要点所得税法172条は、非居住者が源泉徴収を受けない国内源泉の給与・報酬について、翌年3月15日までに自ら申告し原則20.42%を納付する義務を定める規定である。
Q · 海外の会社から母国の口座に給料をもらって日本で数ヶ月働いた。日本の税金は関係ない?
源泉徴収されなくても自分で申告し20.42%納める義務があります
所得税法172条により、非居住者が国内源泉所得の給与・報酬を受け取り、その支払について源泉徴収(給料からの天引き)が行われない場合、本人が翌年3月15日までに税務署へ申告書を提出し、原則20.42%の所得税を自分で納めなければなりません。年の中途で日本を離れる場合は、その出国日が期限に前倒しされます。租税条約の短期滞在者免税(183日ルール等)を満たせば課税自体が消える余地があります。天引きされなかったことは、納税義務が消えたのではなく、納める主体が本人に移ったことを意味します。
海外の会社に雇われたまま、数ヶ月だけ日本のプロジェクトに派遣されて働いた。給料はずっと母国の口座に振り込まれ、日本の会社は一切関与していない。だから日本の税金とは無関係だ、と思っていないだろうか。所得税法172条は、まさにその思い込みを狙い撃ちにする。非居住者でも、日本国内で働いた日数に対応する給料は「国内源泉所得」であり、日本の課税対象になる。ところが支払者が国外にいて日本に事務所を持たない場合、源泉徴収(給料から天引きして会社が代わりに納める仕組み)が働かない。天引きされない代わりに、あなた自身が翌年3月15日までに税務署へ申告書を出し、原則20.42%の所得税を自分で納めなければならない。年の途中で日本を離れるなら、その出国日が締切に前倒しされる。誰も天引きしてくれなかった=納めなくていい、ではない。納税の全責任が、まるごとあなた個人に移っただけだ。
所得税法172条は、非居住者の申告納税義務を定める規定である。国内源泉の給与・報酬(161条1項12号イ・ハ)について源泉徴収の適用を受けない場合、その支払を受けた者は、翌年3月15日(年の中途で国内に居所を有しなくなる場合はその日)までに、170条の税率を適用して計算した所得税額を記載した申告書を税務署長に提出し、その税額を国に納付しなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
原則、日本国内に住所がなく、居所も継続して1年未満の個人を指します。住所・居所の有無で居住者と区別され、課税範囲や税率が大きく変わります。
所得税20%(所得税法170条)に、復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされ、合計20.42%になります。給与所得控除や累進課税は適用されません。
給与総額を国内勤務日数で按分して算定するのが実務です。出張日程表やタイムシートで国内勤務日数を裏付けられるかで税額が動きます。
納税地を所轄する税務署長に提出します。出国して国内に居所がない場合、納税管理人を選任して手続きを行う必要が生じることがあります。
原則の翌年3月15日ではなく、国内に居所を有しないこととなる日(出国日)が期限に前倒しされます。帰任準備で逃すと加算税が上乗せされます。
出国後に日本での税務手続きを代行する者です。国内に居所がなくなり申告・納付の義務が残る場合、税務署への届出とともに選任が求められることがあります。
支払者が国外にあり日本に恒久的施設を持たない場合、日本の源泉徴収義務(212条)が及びません。その徴収の空白を172条の申告納税が埋めます。
退職手当等について選択課税(171条)を選ぶ場合、172条2項に基づき退職手当の総額や既徴収税額を追記して申告します。173条の還付申告に当たる場合は除かれます。
払う義務があります。給料の支払者が誰であれ、日本国内で行った勤務に対応する部分は「国内源泉所得」(所得税法161条1項12号イ)で、日本の課税対象です。支払者が国外にいて源泉徴収がなければ、あなた自身が172条で申告納税します。業界裏話ヒント:課税されるのは日本に滞在した期間ではなく、日本で勤務した分に対応する額。国内勤務日数を給与総額で按分して算定するのが実務で、この日数の記録があるかどうかで税額が大きく動く。出張日程表やタイムシートは捨てずに残す
その考えは高くつきます。期限後でも申告は可能で、税務署の調査が入る前に自主的に出せば無申告加算税が原則5%に軽減されます(国税通則法66条)。調査で指摘されてからだと原則15〜20%。業界裏話ヒント:非居住者が出国後に無申告のままでも、次に日本へ入国・再赴任した際や、日本国内に残した不動産・口座を通じて追徴が及ぶことがある。国を出たから時効ではなく、時効は法定申告期限から5〜7年走り続ける(最新の改正状況をご確認ください)
条約次第です。多くの租税条約には短期滞在者免税(滞在183日以下・報酬を支払う雇用主が非居住者・日本の恒久的施設が給与を負担しない等の条件)があり、満たせば172条の課税自体が消えます(租税条約等の実施に伴う所得税法等の特例等に関する法律)。業界裏話ヒント:免税を受けるには条件を満たすことの立証(滞在日数・雇用主の所在・費用負担の所在)が要る。条約があれば自動で免税ではなく、条件を1つでも外すと満額課税。国ごとに条約内容が違うので、自国と日本の条約本文を必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税の主体・方法 | 172条:本人が自ら申告し納付(源泉徴収の適用なし) | — |
| 税率の根拠 | 170条を適用(原則20%+復興特別2.1%=20.42%) | — |
| 対象所得 | 161条1項12号イ・ハの給与・報酬で源泉徴収を受けない部分 | — |
| 手続きの起点 | 翌年3月15日/出国日までに本人が申告 | — |
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