都市計画法 第55条(許可の基準の特例等)
クイックジャンプ
- 都道府県知事等は、都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。)の施行区域(次条及び第五十七条において「事業予定地」という。)内において行われる建築物の建築については、前条の規定にかかわらず、第五十三条第一項の許可をしないことができる。ただし、次条第二項の規定により買い取らない旨の通知があつた土地における建築物の建築については、この限りでない。
- 2.都市計画事業を施行しようとする者その他政令で定める者は、都道府県知事等に対し、前項の規定による土地の指定をすべきこと又は次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方として定めるべきことを申し出ることができる。
- 3.都道府県知事等は、前項の規定により土地の指定をすべきことを申し出た者を次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方として定めることができる。
- 4.都道府県知事等は、第一項の規定による土地の指定をするとき、又は第二項の規定による申出に基づき、若しくは前項の規定により、次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方を定めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
この条文の基本情報
許可の基準の特例等とは何ですか?
定義許可の基準の特例等とは、都市計画法第55条に定められた規定で、「都道府県知事等は、都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第55条(許可の基準の特例等)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第55条の条文原文は「都道府県知事等は、都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。」で始まります。
- 都市計画法第55条は第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第55条の前の条は都市計画法第54条です。
- 都市計画法第55条の次の条は都市計画法第56条です。
- 都市計画法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第55条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/55
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法55条は、事業予定地内の建築について、54条の基準を満たしていても知事等が53条の許可をしないことができると定める。買い取らない旨の通知があった土地は除かれる。
Q · 都市計画道路の予定地に家は建てられないって本当ですか?
原則は建てられる。55条の指定と公告が入ると不許可になりうる
都市計画施設の区域内でも、53条の許可を受け、54条の基準(階数2以下、地階なし、容易に移転除却できる構造)を満たせば建築は許可されるのが原則です。これに対し都市計画法55条1項は、都道府県知事等が事業予定地に指定した区域については、54条の基準を満たしていても許可をしないことができると定めます。ただし56条2項により買い取らない旨の通知があった土地は除かれ、4項により指定と相手方の決定は公告されます。
解説
都市計画道路の線がかかった土地でも、階数二以下・地階なし・容易に移転除却できる木造なら、53条の許可は下りる。それが54条の世界である。ところが知事がその土地を55条1項で「事業予定地」に指定した瞬間、54条の基準を満たしていても許可を出さないことができる。あなたの土地は、法律上ほぼ建築禁止地に変わる。ただし、ここには交換条件が仕込まれている。指定された土地の所有者は56条1項で「買い取ってくれ」と申し出ることができ、相手方が買い取らない旨を通知してきたら、55条1項ただし書によって不許可の権限そのものが消える。つまり54条の建物は建てられる。指定の公告を見て建て替えを諦めるか、買取りを申し出て相手を二択に追い込むか。あなたの手元には二本の道がある。
法的な位置づけ
都市計画法55条は、都市計画施設の区域内で都道府県知事等が指定した土地の区域および市街地開発事業(土地区画整理事業・新都市基盤整備事業を除く)の施行区域を「事業予定地」と位置づけ、その区域内の建築物の建築について、54条の許可基準にかかわらず53条1項の許可を拒否しうる権限を定める規定である。指定および買取り申出等の相手方の決定は、国土交通省令の定めるところにより公告される。
よくある質問 AI による整理
Q1事業予定地とは何ですか?
都市計画法55条1項で都道府県知事等が指定した都市計画施設の区域内の土地の区域と、市街地開発事業の施行区域を指します。ただし土地区画整理事業と新都市基盤整備事業の施行区域は除かれます。
Q2土地区画整理事業の区域も事業予定地になりますか?
なりません。55条1項は括弧書きで土地区画整理事業と新都市基盤整備事業を明示的に除いています。土地区画整理事業の区域内の建築行為制限は、土地区画整理法76条が別に定めています。
Q3都市計画法53条・54条・55条の関係は?
53条が区域内の建築に許可を要求する原則、54条が許可しなければならない基準、55条がその54条を排して不許可にできる特例です。53条で門を作り、54条で通用口を開け、55条で鍵をかける構造です。
Q4事業予定地の指定に期限はありますか?
55条自体に指定の有効期間の定めはありません。事業認可に至らないまま長期間継続する例もあり、所有者側の時間的な出口は56条1項の買取り申出に事実上委ねられています。
Q5買い取らない旨の通知が出るとどうなりますか?
55条1項ただし書が働き、その土地の建築物の建築については知事等の不許可権限が及ばなくなります。54条の基準を満たす建物であれば53条の許可を得られる状態に戻ります。
Q6事業を施行する側から指定を申し出られますか?
できます。55条2項が、都市計画事業を施行しようとする者その他政令で定める者に、知事等へ指定すべきことや買取り申出等の相手方に定めるべきことを申し出る権限を与えています。
Q755条4項の公告は何のためにありますか?
指定や相手方の決定を外部から確認できるようにし、所有者や取引の相手方への不意打ちを防ぐためです。公告の有無は、不許可の可能性と57条2項の届出義務を判断する起点になります。
Q8長期間建築できない場合、補償はもらえますか?
最高裁は都市計画道路区域内の長期にわたる建築制限について損失補償の請求を認めませんでした(最判平成17年11月1日)。ただし補足意見は長期化の問題を指摘し、実務上の議論は続いています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1都市計画道路の予定地だと聞いたんですけど、家って建て替えられないんですか?
原則は建て替えられる。53条の許可を取り、54条の基準(階数2以下、地階なし、容易に移転除却できる構造)を満たせば許可される。ほぼ建てられなくなるのは、知事が55条1項で事業予定地に指定し4項の公告をした後だ。実務のポイント:指定の有無は市町村の都市計画課でその日に分かる。仲介業者の説明は「予定地です」で止まることが多く、指定まで踏み込まない。指定がないなら計画は生きている
Q2役所が買い取ってくれるって本当ですか?いくらで?
55条1項の指定地なら56条1項で買取りの申出ができ、買い取る者が定められれば時価で買い取られる。ただし相手方は56条2項で買い取らない旨を通知でき、その通知が出れば55条1項ただし書で不許可の権限が働かなくなる。実務のポイント:買取り申出は「売りたい」の意思表示ではなく、相手に二択を強制する手続として使える。建てたい側がわざと申出をして、買わない旨の通知を取りに行く実務もある
Q3指定されている土地を売るとき、何か届出がいるんですか?
55条4項の公告があった事業予定地内の土地を有償で譲り渡すなら、57条2項本文により予定対価の額や相手方を書面で届け出る義務がある。届出後30日間は譲渡できず、その間に行政側が先買いできる。実務のポイント:この30日を知らずに決済日を組むと契約違反の危機になる。売却を決めた時点で先に届出を出せば、買主探しと30日が並走して日程が崩れない
間違えやすい点 AI による整理
- 都市計画道路の予定地は一切建てられない、と思われている。原則は逆である。53条の許可と54条の基準を満たす建物なら許可されるのが原則で、ほぼ全面禁止に近づくのは55条1項の指定と4項の公告があってからだ。公告を調べずに建て替えを諦めるのは、自分から権利を捨てているに等しい
- 建てられなくなること自体は知られているが、その状態が何十年も続きうる深刻さは知られていない。都市計画決定から数十年放置された土地は全国にあり、最高裁は都市計画道路区域内の長期の建築制限について損失補償の請求を認めなかった(最判平成17.11.1。ただし補足意見は長期化の問題を指摘し、実務上も議論が続いている)。待たされる時間そのものが損失であり、56条の買取り申出はそれを止める合法的な催促になる
- 「不許可にされたらどう戦うか」という問いの立て方そのものがずれている。この局面で最も効くのは不許可処分と争うことではなく、56条1項の買取り申出で相手に判断を強制することだ。買い取らない旨の通知が出れば、ただし書で不許可の根拠が消える。争う前に、相手に選ばせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制限がかかる段階 | 55条:事業認可より前の事業予定地の指定段階 | 54条:53条の許可審査の段階(許可すべき基準) 65条:事業認可・承認の告示後の事業地 |
| 許可の可否 | 54条の基準を満たしても不許可にできる(1項) | 基準を満たせば許可しなければならない 土地の形質変更・建築物の建築等に知事等の許可が必要 |
| 所有者側の出口 | 56条1項の買取り申出。買い取らない旨の通知で制限が外れる | 基準適合の建物を設計し直して許可を取る 事業段階のため収用・補償の手続に移行する |
| 譲渡時の規律 | 4項の公告後は57条2項の有償譲渡の届出義務が生じる | 譲渡についての特別の届出義務はない 事業地は収用手続の対象として別途規律される |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は公共設施保留地について使用制限を課しつつ、徵收・區段徵收・市地重劃等の取得方法を定める。保留期間の長期化が争点化してきた点は日本の55条をめぐる議論と重なる
韓国は都市計画施設敷地内の開発行為を制限する一方、一定期間事業が実施されない場合の매수청구(買取請求)を明文で用意し、さらに長期未執行施設の失効制度を設けている点で日本より出口が制度化されている
ドイツは Veränderungssperre に原則2年、延長を含め最長4年という期間制限を置き、公共用途に指定された土地の所有者に買取請求権を認める。期間の上限が明文化されている点が日本の55条との最大の違い
フランスは都市計画図で emplacement réservé(予約用地)を定め、所有者側に droit de délaissement として自治体へ買取りを催告する権利を与える。催告後一定期間内に取得されなければ用地指定の効力が失われる
米国では将来道路予定地の建築制限を州法の official map 制度で行うが、補償なしの長期制限は regulatory taking として争われる。Penn Central 基準により経済的影響・投資期待・行政行為の性質を総合考慮する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築50年の実家を建て替えようと設計事務所に相談したら「都市計画道路の予定地で55条の指定が入っている」と言われたら、どうなる? 54条の基準を満たす木造二階建てでも不許可になりうる。だが同時に56条の買取り申出という窓が開く。設計をやり直す前に、指定の公告日と買取りの相手方が誰かを都市計画課で確認する
- 相続した土地の売買契約を結び、決済まであと3週間。そこで事業予定地であることが判明した。55条4項の公告後の土地を有償で譲るなら57条2項の届出が必要で、届出から30日間は譲渡できない。決済日を先に決めてしまうと日程が崩れる。今夜のうちに公告の有無を調べる必要がある
- あなたが事業を施行しようとする側で、将来の用地を押さえたい立場だとする。55条2項は、その者に「指定してくれ」と知事へ申し出る権限を与えている。買収の前に建物が建ってしまう事態を法的に止める入口が、ここにある。
- 近所の土地が更地のまま30年放置されている。持ち主が怠けているのではなく、予定地指定で建築が事実上封じられている可能性がある。友人が同じ地域で土地を買おうとしていたら「55条の指定と公告は調べたか」と一言聞ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の都市計画課で、対象地が55条1項の指定地か、指定の公告日と56条の買取り申出の相手方が誰かを確認する2. 53条の許可申請を正式に出し、不許可なら理由と根拠条項を書面で受け取る3. 並行して56条1項の買取り申出を提出、相手が買い取らない旨を通知すれば55条1項ただし書で不許可の根拠が消える4. 処分自体を争うなら、審査請求または取消訴訟の期間内に動く
訴えられた側:無許可で着工したと指摘された側なら、まず53条の許可が必要な行為か(政令で定める軽易な行為に当たらないか)を確認し、是正命令が出る前に許可申請で追認を図る。事業を施行しようとする立場で用地を確保したいなら、55条2項で知事へ指定と相手方指定を申し出て、4項の公告を経て57条の先買いルートに乗せる。公告前は制限も先買権も働かないので、公告完了までが勝負になる
時効(請求できる期限):55条自体に期間の定めはない。効いてくるのは周辺の期限である。不許可処分に不服なら審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は6か月(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。57条2項の届出をした土地は、届出日から30日を経過するまで有償譲渡できない(買い取らない旨の通知がある場合等を除く)
学説
通説(受忍限度論):都市計画に基づく建築制限は公共の利益のための一般的制約であり、原則として損失補償を要しないと解する。55条の指定による制限も、56条の買取り申出と55条1項ただし書による解除の仕組みがあることで、負担の一方性が緩和されていると評価される
有力説(長期制限批判):事業認可に至らないまま数十年にわたり制限が続く事例に対し、受忍限度を超える特別の犠牲に当たりうるとして補償または期間制限の立法的手当を求める立場。最判平成17年の補足意見に連なる議論として実務上も参照される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.大正8年(1919年) 新設:旧都市計画法が制定され、都市計画区域内の建築行為に対する制限の枠組みが初めて法制化された
- 2.昭和43年(1968年) 改正:旧都市計画法を全部改正して現行都市計画法(昭和43年法律第100号)が成立。53条の許可制、54条の許可基準、55条の事業予定地指定、56条の買取り申出、57条の届出・先買いという一連の仕組みが現在の形に整えられた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。