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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典読了 8 分8 分8 分

法人税法 第60条の3

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  1. 第五十七条の二第一項(特定株主等によつて支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用)に規定する欠損等法人(以下この項及び次項において「欠損等法人」という。)の同条第一項に規定する適用事業年度(以下この項において「適用事業年度」という。)開始の日から同日以後三年を経過する日(その経過する日が同条第一項に規定する支配日以後五年を経過する日後となる場合にあつては、同日)までの期間(当該期間に終了する各事業年度において、第六十二条の九第一項(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)、第六十四条の十一第一項(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)、第六十四条の十二第一項(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)又は第六十四条の十三第一項(第一号に係る部分に限る。)(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)の規定の適用を受ける場合には、当該適用事業年度開始の日からその適用を受ける事業年度終了の日までの期間。以下この項及び次項において「適用期間」という。)において生ずる特定資産(当該欠損等法人が当該支配日の属する事業年度開始の日において有する資産及び当該欠損等法人が当該適用事業年度開始の日以後に行われる第五十七条の二第一項に規定する他の者を分割法人若しくは現物出資法人とする適格分割若しくは適格現物出資又は同項第三号に規定する関連者を被合併法人、分割法人、現物出資法人若しくは現物分配法人とする適格組織再編成等(適格合併若しくは適格合併に該当しない合併で第六十一条の十一第一項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の適用があるもの、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配をいう。以下この条において同じ。)により移転を受けた資産のうち、政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由(以下この項において「譲渡等特定事由」という。)による損失の額として政令で定める金額(当該譲渡等特定事由が生じた日の属する事業年度の適用期間において生ずる特定資産の譲渡、評価換えその他の事由による利益の額として政令で定める金額がある場合には、当該金額を控除した金額。第三項において「譲渡等損失額」という。)は、当該欠損等法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
  2. 2.欠損等法人がその適用期間内に自己を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人とする適格組織再編成等によりその有する特定資産(第五十七条の二第一項に規定する評価損資産に該当するものに限る。)を当該適格組織再編成等に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(以下この条において「合併法人等」という。)に移転した場合には、当該合併法人等を前項の規定の適用を受ける欠損等法人とみなして、この条の規定を適用する。
  3. 3.前項の合併法人等が適格組織再編成等により移転を受けた特定資産に係る譲渡等損失額の計算その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点法人税法60条の3は、欠損等法人が支配日時点で保有していた特定資産を適用期間内に譲渡・評価換え・除却して生じた損失を損金不算入とする規定。適用期間は原則3年である。

Q · 赤字会社を買収して、その会社が持っていた含み損の資産を売れば節税できますか?

買収から原則3年は、その売却損を損金にできません

法人税法60条の3により、欠損等法人が支配日の属する事業年度開始の日に有していた特定資産を、適用期間(適用事業年度開始の日から3年、ただし支配日から5年を経過する日まで)内に譲渡・評価換え・貸倒れ・除却した場合、そこから生じた譲渡等損失額は損金の額に算入されません。同一事業年度の適用期間内に生じた特定資産の利益がある場合は、これを控除した純額が対象となります。適用期間の満了後に処分すれば通常どおり損金算入できるため、処分時期の管理が実務上の分かれ目になります。

解説

累積赤字と含み損を抱えた会社を安く買い取り、その損失であなたの本業の黒字を消す。会計の裏技のように語られるこの節税は、二重の網で封じられている。一つ目の網が57条の2で、買った会社の繰越欠損金を使わせない。そして60条の3が二つ目の網だ。買収した欠損等法人が、支配権が移った事業年度の開始時点で持っていた資産(含み損のある土地、株式、債権など)を、買収後に売却・評価減・貸倒れ・除却しても、そこから出た損失は損金に算入できない。適用期間はおおむね3年(適用事業年度開始から3年、ただし支配日から5年を超えない範囲)。つまり、赤字会社を買って含み損資産を吐き出させて節税する、という王道スキームの出口を塞ぐ条文である。あなたがM&Aで赤字会社を検討しているなら、この一条を見落とした瞬間、想定していた税務メリットが丸ごと蒸発する。

法的な位置づけ

法人税法60条の3は、欠損等法人の特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入を定める規定である。特定資産とは、欠損等法人が支配日の属する事業年度開始の日に有する資産および適用事業年度開始の日以後の適格分割・適格現物出資等により移転を受けた資産のうち政令で定めるものをいう。57条の2の繰越欠損金制限と対をなす租税回避防止措置として機能する。

よくある質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1欠損等法人とは何ですか?

法人税法57条の2第1項に定める、特定株主等に支配された後に旧事業の廃止や規模の急拡大など一定の事由が生じた法人です。この認定を受けると繰越欠損金の使用と含み損資産の損失計上が同時に制限されます。

Q2法人税法60条の3の適用期間はいつからいつまでですか?

適用事業年度開始の日から3年を経過する日までです。ただしその日が支配日から5年を経過する日より後になる場合は、支配日から5年を経過する日で打ち切られます。二重の枠がかかる点が要注意です。

Q3特定資産の含み益と含み損は相殺できますか?

できます。譲渡等特定事由が生じた日の属する事業年度の適用期間内に、特定資産の譲渡・評価換え等による利益として政令で定める金額があれば、それを控除した純額が損金不算入の対象になります。

Q457条の2と60条の3はどちらか一方だけ適用されますか?

両方が同時に適用されます。57条の2が繰越欠損金の使用を封じ、60条の3が含み損資産の損失計上を封じます。繰越欠損金を諦めても60条の3は別枠で効いてくるため、片方だけの検討では足りません。

Q5グループ通算制度に加入すると適用期間はどうなりますか?

本条1項の括弧書きにより、64条の11から64条の13の時価評価損益の規定の適用を受ける事業年度があれば、適用期間はその事業年度終了の日で打ち切られます。3年を待たずに終期が前倒しされる仕組みです。

Q6買収後に新しく取得した資産も特定資産になりますか?

原則は支配日の属する事業年度開始の日に有していた資産が対象です。ただし適用事業年度開始の日以後に、他の者や関連者を分割法人等とする適格組織再編成等により移転を受けた資産のうち政令で定めるものも含まれます。

Q7赤字会社の買収は税務調査で狙われますか?

支配権移転の日付と、その後の資産処分損の計上時期を突き合わせるだけで判定できるため、確認されやすい論点です。支配日・適用期間・特定資産の三点を示す資料を買収時点から保存しておくことが実務上重要です。

Q8損金不算入になった損失は将来使えますか?

本条は当該事業年度の所得計算上、損金の額に算入しないと定めるものです。取扱いの詳細は政令に委任されているため、繰越や取得価額への反映の有無を含め、必ず現行の政令および通達を確認してください。

この条文についての質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1赤字の会社を買って、その赤字で自分の会社の黒字を消すのって、そもそも違法なんですか?

違法ではありません。買収も損失の活用も適法です。ただし57条の2と60条の3が、支配権移転後に旧事業の廃止や規模の急拡大など一定の事由があると、繰越欠損金の使用と含み損資産の損失の損金算入を封じます。業界裏話ヒント:発動するかは「支配後に何をしたか」で決まります。買っただけなら網にかからないこともある。だから買収目的を『損失取り込み』一色にせず、事業上の合理性を書面で残すのが実務の鉄則です

Q2含み損のある資産だけを別のグループ会社に移せば、この制限は逃げられますよね?

逃げられません。60条の3第2項が、適格組織再編成で特定資産(評価損資産に限る)を移転した場合、移転先の合併法人等を欠損等法人とみなして同じ損金不算入を適用します。業界裏話ヒント:2項は資産を動かして網を逃れる典型スキームを狙い撃ちにした条文です。資産を移した瞬間、制限もセットで移転先へ引き継がれる。組織再編で回避を狙うほど、税務調査では逆に目立ちます

Q3適用期間が過ぎれば、含み損資産を売った損は普通に損金にできますか?

できます。60条の3の損金不算入は適用期間(適用事業年度開始から3年、支配日から5年以内)に生じた損失に限られ、期間満了後の譲渡損は通常どおり損金算入できます。業界裏話ヒント:だから実務では『あと何日で適用期間が明けるか』を逆算し、含み損資産の処分をその翌日以降にずらします。たった数日の差で数千万円の税負担が動くので、満了日はカレンダーに赤字で書き込むのが定石です

間違えやすい点 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

  • 「繰越欠損金さえ使わなければ大丈夫」と考える買い手は多いが、57条の2をクリアしても60条の3は別枠で効いてくる。繰越欠損金を諦めても、買収時に会社が抱えていた含み損資産の売却損まで損金不算入になる。二つの規定は連動しているようで、独立して襲ってくる
  • 「含み損資産を子会社に移してしまえば欠損等法人の縛りから外れる」という問いの立て方そのものが誤っている。2項は、適格組織再編成でその特定資産(評価損資産)を移転した先の法人を欠損等法人とみなす。資産を動かしても、網は資産にくっついて追いかけてくる
  • 適用期間が「3年」と聞いて短いと感じる人がいるが、深刻なのはその計算の起算点だ。適用事業年度開始の日から3年、しかも支配日から5年を超えない範囲という二重の枠がかかる。買収から売却までのタイミングを一日単位で管理しないと、損金算入できたはずの損失が期間の壁の内側で消える
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封じる対象60条の3:欠損等法人が支配日時点で持つ特定資産の含み損(譲渡等損失額)
発動の入口57条の2第1項の欠損等法人に該当すること(支配 + 旧事業廃止等の一定事由)
期間制限適用事業年度開始から3年、かつ支配日から5年以内(時価評価適用時は前倒し)
資産を動かした場合2項により移転先の合併法人等を欠損等法人とみなし、制限がそのまま引き継がれる

想定される場面と対応 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

こんなときに使う

  • あなたのグループが、累積赤字10億円と含み損のある不動産を持つ同業他社を株式取得で子会社化した。狙いは損失の取り込み。だが支配後に旧事業を廃止し規模を急拡大させると、57条の2で繰越欠損金が封じられ、さらに60条の3で買収時から持っていた不動産の売却損まで損金にできない。エクセルで弾いた節税額がゼロになる
  • もし、買収した子会社の含み損株式を、支配日から2年目に売却して損失計上したら? 適用期間内なので、その譲渡損は損金不算入。決算期末まであと1か月、含み損の実現処理を急ぐほど、税務上は一円も損金にならない罠に自分から飛び込むことになる
  • 税務調査官が過去3年の子会社株式の異動を洗い出す。支配権移転の日付と、その後の資産売却損の計上時期を突き合わせる。日付が噛み合えば、否認は一瞬だ
  • 赤字会社を直接使うのを避け、その含み損資産だけを適格分割で別のグループ会社に移した。これで網を逃れたと思ったら、2項が待っている。移転先の合併法人等が欠損等法人とみなされ、同じ損金不算入がそっくり引き継がれる
  • 再生ファンドが債務超過企業を取得し、ターンアラウンド後に不採算資産を処分する計画を立てた。ところがその処分損が適用期間中は損金にならず、投資回収の前提が崩れる。買収価格の算定にこの制限を織り込んでいたかどうかで、ディールの成否が変わる

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

事実サマリー

以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。

  1. 法人税法第60条の3は、日本の法人税法に含まれる条文です。
  2. 法人税法第60条の3の条文原文は「第五十七条の二第一項(特定株主等によつて支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用)に規定する欠損等法人(以下この項及び次項において「欠損等法人」という。」で始まります。
  3. 法人税法第60条の3は第十目に置かれています。
  4. 法人税法の公布日は昭和40年3月31日です。
  5. 法人税法第60条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。