要点法人税法62条の5は、残余財産の分配による資産移転を時価譲渡とみなして課税する。ただし完全支配関係にある内国法人間の適格現物分配なら、帳簿価額で引き継ぎ課税が繰り延べられる。
Q · 会社を解散して残った不動産をそのまま渡すだけなのに、税金がかかるんですか?
原則は時価で売ったとみなして課税。100%グループ内なら繰延べ
かかります。法人税法62条の5第1項・2項により、残余財産の分配又は引渡しで資産を移転するときは、残余財産の確定の時の時価で譲渡したものとみなされ、譲渡利益額・譲渡損失額が確定日の属する事業年度の益金又は損金に算入されます。現金が一円も入らなくても含み益に法人税が発生します。ただし3項により、完全支配関係にある内国法人間の適格現物分配・適格株式分配であれば、直前の帳簿価額による譲渡として課税は繰り延べられ、4項で受け取る側の収益も益金不算入となります。
長年続けた会社をたたむと決めた。残った不動産を自分名義に移すだけ、そう思っていたら税理士から「それ、時価で売ったことになりますよ」と言われる。これが法人税法62条の5の世界だ。1項と2項は、会社が解散して残余財産(不動産や有価証券)を株主その他の者に現物で渡すとき、その資産を残余財産確定時の時価で譲渡したものとみなし、含み益に法人税を課す。ただ渡すだけなのに、売ったのと同じ課税だ。ところが3項が抜け道を用意する。100%の完全支配関係にある内国法人グループ内での「適格現物分配」なら、時価ではなく帳簿価額で引き継ぎ、課税を繰り延べる。4項では受け取った側の収益も益金に入れない。つまり同じ現物分配でも、100%グループ内か外かで、課税されるかどうかが正反対になる。この一点を知らずに解散すると、最後に含み益への課税が牙をむく。
法人税法62条の5は、内国法人の残余財産の分配及び現物分配に係る資産移転の課税を定める規定である。原則として残余財産の確定の時の価額による譲渡とみなし、譲渡利益額又は譲渡損失額を当該事業年度の益金又は損金に算入する。適格現物分配及び適格株式分配の場合は直前の帳簿価額による譲渡とし、被現物分配法人が受ける収益も益金に算入しない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
金銭以外の資産を株主等に交付することです。剰余金の配当や残余財産の分配を、現金ではなく不動産や有価証券そのもので行う場合を指します。法人税法62条の5が課税関係を定めています。
清算手続で債務の弁済等を終え、株主に分配すべき財産の内容と金額が確定した時点です。この日の時価で譲渡損益が計算され、確定日の属する事業年度の所得に算入されます。
残余財産の確定の日の翌日から1か月以内です。ただしその期間内に最後の分配が行われる場合は、その分配の前日までに申告します(法人税法74条)。最新の改正状況をご確認ください。
いわゆるスピンオフです。完全子法人の株式全部を株主に現物分配し、一定要件を満たすものをいいます。62条の5第3項により帳簿価額での譲渡とされ、課税が繰り延べられます。
なります。62条の5第5項が、残余財産の確定の日の属する事業年度に係る地方税法の事業税額と特別法人事業税額を、その事業年度の損金に算入すると明文で定めています。
なりません。適格現物分配は完全支配関係にある内国法人を被現物分配法人とする場合に限られます。外国法人が受け手に入ると非適格となり、時価譲渡として含み益に課税されます。
62条の5第6項により政令で定められます。適格現物分配であれば交付法人の帳簿価額を引き継ぐのが基本で、非適格であれば時価が取得価額となります。政令の現行条番号は要確認です。
されます。1項・2項は残余財産の分配の場面ですが、3項・4項の適格現物分配・適格株式分配は解散を前提としません。存続中のグループ内再編やスピンオフにも適用されます。
二段階でかかります。まず会社側で土地を時価で譲渡したとみなされ、含み益に法人税(62条の5第1項・2項)。さらに社長個人には残余財産のうち利益積立金に相当する部分がみなし配当として所得税・住民税の対象になる(所得税法25条)。業界裏話ヒント:会社の含み益と個人のみなし配当を両方試算しないと、解散後に想定外の納税で資金がショートする。清算課税に慣れていない税理士は、この二段階を軽く見て後で慌てる
完全支配関係(100%)にある内国法人グループ内なら適格現物分配となり、帳簿価額で引き継いで課税は繰り延べられ(62条の5第3項)、受け取る親会社側も益金不算入(4項)です。ただし外国法人が入ると非適格。業界裏話ヒント:清算直前に少数株主を買い取って100%化してから清算すると、非適格から適格に切り替わる。この一手を打てるかどうかで課税が正反対になる
非適格現物分配なら時価譲渡として譲渡損失を損金算入できます(62条の5第2項)。しかし適格現物分配だと簿価引継ぎで損失は出せません(3項)。業界裏話ヒント:「グループ内だから適格で安心」と思っていると、実は損失計上の道を自ら塞いでいる。損を活かしたいならあえて非適格の構成を選ぶ判断もあるが、グループ法人税制下の譲渡損益調整(61条の11)にも注意が要る
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|---|---|---|
| 適用場面 | 62条の5:残余財産の分配・引渡し、及び現物分配・株式分配 | — |
| 課税の原則 | 残余財産確定時の時価で譲渡とみなす(1項)/譲渡損益を益金・損金に算入(2項) | — |
| 課税繰延べの条件 | 完全支配関係にある内国法人間の適格現物分配・適格株式分配(3項) | — |
| 受け取る側の扱い | 適格現物分配による収益は益金不算入(4項)/非適格ならみなし配当課税 | — |
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