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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 9 分9 分9 分

都市計画法 第33条(開発許可の基準)

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  1. 都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。
  2. 一次のイ又はロに掲げる場合には、予定建築物等の用途が当該イ又はロに定める用途の制限に適合していること。ただし、都市再生特別地区の区域内において当該都市再生特別地区に定められた誘導すべき用途に適合するものにあつては、この限りでない。
  3. 一当該申請に係る開発区域内の土地について用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、流通業務地区又は港湾法第三十九条第一項の分区(以下「用途地域等」という。)が定められている場合当該用途地域等内における用途の制限(建築基準法第四十九条第一項若しくは第二項、第四十九条の二、第六十条の二の二第四項若しくは第六十条の三第三項(これらの規定を同法第八十八条第二項において準用する場合を含む。)又は港湾法第四十条第一項(同法第五十条の五第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の条例による用途の制限を含む。)
  4. 二当該申請に係る開発区域内の土地(都市計画区域(市街化調整区域を除く。)又は準都市計画区域内の土地に限る。)について用途地域等が定められていない場合建築基準法第四十八条第十四項及び第六十八条の三第七項(同法第四十八条第十四項に係る部分に限る。)(これらの規定を同法第八十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による用途の制限
  5. 二主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、道路、公園、広場その他の公共の用に供する空地(消防に必要な水利が十分でない場合に設置する消防の用に供する貯水施設を含む。)が、次に掲げる事項を勘案して、環境の保全上、災害の防止上、通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められていること。この場合において、当該空地に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
  6. 一開発区域の規模、形状及び周辺の状況
  7. 二開発区域内の土地の地形及び地盤の性質
  8. 三予定建築物等の用途
  9. 四予定建築物等の敷地の規模及び配置
  10. 三排水路その他の排水施設が、次に掲げる事項を勘案して、開発区域内の下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第一号に規定する下水を有効に排出するとともに、その排出によつて開発区域及びその周辺の地域に溢水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。この場合において、当該排水施設に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
  11. 一当該地域における降水量
  12. 二前号イからニまでに掲げる事項及び放流先の状況
  13. 四主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、水道その他の給水施設が、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、当該開発区域について想定される需要に支障を来さないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。この場合において、当該給水施設に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
  14. 五当該申請に係る開発区域内の土地について地区計画等(次のイからホまでに掲げる地区計画等の区分に応じて、当該イからホまでに定める事項が定められているものに限る。)が定められているときは、予定建築物等の用途又は開発行為の設計が当該地区計画等に定められた内容に即して定められていること。
  15. 一地区計画再開発等促進区若しくは開発整備促進区(いずれも第十二条の五第五項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は地区整備計画
  16. 二防災街区整備地区計画地区防災施設の区域、特定建築物地区整備計画又は防災街区整備地区整備計画
  17. 三歴史的風致維持向上地区計画歴史的風致維持向上地区整備計画
  18. 四沿道地区計画沿道再開発等促進区(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第四項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は沿道地区整備計画
  19. 五集落地区計画集落地区整備計画
  20. 六当該開発行為の目的に照らして、開発区域における利便の増進と開発区域及びその周辺の地域における環境の保全とが図られるように公共施設、学校その他の公益的施設及び開発区域内において予定される建築物の用途の配分が定められていること。
  21. 七地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止するため、開発区域内の土地について、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。この場合において、開発区域内の土地の全部又は一部が次の表の上欄に掲げる区域内の土地であるときは、当該土地における同表の中欄に掲げる工事の計画が、同表の下欄に掲げる基準に適合していること。
  22. 八主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、開発区域内に建築基準法第三十九条第一項の災害危険区域、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第三条第一項の地すべり防止区域、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号)第九条第一項の土砂災害特別警戒区域及び特定都市河川浸水被害対策法(平成十五年法律第七十七号)第五十六条第一項の浸水被害防止区域(次条第八号の二において「災害危険区域等」という。)その他政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。ただし、開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと認められるときは、この限りでない。
  23. 九政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。
  24. 十政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計が定められていること。
  25. 十一政令で定める規模以上の開発行為にあつては、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないと認められること。
  26. 十二主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が宅地造成及び特定盛土等規制法第十二条第一項又は第三十条第一項の許可を要するものを除く。)又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が当該許可を要するもの並びに当該開発行為の中断により当該開発区域及びその周辺の地域に出水、崖崩れ、土砂の流出等による被害が生じるおそれがあることを考慮して政令で定める規模以上のものを除く。)以外の開発行為にあつては、申請者に当該開発行為を行うために必要な資力及び信用があること。
  27. 十三主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が宅地造成及び特定盛土等規制法第十二条第一項又は第三十条第一項の許可を要するものを除く。)又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が当該許可を要するもの並びに当該開発行為の中断により当該開発区域及びその周辺の地域に出水、崖崩れ、土砂の流出等による被害が生じるおそれがあることを考慮して政令で定める規模以上のものを除く。)以外の開発行為にあつては、工事施行者に当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること。
  28. 十四当該開発行為をしようとする土地若しくは当該開発行為に関する工事をしようとする土地の区域内の土地又はこれらの土地にある建築物その他の工作物につき当該開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること。
  29. 2.前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、政令で定める。
  30. 3.地方公共団体は、その地方の自然的条件の特殊性又は公共施設の整備、建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し、前項の政令で定める技術的細目のみによつては環境の保全、災害の防止及び利便の増進を図ることが困難であると認められ、又は当該技術的細目によらなくとも環境の保全、災害の防止及び利便の増進上支障がないと認められる場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、当該技術的細目において定められた制限を強化し、又は緩和することができる。
  31. 4.地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域、目的又は予定される建築物の用途を限り、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。
  32. 5.景観行政団体(景観法第七条第一項に規定する景観行政団体をいう。)は、良好な景観の形成を図るため必要と認める場合においては、同法第八条第二項第一号の景観計画区域内において、政令で定める基準に従い、同条第一項の景観計画に定められた開発行為についての制限の内容を、条例で、開発許可の基準として定めることができる。
  33. 6.指定都市等及び地方自治法第二百五十二条の十七の二第一項の規定に基づきこの節の規定により都道府県知事の権限に属する事務の全部を処理することとされた市町村(以下この節において「事務処理市町村」という。)以外の市町村は、前三項の規定により条例を定めようとするときは、あらかじめ、都道府県知事と協議し、その同意を得なければならない。
  34. 7.公有水面埋立法第二十二条第二項の告示があつた埋立地において行う開発行為については、当該埋立地に関する同法第二条第一項の免許の条件において第一項各号に規定する事項(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める事項を含む。)に関する定めがあるときは、その定めをもつて開発許可の基準とし、第一項各号に規定する基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)は、当該条件に抵触しない限度において適用する。
  35. 8.居住調整地域又は市街地再開発促進区域内における開発許可に関する基準については、第一項に定めるもののほか、別に法律で定める。

この条文の基本情報

開発許可の基準とは何ですか?

定義開発許可の基準とは、都市計画法第33条に定められた規定で、「都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 都市計画法第33条(開発許可の基準)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
  2. 都市計画法第33条の条文原文は「都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限…」で始まります。
  3. 都市計画法第33条は第一節 開発行為等の規制に置かれています。
  4. 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
  5. 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 都市計画法第33条の前の条は都市計画法第32条です。
  7. 都市計画法第33条の次の条は都市計画法第34条です。
  8. 都市計画法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第33条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100
  • 本サイト収録都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/33

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点都市計画法33条は、開発行為が1項各号の基準に適合し申請手続に違反がなければ、都道府県知事は開発許可をしなければならないと定める。技術的細目は政令と自治体の条例で決まる。

Q · 開発許可って、役所が「認める・認めない」を自由に決められるんですか?

基準を全部満たせば、知事は許可を拒めません

都市計画法33条1項は「開発許可をしなければならない」と定めています。開発行為が同項各号の基準(用途適合、道路・公園等の公共空地、排水施設、給水施設、防災措置、資力・信用、権利者の相当数の同意など)に適合し、申請手続に法令違反がなければ、都道府県知事に不許可とする裁量はありません。ただし基準の数値そのものは2項の委任により政令(都市計画法施行令)で、さらに3項から5項により各自治体の条例で強化・緩和されるため、実際に測られる目盛りは市町村ごとに異なります。

解説

「開発許可をしなければならない」。33条1項の語尾を、多くの地主も不動産業者も読み飛ばしている。役所の許可というと頭を下げて出してもらうものという感覚があるが、この条文は逆の構造をしている。14の基準(道路、排水、給水、防災、資力・信用、権利者の同意など)と手続の適法性、この二つを満たしていれば、都道府県知事に断る裁量は存在しない。法律用語で羈束処分(役所に「認めない」という選択肢が残されていない決定)という。つまり開発許可とは、担当者の心証を良くする作業ではなく、14項目のチェックリストを潰す作業だ。そして基準の数値は33条には書いていない。2項で政令(都市計画法施行令)へ、3項から5項で自治体の条例へ投げられている。あなたが本当に戦う相手は、国の法律ではなく、その市町村が独自に上書きした数字である。

法的な位置づけ

都市計画法33条は開発許可の基準を定める規定である。申請に係る開発行為が同条1項各号の基準に適合し、かつ申請手続が法令に違反していないと認められる場合、都道府県知事は開発許可をしなければならない。許可権者に不許可の裁量が残されていない羈束的な構造をとり、基準適用のための技術的細目は政令および地方公共団体の条例に委任されている。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.所管自治体の条例と開発指導要綱を先に取り寄せる 図面を描く前に、その市町村が33条3項から5項に基づいて定めた条例(技術的細目の強化・緩和、敷地面積の最低限度、景観計画の上乗せ)と開発指導要綱を入手する。道路幅員や最低敷地面積が国の政令より厳しい自治体は多く、後から知れば測量も設計もやり直しになる
  2. 2.自己居住用か否かを最初に確定する 主として自己の居住の用に供する住宅のための開発行為であれば、2号(道路・公園等の公共空地)、4号(給水施設)、12号・13号(資力・信用、工事施行者の能力)が適用されない。分譲・賃貸・事業用に切り替えると適用される基準の枚数が一気に増えるため、事業計画の確定を設計着手より先に置く
  3. 3.32条の公共施設管理者協議を着手する 道路・下水道・水路等の管理者との協議と同意を取りに行く。33条の審査は羈束だが、この事前協議は相手方のスケジュールに依存し、実務上の工期の大半がここで消える。協議記録は日付入りで残す
  4. 4.14号の「妨げとなる権利を有する者」を登記簿から洗い出す 開発区域内の土地・建築物・工作物について妨げとなる権利を持つ者(所有者、借地権者、抵当権者、共有者など)を登記事項証明書から特定し、相当数の同意を取得する。必要なのは近隣住民の同意ではない。古い抵当権者や共有者の一人が開発全体を止められる位置に立っている点に注意する
  5. 5.申請し、不許可なら理由の号を即座に特定する 申請後、不許可通知を受けたら理由が33条1項の何号かを真っ先に確認する。羈束基準である以上、不許可理由は号で特定できるはずで、号の指摘がない処分は理由提示の不備(行政手続法8条)として争える。争うか補正して再申請するかを先に決める

よくある質問 AI による整理

Q1開発許可とは何ですか?

都市計画区域等で土地の区画形質を変更する開発行為をする際に、都道府県知事から受ける許可です。許可を要する範囲は29条、許可の基準は33条が定めます。

Q2開発許可が必要な面積はどれくらいからですか?

市街化区域では原則1,000平方メートル以上ですが、三大都市圏の一部や条例により500平方メートル、300平方メートルまで引き下げられる地域があります。所管自治体の条例確認が必須です。

Q3市街化調整区域の開発許可は33条だけ見ればいいですか?

足りません。市街化調整区域では33条の技術基準に加え、34条の立地基準(何を建てるために開発するのか)を満たす必要があります。34条は33条より高いハードルになります。

Q4開発許可が下りなかったらどうすればいいですか?

まず不許可理由が33条1項の何号かを特定します。その上で開発審査会への審査請求(都市計画法50条)または取消訴訟を選ぶか、落ちた号だけ補正して再申請するかを判断します。

Q5開発許可が出たらすぐ家を建てられますか?

建てられません。37条により、原則として工事完了の公告があるまで開発区域内に建築物を建築できません。住宅ローン実行日や引渡し日は、この公告日に縛られます。

Q632条の協議・同意と33条の基準は何が違いますか?

32条は申請前に道路・下水道などの公共施設管理者から同意を得る手続、33条は申請後に知事が審査する基準です。実務で時間を食うのは前者であることが多いです。

Q7ゴルフ場や墓園にも開発許可は必要ですか?

必要になる場合があります。一定規模のゴルフコースや墓園は第二種特定工作物に当たり、その建設目的の土地の区画形質の変更は開発行為として33条の審査対象になります。

Q8開発許可の審査期間はどのくらいですか?

法定の一律期間はありませんが、各自治体が行政手続法6条に基づき標準処理期間を公表しています。これを大きく超える放置は、不作為の違法として争える余地があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1開発許可って、役所と仲良くしておけば早く出るものなんですか?

仲の良さでは決まらない。33条1項は基準に適合していれば「開発許可をしなければならない」と定めており、知事に断る裁量はない。時間がかかるのは、32条が求める道路・下水道など公共施設管理者との協議と同意が終わっていないからであることが多い。実務のポイント:実務のボトルネックは許可権者の窓口ではなく事前協議の相手方で、申請書を出す前の段階で工期の大半が消える

Q2近所の人全員の同意がないと、開発許可は取れないんですよね?

そこが最大の誤解である。33条1項14号が求めるのは、開発区域内の土地や工作物について妨げとなる権利を有する者の「相当数」の同意であって、近隣住民の同意ではないし、全員でもない。実務のポイント:自治体の指導要綱が近隣同意書を求めてくることがあるが、それは法律上の許可要件ではなく行政指導である。指導への不協力が明確なのに処分を留保し続けることの違法性は、建築確認をめぐる最判昭和60.7.16(品川マンション事件)の考え方が及ぶ

Q3自分の家を建てるだけなのに、道路や公園まで造らされるんですか?

造らされない。2号(道路・公園等の公共空地)、4号(給水施設)、12号・13号(資力・信用、工事施行者の能力)は、主として自己の居住の用に供する住宅のための開発行為には適用されない。分譲や賃貸、事業用になった瞬間に基準の枚数が増える。実務のポイント:自己居住用で許可を取った後に分譲へ用途を変えると、35条の2の変更許可の段階で適用外だった基準が一斉に復活する。最初の申請書に何と書くかが、コストの分岐点になる

Q4市の条例が国の基準より厳しいのは、法律違反じゃないんですか?

違反ではない。33条3項が、地方公共団体は政令で定める基準に従い、条例で技術的細目の制限を強化または緩和できると明文で認めている。4項は敷地面積の最低限度、5項は景観行政団体による景観計画の上乗せを認める。実務のポイント:6項があり、指定都市等と事務処理市町村以外の市町村は、条例を定める前に都道府県知事と協議して同意を得なければならない。この手続を欠いた条例なら、条例の効力自体を争う余地が残る

間違えやすい点 AI による整理

  • 「どう交渉すれば開発許可が下りるか」という問いの立て方そのものが誤っている。33条は羈束処分で、許可権者に裁量の余地がない。実務で時間を食っているのは許可の窓口ではなく、32条が求める道路・下水道など公共施設管理者との事前協議と同意である。交渉すべき相手を間違えたまま数か月が消えていく
  • 14号の「同意」が要ることは知られているが、その深刻度は理解されていない。必要なのは開発区域内の土地や工作物について妨げとなる権利を持つ者(所有者、借地権者、抵当権者など)の相当数の同意であって、近隣住民の同意ではない。逆にいえば、登記簿の奥に眠っている古い抵当権者や共有者の一人が、開発全体を止められる位置に立っている
  • あなたから見れば技術的細目は「国が全国一律に決めた数値」だが、法律から見れば3項から5項で自治体が強化も緩和もできる可変値である。この落差が、隣の市で通った設計がこの市では通らない理由をつくる。国の政令だけ読んで図面を引いた側が、必ず損をする
比較の観点この条文ほかの条文
審査の性質33条:技術基準への適合審査。適合すれば許可義務あり(羈束)34条:市街化調整区域の立地基準。何のための開発かを問う
32条:申請前の公共施設管理者との協議・同意(処分ではない手続要件)
適用される区域開発許可を要する全ての区域に共通して適用市街化調整区域に限って33条に上乗せされる
開発区域内外の公共施設が関係する全ての案件
誰と向き合うか都道府県知事・指定都市等の開発審査担当都道府県知事(開発審査会の議を経る類型あり)
道路管理者・下水道管理者・河川管理者など施設ごとの別主体
落ちたときの争い方不許可理由の号を特定し、50条の審査請求または取消訴訟同じく50条の審査請求または取消訴訟
同意が得られない限り申請自体が整わないため、設計変更で解く

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
區域計畫法第15條之1(開發許可)・非都市土地使用管制規則

台湾は非都市土地の開発について開発許可制を採り、開発審議委員会の審査を経る。日本の33条が羈束的に構成されるのに対し、台湾は審議会の実質判断が介在する余地が大きい点が異なる

韓国
국토의 계획 및 이용에 관한 법률 제56조・제58조

開発行為許可(개발행위허가)とその基準を定める。都市計画・基盤施設との整合や周辺環境との調和を基準とし、日本より許可権者の判断余地が広く読める構成になっている

中国
城郷規画法 第37条・第38条

建設用地規画許可証の制度により、都市計画への適合を事前確認する。土地の国有・集団所有という前提が異なるため、私人の開発権を前提とする日本法とは出発点が違う

ドイツ
BauGB §§ 29-35

地区詳細計画(Bebauungsplan)への適合により建築の許容性を判断する。計画があれば適合で許容されるという構造は、日本の羈束的な開発許可と発想が近い

フランス
Code de l'urbanisme art. L. 442-1 et s.

区画整理を伴う開発は permis d'aménager の対象。地域都市計画(PLU)への適合が中心的な審査軸となる

アメリカ
州・地方自治体の Subdivision Regulations

サブディビジョン規制により道路・排水・公共施設の整備を開発者に義務づける。要求が過大な場合は収用条項(Takings Clause)との関係で争われる点が日本と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、申請から半年経っても担当者が「まだ協議中です」と言い続けたら? 33条の基準を満たしている限り、それは不許可ではなく、処分をしない状態が続いているにすぎない。標準処理期間は各自治体が行政手続法6条に基づいて公表しており、それを大きく超える放置は、不作為の違法確認訴訟や申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法3条)の射程に入る
  • 相続した畑を、分譲業者に売る話が進んでいる。市街化区域でも原則1,000平方メートル以上(三大都市圏の一部や条例により500平方メートル、300平方メートルまで引き下げられることがある)なら33条の審査が待っている。許可が通る土地かどうかで、同じ地番の値段が倍近く動く
  • 自分たち家族が住む家を建てるつもりで開発許可を取った。途中で気が変わって分譲に切り替えた瞬間、2号の道路・公園基準、4号の給水施設、12号・13号の資力・信用要件が一斉に降ってくる。自己居住用か否かで、適用される基準の枚数がまるごと違う
  • 決済まであと30日。土地売買契約は結んだが、14号の「妨げとなる権利を有する者の相当数の同意」がまだ揃っていない。ここで効くのは、求められているのが全員ではなく相当数だという一点。誰の同意を取れば足りるかを見極められるかどうかが、違約金を払うかどうかを決める
  • 隣の斜面地で造成工事が始まった側に立つこともある。開発許可の取消しを求めて訴えられるのは誰か。最高裁は、がけ崩れ等による被害を直接受けるおそれのある範囲の住民に原告適格を認めている(最判平成9.1.28)。町内会の総意ではなく、自宅がその範囲に入るかどうかが入口になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 不許可通知を受けたら、理由が33条1項の何号かを特定する。号の指摘がなければ理由提示の不備を主張できる2. 技術的細目は施行令と条例の二階建て。どちらの数値で落とされたのかを確認する3. 不服があれば開発審査会への審査請求(都市計画法50条、処分を知った日の翌日から3か月以内)または取消訴訟(6か月以内) 4. 同時に、落ちた号だけを補正して再申請した方が早い場合も多い。争うか直すかを最初に決める

訴えられた側:開発に反対する側に立ったとき:1. 33条は羈束基準なので、地域感情では止まらない。止められるのは基準への不適合だけ2. 排水(3号)と防災(7号・8号)が最も争いやすい。下流の溢水や崖崩れの具体的危険を資料で示す3. 取消訴訟の原告適格は、がけ崩れ等の被害を直接受けるおそれのある範囲の住民に認められる(最判平成9.1.28)。自宅がその範囲に入ることを先に立証する4. 工事着手後は執行停止の申立てを検討する

時効(請求できる期限):開発許可そのものに有効期間の定めはないが、不服申立てには期限がある。開発審査会への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。許可後は時間軸が36条の工事完了検査と37条の建築制限へ移る(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説(羈束処分説):33条1項の「しなければならない」という文言から、基準適合と手続適法が認められる限り許可権者に裁量はないと解する。土地取引の予測可能性を確保し、事実上の許認可利権を生じさせないための構造的要請として説明される。

条例上乗せの許容性に関する理解:3項から5項は、全国一律の政令基準だけでは地域の自然的条件に対応できない場合に、条例で技術的細目を強化・緩和することを認める。憲法94条の条例制定権の枠内で、法律が明文により上書きを授権した類型と位置づけられる。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和43年(1968年)都市計画法制定 開発許可制度とともに新設。無秩序な市街地の外延的拡大(スプロール)に対し、道路・排水・防災の技術基準という網をかけた。許可権者に裁量を与えず基準適合で許可を義務づける羈束構造は、この時点で採用されている
  • 平成12年(2000年)改正 3項の条例による技術的細目の強化・緩和、4項の敷地面積の最低限度に関する条例を導入。全国一律の政令基準から、地域が数値を上書きできる構造へ舵を切った
  • 令和2年(2020年)から令和4年(2022年)にかけての一連の改正 1項8号に災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域が明記され、災害ハザードエリアでの自己居住用以外の開発を原則として抑制する方向へ転換した(各号の追加時期と施行日は要確認)
  • 令和4年(2022年)盛土規制法の制定に伴う改正 12号・13号が引用する法令が宅地造成等規制法から宅地造成及び特定盛土等規制法へ置き換えられ、資力・信用要件の適用除外の線引きが新法の許可を基準に整理された

改正の年表

  1. 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法の制定に伴い開発許可制度とともに新設。スプロール対策として道路・排水・防災の技術基準を課し、基準適合で許可を義務づける羈束構造を採用した
  2. 2.平成12年(2000年) 改正:条例による技術的細目の強化・緩和(3項)および敷地面積の最低限度に関する条例(4項)を導入し、全国一律の政令基準から地域が数値を上書きできる構造へ転換した(施行日は要確認)
  3. 3.令和2年から令和4年(2020-2022年) 改正:1項8号に災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域が位置づけられ、災害ハザードエリアにおける自己居住用以外の開発を原則抑制する方向が明確化された(各号の追加時期と施行日は要確認)
  4. 4.令和4年(2022年) 改正:宅地造成及び特定盛土等規制法の制定に伴い、12号・13号が引用する法令が宅地造成等規制法から新法へ置き換えられ、資力・信用要件の適用除外の線引きが新法の許可を基準に整理された

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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