぶ
  • 租税条約の締約国に恒久的施設帰属所得の一部が紐づいている。4 項の国内法上の国外源泉所得の定義と、条約の定義がずれている。5 項により、条約が異なる定めを置く限りその条約が優先する。国内法の条文だけを読んで控除枠を計算した税理士は、そこで枠を取り違える
  • 税務調査の初日まであと 10 日。調査官は「この取引は通常行われる取引と認められない」と指摘し、控除対象外国所得税の額から除外しようとしている(1 項括弧書、政令で定める取引)。取引の事業上の合理性を示す資料を、今から積み上げられるか

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

事実サマリー

以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。

  1. 所得税法第165条の6(非居住者に係る外国税額の控除)は、日本の所得税法に含まれる条文です。
  2. 所得税法第165条の6の条文原文は「恒久的施設を有する非居住者が各年において外国所得税(第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する外国所得税をいう。」で始まります。
  3. 所得税法第165条の6は第一款に置かれています。
  4. 所得税法の公布日は昭和40年3月31日です。
  5. 所得税法第165条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。