都市計画法 第52条の4(土地の買取請求)
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- 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべきことを請求することができる。ただし、当該土地が他人の権利の目的となつているとき、及び当該土地に建築物その他の工作物又は立木に関する法律(明治四十二年法律第二十二号)第一条第一項に規定する立木があるときは、この限りでない。
- 2.前項の規定により買い取るべき土地の価格は、施行予定者と土地の所有者とが協議して定める。第二十八条第三項の規定は、この場合について準用する。
- 3.前条第五項の規定は、第一項の規定により土地を買い取つた施行予定者について準用する。
- 4.第一項の規定は、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。
この条文の基本情報
土地の買取請求とは何ですか?
定義土地の買取請求とは、都市計画法第52条の4に定められた規定で、「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第52条の4(土地の買取請求)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第52条の4の条文原文は「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべ…」で始まります。
- 都市計画法第52条の4は第一節の三 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第52条の4の前の条は都市計画法第52条の3です。
- 都市計画法第52条の4の次の条は都市計画法第52条の5です。
- 都市計画法第52条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第52条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/52_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法52条の4は、市街地開発事業等予定区域内の土地所有者が施行予定者に時価での買取りを請求できると定める。ただし工作物や立木がある土地、20条1項の告示後は請求できない。
Q · 都市計画で「予定区域」に入った土地、自分から買い取れと言えますか?
要件を満たせば施行予定者に時価での買取りを請求できます
都市計画法52条の4第1項により、市街地開発事業等予定区域内の土地の所有者は、施行予定者に対して当該土地を時価で買い取るべきことを請求できます。ただし、その土地が他人の権利の目的となっているとき、建築物その他の工作物や立木法上の立木があるときは請求できません(同項ただし書)。価格は施行予定者との協議で定め、協議が調わないときは28条3項の準用により収用委員会の裁決を求めます。さらに4項により、予定区域に係る市街地開発事業または都市施設の都市計画について20条1項の告示があった後は、この請求権は使えなくなります。
解説
土地を持っているのに売ることも建てることもできない、そんな状態に行政が合法的にあなたを置ける制度がある。市街地開発事業等予定区域。将来ここに新幹線の駅を作る、区画整理をする、そう都市計画で「予定」を打った瞬間、あなたの土地は塩漬けになる。建築制限がかかり、買い手は逃げる。だがこの条文は、その塩漬け状態に対してあなたの側から反撃する権利を用意している。施行予定者(事業をやる予定の自治体や公社)に対し、「時価で買い取れ」と請求できるのだ。相手が買いたいと言い出すのを待つ必要はない。あなたが引き金を引く。ただし落とし穴が二つある。第一に、土地に抵当権や借地権が付いていたり、建物や登記された立木が載っていると請求できない。第二に、本格的な事業計画の告示が出た後は、この52条の4の請求権は使えなくなり、別ルートに切り替わる。窓には開いている期間がある。
法的な位置づけ
都市計画法52条の4は、市街地開発事業等予定区域内の土地の所有者に対し、施行予定者への時価買取請求権を付与する規定である。他人の権利の目的となっている土地、工作物または立木が存する土地は対象外とされ、買取価格は当事者の協議により定まり、協議が調わないときは28条3項の準用により収用委員会の裁決に委ねられる。
手順
- 1.区域の種類と施行予定者を特定する 市区町村の都市計画担当課で、自分の土地が市街地開発事業等予定区域に含まれているか、都市計画図と計画書で確認する。あわせて都市計画に定められた施行予定者の名称と、20条1項の告示予定時期を聞き取る
- 2.ただし書の三障害を登記簿と現地で確認する 登記事項証明書を取得し、抵当権・借地権など他人の権利の有無を確認する。現地では建築物その他の工作物、立木法による登記済み立木の有無を確認する。いずれかがあれば1項ただし書で請求できないため、請求前に整理方針を決める
- 3.障害物を整理し、費用対効果を検証する 工作物の撤去費用や権利抹消費用と、制限が続く間の固定資産税・売却機会の逸失を数年分で比較する。撤去する場合は滅失登記まで済ませ、請求時点で要件を満たす状態を書面で立証できるようにする
- 4.国土交通省令所定の様式で買取請求書を提出する 施行予定者宛てに、土地の表示、請求の根拠条文(都市計画法52条の4第1項)、添付書類を記載した買取請求書を提出する。提出日と受理の事実が残る方法(持参の受領印、内容証明郵便等)を選ぶ
- 5.価格協議に自前の鑑定評価で臨む 2項の協議では、行政側の鑑定だけに委ねず、不動産鑑定士による評価書を自ら用意する。予定区域指定による地価下落の扱いが争点になるため、指定前の取引事例を集めて鑑定士に渡す
- 6.協議不調なら収用委員会の裁決を申請する 協議が調わないときは、2項が準用する28条3項により都道府県の収用委員会に裁決を申請する。主張の土俵が窓口交渉から行政委員会の手続に移るため、書面と評価資料を整えて臨む
よくある質問 AI による整理
Q1市街地開発事業等予定区域とは何ですか?
将来の市街地開発事業や都市施設の用地を、事業計画の確定前に都市計画で先取りして指定する区域です。指定されると建築等の制限がかかり、その代償として52条の4の買取請求権が用意されています。
Q2都市計画法52条の4の買取請求はいつまでできますか?
条文に固有の期間制限はありませんが、4項により予定区域に係る市街地開発事業・都市施設の都市計画について20条1項の告示があった後は適用されません。実質的な締切は告示日です。
Q3買取請求はどこに提出しますか?
施行予定者(都市計画で定められた自治体・公社等)に対して、国土交通省令で定めるところにより請求します。区域と施行予定者の特定は、市区町村の都市計画担当課で確認できます。
Q4抵当権が付いている土地でも買取請求できますか?
1項ただし書の「他人の権利の目的となつているとき」に当たるため、そのままでは請求できません。住宅ローンの担保権や借地権が残っている場合は、先に権利関係の整理が必要になります。
Q5予定区域に指定されると建築はできなくなりますか?
52条により予定区域内の建築物の建築その他の行為には許可が必要となり、事業に支障のある建築は原則として認められません。この制限が土地の売却可能性を大きく下げます。
Q6買取価格はどうやって決まりますか?
2項により施行予定者と所有者の協議で定めます。協議が調わない場合は28条3項の準用により収用委員会に裁決を申請できます。条文が保障するのは買取義務であって希望額ではありません。
Q7買取請求を断られたらどうすればいいですか?
1項の要件を満たす限り施行予定者に買取義務があり、拒否の裁量はありません。窓口の口頭説明で止めず、条文を引用して文書で回答を求め、価格が争点なら収用委員会の裁決手続に進みます。
Q8予定区域の指定は何年続きますか?
予定区域は、一定期間内に本格的な都市計画の告示がなければ効力を失う仕組みです。ただしその間も建築制限は続き、売却困難による機会費用は所有者が負担し続けることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1買い取ってもらいたいんですが、市役所が渋ったら泣き寝入りですか?
泣き寝入りではない。1項の要件を満たせば施行予定者に買取義務が生じ、拒否の裁量はない。価格が折り合わない場合は2項と28条3項の準用により収用委員会の裁決を求められる。実務のポイント:窓口では「予算がない」「時期尚早」と言われることが多いが、それは事実上の説明であって法的な拒否理由ではない。条文番号を挙げて文書で回答を求めると、対応の質が変わる
Q2土地に物置小屋が建っているだけでもダメなんですか?
1項ただし書は「建築物その他の工作物」を除外事由としており、物置小屋も工作物に当たりうる。撤去すれば請求可能性が出るが、撤去費用は所有者負担になる。実務のポイント:撤去費用と、塩漬けが続く場合の固定資産税・機会費用を数年分で比較する。数十万円の解体費で数年分の損失を止められるなら、先に壊す判断が合理的になる場合がある
Q3時価って、いつの時点の価格ですか?
実務上は協議成立時または裁決時に近い時点の価格を基準とするが、予定区域指定による地価下落分をどう扱うかは実務上、解釈が分かれている論点である。実務のポイント:計画による価格低下を織り込まない評価を求めるなら、指定前の取引事例を自ら集めて鑑定士に渡す。行政側の鑑定だけに任せると、制限後の低い相場が基準になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「買取請求すれば必ず希望額で買ってもらえる」と考えるのは、問いの立て方が誤っている。条文が保障するのは買取義務であって価格ではない。価格は協議で定め、整わなければ収用委員会の裁決による(2項、28条3項準用)。争う土俵が協議から行政委員会へ移るという構造を先に理解すべきである
- 「予定区域の制限は知っている」という人は多いが、その制限が何年続きうるかを直視していない。予定区域は3年以内に本格的な都市計画の告示をしなければ失効する仕組みだが(12条の2関連)、その間あなたの土地は資産として死んでいる。制限の存在ではなく、制限下で失われる機会費用こそが本当の損害である
- 所有者の目には「自分の土地をどう使おうが自由」と映るが、都市計画法の目には「都市の骨格を形成する空間資源」と映る。この落差が、建築確認が下りない理由であり、同時にこの買取請求という補償装置が存在する理由でもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 52条の4:土地所有者が施行予定者に買取りを請求する | 52条の3:施行予定者側が先買いのため届出を受け買い取る 52条:行為の許可制、買取りではなく制限そのもの |
| 使える時期 | 予定区域の段階のみ。20条1項の告示後は4項により適用外 | 予定区域内で土地建物等を有償譲渡しようとする局面 予定区域が定められている間は継続して適用 |
| 要件の壁 | 他人の権利・工作物・立木があると請求不可(1項ただし書) | 譲渡の届出義務が前提で、所有者側の選択権は限定的 建築等の行為をしようとすること自体が要件 |
| 価格の決まり方 | 協議、不調なら28条3項準用で収用委員会の裁決 | 先買いの協議により定まる 価格の問題は生じない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では公共設施保留地の長期未取得が社会問題化し、取得期限や使用制限の規律が置かれている。所有者側からの一併徵收請求は土地徵收條例に根拠があり、都市計画法自体に買取請求権を置く日本とは条文の座りが異なる
韓国は都市・郡計画施設の敷地について、一定期間事業が実施されない場合に所有者が地方自治体に買受を請求できる制度を持つ。長期未執行への対処という問題意識は日本と共通する
ドイツは Bebauungsplan の指定により土地が従前の用途で利用できなくなった場合、所有者が自治体に Übernahme(買取り)を求めうる。計画制限の代償として買取請求を与える構造は日本と同型
フランスは emplacement réservé に指定された土地について droit de délaissement を認め、所有者が行政に取得を迫ることができる。応答期限と価格決定手続が法定されている点に特徴がある
米国には買取請求という条文上の制度はなく、規制が財産権を過度に奪う場合に regulatory taking として逆収用訴訟で補償を求める構成をとる。救済が事前の請求権ではなく事後の訴訟である点が根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した郊外の土地を売って相続税を払う予定だった。不動産屋に持ち込んだら「ここ予定区域だから買い手つきません」と言われる。売却予定が崩れ、納税期限だけが迫る。この条文を知っていれば、施行予定者に買取請求という選択肢が最初から手元にあった
- 自治体の担当者から「まだ事業が具体化していないので買取は難しい」と言われた。だがこの条文は施行予定者に応じる義務を課している。価格協議が整わなければ収用委員会の裁決を求める道もある(28条3項準用)。窓口の口頭説明と条文上の権利は別物である
- もし土地に古い倉庫が一棟だけ建っていたら、どうなる? 1項ただし書で請求できない。解体して更地にすれば請求できる可能性が出てくるが、解体費用は自己負担。建物を残すか壊すか、その判断が請求権の有無を分ける
- あと数か月で都市計画の告示が出ると聞いた。4項により、告示後はこの請求権が消える。使うなら今。告示スケジュールを自治体に確認するところから始まる
- 土地を貸して駐車場経営をしている。借地権という他人の権利が付いているため請求できない。契約を整理してからでないと、この扉は開かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の土地が市街地開発事業等予定区域に入っているか、自治体の都市計画課で確認し、施行予定者の名称を特定する2. 登記簿を取得し、抵当権・借地権・地上建物・登記された立木の有無を確認、該当があれば請求前に整理する3. 国土交通省令所定の様式で施行予定者に買取請求書を提出4. 価格協議に入り、不動産鑑定士による時価評価を自ら用意して協議に臨む5. 協議が整わない場合は28条3項準用により収用委員会の裁決を申請する
訴えられた側:施行予定者(自治体・公社等)側の立場であれば、1. 請求書を受理したら1項ただし書の三要件(他人の権利、工作物、立木)の有無を登記簿と現地で確認2. 4項に該当する告示済み区域でないかを確認3. 要件を満たす場合は買取義務があり、拒否はできない。価格協議へ移行し、複数の鑑定評価を用意する4. 協議不調時は収用委員会の裁決手続に備える
時効(請求できる期限):この請求権自体に固有の期間制限はないが、4項により市街地開発事業または都市施設に関する都市計画の20条1項の告示があった後は請求できなくなる。実質的な期限は告示日である。また予定区域の都市計画自体が失効すれば制限も請求権も消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和50年(1975年) 新設:都市計画法の改正により市街地開発事業等予定区域の制度が設けられ、区域内の行為制限とあわせて、土地所有者から施行予定者への買取請求権を定める本条が置かれた(現行条番号・改正経緯は最新の官報・e-Gov 版で要確認)
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