要点法人税法62条の6は、分割対価資産の一部のみを株主等に交付する会社分割を、分割型分割と分社型分割の双方が同時に行われたものとみなす規定である。
Q · 会社分割で対価を一部だけ株主に渡すと、税金の扱いはどうなるの?
分割型と分社型の双方が起きたものとみなされます
法人税法62条の6により、分割対価資産の一部のみを株主等に交付する分割は、分割型分割と分社型分割の双方が同時に行われたものとみなされます。株主に渡した部分は分割型分割としてみなし配当課税(法人税法24条・所得税法25条)の対象になり、会社に残した部分は分社型分割として株主課税が生じません。区分は自分で選べず、対価の交付先と割合という客観的事実で自動的に決まります。適格・非適格の判定も部分ごとに行われるため、部分非適格で含み益が時価課税されるリスクがあります。
会社分割で新会社の株式などの対価を受け取ったとき、それを株主に配るか、会社に残すかで税務の世界はまったく別の顔を見せる。全部株主に渡せば分割型分割、全部会社に残せば分社型分割。ところが一部だけ株主に渡したら? 法人税法62条の6は、この中途半端な分割を『分割型分割と分社型分割が同時に起きた』とみなす。なぜこれが効くのか。分割型分割は株主にみなし配当課税を発生させ、分社型分割は発生させない。つまり対価の配り方一つで、株主が税金を払う側に回るかどうかが決まる。さらに二社以上が共同で新会社を作る分割では、各社の対価の扱いごとに別々の分割が起きたとみなされ、一社ずつ課税関係を切り分けて計算する。組織再編を設計する側が最初に握るべきレバーが、ここにある。
法人税法62条の6は会社分割の区分に関するみなし規定である。分割対価資産の一部のみを株主等に交付する分割は、分割型分割と分社型分割の双方が同時に行われたものとみなされる。また二以上の法人を分割法人とする新設分割では、各分割法人の対価の交付状況に応じて、会社ごとに分割型分割・分社型分割・その双方が行われたものとみなして課税関係を切り分ける。
対価である新会社株式などを株主等に交付する会社分割です。法人税法2条12号の9が定義し、株主にみなし配当課税が生じ得る点が分社型との決定的な違いです。
分割対価を分割法人(会社)に交付し株主に渡さない会社分割です。法人税法2条12号の10が定義し、原則として株主のみなし配当課税は生じません。
分割型分割で株主が新会社株式などの交付を受けたとき、現金の授受がなくてもみなし配当として課税されます(法人税法24条・所得税法25条)。
支配関係の継続や事業の移転など一定要件を満たすと適格分割となり、資産を帳簿価額で引き継げます。62条の6のみなし分割は適格判定を部分ごとに行います。
二以上の法人が共同で新会社を設立する会社分割です。法人税法62条の6第2項で、各分割法人の対価の扱いごとに別々の分割とみなして課税します。
分割型分割に区分されると、対価が会社を通じて株主に渡ったと構成され、みなし配当課税が株主個人に生じます。現金を受け取っていなくても課税され得ます。
選べません。対価の交付先と割合という客観的事実で自動的に決まります。一部でも株主に渡せば、その部分は分割型分割として扱われます。
一部交付のみなし分割で、片方の分割だけが非適格になる状態です。非適格部分の含み益が時価課税されるため、全体を適格と思い込むと想定外の税額が出ます。
対価が株主に渡るか(分割型、法人税法2条12号の9)会社に残るか(分社型、同12号の10)の違いですが、効果は劇的だ。分割型は株主にみなし配当課税(法人税法24条、個人は所得税法25条)を発生させ、分社型は発生させない。業界裏話ヒント:多くの中小オーナーは『現金をもらっていないのに配当課税?』と驚く。みなし配当は現金の授受ではなく税法上の擬制で、株式が株主に渡った事実だけで課税が動く。対価の交付先を決める前に区分を確認しないと、申告時に予想外の税額が出る
二重課税ではなく、対価のうち株主に渡した部分は分割型分割、会社に残した部分は分社型分割として、それぞれの規定(法人税法62条の2、62条の3)で別々に計算するという意味だ。業界裏話ヒント:この分割みなしは適格・非適格の判定も部分ごとに行うため、片方だけ非適格になって含み益が時価課税される『部分非適格』のリスクがある。全部まとめて適格だと思い込んでいると、調査で一部だけ課税されて足元をすくわれる
共同新設分割では各分割法人の対価の扱いがばらばらになりうるため、法人税法62条の6第2項は会社ごとに分割型・分社型・その双方に区分してみなす。業界裏話ヒント:共同で新会社を作るとき、相手方が対価を株主に配る設計にしていると、自社が分社型のつもりでも全体の課税関係が複雑化する。共同分割では相手の対価設計まで確認しないと、自社の株主課税を読み違える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対価の交付先 | 一部のみ株主 → 分割型と分社型の双方とみなす(62条の6) | — |
| 株主のみなし配当 | 株主交付部分に発生、会社残部は不発生 | — |
| 帳簿価額の扱い | 部分ごとに適格判定して引継ぎ/譲渡 | — |
| 根拠条文 | 法人税法62条の6 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。