要点所得税法 165 条の 5 は、非居住者の恒久的施設に配分された本社経費について、配分計算の基礎書類を保存しなければ必要経費に算入しないと定める。ただし第 2 項に救済規定がある。
Q · 海外本社の経費を日本支店の分として配分したのに、税務調査で認めてもらえないことがあるの?
根拠書類がなければ実在する経費でもゼロ扱いになります
所得税法 165 条の 5 第 1 項は、非居住者の恒久的施設に配分された本社等の配賦経費について、配分計算の基礎となる財務省令所定の書類を保存していなければ、その経費を必要経費に算入しないと定めます。経費が実在しても、配分が正しくても、根拠書類の保存がないだけで税務上ゼロ扱いです。ただし第 2 項により、保存がなかったことにやむを得ない事情があり、後から書類を提出できた場合に限り、税務署長の裁量で救済される余地があります。
海外に住みながら日本に支店(恒久的施設)を構えて事業をしている。海外本社が負担した共通経費、たとえば管理部門の人件費やシステム費用の一部を、日本支店の分として配分し、日本での課税所得から差し引く。これは国際課税のルール上、正当に認められた計算だ。ところが所得税法165条の5は、その配分額(配賦経費)について、配分計算の基礎となった書類を保存していなければ、その経費を必要経費に一切算入させないと定める。経費が実在しても、配分が正しくても、根拠書類が無いというだけで税務上まるごとゼロ扱いになる。しかも第2項には非常口がある。やむを得ない事情があり、後から書類を提出できれば、税務署長の裁量で救済されうる。つまり勝負は、書類が手元にあるか、そしてそれを税務調査の場で出せるかどうかにかかっている。あなたが守るべきは経費そのものではなく、経費を説明する紙だ。
所得税法 165 条の 5 は、非居住者の恒久的施設帰属所得の計算における配賦経費の必要経費不算入を定める規定である。本社等から配分された共通経費は、配分計算の基礎となる財務省令所定の書類を保存しない限り必要経費に算入されず、第 2 項がやむを得ない事情による事後提出の救済を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本社等が負担した共通経費のうち、恒久的施設の分として一定の基準で配分された金額をいいます。所得税法 165 条の 5 が書類保存を要件に必要経費算入を認めています。
非居住者でも日本に支店・事務所・倉庫等の恒久的施設があれば、その帰属所得が日本で課税されます。本社配賦経費の書類保存義務も同時に生じます。
配分計算の基礎となる財務省令所定の書類、すなわちどの費目をどの基準で配分したかを再現できる計算書・根拠資料です。英語資料のみでは不十分とされる恐れがあります。
日本に恒久的施設を有し、総合課税に係る所得計算で本社等からの配賦経費を計上する非居住者(個人)が対象です。外国法人は法人税法 142 条の 3 が並行して規律します。
本条固有の時効はありませんが、更正・決定の除斥期間は原則 5 年、偽りその他不正の行為があれば 7 年です(国税通則法 70 条)。
165 条の 5 は非居住者(個人)の所得税、142 条の 3 は外国法人の法人税を対象とする並行規定です。いずれも本店配賦経費の書類不保存による不算入を定めます。
日本に恒久的施設があり帰属所得が生じる非居住者は、日本で申告義務を負います。海外在住でも配賦経費の書類保存を怠れば必要経費が否認されます。
災害・本社の予期せぬ事由など、書類を保存できなかったことに正当な理由がある場合を指します。認定は税務署長の裁量で、後からの書類提出が条件です。
あり得る。所得税法165条の5第1項は、配賦経費について配分計算の基礎となる書類の保存が無ければ、その経費を必要経費に算入しないと定める。実際に支払っていても、書類が無ければ税務上はゼロだ。業界裏話ヒント:同条第2項に救済規定があり、やむを得ない事情があって後から書類を提出できれば、税務署長の裁量で認められる余地がある。否認されても即諦めず、まず書類を揃え直せるかを確認するのが分かれ道になる
リスクがある。165条の5第1項が求める『財務省令で定める書類』は、配分の計算根拠を税務署が検証できる内容であることが実質的な意味だ。英語資料そのままでは計算過程を追えないとして否認される恐れがある。業界裏話ヒント:実務では、本社の配分計算書に日本語の対応表や計算過程の説明を添え、どの費目をどの基準で日本支店に配分したかを再現できる形にしておくと、調査での否認率が大きく下がる
取り返せる余地はある。165条の5第2項は、やむを得ない事情があり、その書類の提出があった場合に限り、第1項の否認を適用しないことができると定める。鍵は提出のタイミングだ。業界裏話ヒント:更正処分が確定する前、調査や再調査の段階で書類を出せるかが分水嶺になる。処分後でも国税通則法の再調査の請求・審査請求で争えるが、最初から書類を保存していた場合に比べ立証のハードルは跳ね上がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 165 条の 5:配賦経費の書類保存要件と不算入 | — |
| 効果 | 書類不保存の配賦経費を必要経費に算入しない | — |
| 救済・例外 | 第 2 項:やむを得ない事情+書類提出で救済 | — |
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