都市計画法 第52条の5(損失の補償)
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- 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域が変更された場合において、その変更により当該市街地開発事業等予定区域の区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、施行予定者が、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画が定められなかつたため第十二条の二第五項の規定により市街地開発事業等予定区域に関する都市計画がその効力を失つた場合において、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が、それぞれその損失の補償をしなければならない。
- 2.前項の規定による損失の補償は、損失があつたことを知つた日から一年を経過した後においては、請求することができない。
- 3.第二十八条第二項及び第三項の規定は、第一項の場合について準用する。
この条文の基本情報
損失の補償とは何ですか?
定義損失の補償とは、都市計画法第52条の5に定められた規定で、「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域が変更された場合において、その変更により当該市街地開発事業等予定区域の区域外となつた土地の所有者又は関係…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第52条の5(損失の補償)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第52条の5の条文原文は「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域が変更された場合において、その変更により当該市街地開発事業等予定区域の区域外となつた土地の所有者又は関係…」で始まります。
- 都市計画法第52条の5は第一節の三 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第52条の5の前の条は都市計画法第52条の4です。
- 都市計画法第52条の5の次の条は都市計画法第53条です。
- 都市計画法第52条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/52_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法52条の5は、市街地開発事業等予定区域の変更で区域外となった場合や予定区域の都市計画が失効した場合の損失補償を定める。請求は損失を知った日から一年以内に限られる。
Q · 三年で消えた都市計画のせいで建替えを我慢した分、お金はもらえますか?
予定区域の失効や区域外化なら補償請求できます
都市計画法52条の5により、市街地開発事業等予定区域の区域変更で区域外となった土地の所有者・関係人は施行予定者に対して、また本体の市街地開発事業・都市施設の都市計画が定められず同法12条の2第5項で予定区域の都市計画が失効した場合は当該都市計画の決定をすべき者に対して、損失の補償を請求できます。ただし請求は損失があったことを知った日から一年以内に限られ、協議が成立しないときは28条2項・3項の準用により収用委員会へ裁決を申請します。
解説
都市計画には「三年の仮押さえ」という仕掛けがある。市街地開発事業等予定区域が告示されると、その区域内では建築も土地の形質変更も原則として止まる(52条の2)。ところが本番の都市計画が三年以内に決まらなければ、予定区域に関する都市計画は自動的に効力を失う(12条の2第5項)。区域が変更されて、あなたの土地だけが区域外へ出ることもある。どちらの場合も、あなたが黙って耐えた三年分の建築制限は、結果として何のためでもなかったことになる。52条の5は、その空振りの代金を払わせる条文である。区域外になった場合は施行予定者、三年で失効した場合は当該市街地開発事業または都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が、補償義務を負う。ただし請求の窓は狭い。損失があったことを知った日から一年で請求権は消える。そして協議が決裂したときの行き先は、裁判所より先に収用委員会である(28条2項・3項の準用)。
法的な位置づけ
都市計画法52条の5は、市街地開発事業等予定区域に関する損失補償を定める規定である。区域の変更により予定区域外となった土地の所有者または関係人と、市街地開発事業・都市施設の都市計画が定められず同法12条の2第5項により予定区域の都市計画が失効した場合の区域内の所有者または関係人が対象となり、補償義務者は施行予定者および当該都市計画の決定をすべき者である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.区域変更または三年経過による失効の日付を確定する 都道府県・市町村の公報、都市計画の縦覧資料、告示文の写しを取得し、区域変更の告示日または予定区域の都市計画が効力を失った日を日付付きで確定する。一年の請求期間を管理する起点になる
- 2.補償義務者を判別する 区域変更により区域外となった場合は施行予定者、三年経過による失効の場合は当該市街地開発事業または都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が相手方となる。相手を外した請求は内容に入る前に落ちる
- 3.制限期間中の損失を証拠化する 融資否決の通知、建築計画の見積書と設計図、建築確認や許可申請が進まなかった記録、売却を断念した経緯のメールや仲介業者の記録を時系列で整理する。損失と都市計画の因果関係を示す資料が中核になる
- 4.内容証明郵便で協議を申し入れる 都市計画法52条の5第3項が準用する28条2項に基づき、補償義務者へ協議を申し入れる。条番号、損失の内訳、算定根拠を明記し、投函日が残る内容証明郵便を用いる。動いた日を先に作ることで期間の争いを避ける
- 5.協議不成立なら収用委員会へ裁決を申請する 28条3項の準用により、協議が成立しないときは土地収用法94条2項の規定による裁決を収用委員会に申請する。判断の場が担当課から外部の委員会に移り、土地評価の専門家による審理を受けられる
よくある質問 AI による整理
Q1市街地開発事業等予定区域とは何ですか?
本番の市街地開発事業や都市施設の都市計画が決まる前に、区域だけを先に都市計画で押さえる制度です。地価の先行上昇や駆け込み建築を防ぐ目的で、区域内には建築等の制限がかかります。
Q2予定区域に入ると何が制限されますか?
都市計画法52条の2により、区域内での建築物の建築や土地の形質変更は原則として都道府県知事等の許可が必要となり、事実上止まります。さらに52条の3の先買い制度で売買にも届出義務がかかります。
Q3予定区域は何年で効力を失いますか?
告示の日から三年以内に本体の市街地開発事業または都市施設に関する都市計画が定められないと、都市計画法12条の2第5項により予定区域に関する都市計画は効力を失います。制限も同時に消えます。
Q4補償を請求できるのは誰ですか?
区域変更で予定区域外となった土地の所有者または関係人と、三年経過による失効時の区域内の土地の所有者または関係人です。いずれも当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者に限られます。
Q5補償を請求する相手は誰ですか?
場面で分かれます。区域変更で区域外となった場合は施行予定者、三年経過で失効した場合は当該市街地開発事業または都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が補償義務者です。
Q6予定区域内の土地は売れますか?
売却自体は禁止されませんが、都市計画法52条の3の先買い制度により土地建物等を有償譲渡するときは届出が必要で、施行予定者が買い取る場合があります。実務上は売却時期の自由が制約されます。
Q7予定区域の土地を買い取ってもらうことはできますか?
都市計画法52条の4により、区域内の土地所有者は施行予定者に対して土地の買取りを請求できる場合があります。52条の5の損失補償とは別の制度で、時期も要件も異なります。
Q8補償の対象になる損失とは何ですか?
当該都市計画が定められたことにより現実に受けた損失です。建築制限期間中の利用制限や処分制約に由来する損失が中心で、逸失利益まで及ぶかは解釈が分かれるため、算定根拠の資料化が重要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所は「都市計画の制限に補償は出ない」と言うんですが、本当ですか?
一般的な都市計画制限について原則補償なしという説明自体は的外れではない。だが予定区域が変更されて区域外となった場合と、三年で失効した場合の二つだけは、52条の5が明文で補償義務を課している。窓口の一般論と条文は別物である。実務のポイント:この条文は使われた実例が少なく、担当者自身が存在を把握していないことがある。条番号を明記した協議申入書を出すと内部で法制担当への照会が必要になり、その時点で一般論では返せない案件に格上げされる。
Q2一年って短すぎませんか。いつから数えるんですか?
52条の5第2項は「損失があつたことを知つた日から一年」と定める。告示日ではなく知った日が起算点だが、公報や縦覧で公表されていれば知っていたと扱われやすく、実際には告示日から数えられる危険が高い。実務のポイント:期間の争いを避ける最短の手は、日付の残る内容証明で協議を申し入れること。協議は28条2項の準用で相手方の義務であり、投函日が自分側の証拠として残る。知った日を後から立証するより、動いた日を作る方が確実である。
Q3補償の話し合いが決裂したら、いきなり裁判ですか?
先に収用委員会である。52条の5第3項が28条2項・3項を準用し、協議が成立しないときは収用委員会に土地収用法94条2項の規定による裁決を申請できる。実務のポイント:裁決の補償額に不服で訴訟に進む場合、実務では行政処分の取消訴訟ではなく、相手方当事者を被告とする形式的当事者訴訟(行政事件訴訟法4条)の型で組むのが通例である。被告と訴訟類型の選択を外すと、金額の中身に入る前に入口で終わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 制限がかかっていた事実は誰でも知っている。だが、その制限が空振りに終わった瞬間に補償請求権が発生し、しかも一年で消滅することまで知る人は少ない。三年待った末に計画が消えて胸をなでおろした時点から、この条文で最も短いカウントダウンが始まっている。
- 「いくら貰えるのか」を最初に調べる人が多いが、立てるべき問いは「誰に、いつまでに、どの手続で」である。補償義務者は場面ごとに施行予定者と都市計画の決定をすべき者に分かれ(52条の5第1項)、争う場は裁判所より先に収用委員会が来る(28条3項準用、土地収用法94条)。相手と手続を外した請求は、金額の議論に入る前に落ちる。
- あなたから見れば「三年建てられなかった実害」だが、行政から見れば「都市計画制限は財産権に内在する制約であり原則として補償は要らない」という建前が先に立つ。52条の5はその建前に対する明文の例外で、対象は区域外となった場合と失効した場合の二つに限られる。この落差を知らずに窓口の説明だけで引き返すと、例外に当たる案件が原則論で処理される。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 52条の5:予定区域が空振りに終わった場合の事後的な損失補償 | 52条の4:予定区域が存続している段階での土地の買取請求 52条の2:予定区域内の建築等の制限そのもの(損失の発生源) |
| 発動のきっかけ | 区域変更による区域外化、または12条の2第5項による失効 | 予定区域の告示後、区域内の土地所有者が買取りを求めたとき 予定区域に関する都市計画の告示があった時点から当然に発生 |
| 相手方 | 施行予定者、または都市計画の決定をすべき者 | 施行予定者 許可権者(都道府県知事等)との関係で問題となる |
| 期間制限と争う場 | 損失を知った日から一年。協議前置のうえ収用委員会の裁決(28条2項・3項準用) | 買取請求の手続に従う。価額は協議による 不許可処分に対する審査請求・取消訴訟 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は公共設施保留地という形で長期の計画制限を制度化し、取得方法と使用制限、補償を条文で並べる。日本の予定区域のように「三年で失効したら補償」という時限設計ではなく、保留地の長期滞留そのものが社会問題として扱われてきた点が対照的
都市計画施設の敷地となった土地について買収請求権を認め、長期未執行の都市計画施設に対する救済を制度化している。日本の52条の4の買取請求に近い発想で、52条の5のような失効時の事後清算とは機能が分かれる
規画が法に基づき変更され、これにより許可を受けた者に損失が生じたときは補償すると定める。計画の変更そのものを補償の引き金とする点で本条と発想が近い
ドイツは Veränderungssperre(変更禁止)という時限的な凍結制度を持ち、期間が一定を超えた場合の補償を建設法典が明文で用意する。凍結の実効性と地権者救済をセットで設計する点は本条と同じ構造だが、ドイツは期間超過そのものを補償要件とする
フランスは都市計画上の制限(servitudes d'urbanisme)について非補償を原則としつつ例外を法定し、他方で délaissement(土地の引取請求)という出口を用意する。原則非補償+明文の例外という構造は日本と共通する
米国は規制が収用に当たるか(regulatory taking)を判例法理で判断し、一時的な規制であっても収用に当たれば補償を要するとする。立法で場面を限定する日本と異なり、司法が個別に線を引く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 駅前再開発の予定区域に入り、三年前から建替えを止められてきた。先月の変更告示で、自分の土地だけが区域外に出た。止められていた期間の損失は、施行予定者に対して請求できる立場にある。
- もし、告示から三年が過ぎても本番の都市計画が決まらなかったら? 予定区域に関する都市計画はその時点で効力を失い、あなたを縛っていた制限も消える。同時に補償請求の一年の時計が動き出す。安堵した日が、実はカウントダウンの開始日である。残り時間は長く見えて、協議の申入れと資料集めを考えれば実質は数か月しかない。
- あなたが市町村の都市計画担当で、予定区域を縮小する変更告示を出す側だとする。区域外になる地権者から補償請求が届いたとき、28条2項の準用により協議のテーブルに着く義務がある。「都市計画制限に補償はない」という一般論で押し切れば、収用委員会への裁決申請に持ち込まれ、判断の主戦場が自分の手を離れる。
- アパート建築で融資の内定まで取ったところに予定区域の告示が出た。許可が下りず融資は流れ、三年後に予定区域は失効。土地の形は元どおりだが、失った三年は戻らない。この三年が「当該都市計画が定められたことにより損失を受けた」の中身として争われる。ただし実務上、補償の範囲が通常受ける損失に限られるか逸失利益まで及ぶかは解釈が分かれている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 区域変更の告示または三年経過による失効の事実を、公報・縦覧資料で日付付きで確定させる2. 制限期間中の損失を証拠化する。融資否決の通知、建築計画の見積書、売却を断念した経緯のメールや仲介業者の記録3. 補償義務者を判別する。区域外となった場合は施行予定者、失効の場合は当該事業または都市施設の都市計画を決定すべき者4. 内容証明で協議を申し入れる(28条2項準用) 5. 協議不成立なら収用委員会に裁決申請(28条3項準用、土地収用法94条)
訴えられた側:1. 予定区域の変更・失効が生じた時点で、区域内外となった土地の所有者と関係人を洗い出し、請求の到来を前提に記録を整える2. 請求が届いたら一般論で返さず、協議義務(28条2項準用)に従って協議の場を設ける3. 補償の範囲について、通常受ける損失の限度という実務上の争点を根拠資料とともに整理する4. 一年の期間経過という抗弁は使えるが、起算点は告示日ではなく知った日である点を踏まえて主張を組む5. 決裂すれば裁決手続に移ることを前提に、算定根拠を文書で残す
時効(請求できる期限):損失があったことを知った日から1年を経過すると請求できない(52条の5第2項)。起算点は告示日そのものではなく知った日だが、変更告示や失効が公表されていれば知っていたものと扱われやすい。協議不成立後の収用委員会への裁決申請、さらに裁決に不服の場合の訴えにもそれぞれ別の期間制限があるため(最新の改正状況をご確認ください)、一年の壁と裁決手続の期間を二重に管理する必要がある
学説
内在的制約説(通説的運用):都市計画上の建築制限は土地所有権に内在する社会的制約であり、原則として損失補償を要しないと解する立場。52条の5はこの原則に対して立法者が明文で設けた限定的な例外であり、区域外化と失効という二つの場面に限って補償義務を認めたものと位置づける。
特別犠牲説からの拡張的理解:制限が長期化し、あるいは空振りに終わって公共目的を何一つ実現しなかった場合には、特定の地権者に特別の犠牲を強いたと評価でき、憲法29条3項の趣旨から補償範囲を通常受ける損失に限定せず実質的に把握すべきとする立場。補償範囲の争点で請求側の支えとなる。
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 市街地開発事業等予定区域制度(52条の2から52条の5)の創設年次と、その後の改正経緯について確信がないため未記載とする。条文が「なつた」「失つた」など現代語化前の表記を残している点は、大規模な文言整理を受けていないことを示唆するが、確定には官報での確認が必要
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