大気汚染防止法 第9条(計画変更命令等)
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都道府県知事は、第六条第一項又は前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係るばい煙発生施設に係るばい煙量又はばい煙濃度がそのばい煙発生施設に係る排出基準(第三条第一項の排出基準(同条第三項又は第四条第一項の規定により排出基準が定められた場合にあつては、その排出基準を含む。)をいう。以下この章において「排出基準」という。)に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係るばい煙発生施設の構造若しくは使用の方法若しくはばい煙の処理の方法に関する計画の変更(前条第一項の規定による届出に係る計画の廃止を含む。)又は第六条第一項の規定による届出に係るばい煙発生施設の設置に関する計画の廃止を命ずることができる。
この条文の基本情報
計画変更命令等とは何ですか?
定義計画変更命令等とは、大気汚染防止法第9条に定められた規定で、「都道府県知事は、第六条第一項又は前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係るばい煙発生施設に係るばい煙量又はばい煙濃度がそのばい煙発生施設に係…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 大気汚染防止法第9条(計画変更命令等)は、日本の大気汚染防止法に含まれる条文です。
- 大気汚染防止法第9条の条文原文は「都道府県知事は、第六条第一項又は前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係るばい煙発生施設に係るばい煙量又はばい煙濃度がそのばい煙発生施設に係…」で始まります。
- 大気汚染防止法第9条は第二章 ばい煙の排出の規制等に置かれています。
- 大気汚染防止法の公布日は昭和43年6月10日です。
- 大気汚染防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 大気汚染防止法第9条の前の条は大気汚染防止法第8条です。
- 大気汚染防止法第9条の次の条は大気汚染防止法第9条の2です。
- 大気汚染防止法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000097 - 本サイト収録
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000097/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点大気汚染防止法9条は、ばい煙発生施設の設置・変更届出が排出基準に適合しないと認めるとき、知事が受理日から60日以内に限り計画の変更や廃止を命じられると定める。
Q · ボイラーの設置を届け出たあと、役所から「計画を変えろ」と言われることはあるの?
受理から60日以内なら、知事は計画変更や廃止を命じられる
大気汚染防止法9条により、都道府県知事は、ばい煙発生施設の設置届出や構造等変更届出の内容が排出基準(条例の上乗せ基準を含む)に適合しないと認めるとき、受理日から60日以内に限り、計画の変更や廃止を命じることができます。届出者は10条により原則60日間は設置・変更できません。60日を過ぎると本条の命令は出せませんが、稼働後は14条の改善命令等の対象となります。
解説
工場やボイラーの設置計画を役所に届け出た瞬間から、60日の砂時計が回り始める。大気汚染防止法9条により、都道府県知事は届出(6条の設置届、8条の構造等変更届)を受理した日から60日以内に限り、次の命令を出せる。ばい煙の量や濃度が排出基準に合わないと判断すれば、計画の変更を命じられる。さらに設置計画そのものの廃止まで命じられる。この条文は10条とセットで働く。届出者は受理から60日を過ぎるまで、その施設を設置することも変更することもできない。つまり審査が終わる前に設備を買い込むと、計画変更命令(役所があなたに直接下す、計画を作り直せという具体的な決定)が出た時点で、その費用はそのまま損失になる。逆に60日を過ぎれば、本条による事前ストップはもう使えない。ただし安心するのは早い。稼働後に基準を超えれば、14条の改善命令や一時使用停止命令が待っている。事前審査の窓は60日だけだが、事後の監視に期限はない。この二段構えを知っているかどうかで、設備投資の段取りそのものが変わる。
法的な位置づけ
大気汚染防止法9条は、ばい煙発生施設の設置または構造等変更の届出に対する事前審査の規定であり、ばい煙量またはばい煙濃度が排出基準(上乗せ基準を含む)に適合しないと認められる場合に、都道府県知事が届出受理日から60日以内に限り、計画の変更または廃止を命ずる権限を定める。届出制に実質的な事前審査機能を与える規定である。
手順
- 1.対象施設かどうかを確認する 導入予定のボイラー、炉、ガスタービン等が大気汚染防止法施行令別表第一の規模に該当するかを確認する。電気事業法等の適用がある施設は届出窓口が異なる場合があるため、あわせて確認する
- 2.自治体の担当課へ事前相談する 正式な届出の前に、都道府県(または政令市)の環境部局に排出見込み値を示して相談する。条例の上乗せ基準の有無もこの段階で確認する
- 3.設置届出(または構造等変更届出)を提出する 6条1項または8条1項の届出書を提出し、受理日を記録する。受理日から60日間は設置・変更に着手できないため、発注・据付の日程を逆算して組む
- 4.必要に応じて期間短縮を申し出る 排出基準を大きく下回ることを示すメーカー保証値や計算書を添え、10条2項による実施制限期間の短縮を申し出る
- 5.命令が届いた場合は内容を検証し対応を決める 計画変更命令が届いたら、受理日から60日以内の命令か、根拠が国の基準か上乗せ基準かを確認する。不服があれば審査請求または取消訴訟を検討し、争う間も命令を無視して設置しない
よくある質問 AI による整理
Q1大気汚染防止法 計画変更命令とは?
ばい煙発生施設の届出内容が排出基準に合わないとき、知事が受理から60日以内に計画の変更や廃止を命じる行政処分です(大気汚染防止法9条)。
Q2ばい煙発生施設の届出 いつまでに出す?
設置や構造等の変更をしようとする段階で事前に届け出ます(6条・8条)。受理から60日間は設置できないため、着工予定日の2か月以上前が目安です。
Q3ボイラー 大気汚染防止法 届出が必要な規模は?
政令別表第一で定める規模以上が対象です。ボイラーなら伝熱面積10平方メートル以上、またはバーナー燃焼能力が重油換算毎時50リットル以上などが目安です。
Q4計画変更命令60日過ぎたらどうなる?
受理から60日を過ぎると本条の命令は出せなくなり、設置・変更に着手できます。ただし稼働後に基準超過のおそれがあれば14条の改善命令等の対象です。
Q560日の実施制限は短縮できる?
できる場合があります。大気汚染防止法10条2項により、知事が届出内容を相当と認めるときは60日の期間を短縮できます。排出計算書等の根拠資料が鍵です。
Q6計画変更命令 取消訴訟 できる?
できます。命令は行政処分なので、知った日の翌日から3か月以内の審査請求、または知った日から6か月以内の取消訴訟で争えます。
Q7条例の上乗せ基準も計画変更命令の対象?
対象です。本条の「排出基準」は4条1項に基づく都道府県条例の上乗せ基準を含むと明記されており、国の基準を満たすだけでは足りない場合があります。
Q8届出せずにボイラーを設置したら違法?
違法です。6条・8条の届出義務違反は罰則の対象となりえます。事前審査を経ない稼働となり、行政指導や改善命令につながるおそれもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1届出制って言うけど、実質は許可制と変わらないんじゃないの?
かなり近い。9条で知事には計画の変更命令や廃止命令を出す権限があり、10条で届出者は60日間設置できない。違いは、60日以内に命令が出なければ、許可を待たずに設置できる点である。実務のポイント:実務上は、届出の前に自治体と事前相談するのが一般的である。命令が出る案件の多くは、この相談を省いて書類を出したケースだと言われる。
Q2計画変更命令を無視して設置したら、どうなりますか?
33条の罰則の対象となり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されうる(最新の改正状況をご確認ください)。法人も両罰規定で処罰されうる。実務のポイント:命令は行政処分なので、従う前に審査請求や取消訴訟で争える。ただし、争うことと無視することはまったく別物である。争う場合も、執行停止の申立てで設置を止められないかを同時に検討する。
Q3近所に工場の煙突ができるらしい。住民には何もできないの?
9条の命令を出すかどうかは知事の判断だが、住民にも動く手段はある。行政手続法36条の3により、法令違反の是正に必要な処分がされていないと考えれば、誰でも知事に処分を求められる。実務のポイント:届出書に書かれた排出ガスの量や濃度は、情報公開請求で入手できる場合がある。数字を持って窓口に行く住民と手ぶらで行く住民とでは、担当者の対応の重さが変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可制ではなく届出制だから、出しさえすれば自由に建てられる」と考える経営者は多い。だが法律の目で見ると、届出書は60日間の審査にかけられる申告書であり、知事には廃止命令という拒否権まで与えられている。形式は届出でも、中身は事前審査である。この落差を知らずに先行発注した会社から、損を被っていく。
- 排出基準は国が決めていることは知っていても、それが全国一律ではないことまでは知られていない。都道府県は条例で国より厳しい上乗せ基準を定められる(4条1項)。本条はその上乗せ基準も含めて審査する。他県の工場で問題なく使っていた同型の設備が、移転先では計画変更命令の対象になりうる。
- 「60日を過ぎれば、もう行政から何も言われない」という理解は逆である。9条の命令が出せなくなるだけで、実際に基準を超えるばい煙を出し続けるおそれがあれば、14条の改善命令や使用の一時停止命令が出る。事前の審査を通ったことは、事後の監視を免除する理由にならない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動のタイミング | 9条:届出受理から60日以内(設置・変更前) | 10条:受理から60日間の設置・変更制限 14条:稼働後、期限の定めなし |
| 行政の手段 | 計画の変更命令・計画の廃止命令 | 命令ではなく法律上当然の実施制限(知事は短縮可) 構造・使用方法等の改善命令、使用の一時停止命令 |
| 判断の基準 | 届出計画上のばい煙量・濃度が排出基準に適合しないと認めるとき | 届出の受理の事実のみ 排出基準に適合しないばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるとき |
| 事業者への影響 | 発注・着工前に計画が差し戻される | 工期に最低60日の待機期間が組み込まれる 稼働中の設備改修・操業停止という重い負担 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は固定汚染源の設置・変更に事前の許可取得を求める許可制を採用しており、日本の届出+60日審査型より行政の事前関与が強い
韓国は排出施設の規模・地域に応じて設置許可と設置申告を使い分ける二層構造を採る
ドイツは一定の施設に連邦イミッシオン防止法上の許可を要し、軽微な変更は届出(Änderungsanzeige)で足りる段階的規制を採る
米国は新設・大規模改修の主要排出源に着工前の許可(New Source Review)を求め、最良利用可能技術等の要件を課す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 温泉旅館の三代目として、老朽化した重油ボイラーを大型のものに入れ替えることにした。伝熱面積やバーナーの燃焼能力が政令の規模を超えれば、それは工場でなくても「ばい煙発生施設」だ。業者任せで届出を忘れ、既存の届出内容と違う設備を黙って入れれば、9条の審査を飛ばした状態で稼働することになる。
- もし届出の受理から52日目に、知事から計画変更命令が届いたらどうなる? メーカーには発注済みで、据付工事の日程も押さえてある。命令は行政処分なので、3か月以内の審査請求と6か月以内の取消訴訟という争う道がある。ただし争っている間に命令を無視して設置すれば、罰則の対象になりうる。
- 自宅の裏の工場で、新しい煙突の足場が組まれ始めた。住民が知事に「審査してくれ」と申し出る道は、法律上ちゃんと用意されている。
- 着工予定日まで残り20日なのに、届出の受理からまだ40日しか経っていない。10条1項により、60日が経つまで設置はできない。ただし同条2項には、知事が相当と認めれば期間を短縮できる規定がある。短縮を申し出るなら、基準を大きく下回る排出計算書を今日中に揃えるしかない。
- 工場に自家発電用のガスタービンを入れる計画を立てた。それが電気事業法上の電気工作物に当たる場合、大気汚染防止法27条によって、届出や命令の窓口が電気事業法の側に移る扱いがある。届出先を間違えると、60日の時計はそもそも動き出さない。
取るべき行動
被害を受けた側:(近隣住民の立場)1. 工事の兆候を見つけたら、自治体の環境部局に大気汚染防止法の届出が出ているかを問い合わせる。届出書は情報公開請求の対象になりうる2. 排出基準違反のおそれを示す事実(煙の色、臭い、ばいじんの付着)を日付入りの写真で記録する3. 行政手続法36条の3の「処分等の求め」として、知事に書面で調査と是正を申し出る4. 健康被害や財産被害が出た場合は、別途、民法709条に基づく損害賠償を検討する
訴えられた側:(届出事業者の立場)1. 計画変更命令が届いたら、受理日と命令日を確認し、60日を過ぎた後の命令ではないかを検証する2. 命令の理由が、どの排出基準(国の基準か、条例の上乗せ基準か)に基づくのかを特定する3. 事前に弁明の機会(行政手続法13条)が与えられたかを確認する4. 納得できなければ3か月以内に審査請求、または6か月以内に取消訴訟を起こす。争っている間も、命令を無視して設置しない
時効(請求できる期限):知事が本条の命令を出せるのは、届出の受理日から60日以内。届出者は受理日から60日を経過するまで、施設を設置・変更できない(10条1項、ただし同条2項により短縮可)。命令への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
行政法上の規制手法としての整理:本条と10条の組合せは、届出制に実施制限期間と変更命令権を付加した「届出・実施制限・命令」型の規制とされ、許可制と単純な届出制の中間に位置づけられる。行政の判断期限を法定することで予見可能性を確保する点に特徴がある。
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