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法人税法 第62条の7(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)

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  1. 内国法人と支配関係法人(当該内国法人との間に支配関係がある法人をいう。)との間で当該内国法人を合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人とする特定適格組織再編成等(適格合併若しくは適格合併に該当しない合併で第六十一条の十一第一項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の適用があるもの、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配のうち、第五十七条第四項(欠損金の繰越し)に規定する共同で事業を行うための適格組織再編成等として政令で定めるものに該当しないものをいう。以下この条において同じ。)が行われた場合(当該内国法人の当該特定適格組織再編成等の日(当該特定適格組織再編成等が残余財産の全部の分配である場合には、その残余財産の確定の日の翌日)の属する事業年度(以下この項において「特定組織再編成事業年度」という。)開始の日の五年前の日、当該内国法人の設立の日又は当該支配関係法人の設立の日のうち最も遅い日から継続して当該内国法人と当該支配関係法人との間に支配関係がある場合として政令で定める場合を除く。)には、当該内国法人の当該特定組織再編成事業年度開始の日から同日以後三年を経過する日(その経過する日が当該内国法人が当該支配関係法人との間に最後に支配関係を有することとなつた日以後五年を経過する日後となる場合にあつては、その五年を経過する日)までの期間(当該期間に終了する各事業年度において第六十二条の九第一項(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)、第六十四条の十一第一項(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)、第六十四条の十二第一項(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)又は第六十四条の十三第一項(第一号に係る部分に限る。)(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)の規定の適用を受ける場合には、当該特定組織再編成事業年度開始の日からその適用を受ける事業年度終了の日までの期間。第六項において「対象期間」という。)において生ずる特定資産譲渡等損失額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
  2. 2.前項に規定する特定資産譲渡等損失額とは、次に掲げる金額の合計額をいう。
  3. 前項の内国法人が同項の支配関係法人から特定適格組織再編成等により移転を受けた資産(棚卸資産、当該特定適格組織再編成等の日における帳簿価額が少額であるものその他の政令で定めるものを除く。)で当該支配関係法人が当該内国法人との間に最後に支配関係を有することとなつた日(次号において「支配関係発生日」という。)の属する事業年度開始の日前から有していたもの(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この号において「特定引継資産」という。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由による損失の額として政令で定める金額の合計額から特定引継資産の譲渡、評価換えその他の事由による利益の額として政令で定める金額の合計額を控除した金額
  4. 前項の内国法人が有する資産(棚卸資産、特定適格組織再編成等の日の属する事業年度開始の日における帳簿価額が少額であるものその他の政令で定めるものを除く。)で支配関係発生日の属する事業年度開始の日前から有していたもの(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この号において「特定保有資産」という。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の事由による損失の額として政令で定める金額の合計額から特定保有資産の譲渡、評価換えその他の事由による利益の額として政令で定める金額の合計額を控除した金額
  5. 3.前二項の規定は、支配関係がある被合併法人等(被合併法人、分割法人及び現物出資法人をいう。以下この項において同じ。)と他の被合併法人等との間で法人を設立する特定適格組織再編成等が行われた場合(当該特定適格組織再編成等の日の五年前の日、当該被合併法人等の設立の日又は当該他の被合併法人等の設立の日のうち最も遅い日から継続して当該被合併法人等と当該他の被合併法人等との間に支配関係がある場合として政令で定める場合を除く。)について準用する。この場合において、第一項中「には、当該内国法人」とあるのは「には、当該特定適格組織再編成等により設立された内国法人」と、「当該内国法人が当該支配関係法人」とあるのは「第三項に規定する被合併法人等が他の被合併法人等」と、前項第一号中「同項の支配関係法人から特定適格組織再編成等」とあるのは「特定適格組織再編成等に係る次項に規定する被合併法人等(次号に規定する他の被合併法人等を除く。)から当該特定適格組織再編成等」と、「当該支配関係法人が当該内国法人」とあるのは「当該被合併法人等が当該他の被合併法人等」と、同項第二号中「有する資産(棚卸資産、」とあるのは「特定適格組織再編成等に係る次項に規定する他の被合併法人等から当該特定適格組織再編成等により移転を受けた資産(棚卸資産、当該」と、「の属する事業年度開始の日における」とあるのは「における」と、「支配関係発生日」とあるのは「当該他の被合併法人等が支配関係発生日」と読み替えるものとする。
  6. 4.第一項に規定する支配関係法人又は前項に規定する被合併法人等が特定適格組織再編成等の直前において第六十条の三第一項(特定株主等によつて支配された欠損等法人の資産の譲渡等損失額)に規定する欠損等法人(次項及び第六項において「欠損等法人」という。)であり、かつ、当該特定適格組織再編成等が同条第一項に規定する適用期間内に行われるものであるときは、第一項の内国法人が当該支配関係法人又は当該被合併法人等から当該特定適格組織再編成等により移転を受けた資産については、当該特定適格組織再編成等に係る同項(前項において準用する場合を含む。第六項において同じ。)の規定は、適用しない。
  7. 5.第一項の内国法人が欠損等法人であり、かつ、特定適格組織再編成等が第六十条の三第一項に規定する適用期間内に行われるものであるときは、当該内国法人が有する資産については、当該特定適格組織再編成等に係る第一項の規定は、適用しない。
  8. 6.第一項の内国法人が特定適格組織再編成等後に欠損等法人となり、かつ、第六十条の三第一項に規定する適用期間が開始したときは、対象期間は、同項に規定する適用期間開始の日の前日に終了するものとする。
  9. 7.第一項の内国法人について特定適格組織再編成等後に第六十四条の九第一項(通算承認)の規定による承認の効力が生じ、かつ、第六十四条の十四第一項(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)に規定する適用期間が開始したときは、当該適用期間開始の日以後に開始する事業年度においては、当該特定適格組織再編成等に係る第二項第二号に掲げる金額は、ないものとする。
  10. 8.第一項に規定する特定資産譲渡等損失額から控除することができる金額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点法人税法62条の7は、支配関係5年未満で行う共同事業性のない適格組織再編成等について、引き継いだ含み損資産等の譲渡損失を損金不算入とする。5年超の継続支配なら適用外となる。

Q · 含み損を抱えた子会社を合併したら、その損は自社の黒字と相殺できる?

支配関係が5年未満なら損金にできません

法人税法62条の7により、支配関係のある法人と共同事業性のない適格合併・分割・現物出資等(特定適格組織再編成等)を行った場合、再編事業年度開始日から3年(支配関係発生から5年を経過する日が後ならその5年目まで)に生じる含み損資産の譲渡損失等は損金不算入となります。ただし、設立日または支配関係発生日から継続して5年を超えて支配していれば適用されず、含み損を自由に損金算入できます。カギは含み損の大きさではなく「支配関係がいつ始まったか」です。

解説

赤字会社や含み損を抱えた会社を買って合併し、その損失で自社の黒字を相殺する。かつては節税の王道だったこの手法に、法人税法62条の7が正面から蓋をした。支配関係のある会社を「特定適格組織再編成等」(共同事業性のない、身内同士の適格合併・分割・現物出資・現物分配)で取り込んだ場合、一定期間に生じる「特定資産譲渡等損失額」を損金に算入させない。勝負を分けるのは支配関係が5年続いているかどうか。設立の日、または支配関係の発生から5年を超えて支配が続いていれば、この規制はまるごと外れる。逆に、5年に満たない駆け込みの買収・再編でその会社の含み損資産を売れば、その損は税務上なかったことにされる。しかも狙われるのは相手から引き継いだ資産(特定引継資産)だけではない。合併法人であるあなた自身が元々持っていた含み損資産(特定保有資産)も対象だ。制限期間は再編事業年度の開始日から3年、支配関係発生から5年を超える場合はその5年目まで。あなたが再編のスキームを描くとき、真っ先に確認すべきは「いつから支配していたか」の一点である。

法的な位置づけ

法人税法62条の7は特定資産譲渡等損失額の損金不算入を定める規定であり、支配関係にある法人との共同事業性のない適格組織再編成等において、相手から引き継いだ特定引継資産および再編法人が支配関係発生前から保有していた特定保有資産に生じる譲渡・評価換え・貸倒れ・除却等の損失を、一定の制限期間内は所得計算上損金に算入させない。

よくある質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1特定資産譲渡等損失額とは何ですか?

支配関係発生前から保有していた資産(特定引継資産・特定保有資産)の譲渡・評価換え・貸倒れ・除却による損失から利益を差し引いた金額です。制限期間内はこれが損金不算入となります(法人税法62条の7第2項)。

Q2特定適格組織再編成等とは何を指しますか?

支配関係法人との適格合併・適格分割・適格現物出資・適格現物分配等のうち、共同事業性のない身内同士の再編を指します。共同事業要件(57条4項)を満たす再編はこの規制の対象外です。

Q3支配関係5年ルールの起算日はいつですか?

再編事業年度開始日の5年前の日、内国法人の設立日、支配関係法人の設立日のうち最も遅い日から継続して支配関係があるかで判定します。両社が生まれてから身内なら規制対象外です。

Q4制限期間は具体的に何年間ですか?

再編事業年度開始日から3年です。ただしその3年経過日が支配関係発生から5年経過日より前になる場合は、5年を経過する日まで延びます(62条の7第1項)。

Q5特定引継資産と特定保有資産の違いは?

特定引継資産は相手法人から再編で引き継いだ含み損資産、特定保有資産は再編法人が支配関係発生前から自ら保有していた含み損資産です。矢は両側から飛んできます。

Q6グループ通算制度に入ると62条の7はどうなりますか?

通算加入後は64条の14という同型規制が起動します。通算承認の効力発生後は62条の7の特定保有資産分(第2項第2号)は「ないもの」とされ、64条の14へ引き継がれます(62条の7第7項)。

Q7非適格再編なら62条の7は適用されますか?

適用されません。非適格再編では資産が時価で引き継がれ含み損はその場で精算されるため、この3年〜5年の縛りは付きません。適格の恩恵と引き換えの制約です。

Q8欠損等法人だとこの規制はどう変わりますか?

相手法人や再編法人が60条の3の欠損等法人で適用期間内の再編なら、引き継ぎ資産や保有資産について62条の7は適用されず、欠損等法人ルール側で処理されます(62条の7第4項・第5項)。

この条文についての質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1赤字の子会社を吸収合併すれば、繰越欠損金も含み損も全部使えますよね?

分けて考える必要があります。繰越欠損金の引継ぎには57条3項・4項の別の制限(みなし共同事業要件など)がかかり、資産の含み損にはこの62条の7がかかります。両方とも支配関係5年ルールが軸です。業界裏話ヒント:実務家は「欠損金の壁」と「含み損の壁」を二枚の別々の関門として設計します。片方だけクリアして安心すると、もう片方で損金を落とされる。両方を同じ支配関係のカレンダー上に並べて初めて全体が見える

Q2その5年って、いったいどの日から数えるんですか?

内国法人の設立日、相手法人の設立日、そして再編事業年度開始日の5年前の日、この三つのうち最も遅い日から継続して支配関係があるかで判定します(62条の7第1項)。要は、両社が生まれてからずっと身内なら最初から規制対象外ということです。業界裏話ヒント:グループ内で会社を新設してから再編すると、その新設日が起算点になり5年を稼げないことが多い。器を先に作るスキームほど、この起算日で足をすくわれる

Q3含み損の資産を売らずに持っているだけなら、セーフですか?

セーフです。損金不算入が発動するのは譲渡・評価換え・貸倒れ・除却など損失が実現する事由が起きたときで(62条の7第2項)、保有しているだけでは損は出ません。制限期間さえ過ぎれば売却して損金算入できます。業界裏話ヒント:だからこそ実務では「3年(または5年)待って売る」という時間差スキームが組まれる。急いで実現させると消える損が、待つだけで生き返る。焦って売った側だけが損をする構造です

間違えやすい点 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

  • 「適格再編なら課税を繰り延べられてスムーズだから、含み損も当然自由に使える」と思われがちだが、実は逆。適格だからこそこの規制がかかる。非適格再編なら資産は時価で引き継がれて含み損もその場で精算される代わりに、この3年から5年の縛りは付かない。適格の恩恵と引き換えに背負う制約だ
  • 「気をつけるのは相手から引き継いだ資産だけ」というのは半分正しいが、深刻度を見落としている。合併法人・受入法人である自社が支配関係発生前から持っていた含み損資産(特定保有資産)も同じ土俵に乗る。相手の帳簿だけ精査して安心すると、自社側から損金を落とされる
  • 「経済的に正当な事業統合なのだから否認されるはずがない」とあなたは考える。だが法律の目線は違う。支配関係が5年未満というだけで、動機や事業実態を問わず形式的に租税回避の疑いをかける。あなたの見る『正当な統合』と、法律の見る『含み損の付け替え』の落差が、否認という形で牙を剥く
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封じる対象62条の7:資産の含み損(特定資産譲渡等損失額)
判定の軸支配関係5年 + 共同事業性の有無
制限期間再編事業年度開始日から3年(5年経過日が後ならその日まで)
通算移行時の連動64条の14へ引き継ぎ(62条の7第7項)

想定される場面と対応 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

こんなときに使う

  • 業績不振の完全子会社を吸収合併し、遊休の工場用地に眠る含み損を一気に実現させて本体の黒字と相殺しようとした。だが支配関係が始まったのは3年前。その売却損は損金不算入となり、税務調査で丸ごと否認された。あなたが見ていたのは資産の含み損だけで、支配関係のカレンダーではなかった
  • もし決算期末まであと2ヶ月、支配関係発生からちょうど5年目が目前だとしたら? 再編の実行日を数ヶ月だけ後ろ倒しにするだけで、数千万円の含み損が使えるか消えるかが切り替わる。前倒しした瞬間、その損は永遠に税務上消える
  • 適格分割で受け入れた機械設備を売却して損が出た。ところがその設備は、分割元が支配関係の発生前から保有していたもの。特定引継資産に当たり、損金にならない
  • 買収した側が油断していた。相手から引き継いだ資産にだけ気を配っていたら、合併法人である自社がもともと保有していた含み損の有価証券の売却損まで特定保有資産として否認された。矢は両側から飛んでくる
  • 含み損を抱えた事業を再編で取り込んだ翌年、グループ通算制度に加入した。すると今度は64条の14という別の同型規制が起動し、二重の網にかかった。再編とグループ再構築を続けざまに走らせた設計に、落とし穴が二つ埋まっていた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

事実サマリー

以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。

  1. 法人税法第62条の7(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)は、日本の法人税法に含まれる条文です。
  2. 法人税法第62条の7の条文原文は「内国法人と支配関係法人(当該内国法人との間に支配関係がある法人をいう。」で始まります。
  3. 法人税法第62条の7は第六款に置かれています。
  4. 法人税法の公布日は昭和40年3月31日です。
  5. 法人税法第62条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。