都市計画法 第53条(建築の許可)
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- 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
- 一政令で定める軽易な行為
- 二非常災害のため必要な応急措置として行う行為
- 三都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
- 四第十一条第三項後段の規定により離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度が定められている都市計画施設の区域内において行う行為であつて、当該離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度に適合するもの
- 五第十二条の十一に規定する道路(都市計画施設であるものに限る。)の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域内において行う行為であつて、当該道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で定めるもの
- 2.第五十二条の二第二項の規定は、前項の規定による許可について準用する。
- 3.第一項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。
この条文の基本情報
建築の許可とは何ですか?
定義建築の許可とは、都市計画法第53条に定められた規定で、「都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければなら…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第53条(建築の許可)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第53条の条文原文は「都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければなら…」で始まります。
- 都市計画法第53条は第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第53条の前の条は都市計画法第52条の5です。
- 都市計画法第53条の次の条は都市計画法第54条です。
- 都市計画法第53条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第53条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第53条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法53条は、都市計画施設の区域内で建築物を建てる際に都道府県知事等の許可を義務づける。54条により原則として階数二以下・容易に移転除却できる構造に限られる。
Q · 都市計画道路の予定地に家を建てるとき、許可さえ取れば何でも建てられるの?
原則は木造二階まで。鉄筋三階は通りにくい
都市計画法53条により、都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内で建築物を建てるには、建築確認とは別に都道府県知事等の許可が必要です。許可基準は同法54条にあり、階数が二以下で地階を有せず、主要構造部が木造・鉄骨造など容易に移転除却できるものであることが原則です。したがって鉄筋コンクリート造や三階建ては事実上通りません。ただし政令で定める軽易な行為、非常災害の応急措置など但書五類型は許可不要で、65条1項の告示後は本条の適用がなくなります。
解説
土地の登記簿を見ても、そこに「将来この土地の上を道路が通る」とは書いていない。だが都市計画の図面には、二十年前からその線が引かれている。都市計画法53条は、その線の内側で建築物を建てようとする者に、都道府県知事等の許可を義務づける条文である。ポイントは、あなたがその土地の所有者であっても、建築確認とは別に、この許可を先に取らなければ着工できないという点だ。しかも許可の判断基準は54条にあり、原則として木造など容易に移転・除却できる二階建て以下の建築物しか通らない。つまり「許可制」という言葉の実態は、鉄筋コンクリートの家は建てられない、という財産権の凍結に近い。ただし例外五類型が但書に並んでおり、応急措置や軽易な行為は許可不要。あなたが買おうとしている土地が都市計画施設の区域内かどうかは、市町村の都市計画課で無料で確認できる。契約前に調べた人と調べなかった人の差は、数千万円になる。
法的な位置づけ
都市計画法53条は、都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域内における建築物の建築を許可制とする規定である。許可権者は都道府県知事等であり、許可基準は同法54条が定める。政令で定める軽易な行為、非常災害のための応急措置、都市計画事業の施行として行う行為等は許可を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約前に市町村の都市計画課で区域を確認 土地の所在地を持参し、都市計画図で都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域に該当するかを確認する。敷地全体か一部かを図面上で指し示してもらい、かかる位置と面積を控える。多くの自治体は web の都市計画情報マップでも公開している
- 2.事業着手見込みと65条告示の予定を聴取 同じ窓口で、当該路線の事業着手の見込み時期と65条1項の告示予定を確認する。告示後は53条の適用がなくなり65条の一段厳しい許可制に切り替わるため、建て替え計画の可否はこの一点で分かれる。長期未着手路線の許可基準の緩和要綱があるかも併せて聞く
- 3.54条の基準に適合する設計を作成 階数二以下、地階なし、主要構造部が木造・鉄骨造等で容易に移転除却できる構造という原則基準に合わせて設計士に案を作らせる。鉄筋コンクリート造や三階建てを前提にした設計は、この段階で引き直す方が総コストは低い
- 4.都道府県知事等へ53条許可を申請 国土交通省令で定める様式により許可申請書を提出する。都市計画法施行規則51条が手続と様式を定める。窓口は市町村都市計画課であることが多い。事前相談を経てから正式申請するとやり直しが減る
- 5.許可取得後に建築確認を経て着工 53条の許可と建築基準法6条の建築確認は別制度であり、両方を通らなければ着工できない。建築主事は都市計画法の許可の有無を確認する立場にあるため、53条の許可を先に取得しておく
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画施設とは何ですか?
都市計画で定められた道路、公園、下水道、学校などの都市施設のことです。都市計画決定により区域が図面上で確定し、その区域内では都市計画法53条の建築許可制が及びます。
Q253条の許可申請はどこに出しますか?
都道府県知事等が許可権者ですが、窓口は市町村の都市計画課であることが多く、指定都市・中核市では市長が処理します。まず土地所在地の市町村都市計画課に確認するのが確実です。
Q3都市計画法53条の許可がいらないのはどんな場合?
但書に五類型あります。政令で定める軽易な行為、非常災害の応急措置、都市計画事業の施行として行う行為等、11条3項後段の離隔距離・載荷重に適合する行為、12条の11の道路区域の併用部分での行為です。
Q4許可を受けずに建てたらどうなりますか?
都市計画法81条の監督処分により、工事の停止や建築物の改築・移転・除却を命じられる可能性があります。原状回復の費用は自己負担です。命令が出る前の自主的な是正が最も低コストです。
Q5都市計画道路の予定地でも土地は売買できますか?
売買自体は自由にできます。53条は建築を許可制にするだけで処分を禁じるものではありません。ただし建築制限があるため取引価格や担保評価は下がりやすく、重要事項説明での告知対象になります。
Q653条の許可はどれくらいで下りますか?
法律上の処理期間の定めはなく、自治体の標準処理期間に従います。一般に数週間程度ですが、事前相談から起算すると余裕をみる必要があります。着工スケジュールは許可取得後に逆算してください。
Q7借りている土地でも53条の許可は必要ですか?
必要です。条文は「建築物の建築をしようとする者」を対象としており、所有者か借地人かを問いません。借地上に建てる場合も、土地所有者の承諾とは別に知事等の許可を取得します。
Q8都市計画道路の予定地は相続税評価が下がりますか?
下がる場合があります。財産評価基本通達には都市計画道路予定地の区域内にある宅地について補正を行う定めがあり、地積割合や容積率等に応じて評価額が減額されます。適用可否は税理士に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1都市計画道路の予定地だと、もう一生家は建て替えられないんですか?
建て替えは可能です。53条の許可を受ければよく、54条により階数二以下・地階なし・容易に移転除却できる構造であれば原則として許可されます。木造二階の住宅であれば通常通ります。実務のポイント:長期未着手の路線について、階数三以下や特定の構造まで許可対象を広げる運用を要綱で定めている自治体があります。都市計画課で「長期未着手路線の許可基準」があるか直接聞くと、公表資料に載っていない緩和が見つかることがある
Q2土地を買う前に、予定地かどうかを自分で調べられますか?
調べられます。市町村の都市計画課で都市計画図を閲覧すれば、都市計画施設の区域や市街地開発事業の施行区域が分かります。多くの自治体は web の都市計画情報マップでも公開しています。実務のポイント:図面上で建物の一部だけが計画線にかかっているケースが実務上いちばん厄介です。敷地全体ではなく、かかる部分の面積と位置で設計自由度が決まる。窓口では「敷地のどこまでが区域内か」を図面上で指で確認させてもらうこと
Q3事業認可の告示が出たら、53条の許可はもう要らないんですか?
53条3項により、65条1項の告示後はその土地の区域内で53条が適用されなくなります。ただし規制が消えるのではなく、65条という一段厳しい許可制に切り替わります。建築物だけでなく土地の形質変更や重量物の設置も対象になり、施行者の先買い権も発動します。実務のポイント:告示日は都市計画課で事前に見込みを聞けることが多い。建て替えを考えているなら、告示前に着工できるかどうかが選択肢の広さを決める
間違えやすい点 AI による整理
- 「都市計画道路の予定地でも、許可さえ取れば普通に家が建つ」と理解している人は多い。だが許可の実態を知ると話が変わる。54条は、階数が二以下で地階を有せず、かつ主要構造部が木造・鉄骨造など容易に移転除却できる構造であることを原則的な許可要件とする。つまり許可制という穏やかな言葉の下で、実際には鉄筋コンクリート造や三階建てが事実上排除されている。深刻度を知らないまま土地を買うと、想定していた建物が建たない
- 「建築確認が下りたのだから建てていいはずだ」という問いの立て方そのものが誤っている。53条の許可と建築基準法の建築確認は別制度であり、建築主事は都市計画法の許可を取っているかを確認する立場にある。どちらか一方では着工できない。二つの関門を順に通る構造であることを理解していないと、申請の順序を間違えて工期が数か月飛ぶ
- 所有者から見れば「自分の土地に自分の金で建てるだけ」だが、都市計画法から見れば「将来の公共施設用地に、撤去困難な障害物を置こうとする行為」である。この視角の落差が、交渉の場で所有者を不利にする。役所は私的な事情を斟酌する制度を持っておらず、許可基準に適合するかどうかだけを見る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される局面 | 53条:都市計画決定後、事業認可の告示前 | 65条:事業認可等の告示後 55条:施行予定者が定められた都市計画施設の区域内 |
| 許可の対象行為 | 建築物の建築のみ | 建築物の建築に加え、土地の形質変更、重量物の設置 建築物の建築(知事が原則不許可とできる) |
| 許可基準 | 54条:階数二以下・地階なし・容易に移転除却できる構造が原則 | 事業の施行の障害となるおそれの有無で判断 施行予定者による事業実施の支障の有無 |
| 土地の処分への影響 | 売買は自由、先買い権なし | 施行者の先買い権が発動する 施行予定者への買取り請求の制度がある |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は公共設施保留地について、指定目的を妨げる使用を禁じつつ、取得前は臨時建築の申請を認める構造。日本の53条・54条が許可基準で構造を絞るのに対し、台湾は用途と仮設性で絞る点が異なる
韓国は都市・郡計画施設の敷地における開発行為許可を制限し、仮設建築物等に限って許可する構造。長期未執行の都市計画施設について、一定期間経過後に決定が失効する制度を設けている点が日本と大きく異なる
ドイツは計画策定中の区域について期間を区切った変更禁止を課す方式。期間制限が明確で、一定期間を超える場合の補償規定が法定されている点が、日本の無期限に近い制限と対照的
フランスは PLU(地区詳細計画)で公共施設予定地を留保地として指定する。所有者は自治体に買取りを請求でき(droit de délaissement)、請求に応じない場合は留保が解ける仕組みを備える
米国は公式図に記載された計画道路区域内の建築を制限する州法があるが、長期の制限が憲法上の収用(taking)に当たると判断された州の事例もあり、補償の要否が争点になりやすい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 郊外の安い土地を見つけて購入、いざ三階建ての鉄筋住宅を設計したら、市の窓口で「ここは都市計画道路の予定区域です」と言われた。53条の許可申請は必要で、54条の基準に照らすと鉄筋三階は通らない。木造二階なら通る。設計を一から引き直すコストと、土地代の値引き交渉ができなかった悔しさが同時に襲ってくる
- あなたが不動産仲介の側に立っているとしよう。重要事項説明で都市計画施設の区域内であることを説明し忘れた。買主が建築不能を知って契約解除と損害賠償を求めてきたら、宅地建物取引業法35条違反として仲介業者の責任が問われる。53条は買主だけでなく、説明義務を負うあなたの首も絞める条文である
- 台風で自宅の屋根が飛んだ。都市計画道路の予定区域内だが、応急の仮設で雨を凌ぎたい。この場合は但書二号「非常災害のため必要な応急措置」に該当し、許可なく行える。慌てて役所に駆け込む必要はない
- もし、都市計画決定から三十年経っても道路が一向に着工されなかったら? その間ずっと鉄筋の建て替えができないまま固定資産税だけ払い続けることになる。長期未着手の都市計画制限が財産権侵害にあたるかは、最高裁が平成17年11月1日の判決で補償の余地に触れており、実務上も解釈が分かれている論点である
- 事業認可の告示が出た。あと数十日で65条の世界に切り替わり、53条は適用されなくなる代わりに、建築物の建築だけでなく土地の形質変更や重量物の設置まで許可対象が広がり、しかも土地建物の先買い権まで発動する。53条で通っていた木造二階も、65条下では通らなくなる可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 購入した土地が都市計画施設の区域内だと後から判明したら、まず重要事項説明書を確認し、都市計画法に基づく制限の記載があったかを検証する2. 記載漏れがあれば宅地建物取引業法35条の説明義務違反として、仲介業者に対し契約解除または損害賠償を検討する3. 並行して市町村の都市計画課で事業着手の見込み時期を確認、長期未着手であれば許可の運用が緩和されている自治体もある4. 許可申請自体は諦めず、木造二階の設計であれば通る可能性が高い。設計士に54条の基準を前提とした案を作らせる
訴えられた側:1. 許可を受けずに着工したと指摘された場合、まず但書五類型のいずれかに該当しないか検証する。特に政令で定める軽易な行為と応急措置は実務上よく使われる2. 該当しなければ、工事を止めて事後的に許可申請を行い、監督処分を回避する交渉をする3. 81条の違反是正命令が出ると原状回復義務が生じ、費用は自己負担になる。命令前の自主是正が最もコストが低い4. 処分に不服がある場合は行政不服審査法に基づく審査請求、または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):53条自体に申請期限の定めはないが、着工前に許可を得ていなければ違反となる。監督処分に対する不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から起算して審査請求が3か月、取消訴訟が6か月(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。65条の事業認可告示後は53条の適用がなくなるため、告示日が実質的な分水嶺となる
学説
一般的制限説(受忍限度説):都市計画に基づく建築制限は、都市の健全な発展という公共の福祉のために課される一般的・抽象的な制限であり、特定人に対する特別の犠牲には当たらないため、原則として損失補償を要しないとする立場。
特別犠牲説(長期制限補償論):事業着手のないまま数十年にわたって建築制限が継続する場合、制限は実質的に特定の所有者に集中した負担となり、特別の犠牲として損失補償を要する余地があるとする立場。実務上も解釈が分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.大正8年(1919年) 新設:旧都市計画法が制定され、都市計画区域内の建築制限の枠組みが初めて法定された
- 2.昭和43年(1968年) 改正:都市計画法の全部改正(法律第100号)。区域区分制度・開発許可制度とともに、都市計画施設の区域内における建築許可制が現行53条として整備された
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