都市計画法 第52条の3(土地建物等の先買い等)
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- 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつたときは、施行予定者は、すみやかに、国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定めるところにより、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地又は土地及びこれに定着する建築物その他の工作物(以下「土地建物等」という。)の有償譲渡について、次項から第四項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
- 2.前項の規定による公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に市街地開発事業等予定区域の区域内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行予定者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。
- 3.前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行予定者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行予定者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
- 4.第二項の規定による届出をした者は、前項の期間(その期間内に施行予定者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地建物等を譲り渡してはならない。
- 5.第三項の規定により土地建物等を買い取つた施行予定者は、当該土地に係る都市計画に適合するようにこれを管理しなければならない。
この条文の基本情報
土地建物等の先買い等とは何ですか?
定義土地建物等の先買い等とは、都市計画法第52条の3に定められた規定で、「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第52条の3(土地建物等の先買い等)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第52条の3の条文原文は「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 都市計画法第52条の3は第一節の三 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第52条の3の前の条は都市計画法第52条の2です。
- 都市計画法第52条の3の次の条は都市計画法第52条の4です。
- 都市計画法第52条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/52_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法52条の3は、市街地開発事業等予定区域内の土地の有償譲渡に届出を義務づけ、届出後30日以内に施行予定者が買取りを通知すれば予定対価の額で売買が成立したとみなす。
Q · 予定区域に入っている土地を売りたいとき、先に役所へ届出がいるの?
届出が必要で、届出後30日間は売却できません
都市計画法52条の3により、市街地開発事業等予定区域内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、予定対価の額・相手方などを書面で施行予定者に届け出なければなりません(2項)。届出から30日以内に施行予定者が買取りの通知をすると、届出書に記載した予定対価の額で売買が成立したものとみなされます(3項)。その期間中は本来の買主への譲渡も禁止されます(4項)。届出義務が発生するのは、施行予定者の公告の日の翌日から起算して10日を経過した後の有償譲渡です。文化財保護法46条の適用を受ける場合は届出不要です。
解説
相続した土地を売ろうとして買主も見つかった。ところがその土地が「市街地開発事業等予定区域」に入っていると、あなたは買主に売る前に、まず施行予定者(都道府県や市町村、都市再生機構など、その事業をやる予定の主体)に書面で届け出なければならない。届出から30日以内に「うちが買います」と通知が来れば、その瞬間、あなたが届出書に書いた予定対価の額で売買が成立したとみなされる。あなたが「やっぱり売らない」と言っても、もう遅い。届出書に書いた金額が、そのまま契約金額として確定する。しかも届出後30日間(買わない旨の通知があればその時まで)は、本来の買主に譲り渡すこと自体が禁止される。つまりこの条文は、あなたの土地取引に「役所が先に手を挙げる権利」という見えない優先レーンを敷いている。予定対価の額を書く欄は、ただの記入欄ではない。あなたが自分で自分の売却価格を確定させる、片道切符の欄である。
法的な位置づけ
都市計画法52条の3は、市街地開発事業等予定区域における土地建物等の先買い制度を定める規定である。施行予定者の公告の日の翌日から起算して10日を経過した後の有償譲渡について書面による届出義務を課し、施行予定者に30日間の優先取得の機会を与えるとともに、その期間中の譲渡を禁止する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.予定区域該当と公告日を都市計画担当課で確認 対象地が市街地開発事業等予定区域内かを都市計画図で確認し、施行予定者による公告の日を特定する。公告の日の翌日から起算して10日を経過しているかどうかで、届出義務の有無が変わる
- 2.予定対価の額を決める前に価格水準を押さえる 3項により売買が成立するのは「届出書に記載された予定対価の額」である。近傍の取引事例と不動産鑑定の水準を確認し、その額で成立しても受け入れられるかを判断してから記入する。対価が金銭以外なら時価基準の見積額と根拠資料を用意する
- 3.買主との契約書に停止条件条項を入れる 売買契約書に「本件土地について都市計画法52条の3の届出を行い、施行予定者による買取通知がなされなかったことを停止条件とする」旨を定め、30日の宙吊り期間中の解除・違約の争いを事前に消す
- 4.書面で施行予定者に届け出る 土地建物等の表示、予定対価の額、譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を記載した届出書を、施行予定者に書面で提出する。受理日を控え、30日の起算点を明確にする
- 5.30日の譲渡禁止期間を前提に決済日程を組み直す 届出後30日間(買わない旨の通知があればその時まで)は譲渡できない。相続税の納付期限、住み替え先の決済、買主の資金実行日をこの固定ブロックから逆算して再設定する
よくある質問 AI による整理
Q1市街地開発事業等予定区域とは何ですか?
土地区画整理事業や新住宅市街地開発事業などを将来行う区域として、事業の都市計画決定に先立って定められる区域です。都市計画法12条の2が定めます。
Q2先買いの届出はいつから必要になりますか?
施行予定者による公告の日の翌日から起算して10日を経過した後の有償譲渡から必要です(2項)。公告直後の10日間は猶予期間にあたります。
Q3届出をせずに土地を売ったらどうなりますか?
4項の譲渡禁止に違反する状態となり、法令違反として登記や事業計画上の地位が不安定になります。私法上の効力の評価は実務上分かれています。
Q4届出後どのくらい土地を売れませんか?
届出から30日間は譲渡禁止です。ただし期間内に施行予定者が買わない旨の通知をすれば、その時点で譲渡できるようになります(4項)。
Q5先買いの届出は誰に出すのですか?
施行予定者に対して書面で提出します。施行予定者は都道府県・市町村・独立行政法人都市再生機構など、その事業を行う予定の主体です。
Q6土地だけでなく建物も届出の対象になりますか?
対象になります。2項の「土地建物等」は、土地または土地およびこれに定着する建築物その他の工作物を指します。
Q7無償で贈与する場合も届出は必要ですか?
不要です。2項の対象は「有償で譲り渡そうとする者」であり、相続や純粋な贈与は届出義務の対象外です。対価があれば交換でも対象です。
Q8届出が不要になるのはどんな場合ですか?
土地建物等の全部または一部が文化財保護法46条(同法83条準用を含む)の適用を受けるときです(2項ただし書)。重複手続の回避が趣旨です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1届出書に書いた金額より高く買いたいという人が後から現れたら、断れますか?
施行予定者から買取通知が届いた後は断れません。3項により、届出書記載の予定対価の額で売買が成立したものとみなされるからです。逆に買取の通知がなければ、その後は自由に譲渡できます。実務のポイント:実務では、予定対価を市場水準より低く書いてしまうと施行予定者にとって買い得な物件になり、買取通知が出やすくなります。届出書の額は「手続上の数字」ではなく「売却価格そのもの」として扱う。この一点を知っているかどうかで、記入前に鑑定を取るかどうかの判断が変わります。
Q2予定対価が金銭ではなく、土地の交換だった場合はどうなりますか?
2項が、予定対価が金銭以外のときは時価を基準として金銭に見積もった額を記載すると定めています。交換や代物弁済でも届出は必要で、見積額が3項の成立価格になります。実務のポイント:等価交換や共同事業のスキームでは対価の金銭換算が難しく、見積額の根拠資料を先に用意しておかないと、施行予定者との認識差がそのまま価格の争いになります。評価の根拠を届出書に添えておくのが実務上の防御線です。
Q3施行予定者が買い取った土地は、その後どうなるんですか?
5項により、施行予定者は買い取った土地を当該土地に係る都市計画に適合するように管理する義務を負います。私人と違い、自由に転売したり別用途に使ったりできる立場ではありません。実務のポイント:この管理義務があるため、施行予定者は事業計画との適合性を見て買取の可否を判断します。自分の土地が計画上どの街区・どの用途に位置付けられているかを都市計画図で先に確認すると、買取通知が来る確率をある程度読めます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「先買い権があるといっても、役所が買うと言ってきたら改めて値段交渉すればいい」と考えるのは、3項の読み違いである。買取通知が届いた時点で、届出書に記載された予定対価の額で売買が成立したものとみなされる。交渉のテーブルは、届出書を出した瞬間に閉じている
- 多くの人が「届出さえ出せばすぐ売れる」と思っているが、深刻なのは期間の方である。届出から30日間は譲渡禁止(4項)。相続税の納付期限が迫っている、住み替え先の決済が決まっている、そうした時間割の中に30日という固定ブロックが割り込む。金額の問題ではなく、スケジュールの問題として効いてくる
- 売主から見れば「自分の土地を自分の判断で売る話」だが、法律から見れば「予定区域の用地を事業主体が確実に確保するための情報収集と優先取得の仕組み」である。この視点の落差があるために、売主は届出を形式的な手続と思い、施行予定者は実質的な用地取得の機会と捉える。認識の非対称が、そのまま交渉力の非対称になる
- 「文化財保護法の適用を受ける土地なら届出不要」という2項ただし書を、面積や種類の例外と混同する人がいる。これは文化財保護法46条(同法83条準用を含む)の有償譲渡に係る手続がすでにかかっている場合の重複回避であって、一般的な免除ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用段階 | 都計法52条の3:予定区域の段階(事業の都市計画決定前) | 都計法57条:事業予定地の段階(事業決定の告示後) 都計法52条の4:予定区域内の買取請求(所有者から申し出る場面) |
| 誰が動くか | 譲渡しようとする者が届出、施行予定者が買取りを選択 | 譲渡しようとする者が届出、施行者・都道府県知事等が買取りを選択 所有者が施行予定者に買取りを請求 |
| 価格の決まり方 | 届出書に記載された予定対価の額でそのまま成立とみなす(3項) | 届出に係る価額を基礎として買取りが行われる 請求に対する協議で定まる |
| 譲渡の制限 | 届出後30日間は譲渡禁止(4項) | 同様に一定期間の譲渡制限がかかる 譲渡制限ではなく取得請求の制度 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は「予定区域の届出+先買い」という中間段階を独立の制度として持たず、公共設施保留地の取得方式と、徴収前の協議価購(任意買収の先行義務)で類似の機能を分担している
韓国は先買いではなく土地取引許可区域制を採る。区域内の取引は事前許可を要し、許可されなければ契約の効力が生じない点で、日本の届出・先買い型より介入が強い
ドイツは自治体の法定先買権を建設法典に明文化し、売買契約の届出を受けて自治体が同一条件で買主の地位に入る。価格は当事者間の合意価格が基準となり、日本の予定対価記載と機能が近い
フランスは droit de préemption urbain を定め、譲渡意思表示(DIA)の提出後、自治体が一定期間内に先買いの意思を示す。提示価格に不服があれば収用裁判官が価格を決定する点が日本と異なる
米国は一般的な公的先買制度を連邦法に持たず、再開発では eminent domain による強制取得と正当補償が基本枠組み。先買いは州法・自治体条例レベルの個別制度にとどまる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の土地を相続し、不動産業者から「すぐ買いたい」と言われて価格交渉の末に合意した。契約日を決めた段階で、業者から「ここ予定区域なので先買いの届出が要ります」と告げられる。届出から30日、買主は待ってくれるか。待てないと言われたら取引自体が流れる。この30日の存在を知らずに決済日を設定した人が、違約金の話に巻き込まれる
- 施行予定者から「買い取る」という通知が来た。あなたは「いや、届出書に書いた金額は交渉のたたき台のつもりだった」と主張したい。だが3項は売買が成立したものとみなすと書いている。値上げ交渉の余地はない。届出書を書く時点が、価格を決める唯一の瞬間だった
- もし届出をせずに売ってしまったら、どうなる? 4項は譲渡そのものを禁じている。買主との契約の私法上の効力をどう評価するかは実務上、解釈が分かれているが、少なくとも法令違反の状態で登記や事業計画上の地位が不安定になる。買主側が知った瞬間、決済停止を求めてくるリスクは現実的
- あなたが買う側で、予定区域内の土地に手付を打とうとしている。売主が届出をしていなければ、30日後にその土地が施行予定者のものになっている可能性がある。手付金と調査費が宙に浮く。契約書に「先買い不成立を停止条件とする」と一行入れておくかどうかで、あなたの立場は全く違う
- 公告の翌日から起算して10日を過ぎた。あと数日で決済のつもりだった相続人が、この10日間の猶予が終わったことに気付いていない。10日を過ぎた後の有償譲渡は、すべて届出の対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象地が市街地開発事業等予定区域内か、公告日はいつかを都市計画担当課で確認、公告の翌日から10日の起算点を押さえる2. 届出書の予定対価の額を記入する前に、近傍取引事例と鑑定水準を確認、その額で売買成立しても受け入れられるかを判断3. 買主との契約書に、買取通知がないことを停止条件とする条項を入れる4. 届出後30日間は譲渡禁止であることを前提に、決済日・納税期限・住み替え日程を逆算して組み直す
訴えられた側:1. 届出をせずに譲渡した、または30日以内に譲渡してしまった疑いがある場合、まず施行予定者と都市計画担当課に事実関係を申告し、是正の方法を確認2. 買主に対しては、契約の履行可否と決済の一時停止を速やかに通知、後出しの発覚が損害拡大と信用毀損を招く3. 文化財保護法46条の適用対象であればそもそも届出義務の例外に当たるため、該当性を資料で確認4. 買主側であれば、売主の届出履行状況を書面で確認し、未了なら決済を止めて手付金の保全を図る
時効(請求できる期限):公告の日の翌日から起算して10日を経過した後の有償譲渡から届出義務が発生(2項)。届出後30日以内に施行予定者が買取通知をすれば売買成立とみなされ(3項)、その期間内(買わない旨の通知があればその時まで)は譲渡禁止(4項)。届出義務違反に関する罰則や私法上の効力については、最新の改正状況および所管自治体の運用をご確認ください。
学説
実務上の議論(届出義務違反の私法上の効力):届出を欠く譲渡や30日以内の譲渡について、条文は行為を禁じているが契約の効力を明文で否定していない。取締規定として私法上の効力は維持されるとの整理と、事業の実効性から効力を否定すべきとの整理が並存し、実務では所管自治体の運用と登記・事業計画上の地位の不安定さを踏まえた処理が行われる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法(昭和43年法律第100号)制定。旧都市計画法を全面改正し、市街化区域・市街化調整区域の区分や開発許可制度を含む現行体系が成立
- 2.昭和50年(1975年) 新設:市街地開発事業等予定区域の制度が創設され、予定区域内の行為制限(52条の2)、有償譲渡の届出と先買い(52条の3)、買取請求(52条の4)が一体として導入された
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