都市計画法 第54条(許可の基準)
クイックジャンプ
- 都道府県知事等は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可をしなければならない。
- 一当該建築が、都市計画施設又は市街地開発事業に関する都市計画のうち建築物について定めるものに適合するものであること。
- 二当該建築が、第十一条第三項の規定により都市計画施設の区域について都市施設を整備する立体的な範囲が定められている場合において、当該立体的な範囲外において行われ、かつ、当該都市計画施設を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること。ただし、当該立体的な範囲が道路である都市施設を整備するものとして空間について定められているときは、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとして政令で定める場合に限る。
- 三当該建築物が次に掲げる要件に該当し、かつ、容易に移転し、又は除却することができるものであると認められること。
- 一階数が二以下で、かつ、地階を有しないこと。
- 二主要構造部(建築基準法第二条第五号に定める主要構造部をいう。)が木造、鉄骨造、コンクリートブロツク造その他これらに類する構造であること。
この条文の基本情報
許可の基準とは何ですか?
定義許可の基準とは、都市計画法第54条に定められた規定で、「都道府県知事等は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第54条(許可の基準)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第54条の条文原文は「都道府県知事等は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可をしなければならない。」で始まります。
- 都市計画法第54条は第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第54条の前の条は都市計画法第53条です。
- 都市計画法第54条の次の条は都市計画法第55条です。
- 都市計画法第54条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第54条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第54条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/54
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法54条は、都市計画施設の区域内の建築許可基準を定める。申請が各号に該当すれば知事は許可しなければならない。三号は階数二以下・地階なし・木造等で容易に除却できる建築物を対象とする。
Q · 都市計画道路の予定地でも、家は建て替えられるの?
要件を満たせば知事に断る裁量はありません
都市計画法54条は、53条1項の建築許可申請が各号のいずれかに該当する場合、都道府県知事等は「その許可をしなければならない」と定めています。実務上の鍵は三号で、階数が二以下、地階を有しない、主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造等であり、容易に移転し又は除却できると認められる建築物であれば、許可は義務づけられます。逆に三階建てや鉄筋コンクリート造は要件の入口で外れます。制限を覆す交渉ではなく、設計を要件に収める作業が本質です。
解説
都道府県知事に裁量はない。都市計画法54条の語尾は「許可をしなければならない」であって、「許可することができる」ではない。都市計画道路や公園の予定地、いわゆる都市計画施設の区域内では、53条により建築に許可が要る。だが54条の各号のどれか一つに当てはまれば、知事はその許可を出す義務を負う。窓口で「予定地だから難しい」と言われても、それは法律の答えではなく担当者の感触にすぎない。鍵は三号である。階数二以下、地階なし、主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造など、容易に移転または除却できると認められる建築物。この枠に設計を収めた瞬間、あなたの申請は拒否できない申請に変わる。逆に、三階建てや鉄筋コンクリート造にした瞬間、拒否できる申請に落ちる。設計を決めるより前にこの一行を知っているかどうかで、土地の使い道が変わる。
法的な位置づけ
都市計画法54条は、都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内における建築許可の基準を定める規定である。同法53条1項による許可申請が本条各号のいずれかに該当する場合、都道府県知事等は許可をしなければならず、許否についての裁量を有しない。第三号は、階数二以下・地階なし・主要構造部が木造等であり、容易に移転し又は除却できると認められる建築物を対象とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象地が都市計画施設の区域か、事業認可の前後かを特定する 自治体の都市計画課または公開の都市計画情報マップで、対象地が都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域に入っているかを確認する。あわせて事業認可の前か後かを必ず確認する。認可後は65条の制限に移り、54条三号の枠は使えない
- 2.54条三号の枠に設計を収められるか設計士と検討する 階数二以下、地階を有しないこと、主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造等であることを満たしたうえで、容易に移転し又は除却できると認められる設計にする。基礎の仕様が論点になるため、図面が固まる前に検討する
- 3.自治体が公表する許可取扱要領を入手する 多くの自治体が53条・54条の許可取扱要領を公表しており、基礎構造や除却容易性の判断基準まで記載されている場合がある。設計前に入手できるかどうかで差し戻しの回数が変わる
- 4.口頭の「難しい」で引き下がらず、書面で申請して処分をもらう 窓口の口頭説明は行政処分ではないため、審査請求も取消訴訟も提起できない。納得できない場合は53条1項の許可申請を正式に提出し、不許可なら理由を付した書面の処分を取りに行く
- 5.不許可なら取消訴訟に申請型義務付け訴訟を併合する 54条は羈束規定であるため、取消しだけを求めると審査のやり直しに終わる。行政事件訴訟法37条の3の申請型義務付け訴訟を併せて提起し、許可そのものを取りに行く。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は処分を知った日から6か月が期限
よくある質問 AI による整理
Q1都市計画法54条をわかりやすく言うと?
都市計画道路や公園の予定地で建築許可を出すかどうかの基準です。各号に当てはまれば知事は許可を出す義務を負い、断る裁量はありません。判断の中心は三号の階数・構造・除却容易性です。
Q2都市計画道路の予定地でも建て替えはできる?
できます。階数二以下、地階なし、主要構造部が木造・鉄骨造等で容易に移転除却できる建築物なら、54条三号により許可が義務づけられます。三階建てや鉄筋コンクリート造は原則として通りません。
Q353条の許可を取らずに建てたらどうなる?
都市計画法81条の監督処分の対象となり、是正命令や除却命令を受ける可能性があります。将来事業が動いたときの補償交渉でも、正規の手続を踏んだ建物と同じ扱いは受けません。
Q4都市計画法54条の許可申請はどこに出す?
都道府県知事等(指定都市・中核市等では当該市の長)に対し、53条1項の許可申請として提出します。実務の窓口は自治体の都市計画課で、事前相談を経て正式申請する運用が一般的です。
Q5不許可になったら買い取ってもらえる?
都市計画法56条は、施行予定者が定められた都市計画施設の区域等で不許可となった土地について、土地所有者が買取りを申し出る制度を置いています。要件が限定されるため条文の確認が必要です。
Q6都市計画道路が廃止されることはある?
あります。長期未着手路線について自治体が「都市計画道路の見直し」を行い、廃止されれば建築制限も消えます。自分の路線が見直し対象かは都市計画課に確認できます。
Q7事業認可が下りた後も54条で建てられる?
認可後は事業地内の制限が都市計画法65条の世界に移り、基準が一段厳しくなります。54条三号の枠で建てられるのは、原則として事業認可前の段階です。
Q8都市計画道路予定地は相続税で安くなる?
財産評価基本通達24-7により、都市計画道路予定地の区域内にある宅地には減額補正が用意されています。建てられない不自由さが、相続時に評価減という形で一部戻ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所で「都市計画道路の予定地だから三階建ては無理」と言われました。本当に無理なんですか?
三階建てが通らないのは事実ですが、根拠は担当者の判断ではなく54条三号の要件です。階数二以下、地階なし、木造等で容易に移転除却できること、これを満たせば知事は許可しなければなりません。実務のポイント:窓口の口頭説明は処分ではないので争えません。納得できないなら書面で申請して不許可処分を取りに行く。処分がない限り、審査請求も訴訟も土俵に上がれない
Q2予定地のまま何十年も工事が始まりません。その間の損は補償されないんですか?
建築制限それ自体への損失補償制度は原則ありません。最高裁も、都市計画決定に基づく建築制限は受忍すべき範囲内と判断しています(最判平成17年11月1日)。補償が問題になるのは、事業が動いて用地買収や収用の段階に入ってからです。実務のポイント:制限が長期化した路線は、自治体が「都市計画道路の見直し」を進めている場合がある。廃止されれば制限も消えるのに、自分の路線が見直し対象かを都市計画課に確かめる人はほとんどいない
Q3木造の二階建てにすれば、必ず許可されるんですか?
三号は階数と構造だけでなく、容易に移転し、または除却できると認められることも要求します。基礎の構造や規模によっては、木造二階建てでも容易な除却が難しいと見られる余地があり、実務上、解釈が分かれている部分です。実務のポイント:自治体が許可の取扱要領を公表していることが多く、基礎の仕様まで書かれている場合がある。設計前にそれを入手できるかどうかで、差し戻しの回数が変わる
Q4「立体的な範囲」って何ですか。地下に道路が通る土地でも建てられるということ?
11条3項により、都市施設を整備する立体的な範囲が定められている場合があり、その範囲外での建築で、施設整備に著しい支障がないと認められれば54条二号で許可されます。範囲が道路の空間について定められているときは、政令が定める安全上・防火上・衛生上の条件付きです。実務のポイント:立体道路制度が使える路線かどうかで、同じ予定地でも建てられる規模がまるで違う。二号が使える土地は希少で、不動産の売り文句にすらなっていない
間違えやすい点 AI による整理
- 「どうすれば知事に許可してもらえるか」と考える人が多いが、問いの立て方そのものが誤っている。54条は許可を「しなければならない」と定めた羈束規定(役所に選択の余地がない規定)であり、頼み込む余地も心証を良くする余地もない。正しい問いは「自分の計画を三号の要件に収められるか」。相手を説得する問題ではなく、設計を要件に合わせる問題である
- 都市計画道路の予定地では建て替えに制限がかかる、そこまでは広く知られている。知られていないのは、その制限が何十年も続きうるうえ、制限それ自体には原則として損失補償が用意されていないという点である。最高裁も、都市計画決定に基づく建築制限は受忍すべき範囲内と判断している(最判平成17年11月1日)。事業がいつ始まるか分からないまま、二階建てしか建てられない状態が続く
- 所有者から見れば「自分の土地に自分の家を建てるだけ」だが、法律から見れば「将来の公共施設の予定地に、移転・除却できる仮の建物を置くことを条件付きで認める」行為である。この落差を理解しないまま鉄筋コンクリートで設計すると、申請は中身を審査される前に、要件の入口で落ちる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 54条:許可をしなければならない基準(羈束) | 53条:都市計画施設の区域内の建築を許可制にする根拠 65条:事業認可後の事業地内における建築等の制限 |
| 適用される時期 | 都市計画決定後、事業認可前の段階 | 都市計画決定後、事業認可前の段階 事業認可・承認の告示後 |
| 許可権者の裁量 | 各号該当なら裁量ゼロ(許可義務) | 許可制そのものを定めるにとどまる 施行者の意見聴取等を経た、より厳格な判断 |
| 所有者側の救済 | 要件充足による確実な建築(補償ではなく予測可能性) | 不許可処分に対する審査請求・取消訴訟・義務付け訴訟 事業段階での用地買収・損失補償・収用手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公共施設保留地について、取得前の期間に限り臨時建築使用を許可する枠組みを置く。簡易構造に限定して使用を認める点で日本の54条三号と発想が近い
韓国は都市・郡計画施設の敷地における開発行為を原則制限しつつ、仮設建築物等について例外を認める構造をとる。許可義務の明文化の度合いは日本と異なる
ドイツは計画策定中の区域について期間を限定した変更禁止を課し、期間超過時に補償の可能性を認める。期間制限と補償をセットにする点が、期間制限のない日本の建築制限と対照的
米国では将来道路予定地への建築制限が regulatory taking(規制的収用)として補償を要するかが争われてきた。制限の長期化を正面から違憲問題として扱う点が日本の受忍限度論と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、来月着工予定の建て替えが「ここは都市計画道路の予定地です」の一言で止まったら? 融資実行日も仮住まいの契約も動かせない。残された道は、三号の枠(階数二以下・地階なし・木造等)に設計を落とし込んで再申請すること。ここで「行政と交渉して何とかする」と考えた人は、数か月を失う
- 親の家が都市計画道路にかかっている。相続前に建て替えるか、そのまま持ち続けるか。その判断は、54条三号を読んでから下す
- あなたが許可を取らずに増築してしまった側だとしたら。81条の監督処分(役所があなたに直接下す是正命令)の対象になり、将来事業が動いたときの補償交渉でも不利に働く。無許可で建てたものは、正規の手続を踏んだ建物と同じ扱いを受けない
- 中古住宅の重要事項説明書に「都市計画道路予定地」の一行を見つけた。仲介業者は「着工なんてまだ何十年も先ですよ」と言う。だが将来の建て替えは原則として木造二階建てまで。その制約が売値に反映されているかを、その場で問い返す材料が54条三号である
- 地権者に賃貸アパートを提案する不動産会社。都市計画施設の区域内の土地に鉄筋コンクリート三階建てを設計した時点で、その企画は法律上通らない。木造二階建てに落とせば通る。企画の初期段階で54条を見るかどうかで、提案の生死が決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自治体の都市計画課または公開マップで、対象地が都市計画施設の区域か、事業認可の前か後かを特定する(認可後は65条の世界に変わり、基準が一段厳しくなる) 2. 設計を54条三号の枠、階数二以下・地階なし・主要構造部が木造や鉄骨造等に収められるか設計士と検討する3. 事前相談の口頭の「難しい」で引き下がらず、書面で申請して処分をもらう4. 不許可なら理由の記載を確認し、審査請求または取消訴訟に申請型義務付け訴訟を併合する
訴えられた側:1. 自分の建築が53条の許可対象だったか、適用除外に当たらないかをまず洗う2. 是正命令(81条)の手続では、弁明や聴聞の場で三号要件への適合や現況を具体的な図面と写真で示す3. 事後の設計変更で要件を満たせるなら、除却ではなく改修で収まる余地がある4. 命令違反には罰則があるため、争う場合も行政手続と法的手続を並行して進める(具体的な条番号と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):許可申請そのものに法定の期限はない。だが不許可処分を争う期限は厳格で、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。いずれも処分の日から1年を過ぎると原則として打ち切られる
学説
通説:54条は53条の許可制に対する羈束的な許可義務を定めたものであり、各号該当性が認められれば行政庁は公益裁量を理由に拒否できない。所有者の受ける制限の代償は、損失補償ではなく「要件を満たせば必ず建てられる」という予測可能性によって与えられていると説明される。
実務上の争点:三号の「容易に移転し、又は除却することができる」の判断基準は条文上明示されておらず、基礎の構造や規模をどこまで考慮するかについて自治体の取扱いに幅がある。多くの自治体が許可取扱要領で具体化しており、その内容が実質的な判断基準として機能している。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:現行都市計画法の制定に伴い、53条の建築許可制度とあわせて、許可をしなければならない場合の基準として本条が置かれた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。