要点所得税法166条の2は、恒久的施設を持つ非居住者に、第三者取引とPE帰属の内部取引の明細書類の作成を義務づける。書類を欠けば税務署が推計で課税できる。
Q · 海外に住んでいて日本に事業の拠点があると、どんな書類を作らないといけないの?
PEに帰属する内部取引などの明細書類の作成が必要です
所得税法166条の2により、恒久的施設(PE)を有する非居住者は、PEに帰属する所得について二種類の明細書類を財務省令に従い作成する義務があります。一つは第三者との取引の明細、もう一つが海外本店とPEとの間の資産移転・役務提供など内部取引の明細です。日本の税法はPEを独立した別会社のように扱い、内部取引にも独立企業間価格を求めます。書類がなければ税務署が推計で利益を割り当てるため、文書化はあなたの唯一の防御資料になります。
海外に住みながら日本で稼ぐ。ネット物販の在庫を東京の倉庫に置いた、法人ではなく個人で営業所を構えた、日本にいる担当者があなたの名義で契約をまとめている。その瞬間、あなたは『恒久的施設(PE、日本国内にある事業の拠点)』を持つ非居住者になっているかもしれない。166条の2は、そのPEに帰属する所得について二種類の書類作成を義務づける。一つは第三者との取引の明細。もう一つが厄介で、あなたの海外本店と日本のPEとの間の資産移転や役務提供、いわゆる『内部取引(同じ事業の中での機能や資金の移動)』の明細だ。多くの人は『自分の事業の中で動かしただけ』と考える。だが日本の税法は、そのPEをあたかも独立した別会社のように扱い、内部のやり取りにも独立企業間価格を求める。書類がなければ、税務署はあなたのPEにより多くの利益を推計で割り当てられる。
所得税法166条の2は、恒久的施設を有する非居住者に対し、そのPEに帰属する所得に関する書類作成を義務づける規定である。対象は第三者との取引の明細と、海外本店とPEとの間の資産移転・役務提供など内部取引の明細の二種類であり、いずれも財務省令の定めに従い作成することを要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
非居住者が国内に持つ事業の拠点です。固定的な事業場所、契約権限を持つ従属代理人、一定の建設工事現場などが該当し、PEがあると帰属所得に課税されます(161条・租税条約のPE定義)。
海外本店とPEの間の資産移転、役務提供、機能・リスクの移転を、独立企業間価格に基づいて記載します。移転の内容・時期・金額の算定根拠を財務省令に従い明示します。
書類作成自体に独立の時効はありませんが、実務上その年分の確定申告期限(原則翌年3月15日)までに整えるべきです。調査時に指定期間内に提示できないと推計課税の対象になります。
非居住者に代わり契約を締結する権限を反復して行使する者がいると成立するPEの類型です。海外在住のまま日本の知人に自分の名義で契約をまとめさせる形が典型です。
単なる保管・展示のための倉庫は原則PEから除かれますが、常時在庫を置き受注・発送機能まで担う実態があればPEと評価される余地があります。活動の実態で判断されます。
内部取引の書類を提示できない場合、税務署が独立企業間価格を推定してPEに利益を割り当て課税する扱いです。納税者は反論の土台を失い、税務署に有利な数字で課税されます。
変わります。租税条約のPE定義が国内法より狭いことがあり、条約が優先します。進出前に相手国との条約のPE条項を読むだけで文書化義務が生じない構造に組める余地があります。
AOA(独立企業原則)に基づき、PEを本店から独立した企業とみなし、移転価格税制と同じ発想で独立企業間価格を算定します。書類がないと税務署が推計します。
PEに該当するか次第です。単なる保管・展示のための倉庫や、準備的・補助的な活動はPEから除かれうる一方、契約締結権限を持つ従属代理人がいればPE認定に傾きます(161条、租税条約のPE定義)。業界裏話ヒント:租税条約のPE定義が国内法より狭いことがあり、条約が優先します。進出前に相手国との租税条約のPE条項を読むだけで、そもそも文書化義務が発生しない構造に組める余地がある
AOA(独立企業原則)に基づき、PEを本店から独立した企業とみなして所得を計算するからです(161条1項1号の内部取引)。海外本店から日本PEへの機能・資産・リスクの移転は、独立企業間価格で評価されます。業界裏話ヒント:内部取引の価格設定は移転価格税制と同じ発想で、書類がないと税務署が推計します。逆に言えば、内部取引の設計次第で日本に落ちる課税所得を適法にコントロールできる余地がある
この条文自体に直接の過料規定はありません。ですが実質的な不利益が大きい:税務調査で内部取引の書類を提示できないと、税務署が独立企業間価格を推定して課税できます(推定課税)。業界裏話ヒント:『罰則がないから作らなくていい』は最悪の判断です。罰則がない代わりに、税務署に有利な数字で推計される。反論の土台となる同時文書化を持つ者だけが、調査の場で戦える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 166条の2:PE帰属所得の文書化義務(第三者取引+内部取引) | — |
| 定めている内容 | 明細書類の作成手続と対象範囲 | — |
| 怠ったときの効果 | 書類提示不能で推計課税の対象になりうる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。