要点法人税法 60 条の 2 は、協同組合等が決算確定時に決議した事業分量配当・従事分量配当を損金に算入できると定める。出資口数に比例する出資配当は損金にならない。
Q · 協同組合が組合員に配る配当は、経費(損金)で落とせるんですか?
利用・従事分量分は決議すれば損金になります
法人税法 60 条の 2 により、協同組合等が組合員に対し「事業を利用した分量」または「事業に従事した程度」に応じて分配する金額は、当該事業年度の所得計算上、損金に算入できます。ただし条件として、決算確定の時に「支出すべき旨」を決議している必要があります。出資口数に比例して配る出資配当は利益処分であり損金になりません。決議のタイミングを一つ外すと、同じ金額を配っても損金算入が認められず、課税所得としてまるごと残ります。
あなたが農協や信用金庫、事業協同組合の経理を任されているとする。決算で黒字が出た。株式会社なら、この利益を配当に回しても経費にはならず、法人税を払った後の残りから配るしかない。ところが協同組合等には別ルートがある。組合員がその年に事業をどれだけ利用したか(利用分量)、またはどれだけ事業に従事したか(従事分量)に応じて配る金額は、法人税法60条の2により損金、つまり経費として所得から差し引ける。出資口数に比例して配る「普通の配当」は損金にならないが、利用や労働への対価として配るこの二種類だけは経費で落ちる。理由は、協同組合が営利ではなく組合員の相互扶助のための組織であり、利用高への配分は実質的に価格の割戻しだと法が見ているからだ。ただし条件が一つある。決算確定のときに「支出すべき」と決議していなければならない。ここを外すと、同じ金額を配っても損金にならず、課税所得がまるごと残る。
法人税法 60 条の 2 は、協同組合等の損金算入特例を定める規定である。組合員が事業を利用した分量に応じて分配する事業分量配当、および事業に従事した程度に応じて分配する従事分量配当について、決算確定の時に支出を決議した金額を、当該事業年度の所得計算上、損金の額に算入できる旨を規定する。出資口数に比例する出資配当はその対象外である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
組合員が組合の事業を利用した分量(取扱数量・価額など)に応じて分配する配当です。価格の割戻しと見て、法人税法 60 条の 2 第 1 号により組合の損金に算入できます。
組合員が事業に従事した程度に応じた分配であること、および決算確定の時に「支出すべき旨」を決議していることが要件です(60 条の 2 第 2 号)。
当該事業年度の決算確定の時までに決議する必要があります。決算確定後に決議しても、その年度の損金には算入できません。
出資口数に比例する分は出資配当で損金不算入、利用・従事の分量に応じる分は損金算入です。帳簿と議事録で配分基準を明確に区分しておく必要があります。
従事した程度に応じた分配であれば 60 条の 2 第 2 号により損金に算入できます。ただし受け取る組合員側の課税区分(事業所得・雑所得等)も同時に設計が必要です。
組合側で損金となる一方、受け取る組合員側では事業所得または雑所得等になります。計上を漏らすと組合の損金届出額と突き合わされ、申告漏れを指摘されます。
当該事業年度の損金には算入できません。同じ金額を配っても損金にならず、配当額まるごとが課税所得として残ります。決算スケジュールとの連動が不可欠です。
出資口数に比例する配当は利益の処分であり、価格の割戻しや労働の対価という実質を持たないためです。株式会社の配当と同じく損金不算入となります。
半分本当です。協同組合等は税率自体が普通法人より低く(法人税法66条、原則19%)、さらに60条の2で利用分量配当・従事分量配当を損金に落とせるので、課税所得そのものを圧縮できます。二段構えで軽くなる仕組みです。業界裏話ヒント:この優遇は「相互扶助のための非営利組織」という建前が前提。株式会社のように出資配当を厚くしすぎると、その分は損金にならず優遇の外に出る。優遇を活かすには配当の設計思想を組合の本旨に沿わせる必要がある
普通の配当は出資口数(いくら出資したか)に比例して配るもので、これは利益処分なので損金になりません。利用分量配当はその年に組合の事業をどれだけ使ったかに応じて配るもので、価格の割戻しと見て損金算入できます(60条の2第1号)。同じ『配当』でも税務上は別物です。業界裏話ヒント:帳簿で両者を明確に区分していないと、税務調査で利用分量配当まで『利益処分』とみなされ損金否認される。区分経理そのものが損金確保の生命線
一概には言えません。企業組合や労働者協同組合では、組合員の働きに応じた分配を従事分量配当(60条の2第2号)として組合の損金にできますが、受け取る組合員側では給与所得ではなく事業所得・雑所得等になり、社会保険や必要経費の扱いが変わります。業界裏話ヒント:給与にすると源泉徴収や社会保険料の事業主負担が生じるが、従事分量配当だとその設計が変わる。どちらが有利かは組合員の人数や所得規模で逆転するため、制度を選べること自体が知られていない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 法人税法 60 条の 2:事業分量・従事分量配当の損金算入特例 | — |
| 適用対象 | 協同組合等(農協・信金・事業協同組合等) | — |
| 税負担への効果 | 分量配当分だけ課税所得を減額 | — |
| 主な要件 | 決算確定時の支出決議+利用・従事分量に応じた配分 | — |
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