都市計画法 第12条の7(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画)
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地区整備計画(再開発等促進区及び開発整備促進区におけるものを除く。以下この条において同じ。)においては、用途地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において建築物の容積を適正に配分することが当該地区整備計画の区域の特性に応じた合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、当該地区整備計画の区域を区分して第十二条の五第七項第二号の建築物の容積率の最高限度を定めるものとする。この場合において、当該地区整備計画の区域を区分して定められた建築物の容積率の最高限度の数値にそれぞれの数値の定められた区域の面積を乗じたものの合計は、当該地区整備計画の区域内の用途地域において定められた建築物の容積率の数値に当該数値の定められた区域の面積を乗じたものの合計を超えてはならない。
この条文の基本情報
区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画とは何ですか?
定義区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画とは、都市計画法第12条の7に定められた規定で、「地区整備計画(再開発等促進区及び開発整備促進区におけるものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第12条の7(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第12条の7の条文原文は「地区整備計画(再開発等促進区及び開発整備促進区におけるものを除く。」で始まります。
- 都市計画法第12条の7は第一節 都市計画の内容に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第12条の7の前の条は都市計画法第12条の6です。
- 都市計画法第12条の7の次の条は都市計画法第12条の8です。
- 都市計画法第12条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第12条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第12条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/12_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法12条の7は、地区整備計画の区域を区分して建築物の容積率の最高限度を定める規定。区分ごとの容積率に面積を乗じた合計は、用途地域ベースの合計を超えられない。
Q · 地区計画で隣の区画だけ容積率が上がるのは、どういう仕組みですか?
地区内で容積率を配り直す規定。総量は増えません
都市計画法12条の7に基づく容積適正配分型の地区整備計画です。用途地域内で適正な配置及び規模の公共施設を備えた区域について、市町村が地区整備計画の区域を区分し、区画ごとに異なる容積率の最高限度を定めます。ただし区分ごとの容積率に面積を乗じた合計は、用途地域で定められた容積率に面積を乗じた合計を超えられません。つまり地区に配られる床の総量は一切増えず、厚く配分された区画があれば、必ず薄く配分された区画が存在します。配分に異議があるなら、都市計画案の公告後2週間の縦覧期間内に意見書を提出する必要があります(同法17条)。
解説
容積率は用途地域の指定で決まる、そう覚えている人ほど足元をすくわれる。都市計画法12条の7は、地区整備計画の中で区域をさらに細かく区切り、区画ごとに違う容積率の最高限度を定めることを認める。使える条件は二つ。用途地域内であること、そして適正な配置と規模の公共施設が既に備わっている区域であること。そして決定的な縛りがもう一つある。区分ごとの容積率にそれぞれの区域面積を乗じた合計は、用途地域で定められた容積率に面積を乗じた合計を超えてはならない。つまり街に配られる床の総量は一切増えない。誰かの区画が用途地域の数値を上回ったなら、別の誰かの区画は必ず下回っている。あなたの土地が削られる側に入っていても、市町村があなた個人に封書で知らせてくれるわけではない。気づける窓は、都市計画案の縦覧期間だけだ。
法的な位置づけ
都市計画法12条の7は、容積適正配分型地区計画に関する規定である。用途地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた区域において、合理的な土地利用の促進に特に必要と認められるとき、地区整備計画の区域を区分して建築物の容積率の最高限度を定める。区分ごとの容積率に面積を乗じた合計は、用途地域ベースの合計を超えることができない。
手順
- 1.自分の土地がどの区分に入るか縦覧図書で特定する 都市計画案の公告が出たら市町村の都市計画課で縦覧図書を閲覧し、自分の土地がどの区分に属し、配分された容積率の最高限度が何パーセントかを確認する。用途地域で定められた数値と並べて書き出し、厚い側か薄い側かを判定する
- 2.配分の根拠となった公共施設の整備状況を確認する 本条は「適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域」であることを要件とする。配分の根拠とされた道路・公園等の整備実績を情報公開請求で取得し、要件充足と配分の合理性を検証する
- 3.縦覧期間内(公告から2週間)に意見書を提出する 配分が用途地域の数値を下回る場合、都市計画法17条2項に基づき意見書を提出する。区分ごとの容積率に面積を乗じた合計の計算根拠、公共施設整備の実態、自己の区画が薄く配分される理由の不明確さを具体的に指摘する。要旨は都市計画審議会に提出される
- 4.決定後は既存不適格と担保評価への影響を試算する 都市計画決定後は、新しい最高限度で建て替えた場合の床面積を試算し、現況との差分を算出する。金融機関の担保評価は建て替え可能床を前提にするため、融資枠への影響を事前に把握しておく
- 5.建築等の着手30日前までに市町村長へ届け出る 地区整備計画が定められた区域内で建築物の建築等を行う場合、着手日の30日前までに市町村長へ届け出る(都市計画法58条の2第1項)。建築基準法68条の2に基づく条例で建築制限化されているかを建築指導課に確認する。条例化済みなら建築確認自体が通らない
よくある質問 AI による整理
Q1容積適正配分型地区計画とは?
都市計画法12条の7に基づき、地区整備計画の区域を区分して区画ごとに違う容積率の最高限度を定める仕組みです。合計は用途地域ベースの総量を超えられません。
Q2地区計画の縦覧はいつまで?
都市計画案の公告日から2週間です(都市計画法17条)。意見書の提出期限も同じで、この期間を過ぎると容積配分は都市計画決定として固まります。
Q3地区計画 容積率 下がる とどうなる?
最高限度が現況の建物を下回れば既存不適格となり、存続は認められますが(建築基準法3条2項)、建て替え時に今と同じ床面積は戻りません。担保評価にも影響します。
Q4地区整備計画の区域で増築するには届出が必要?
必要です。行為に着手する日の30日前までに市町村長へ届け出ます(都市計画法58条の2第1項)。適合しなければ設計変更等の勧告を受けます。
Q5既存不適格 建て替え 容積率 どうなる?
建て替えの時点で新しい最高限度が適用され、現況より床が減ります。既存不適格は現在の建物の存続を認めるだけで、同じ規模の再築までは保障しません。
Q6地区計画があるかどうかの調べ方は?
市町村の都市計画課窓口、または各自治体の都市計画情報システム(ウェブ地図)で確認できます。不動産取引では重要事項説明書の都市計画法欄にも記載されます。
Q7再開発等促進区でも12条の7は使える?
使えません。条文が再開発等促進区及び開発整備促進区を明示的に除外しています。これらの区域は別の枠組みで容積を設定します。
Q8地区計画の容積配分に不満がある場合の手続は?
案の縦覧期間内に意見書を提出します(都市計画法17条2項)。要旨は都市計画審議会に提出され記録に残ります。決定後の争い方は処分性の有無で解釈が分かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地区計画で容積率が下げられたら、役所は補償してくれるんですか?
原則として損失補償の対象にならない。都市計画法上の建築制限は財産権に内在する一般的制約(憲法29条2項)と整理されるのが実務の理解であり、既存の建物は既存不適格として存続が認められるにとどまる(建築基準法3条2項)。実務のポイント:補償を求めるより、案の段階で配分そのものを動かす方が現実的である。縦覧期間の意見書は要旨が都市計画審議会に提出されるため、後から経緯を辿れる一枚になる
Q2隣の区画だけ容積率が上がってるのは、不公平じゃないんですか?
条文が課す縛りは、区分ごとの容積率に面積を乗じた合計が用途地域ベースの合計を超えないことだけである(本条後段)。どの区画を厚くするかの裁量は市町村側にあり、区域の特性と公共施設の整備状況が理由づけになる。実務のポイント:不公平を正面から争うより、配分の根拠とされた公共施設の整備実績を情報公開請求で取りに行く方が早い。根拠が薄い配分は、案の修正段階で動くことがある
Q3地区計画の区域で建て替えるとき、確認申請の前に何かやることはありますか?
着手の30日前までに市町村長への届出が要る(都市計画法58条の2第1項)。地区整備計画に適合しなければ設計変更等の勧告を受ける。さらに多くの市町村は建築基準法68条の2に基づく条例で地区整備計画の内容を建築制限に落としており、その場合は建築確認自体が通らない。実務のポイント:条例化済みかどうかで拘束力が全く違う。建築指導課への一本の電話で計画の前提が決まる
Q4容積率を隣の土地の人から買い取ることはできますか?
12条の7の枠組みではできない。ここでの配分は市町村が都市計画として決めるものであり、地権者間の取引ではない。個別の敷地間で容積を移すのは建築基準法57条の2の特例容積率適用地区という別制度である。実務のポイント:自分の土地がどちらの制度の区域にあるかで、交渉相手が役所なのか隣地所有者なのかが入れ替わる。都市計画図の凡例を先に読む
間違えやすい点 AI による整理
- 「容積の移転といえば東京駅の丸の内でやったあれだ」と結びつける人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。東京駅の未利用容積を周辺ビルへ移したのは建築基準法57条の2の特例容積率適用地区であり、個別の敷地間で容積率の限度を指定し直す制度。12条の7は市町村が地区整備計画の中で区域を区分して配分を決めるものであり、地権者同士が容積を売買する仕組みではない。制度を取り違えると、交渉相手も手続も期限も全部間違える
- 地区計画で容積率が下がることは知っていても、その深刻度が測れていない。最高限度が現況の建物を下回れば、その建物は既存不適格として存続は認められる(建築基準法3条2項)が、建て替えの瞬間に床が減る。将来の建て替え後の床を前提に組まれる担保評価と融資枠にも、静かに響いてくる
- 「総量が変わらないなら街全体では損得ゼロだ」と思われがちだが、条文が禁じているのは面積を乗じた合計の超過だけである。区画ごとの分け前をどう切るかには広い裁量が残り、そこで土地の価値は確実に移動する。ゼロサムであることは、誰も損しないことを意味しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 容積を動かす主体 | 都計法12条の7:市町村が地区整備計画で区域を区分して配分 | 都計法12条の6:市町村が公共施設の整備状況に応じ暫定・本来の二段階で設定 建基法57条の2:特例容積率適用地区で敷地ごとに限度を指定(個別敷地間の移転) |
| 適用の前提 | 用途地域内 + 適正な配置及び規模の公共施設を備えた区域(再開発等促進区・開発整備促進区は除外) | 公共施設が未整備で、整備に応じて容積を段階的に認める必要がある区域 特例容積率適用地区の都市計画決定がされた区域 |
| 総量の縛り | 区分容積率 × 面積の合計 ≦ 用途地域容積率 × 面積の合計(増加なし) | 本来の容積率は用途地域の数値が上限 指定された敷地間で限度を移転、対象区域内で総量を管理 |
| 地権者の関与 | 都市計画手続(16条の意見聴取・17条の縦覧と意見書) | 同じく都市計画手続 特例容積率の指定申請は関係敷地所有者等の合意が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は細部計画で建蔽率・容積率を表示する構造をとり、容積の移転は83条の1と実施弁法による別枠組み。日本のように地区整備計画内で区域を区分し総量固定で配り直す明文の仕組みとは設計が異なる
韓国の지구단위계획は日本の地区計画と同型で、区域内の容積率・건폐율等を定める。公共施設の提供と引き換えに容積率を緩和するインセンティブ型の運用が中心で、総量固定の再配分という発想は日本ほど前面に出ない
ドイツの Bebauungsplan は区域を細かく区切って GFZ(Geschossflächenzahl)等を指定する点で本条の原型にあたる。BauNVO § 17の上限値が総量の天井として機能し、例外的超過には正当化根拠を要する
米国は自治体の zoning ordinance で FAR を定め、未利用容積を他の敷地へ移す TDR 制度が発達。移転が地権者間の取引として市場化されている点が、行政が計画で配分する日本の12条の7と根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の広報紙の隅に「◯◯地区 地区計画の案の縦覧」と二行だけ載っていたとして、あなたは気づくだろうか? 縦覧は公告から2週間、住民および利害関係人の意見書提出期限もそこで閉じる(都市計画法17条)。この2週間を逃せば容積率の配分は都市計画決定として固まり、次に動かせるのは数年後の見直しまで待つことになる
- 相続した実家の土地を売りに出した。査定額が同じ通りの向かいより2割低い。理由は地区整備計画で、その区画の容積率の最高限度が用途地域の数値より低く配分されていたからだった
- あなたが開発側に立つ場合。中心の一画に床を寄せたいが用途地域の数値では足りず、12条の7で周辺区画の容積を薄くして中心に配分する案を描く。だが合計不超過の計算書を示すだけでは足りない。薄くされる側の地権者が、なぜ自分の区画が差し出す側なのかを納得する材料を、縦覧前に用意できるかどうかで手続の所要期間が半年単位で変わる
- 中古マンションを買う直前、重要事項説明書に「地区計画あり」の記載を見つける。宅地建物取引業法35条により宅建士は都市計画法上の制限を説明する義務を負うが、容積の配分でその建物が厚い側か薄い側かまで踏み込まれるとは限らない。最高限度が現況の建物を下回っていれば、その建物は既存不適格となり、建て替えの瞬間に今と同じ床面積は戻ってこない
- 友人が地区計画区域内でガレージを増築しようとしている。行為に着手する日の30日前までに、市町村長への届出が必要だ(都市計画法58条の2第1項)。知らずに図面を発注すると、設計変更の勧告を受けて一からやり直しになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都市計画案の公告が出たら縦覧図書で自分の土地がどの区分に入るかを確認し、配分された容積率を用途地域の数値と並べて書き出す2. 下回っていれば縦覧期間内に意見書を提出する(都市計画法17条2項)。意見書の要旨は都市計画審議会に提出され、記録として残る3. 並行して、配分の根拠とされた公共施設の整備状況を情報公開請求で取る4. 決定後は既存不適格の扱いと担保評価への影響を、建て替え計画と融資枠の両面で試算しておく
訴えられた側:1. 対象区域が用途地域内であり、適正な配置と規模の公共施設が既に備わっているかを最初に確認する。ここを満たさなければ本条は使えない2. 再開発等促進区および開発整備促進区は本条の適用対象外であり、別の枠組みで組む3. 区分ごとの容積率に面積を乗じた合計が用途地域ベースの合計を超えないことを、計算書で即座に示せる形にしておく4. 薄く配分される区画の地権者への説明は縦覧前に終える。縦覧後に噴き出した反対意見は、手続を数か月単位で押し戻す
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。効くのは手続側の期限である。都市計画案の縦覧は公告から2週間、意見書の提出期限も同じ(都市計画法17条)。決定後、地区整備計画が定められた区域内で建築物の建築等を行う場合は、着手する日の30日前までに市町村長への届出が必要(同58条の2第1項)。なお、地区計画の決定そのものを取消訴訟で争えるか(処分性の有無)は、実務上、解釈が分かれている
学説
通説(財産権の内在的制約論):都市計画法に基づく容積率制限は、財産権に内在する一般的・社会的制約として原則損失補償を要しないと解される。既存建築物が既存不適格として存続を認められること(建築基準法3条2項)が、受忍限度内と評価される根拠の一つとされる。
処分性をめぐる学説の対立:地区計画の決定に処分性を認めるかは争いがある。用途地域指定の処分性を否定した判例の枠組みを及ぼす見解に対し、地区計画は区域が限定され建築制限が具体的であること、条例化されれば確認が通らず実効的救済が後段階では得られないことを理由に、処分性を認める方向の主張もある。
改正沿革 AI による整理
- 条番号および創設年は要人的検証 容積適正配分型の地区整備計画は、地区計画制度に容積率の配分機能を加える改正で導入され、その後の地区計画制度の再編に伴って現在の条番号に整理されたと解されるが、創設年および再編年について確証が得られていない。官報および国土交通省の改正沿革資料での照合が必要
改正の年表
- 1.昭和55年(1980年) 新設:都市計画法改正により地区計画制度が創設され、用途地域による広域の一律規制に加えて、区域単位で詳細な建築規制を定める二層構造が導入された。本条が属する地区整備計画の枠組みはこの改正に由来する。
- 2.要検証 改正:容積適正配分型の地区整備計画が導入された改正年、および現在の条番号(12条の7)へ整理された地区計画制度再編の年については確証が得られていない。官報および国土交通省の改正沿革資料での照合が必要。
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