都市計画法 第12条の9(住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画)
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- 地区整備計画(開発整備促進区におけるものを除く。以下この条において同じ。)においては、住居と住居以外の用途とを適正に配分することが当該地区整備計画の区域の特性(再開発等促進区にあつては、土地利用に関する基本方針に従つて土地利用が変化した後の区域の特性)に応じた合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、第十二条の五第七項第二号の建築物の容積率の最高限度について次の各号に掲げるものごとに数値を区分し、第一号に掲げるものの数値を第二号に掲げるものの数値以上のものとして定めるものとする。
- 一その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物に係るもの
- 二その他の建築物に係るもの
この条文の基本情報
住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画とは何ですか?
定義住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画とは、都市計画法第12条の9に定められた規定で、「地区整備計画(開発整備促進区におけるものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第12条の9(住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第12条の9の条文原文は「地区整備計画(開発整備促進区におけるものを除く。」で始まります。
- 都市計画法第12条の9は第一節 都市計画の内容に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第12条の9の前の条は都市計画法第12条の8です。
- 都市計画法第12条の9の次の条は都市計画法第12条の10です。
- 都市計画法第12条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第12条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第12条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/12_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法12条の9は、地区整備計画で容積率の最高限度を住宅用途の建築物とその他の建築物に区分し、住宅側の数値を他方以上と定める規定である。適用には市町村条例が必要となる。
Q · 同じ土地なのに、住宅を入れると建てられる床が増えると聞きました。本当ですか?
住宅を入れる建物だけ容積率の上限が高く設定されます
都市計画法12条の9により、地区整備計画では容積率の最高限度を「その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物」と「その他の建築物」に区分し、住宅側の数値を他方の数値以上と定めます。つまり同じ土地でも、建物に住宅を入れるかどうかで合法に建てられる床面積が変わります。ただし都市計画の決定だけでは足りず、建築基準法68条の5に基づく市町村の条例が制定されて初めて、建築確認の場面で実際に使える数値になります。
解説
都心のオフィスビルの上層階に、なぜかマンションが入っている。あれは開発業者の気まぐれではなく、都市計画法12条の9が作り出した計算の結果である。本条は、地区整備計画の中で建築物の容積率の最高限度を二段構えにすることを認める。第一号は「その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物」、第二号は「その他の建築物」。そして第一号の数値は第二号の数値以上でなければならない。つまり同じ土地、同じ用途地域でも、住宅を入れるかどうかで合法に建てられる床面積が変わる。あなたが押さえるべきなのはその先だ。上乗せされた床は、土地に永久についてくる価値ではない。住宅用途を維持することを条件に貸し出された床である。将来その部分をオフィスや店舗に変えれば、容積率の前提が崩れ、あなたは緩和を受けた側から違反建築を抱えた側へ移る。買うときも売るときも貸すときも、この条件の有無を知っている人と知らない人とでは、同じ物件に付ける値段が違ってくる。
法的な位置づけ
都市計画法12条の9は、いわゆる用途別容積型地区計画に関する規定である。地区整備計画の区域において、住居と住居以外の用途の適正な配分が区域の特性に応じた合理的な土地利用の促進に特に必要と認められる場合に、建築物の容積率の最高限度を、住宅の用途を含む建築物に係るものとその他の建築物に係るものとに区分し、前者の数値を後者の数値以上のものとして定めるものとする。
手順
- 1.用地検討の初日に地区計画の有無を確認する 用途地域の欄を見る前に、市町村の都市計画担当窓口で当該地に地区計画があるか、用途別容積型(都市計画法12条の9)の定めがあるかを確認する。ここで差がつくのは、他社が用途地域だけで土地値を弾いているためである
- 2.建築制限条例が制定済みかを必ず確認する 地区計画が決定済みでも、建築基準法68条の5に基づく市町村条例が未制定なら、建築確認の場面でその数値は使えない。条例本文を取得し、住宅部分の床面積割合など上乗せの適用要件を条文レベルで確定させる
- 3.住宅併設案と非併設案で延床と収支を並べる 第一号の数値と第二号の数値で延床面積を二通り算出し、住宅併設に伴う設計コスト・分譲単価・賃料水準の差を加味して事業収支を比較する。上乗せ分が条件付きの床であることを前提に、出口戦略まで含めて評価する
- 4.住宅維持の制約を長期文書に書き残して引き継ぐ 竣工後の用途変更は上乗せの前提を壊すため、テナント計画・長期修繕計画・管理規約に「本建物の容積率は住宅用途を条件とする」旨を明記する。売却時は重要事項として条件付き容積であることを説明し、契約不適合責任の争点化を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1用途別容積型地区計画とは何ですか?
都市計画法12条の9に基づき、地区整備計画で容積率の最高限度を住宅用途の建築物とその他の建築物に分けて定める手法です。住宅側の数値を他方以上とすることで、住宅供給を誘導します。
Q2都市計画法12条の9は誰が決めるのですか?
地区計画は原則として市町村が定めます。市町村が地区整備計画の中で二つの容積率数値を決定し、さらに建築基準法68条の5に基づく条例を制定して初めて建築制限として機能します。
Q3自分の土地に地区計画があるかどこで調べられますか?
市町村の都市計画担当窓口、または自治体の都市計画情報提供サービスで確認できます。地区計画の決定図書と、建築制限条例が制定済みかどうかの両方を必ず確認してください。
Q4条例がないと容積率の緩和は使えませんか?
使えません。都市計画の決定は数値を定めるだけで、建築基準法68条の5に基づく市町村条例が制定されて初めて建築確認の場面で効力を持ちます。決定済みだが条例未制定の区域は実在します。
Q5住宅部分はどれくらい入れれば第一号に当たりますか?
条文は「その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物」と定めるのみで、具体的な割合は市町村の条例や地区整備計画の定めによります。企画段階で必ず当該自治体の条例本文を確認してください。
Q6中古ビルを買うとき地区計画はどう確認しますか?
建築計画概要書と検査済証を取得し、地区整備計画の決定内容と突き合わせます。現況の床が住宅用途を前提に上乗せされたものかどうかを、引渡し前に自治体窓口で確認することが重要です。
Q7重要事項説明で地区計画は説明されますか?
都市計画法上の制限は重要事項説明の対象です。ただし条件付き容積であることまで踏み込んだ説明は実務上まちまちなので、容積率の内訳を明示的に質問することをおすすめします。
Q8住宅部分を減らすと違反になりますか?
住宅用途を前提に第一号の数値で床を積んでいる建物で住宅部分を減らすと、容積率の前提が崩れ、建築基準法上の是正命令の対象になりえます。用途変更前に必ず条例の適用要件を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの土地、容積率400% って聞いてたのに、設計事務所が「住宅を入れれば上げられます」って言うんです。そんな都合のいい話ある?
あります。都市計画法12条の9に基づく用途別容積型の地区整備計画と、建築基準法68条の5、そして市町村の条例、この三点が揃っていれば本当です。上乗せの倍率には政令上の枠があるので無制限ではありません(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:都市計画が決定済みでも条例が未制定なら、建築確認の場面ではその数値は使えません。設計者の説明を聞く前に、条例の有無を市町村に電話で確認する。これで空振りの企画が一本消えます
Q2あとから住宅部分をオフィスに変えるのは、やっぱりダメなんですか?
原則できません。住宅用途を前提に第一号の数値で床を積んでいるため、用途を変えれば容積率の前提が崩れ、是正命令の対象になりえます(建築基準法9条)。用途変更の確認(同法87条)も通りません。実務のポイント:中古ビルのデューデリジェンスでは、建築計画概要書と地区計画の内容を必ず突き合わせる。仲介業者は容積率の数字は出しますが、その数字が条件付きかどうかまでは自分から言いません
Q3向かいの土地に急に大きいビルが建つと聞きました。どこに文句を言えばいいんですか?
地区計画等の案は、条例の定めるところにより利害関係者の意見を聴いて作成され(都市計画法16条2項)、その後に案の公告縦覧2週間と意見書提出があります(同法17条)。決定後は都市計画自体に処分性が認められにくく、訴訟の入口が狭くなります。実務のポイント:実質的に内容を動かせるのは素案の段階までです。縦覧の掲示を見てから動いても遅く、自治体の都市計画審議会の議事日程を先に押さえている住民だけが間に合っています
間違えやすい点 AI による整理
- 「この土地の容積率は何パーセントですか」という問いそのものが、用途別容積型地区計画の区域では成立していない。ここでの容積率は一つの数値ではなく、建物の中身によって切り替わる二つの数値である。一つの答えを期待して質問している限り、返ってきた数字は半分しか意味を持たない
- 地区計画という言葉は知っていても、それが自分の建物の合法な床面積の内訳まで縛っていることを知らない人が大半である。地区計画は「街並みや看板の色のルール」程度に受け取られがちだが、本条が関わる区域では、住宅部分を減らした瞬間に建物全体が容積率違反へ転落しうる。深刻度の見積もりが一桁ずれている
- あなたから見れば、住宅を入れれば床が増える規制緩和のボーナスに見える。だが行政の側から見れば、増やした床の分だけ住宅供給を約束させた取引である。この落差を理解しないまま用途を戻すと、扱いは「緩和の返上」ではなく「違反」になる
- 都市計画が決定されれば自動的に容積率が上がると思われているが、決定だけでは建築確認の場面で効かない。市町村が建築基準法に基づく条例を制定して初めて、その数値が現実の建築制限として機能する。決定済みだが条例未制定という区域は実在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誘導の仕組み | 12条の9(用途別容積型):住宅用途か否かで容積率の最高限度を二本立てにする | 12条の8(高度利用型):容積率・建蔽率・敷地面積の最低限度等で高度利用を誘導 12条の7(容積適正配分型):区域内の複数の街区に容積を振り分ける |
| 数値の決め方 | 第一号(住宅を含む)の数値を第二号(その他)の数値以上とする | 建築物の高さや敷地規模と組み合わせて上限・下限を設定 区域全体の容積総量を維持したまま街区ごとに再配分 |
| 狙う政策目的 | 都心部の住宅供給確保、昼夜間人口の乖離の是正 | 低未利用地の集約・共同化による高度利用 保全すべき街区と高度利用する街区の両立 |
| 実効化の経路 | 建築基準法68条の5に基づく市町村条例 | 建築基準法68条の2等に基づく市町村条例 建築基準法68条の2等に基づく市町村条例 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では細部計畫が容積率を定め、土地使用分區管制規則で用途別の制限を課す。用途で容積を二本立てにする明文はないが、都市更新條例の容積獎勵が住宅誘導の機能を部分的に担う
韓国の지구단위계획は日本の地区計画に対応する詳細計画で、用途や공공기여に応じた용적률 완화を定める仕組みを持つ
ドイツは Bebauungsplan で GFZ(容積率に相当)を定め、用途地域制度 BauNVO と二層で運用する。日本の地区計画の直接の参照元とされる
米国では住宅、特に affordable housing を供給する場合に容積や戸数密度のボーナスを与える手法が州法・市条例レベルで広く用いられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、買ったばかりの都心の中古ビルで、空いた住戸フロアをまるごとオフィスに貸したらどうなる? そのビルが用途別容積型の上乗せ容積で建っていた場合、貸した瞬間に容積率の前提が崩れる。是正命令とテナントへの賠償が同時に降ってくる
- あなたは開発会社の用地担当で、都心の角地の入札に参加している。他社は事務所ビル前提で土地値を弾いている。あなただけが地区整備計画の住宅上乗せに気付き、住戸を混ぜた企画で延床を積み増して収支を組み直す。同じ土地に他社より高い値を出しても、あなたの計画だけが成立する。情報の非対称がそのまま落札結果になる
- 自宅の郵便受けに、地区計画の案の公告縦覧の知らせが入っていた。縦覧期間は2週間、残り5日。ここで意見書を出さなければ、決定後は取消訴訟の入口すら開かない。道路一本挟んだ向かいに何が建つかが、この5日で事実上固まる
- 友人から「このマンション、容積率いっぱいまで使ってるから資産価値が高いらしい」と相談された。あなたが聞くべき質問は一つ、その容積は住宅用途を条件に上乗せされたものかどうか。条件付きなら、将来の用途転換も建替え時の床の戻りも、その一行に縛られている
- 築40年、分譲マンションの建替え決議が動き出した。現在の床が住宅用途を前提に上乗せされたものなら、建替え後も住宅でなければ同じ床は戻らない。区分所有者が負担する追加金の額が、数十年前に市町村が決めた都市計画の数値二つで決まる
取るべき行動
被害を受けた側:近隣住民や既存地権者として上乗せに直面した場合。1. 素案説明会と案の公告縦覧(都市計画法16条2項、17条)の日程を市町村の都市計画担当に確認、縦覧期間は2週間しかない2. 意見書は「反対」ではなく、第一号と第二号の数値差、日影、交通量など具体的な争点で書く3. 決定後に争うなら、標的は都市計画そのものではなく、条例に基づく建築確認や開発許可の処分4. 建築紛争予防条例のある自治体では、あっせん・調停の申立ても並行して検討する
訴えられた側:上乗せ容積を使う事業者・地権者として。1. 都市計画の決定だけでなく、市町村の建築制限条例が制定済みかを必ず確認、未制定なら建築確認で数値は使えない2. 条例が定める住宅部分の床面積割合など、上乗せの適用要件を設計初期に確定させる3. 竣工後の用途変更は上乗せの前提を壊すため、テナント計画と長期修繕計画に住宅維持の制約を明記して引き継ぐ4. 売却時は重要事項として条件付き容積であることを説明、隠すと契約不適合責任の争点になる
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。実務上の期限は手続側にあり、都市計画案の公告縦覧は2週間でその間に意見書を提出(都市計画法17条2項)。建築確認や開発許可など具体的な処分を争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟が処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
実務・通説:本条が定める容積率の最高限度は、都市計画の決定のみでは建築確認における制限として作用せず、建築基準法68条の5に基づく市町村条例の制定によって初めて具体的な建築制限となる、と理解されている。決定済み・条例未制定の区域が存在する原因もここにある。
実務・通説:第一号の数値を第二号の数値以上と限定した趣旨は、住宅供給の誘導を認める一方で、住宅以外の用途を狙い撃ちして締め上げる運用を条文上封じる点にあると解されている。誘導手法としての容積率規制の限界を画する規定である。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)都市計画法改正(要検証) 従来は別個の類型として設けられていた各種地区計画が地区計画へ統合・整理され、現在の12条の6から12条の11の条番号配列が形成されたとされる。本条の条番号がこの整理で現在の位置に移ったかは条文沿革の確認が必要
- 平成18年(2006年)まちづくり関連法改正(要検証) 開発整備促進区の制度が新設されたことに伴い、本条冒頭の「開発整備促進区におけるものを除く」という括弧書きが加わったと考えられる。改正年と文言の対応は官報および法令沿革での確認を要する
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:現行都市計画法が制定され、旧都市計画法(大正8年)に代わる都市計画制度の骨格が定まった。ただし地区計画制度はこの時点では存在しない
- 2.昭和55年(1980年) 改正:都市計画法および建築基準法の改正により地区計画制度が創設され、詳細な街区単位の建築制限を都市計画で定める枠組みが導入された。本条が属する地区計画関連規定群の出発点にあたる
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